カタールのジャズィーラ・チャンネルが、アル=カーイダ系組織「ヌスラ戦線」の指導者ジャウラーニー氏の独占インタビューの続きを放映(2015年6月3日)

カタールの衛生テレビ局ジャズィーラ・チャンネルは3日晩のインタビュー番組「ビラー・フドゥード」(無制限)で、27日に引き続き、シャームの民のヌスラ戦線の指導者アブー・ムハンマド・ジャウラーニー氏とされる人物と行った独占インタビュー(https://www.youtube.com/watch?v=a8Kzc7qBgyE)を放映した。

インタビューでのジャウラーニー氏の主な発言は以下の通り:

「イランはペルシャ帝国の栄光を取り戻したいと考えている…。イランは、バッシャール・アサドの時代になって、地域における権威を増した。しかし、メディアで言われているほどにイランはアサドを掌握してはいない…。レバノンのヒズブッラー、イエメンのフースィー派、イラクのラーフィディーン(シーア派)はイランが作り出したものだ」。

「イランはシリアに軍を動員していない…。しかし専門家や武器…そしてシーア派民兵の一部を動員している」。

「アサド政権はきわめて大いなる段階を経て消滅するだろう…。政権は海岸地域には残存するだろうが…」。

「我々は、ムスリム同胞団が現在進めている路線の間違いに気づき、いつか自らの原理に立ち返り、ジハードに回帰し、武器を持つことを願っている…。ムスリム同胞団は逸脱してしまった。イスラームは、我々が議会に進出し、憲法に対して宣誓することを認めていない。救済はジハードによって達成されるのであり、政治的な争いによって達成されることはない」。

「我々は支配することをめざしていはいない。正統なイスラーム的政府がシャームに発足したら、我々はその兵卒となる…」。

「ヌスラ戦線戦闘員に占めるムハージリーン(外国人戦闘員)の割合は約30%だ…。世界各国からやって来た…。ムハージルーンは戦闘の最前線におり、そのいずれもが勇敢だ」。

「米国はアル=カーイダを無人戦闘機では根絶できないだろう」。

「ダーイシュはハワーリジュ派だ…。彼らはイスラーム教徒の血を流し、法的な規則に基づかずにイスラーム教徒に背教宣告を行い、敵に背教宣告を下している…。彼らは我々に背教宣告を下したが、我々はもちろん彼らに対して背教宣告を下していない…。彼らは組織のメンバーを斬首刑、磔刑に処している」。

「ダーイシュは、市場、シーア派の聖地を爆破するなとするザワーヒリー師の命に従わなかった…。私は、アブー・バクル・バグダーディーがアイマン・ザワーヒリー師に忠誠を誓うと名言したので、彼に忠誠を誓った…。ヌスラ戦線とダーイシュの間に意見の相違が生じると、バグダーディーはこの忠誠を退け、誓約を破った」。

「我々と彼らの間には今のところ和解はない。期待されるような和解はない。我々は彼らがアッラーに改悛を求め、正気に戻ることを望んでいる…。我々が彼らに力を与え、彼らが我々を力づけることを望んでいる。もしそうならなければ、我々と彼らの間にあるのは戦いのみだ」。

「アサド政権は、ヌスラ戦線とダーイシュとの間で戦闘が乗じたことで、勢力を盛り返した」。

「ダーイシュは北部の街道、そして南部と北部を結ぶ街道を寸断している。もちろん、彼らは我々とダマスカスの間に立ちはだかっている」。

(ダーイシュ(イスラーム国)が樹立を宣言したカリフ制は)「違法で、ウラマーらによって拒否されている。なぜなら、法(シャリーア)的根拠に基づいて樹立されたのではなく、彼らが一方的に宣言し、人々に押しつけたからだ…。彼らはこの名(カリフ制)を用いることで、ムジャーヒディーンの戦列を分裂させてしまった」。

「国外にいる(シリアの)反体制政治組織は、メディアとホテル以外に居場所はない」。

Youtube, June4, 2015
Youtube, June4, 2015

 

