クナイトラ県で自由シリア軍南部戦線とヌスラ戦線が対立(2015年6月8日)

クナイトラ県では、自由シリア軍南部戦線第1軍などからなる「真理の嵐作戦司令室」が声明を出し、県内でシャームの民のヌスラ戦線の襲撃を受けたと発表、同戦線に対して襲撃を行った戦闘員の引き渡しを求めた。

「真理の嵐作戦司令室」は、自由シリア軍南部戦線第1軍、サイフ・シャーム作戦司令室、ファーティヒーン作戦司令室、アンサール・イスラーム戦線からなる合同組織。

クッルナー・シュラカー(6月9日付)が伝えた。

AFP, June 9, 2015、AP, June 9, 2015、ARA News, June 9, 2015、Champress, June 9, 2015、al-Hayat, June 10, 2015、Iraqi News, June 9, 2015、Kull-na Shuraka’, June 9, 2015、al-Mada Press, June 9, 2015、Naharnet, June 9, 2015、NNA, June 9, 2015、Reuters, June 9, 2015、SANA, June 9, 2015、UPI, June 9, 2015などをもとに作成。

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G7サミット:「アサド大統領退陣と反体制派による連立政府樹立をもたらすような「政治的取引の機会」が高まっている(2015年6月8日)

ロイター通信(6月8日付)は、ドイツのエルマウで開催されていたG7サミット(6月7~8日)において、各国首脳が、シリア情勢の変化を受け、アサド大統領退陣と反体制派による連立政府樹立をもたらすような「政治的取引の機会」が高まっているとの見方を示したと報じた。

ある高官筋は、事態打開の突破口は開けていないとしつつも、イドリブ県、ダルアー県での最近のシリア軍の後退を受け、「こうした状況は、政治的な取引のチャンスになるかもしれない。我々はロシアがそうすることを必要としている」と述べるとともに、アサド大統領の退陣が移行期にいたる唯一の道であることを強調したという。

また別の消息筋は、シリア情勢に変化が生じつつあることを感じているの指摘したが、その詳細については明らかにしなかったという。

AFP, June 9, 2015、AP, June 9, 2015、ARA News, June 9, 2015、Champress, June 9, 2015、al-Hayat, June 10, 2015、Iraqi News, June 9, 2015、Kull-na Shuraka’, June 9, 2015、al-Mada Press, June 9, 2015、Naharnet, June 9, 2015、NNA, June 9, 2015、Reuters, June 9, 2015、SANA, June 9, 2015、UPI, June 9, 2015などをもとに作成。

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最新論考「シリア:連合軍がアル=カーイダと共闘」(中東かわら版)

髙岡豊「シリア:連合軍がアル=カーイダと共闘」

中東かわら版、No.33、2015年6月8日

6月に入ると、「イスラーム国」がアレッポ県北部で攻勢に出て、アレッポ市北郊の集落スーラーンを制圧した。この集落は、トルコとの国境通過地点であるバーブ・サラーム、トルコとアレッポとを結ぶ幹線道路上の都市アアザーズにほど近い要衝である。同地を「イスラーム国」が占拠することにより、アレッポ市の一部を占拠する反体制派は、東、南、西から政府軍に包囲され、北からの補給路を「イスラーム国」によって断たれるという苦境に陥ることになる。反体制派は、政府軍が「イスラーム国」の攻勢に先立ってスーラーン付近で「ヌスラ戦線」などを爆撃したことを、「イスラーム国」に対する支援であると非難した。・・・

ハルキー首相は人民議会での施政方針演説で、最前線で戦う兵士の給与引き上げを約束(2015年6月8日)

ワーイル・ハルキー首相は、7日に開会した人民議会通常会(第1期(=第10回)人民議会通常会)で施政方針を行い、最前線で戦う兵卒への月収を7月から10,000シリア・ポンド(37米ドル)に引き上げる方針であると述べた。

ロイター通信(6月8日付)、SANA(6月8日付)がが伝えた。

なおロイター通信の推計によると、シリア軍とともに戦う武装集団(国防隊)などの戦闘員の月収は1万4,000~3万シリア・ポンド、またシリア軍士官の月収は4万5,000ポンド以上で、公務員の平均月収は2万3,000~2万5,000ポンドだという。

SANA, June 8, 2015
SANA, June 8, 2015

 

AFP, June 8, 2015、AP, June 8, 2015、ARA News, June 8, 2015、Champress, June 8, 2015、al-Hayat, June 9, 2015、Iraqi News, June 8, 2015、Kull-na Shuraka’, June 8, 2015、al-Mada Press, June 8, 2015、Naharnet, June 8, 2015、NNA, June 8, 2015、Reuters, June 8, 2015、SANA, June 8, 2015、UPI, June 8, 2015などをもとに作成。

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シリア政府が高濃縮ウラン用原子炉を低濃縮用に改良するための支援をIAEAに要請(2015年6月8日)

ロイター通信(6月8日付)は、シリア政府が、IAEA(国際原子力機関)に対して、首都ダマスカス近郊にある核関連施設(原子炉)を、核兵器としての使用が困難な低濃縮ウラン(LEU)用原子炉に改良するための支援要請を行い、天野之弥事務局長がこの要請を検討していると記者団に述べたと伝えた。

シリア政府が改良に向けた支援を要請した原子炉は、高濃縮ウラン(HEU)用原子炉だという。

ロイター通信(6月8日付)などが伝えた。

AFP, June 8, 2015、AP, June 8, 2015、ARA News, June 8, 2015、Champress, June 8, 2015、al-Hayat, June 9, 2015、Iraqi News, June 8, 2015、Kull-na Shuraka’, June 8, 2015、al-Mada Press, June 8, 2015、Naharnet, June 8, 2015、NNA, June 8, 2015、Reuters, June 8, 2015、SANA, June 8, 2015、UPI, June 8, 2015などをもとに作成。

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ヨルダン国境警備隊がシリアからの潜入を試みた2人を殺害(2015年6月8日)

ヨルダン軍高官筋によると、7日晩から8日にかけて、シリア領内からヨルダン領内に潜入しようとした2人とヨルダン国境警備隊が交戦し、殺害した。

殺害した2人の国籍は明らかにされなかった。

『ハヤート』(6月9日付)が伝えた。

AFP, June 8, 2015、AP, June 8, 2015、ARA News, June 8, 2015、Champress, June 8, 2015、al-Hayat, June 9, 2015、Iraqi News, June 8, 2015、Kull-na Shuraka’, June 8, 2015、al-Mada Press, June 8, 2015、Naharnet, June 8, 2015、NNA, June 8, 2015、Reuters, June 8, 2015、SANA, June 8, 2015、UPI, June 8, 2015などをもとに作成。

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シリア軍がアル=カーイダ系のヌスラ戦線などからなるファトフ戦線支配下のイドリブ県一帯を激しく爆撃し、女性子供ら50人以上が死亡(2015年6月8日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がジスル・シュグール市郊外のジャーヌーディーヤ町を空爆し、子供6人、女性4人を含む49人が死亡、また多数の住民がジスル・シュグール市に避難した。

シリア軍はまた、フライカ村近郊で、アル=カーイダ系のシャームの民のヌスラ戦線などからなるファトフ軍と交戦したほか、サラーキブ市、サルキーン市、タフタナーズ市を「樽爆弾」で空爆し、少なくとも10人が死亡した。

一方、SANA(6月8日付)によると、マルジュ村、バシュラムーン村、アリーハー市、ラッジュ村、バシーリーヤ村、マアッラータ村、バズィート村、ウンム・ジャッリーン村、マジャース村、ブワイティー村、タラブ村、トゥルア村、ナビー・アイユーブ高地山頂、アウラム・ジャウズ村、カフルズィーター市、クファイル村、アイン・バーリダ村をシリア軍が空爆し、シャームの民のヌスラ戦線などからなるファトフ軍の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市タッル・ザラーズィール地区をシリア軍が空爆し、子供1人、女性2人を含む4人が死亡した。