AFP, June 4, 2015、Aljazeera.net, June 4, 2015、AP, June 4, 2015、ARA News, June 4, 2015、Champress, June 4, 2015、al-Hayat, June 5, 2015、Iraqi News, June 4, 2015、Kull-na Shuraka’, June 4, 2015、al-Mada Press, June 4, 2015、Naharnet, June 4, 2015、NNA, June 4, 2015、Reuters, June 4, 2015、SANA, June 4, 2015、UPI, June 4, 2015などをもとに作成。

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国連安保理でシリアの化学兵器廃棄に関する非公開会合が開催(2015年6月3日)

国連安保理で、シリアの化学兵器廃棄に関する非公式会合が開催された。

会合では、化学兵器禁止機関が化学兵器関連施設解体の進捗状況を報告する一方、米国がシリア国内での塩素ガス使用者の特定を求める安保理決議の採択をめざしたが、ロシアの反対によって阻止された。
『ハヤート』(6月5日付)が伝えた。

AFP, June 4, 2015、AP, June 4, 2015、ARA News, June 4, 2015、Champress, June 4, 2015、al-Hayat, June 5, 2015、Iraqi News, June 4, 2015、Kull-na Shuraka’, June 4, 2015、al-Mada Press, June 4, 2015、Naharnet, June 4, 2015、NNA, June 4, 2015、Reuters, June 4, 2015、SANA, June 4, 2015、UPI, June 4, 2015などをもとに作成。

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論考(PDF版公開)「シリア反体制武装勢力の同質性と異質性:アル=カーイダ系組織、ジハード主義者、「穏健な反体制派」(『国際情勢紀要』)

青山弘之「シリア反体制武装勢力の同質性と異質性:アル=カーイダ系組織、ジハード主義者、「穏健な反体制派」
『国際情勢紀要』第85号(http://www.sekaiseikei.or.jp/kokujo2014.pdf)、2015年3月、125~133ページ

Ⅰ はじめに

シリアで紛争が発生してから2015年3月半ばで4年が経とうとしている。「アラブの春」の一環として始まったはずのこの紛争が「独裁政権」対「民主化運動」といったイメージとはほど遠く、混沌と暴力の応酬によって特徴づけられていることは今や周知の事実である。そこでは、シリア軍、国防隊、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊(Yekîneyên Parastina Gel、略称YPG)、反体制武装勢力が入り乱れて戦いを続けるなか、米国が主導する有志連合が、一方でイスラーム国壊滅に向けて空爆を行いつつ、他方でバッシャール・アサド政権退陣をめざして「穏健な反体制派」を支援している。
本論では、現下の武力紛争における主要な当事者のうち、アル=カーイダ系組織、ジハード主義組織、「穏健な反体制派」といった言葉(カテゴリー)で分類されることが多い反体制武装勢力の組織間の関係に着目することで、その異質性と同質性を明らかにする。そのうえで、反体制武装勢力への支援や共鳴が持つ意味を考察する。なお2011年以降のシリア国内情勢の詳細な推移については「シリア・アラブの春顛末記――最新シリア情勢――」(https://syriaarabspring.info/)を参照されたい。・・・

有志連合を指揮するアレン米退役大将「アサド大統領を排除したかたちでシリアでの政治的移行をどのように実現するかについて非常に活発な議論が行われている」(2015年6月3日)

イラクとシリアでイスラーム国(ダーイシュ)殲滅に向けた有志連合を指揮するジョン・アレン米退役大将は、カタールで開催された「アメリカ・イスラーム世界フォーラム」(ブルッキングス研究所)での記者会見で、イラク、シリア情勢について語った。

シリア情勢に関して、アレン退役大将は、トルコ・シリア・イラク間の国境がダーイシュの外国人戦闘員に対する「最後の防衛戦」だと位置づけ、国境警備の必要を強調する一方、3カ国以外の国々も外国人戦闘員の流入を食い止めるための支援を行わねばならないと強調した。

また、シリアの紛争へのいかなる「長期的解決策」においてもアサド大統領が役割を担うべきでないと主張、諸外国とともに、アサド大統領を排除したかたちでシリアでの政治的移行をどのように実現するかについて「非常に活発な議論」が行われていることを明らかにした。