また、アレッポ市カルム・タッラーブ地区、バーシュカウィー村一帯で、シリア軍、国防隊、ヒズブッラー戦闘員がシャームの民のヌスラ戦線などジハード主義武装集団と交戦した。

このほか、シリア軍は、タッル・リフアト市、さらにはヌスラ戦線などジハード主義武装集団がダーイシュ(イスラーム国)と交戦するマーリア市、ハルバル村一帯を「樽爆弾」で空爆した。

一方、SANA(6月8日付)によると、アレッポ市ライラムーン地区、バニー・ザイド地区、シャッアール地区、サラーフッディーン地区、ワディーヒー地区、バーブ・ハディード地区、カーディー・アスカル地区、ブスターン・バーシャー地区、フルワーニーヤ地区、カブターン・ジャバル村、アターリブ市、ダーラト・イッザ市で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またダーイシュとヌスラ戦線などの交戦が続くアアザーズ市、マーリア市、アンダーン一帯に対しても、シリア軍が空爆を行い、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、タルビーサ市東部のユフーン・フサイン村一帯を「樽爆弾」で空爆した。

一方、SANA(6月8日付)によると、カフルラーハー市、サアン村、ザアフラーナ村、ダイル・フール村、ラスタン市、ワーディー・カフフで、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、SANA(6月8日付)によると、アンタル丘、ナーフタ町、東ムライハ町、フラーク市、東ガーリヤ村・東カラク村間街道、アトマーン村、サイダー町、ダルアー市各所で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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クナイトラ県では、SANA(6月8日付)によると、マスハラ丘で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、フルカーン旅団、シャーム自由人イスラーム運動の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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スワイダー県では、SANA(6月8日付)によると、ズィービーン町、スマード村で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ラタキア県では、SANA(6月8日付)によると、トゥウーマ村、ブーズ・ヒルバ村、アックー村をシリア軍が空爆し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス郊外県では、SANA(6月8日付)によると、シリア軍がレバノンのレジスタンス(ヒズブッラー戦闘員)の支援を受け、ジャラージール無人地帯のクルナト・シュウバト・シャラフ、ワーディー・ハシーア一帯でシャームの民のヌスラ戦線と交戦し、同地を制圧した。

シリア軍はまた、アイン・ブスターン村、ハーン・シャイフ・キャンプ一帯、マガッル・ミール市、バイト・ジン村で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

また、マナール・チャンネル(6月8日付)は、ヒズブッラー戦闘員がカラムーン地方のフライタ村無人地帯とベカーア県バアルベック郡アルサール地方を結ぶ丘陵地帯(トゥルクマーン高地、クサイル高地、アクバト・クサイラ高地、スィーリー高地、ハリーカ高地、タニーン高地)で、シャームの民のヌスラ戦線を掃討、同地を制圧したと伝えた。

一方、ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ザバダーニー市各所をシリア軍が空爆する一方、カラムーン地方の対レバノン国境地帯でヒズブッラー戦闘員とシリア軍による反体制武装集団の掃討が続けられた。

またドゥーマー市近郊のワーフィディーン難民キャンプで女性1人が狙撃され、死亡した。

さらに、クッルナー・シュラカー(6月8日付)は、ダマスカス郊外県東グータ地方で活動するアサーワ・ワ・タンミヤ戦線の幹部3人が、脱会を宣言し、事実上崩壊したと伝えた。

「すべての権限が1人によって独占され…、大衆基盤が失われた」ことが脱会の理由だという。

AFP, June 8, 2015、AP, June 8, 2015、ARA News, June 8, 2015、Champress, June 8, 2015、al-Hayat, June 9, 2015、Iraqi News, June 8, 2015、Kull-na Shuraka’, June 8, 2015、al-Mada Press, June 8, 2015、Naharnet, June 8, 2015、NNA, June 8, 2015、Reuters, June 8, 2015、SANA, June 8, 2015、UPI, June 8, 2015などをもとに作成。

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ラッカ県の対トルコ国境に位置するタッル・アブヤド市一帯でYPGと有志連合がダーイシュ(イスラーム国)に攻勢(2015年6月8日)

ラッカ県では、シリア人権監視団によると、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のユーフラテスの火山合同作戦司令室が7日深夜、タッル・アブヤド市郊外スルーク町近郊のアーリヤ村一帯で、有志連合が空爆を行うなかでダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、チェチェン人戦闘員1人、アラブ湾岸諸国出身の戦闘員2人を含む14人が死亡した。

この戦闘でユーフラテスの火山合同作戦司令室はアーリヤ村を制圧した。

これに関連して、ARA News(6月8日付)は、タッル・アブヤド市の複数の地元筋の話として、同市郊外のムンバティフ村に駐留していたダーイシュ(イスラーム国)のメンバー多数が7日に離反し、トルコに逃走したと伝えた。

また、ARA News(6月9日付)によると、人民保護部隊はタッル・アブヤド市郊外のハフシャー村を制圧した。

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ヒムス県では、マサール・プレス(6月8日付)によると、フナイフィース村でダーイシュ(イスラーム国)がシリア軍部隊を要撃し、兵士8人を殺害した。

これに対してシリア軍は、同地を「樽爆弾」などで空爆し、民間人1人が死亡したほか、シャーイル山(ハマー県)西部一帯、ジャズル・ガス採掘所地帯、ウンム・シャルシューフ村西部、ハラーリーヤ村南部などでダーイシュと交戦した。

一方、SANA(6月8日付)によると、シャンダーヒーヤ村、ジャッバーブ村、ハナーヒジュ村、西サラーム村、ラスム・サワーナ村、スルターニーヤ村、ムシャイリファ村をシリア軍が空爆し、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、アイン・ズィクル村一帯で、ダーイシュ(イスラーム国)に忠誠を誓うヤルムーク殉教者旅団が反体制武装集団と交戦した。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダイル・ザウル市ジュバイラ地区、ハリータ村のダーイシュ(イスラーム国)拠点などをシリア軍が空爆、女性1人と子供1人を含む3人が死亡した。

一方、SANA(6月8日付)によると、ダイル・ザウル市ハウィージャ地区、工業地区、ラサーファ地区、ジュマイラ地区で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス郊外県では、SANA(6月8日付)によると、ドゥマイル市北東部のマンクーラ地区、カサーラ・バフル地区で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、SANA(6月8日付)によると、アレッポ市東部の航空士官学校一帯で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハサカ県では、SANA(6月8日付)によると、ハサカ市南西部のアブヤド地区、スーダー村、アブド村、タッル・バールード村で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, June 8, 2015、AP, June 8, 2015、ARA News, June 8, 2015、June 9, 2015、Champress, June 8, 2015、al-Hayat, June 9, 2015、Iraqi News, June 8, 2015、Kull-na Shuraka’, June 8, 2015、al-Mada Press, June 8, 2015、Masar Press Agency, June 8, 2015、Naharnet, June 8, 2015、NNA, June 8, 2015、Reuters, June 8, 2015、SANA, June 8, 2015、UPI, June 8, 2015などをもとに作成。

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シリア反体制派代表の「第2回カイロ会議」が開幕するも国旗掲揚をめぐって早くも対立、またアサド政権退陣は採択予定の行程表には盛り込まれない見込み(2015年6月8日)