『ハヤート』(6月4日付)が伝えた。


AFP, June 3, 2015、AP, June 3, 2015、ARA News, June 3, 2015、Champress, June 3, 2015、al-Hayat, June , 2015、Iraqi News, June 3, 2015、Kull-na Shuraka’, June 3, 2015、al-Mada Press, June 3, 2015、Naharnet, June 3, 2015、NNA, June 3, 2015、Reuters, June 3, 2015、SANA, June 3, 2015、UPI, June 3, 2015などをもとに作成。

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ヒューマン・ライツ・ウォッチ「シリアからの避難民数百人をヨルダン当局が砂漠地帯に留め置いている」と批判(2015年6月3日)

米国の人権団体ヒューマン・ライツ・ウォッチは声明を出し、シリアから正規の国境通行所を経由せずにヨルダン領内に不法入国しようとするシリア人避難民に対して、ヨルダン当局が厳しい入国規制をかけ、数百人がヨルダン領内の砂漠(シリア砂漠)に留め置かれている、と発表した。

AFP, June 3, 2015、AP, June 3, 2015、ARA News, June 3, 2015、Champress, June 3, 2015、al-Hayat, June , 2015、Iraqi News, June 3, 2015、Kull-na Shuraka’, June 3, 2015、al-Mada Press, June 3, 2015、Naharnet, June 3, 2015、NNA, June 3, 2015、Reuters, June 3, 2015、SANA, June 3, 2015、UPI, June 3, 2015などをもとに作成。

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ヒズブッラーが、ヌスラ戦線カラムーン地区アミールの潜伏していたワーディー・ハイル、ワーディー・アトニーン(アルサール地方)を制圧(2015年6月3日)

マナール・チャンネル(6月3日付)は、ベカーア県バアルベック郡アルサール村郊外の対シリア国境で、シャームの民のヌスラ戦線と交戦、ヌスラ戦線のカラムーン地区司令官(アミール)のアブー・マーリク・タッリー氏らが潜伏していたワーディー・ハイル、ワーディー・アトニーンを制圧した、と伝えた。

Naharnet, June 3, 2015
Naharnet, June 3, 2015

 

AFP, June 3, 2015、AP, June 3, 2015、ARA News, June 3, 2015、Champress, June 3, 2015、al-Hayat, June , 2015、Iraqi News, June 3, 2015、Kull-na Shuraka’, June 3, 2015、al-Mada Press, June 3, 2015、Naharnet, June 3, 2015、NNA, June 3, 2015、Reuters, June 3, 2015、SANA, June 3, 2015、UPI, June 3, 2015などをもとに作成。

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シリア軍がイドリブ県各所を爆撃(2015年6月3日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、カフルサジュナ村をシリア軍が「樽爆弾」で空爆し、女性5人を含む一家8人が死亡した。

一方、SANA(6月3日付)によると、ジスル・シュグール市一帯、アウラム・ジャウズ村、バサーミス村、サルミーン市をシリア軍が空爆し、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

他方、ARA News(6月3日付)は、トルコ赤新月社がイドリブ市郊外に野戦病院を設営したと伝えた。

この野戦病院はベッド50台が「完備」されているという。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市北東部のブライジュ村一帯で、シリア軍、国防隊、ヒズブッラー戦闘員、クドス旅団(パレスチナ人)、イラン人・アフガン人戦闘員が、アル=カーイダ系組織のムハージリーン・ワ・アンサール軍、アンサール・ディーン戦線などと交戦した。

またシリア軍は、タッル・リフアト市各所を「樽爆弾」で空爆し、シリア人権監視団によると、子供8人を含む16人が死亡した(クッルナー・シュラカー(6月3日付)によると死者数は34人)。

さらにシリア軍は、ハーン・トゥーマーン村一帯を砲撃した。

一方、SANA(6月3日付)によると、ティヤーラ村、ワディーヒー村、ナイラブ航空基地周辺、アレッポ市ブスターン・カスル地区、ザフラー協会地区、ジャンドゥール地区、ライラムーン地区で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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一方、ダーイシュが包囲するアレッポ市東部のダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、レバノンとの国境に近いカラムーン地方無人地帯で、シリア軍、国防隊、ヒズブッラー戦闘員がシャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団と交戦、シリア軍が同地一帯を砲撃した。