シリアの紛争解決、アサド政権との和平交渉に向けた反体制派の代表の会議「第2回カイロ大会」がカイロのホテルで開幕した。

初日の開会会合には、シリア革命反体制勢力国民連立元議長のアフマド・ウワイヤーン・ジャルバー氏(個人資格で参加)、民主的変革諸勢力国民調整委員会のハサン・アブドゥルアズィーム代表、ジャマール・スライマーン氏(ムハンマド・サルマーン元情報大臣が率いる国民民主潮流に近い活動家)、「カフム」代表のハイサム・マンナーア氏、ジハード・マクディスィー元外務在外今日中者省報道官シリアの反体制派代表約170人、そしてカイロ大会準備委員会メンバーが出席した。

欧米諸国によってかつて「シリア国民の唯一の正統な代表」と認定され、最近ではトルコのイスタンブールを拠点として、アル=カーイダ系組織の軍事的攻勢やテロを「革命家の勝利」として唱導しているシリア革命反体制勢力国民連立(シリア国民連合)は、会議の準備段階でボイコットを表明、参加を見合わせた。

また、主催者であるエジプトのサーミフ・シュクリー外務大臣、アラブ連盟のナビール・アラビー事務総長、アラブ議会連盟のアフマド・ジャルワーン議長、エジプト外務評議会のワヒーブ・ミンヤーウィー代表が参加した。

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『ハヤート』(6月9日付)によると、第2回カイロ大会準備委員会メンバーで、民主的変革諸勢力国民調整委員会のサーリフ・ナバワーニー氏は、大会で審議される文書のなかに、ジュネーブ合意実施の仕組みを定めた「行程表」案が含まれているとしたうえで、また2012年に発表されたシリア国民民主同盟大会声明に基づいて作成された「シリア国民憲章」案の審議がなされ、第2回カイロ大会での承認が得られれば、これが移行期間における新憲法起草などの基本原則となると述べた。

しかし、アラビー・ジャディード(6月8日付)は、大会参加者筋の話として、第2回カイロ大会が「シリアの反体制派はシリアでの政治的解決のためにある」と銘打って、紛争解決に向けた行程表の策定をめざしているが、この行程表には、アサド政権の退陣については盛り込まれず、これについてはシリア政府との交渉のテーブルで審議されることになる、と伝えた。

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またアラビー・ジャディード(6月8日付)によると、開会式に先立って、会場にシリア国旗が掲揚されていたことに、複数の参加者が抗議し、在外活動家や「自由シリア軍」が使用する「シリア革命の旗」(フランス委任領シリアの旗)を掲揚するよう主張、第2回カイロ大会準備委員会メンバーの一人マイサム・マンナーア氏が一時退場するという一幕もあったという。

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エジプトのシュクリー外務大臣は開会の辞で「テロ組織の脅威に立ち向かい、シリアの国土統合を回復」する必要を強調、その実現は「ジュネーブ合意(2012年)に基づく政治的正常化にいたずしてあり得ない」と述べた。

そのうえで「行政権を完全に享受する移行期統治機関の設置から開始し、同機関がシリア国民から正統性を、そして国際社会の承認を得る」必要があると続けた。

一方、2011年に始まったシリアの紛争については、「代理武力紛争」と化したと指摘、「シリア領はテロリストの温床となり…、宗派主義に囚われている」との見方を示した。

シュクリー外務大臣は「シリアの愛国的な勢力・個人のなかに…エジプトの役割、支援、そしてシリア人の純粋に愛国的な努力を後押しすることを促す動きがあった」と述べる一方、「エジプトはアラブ人民の問題に一度たりとも介入したことないし、これからも介入することはない…。エジプトの人民、そして国家は、政治的解決に至ろうとするあなた方(シリア人)の努力を後押しする」と強調した。

AFP, June 8, 2015、AP, June 8, 2015、ARA News, June 8, 2015、Champress, June 8, 2015、al-Hayat, June 9, 2015、Iraqi News, June 8, 2015、Kull-na Shuraka’, June 8, 2015、al-Mada Press, June 8, 2015、Naharnet, June 8, 2015、NNA, June 8, 2015、Reuters, June 8, 2015、SANA, June 8, 2015、UPI, June 8, 2015などをもとに作成。

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