一方、SANA(6月3日付)によると、バーラー村農場、ダイル・サルマーン町、タッル・クルディー町、リーハーン農場、ドゥーマー市郊外、ナシャービーヤ町、ダイル・アサーフィール市、マハッサ地区で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線、イスラーム軍の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、カフルシャムス町一帯、サイダー町、ヌアイマ村をシリア軍が砲撃、ムライハ市、フラーク市、カラク村、スーラ村などを「樽爆弾」で空爆した。

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ヒムス県では、SANA(6月3日付)によると、タルビーサ市、西サラーム村、ムシャイリファ村、ハッターブ村、ラスタン市郊外、タッル・ザハブ町で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線、ヒムス軍団、ファールーク大隊の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

このほか、クッルナー・シュラカー(6月3日付)によると、ヒムス市ザフラー地区(シリア政府支配地域)で、旅客用マイクロバス内で爆弾が爆発した。
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ダマスカス県では、SANA(6月3日付)によると、ジャウバル区で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、SANA(6月3日付)によると、サイダー町一帯、ダルアー市カラク地区、カタキート工場で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, June 3, 2015、AP, June 3, 2015、ARA News, June 3, 2015、Champress, June 3, 2015、al-Hayat, June , 2015、Iraqi News, June 3, 2015、Kull-na Shuraka’, June 3, 2015、al-Mada Press, June 3, 2015、Naharnet, June 3, 2015、NNA, June 3, 2015、Reuters, June 3, 2015、SANA, June 3, 2015、UPI, June 3, 2015などをもとに作成。

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ハサカ市南部郊外でダーイシュ(イスラーム国)とシリア軍が激戦(2015年6月3日)

ハサカ県では、シリア人権監視団によると、ハサカ市南部郊外のアフダース刑務所一帯にダーイシュ(イスラーム国)が再び進軍、爆弾を積んだ自動車を自爆させるなどして、シリア軍、国防隊と交戦した。

これに対して、シリア軍は同地一帯、ダーウディーヤ村一帯を「樽爆弾」で空爆、またダーイシュの主要拠点であるシャッダーディー市一帯に対しても空爆を実施した。

ダーイシュとシリア軍、国防隊の戦闘で、数十人が死亡したと見られる。

シリア人権監視団によると、ダーイシュはダイル・ザウル県各所に展開していた戦闘員400人以上をハサカ市南部に派遣し、攻勢をかけているという。

ドゥラル・シャーミーヤ(6月3日付)は、ダーイシュが戦闘の末、アフダース刑務所を制圧したと伝える一方、シリア・アラブ・テレビ(6月3日付)は、「ダーイシュが爆弾を仕掛けた車5台を突入させた後、刑務所内の建設中の建物に突入しようとした」との速報を流した。

また、SANA(6月3日付)によると、ダーイシュはアレッポ市南部の発電所近くでも爆弾を仕掛けた車を爆発させたほか、同発電所一帯およびサフル村でシリア軍、国防隊と交戦した。

シリア軍はさらに、ダーウディーヤ村、マジュバル・ザフティー村、アブー・サイード農場、アフダース刑務所、ラッド・シャクラー村、カブル・シャーミーヤ村、東ナハーブ村、西ナサーブ村一帯のダーイシュ拠点を空爆したほか、ダーイシュの主要拠点の一つシャッダーディー市各所に対しても空爆を行った。

シリア人権監視団によると、ダーイシュはこのほかにも、タッル・タムル市一帯で、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊の拠点を砲撃した。

一方、人民防衛隊は、ラアス・アイン市一帯で交戦を続けた。

クッルナー・シュラカー(6月4日付)によると、ダーイシュはラアス・アイン市近郊のタッル・ニハーブ村の人民防衛隊拠点に対して2度にわたり自爆攻撃を行い、隊員10人以上が死亡、またウンム・ディブス村でもダーイシュは4回の自爆攻撃を行い、隊員2人が死亡した。

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ヒムス県では、SANA(6月3日付)によると、タドムル市一帯、スフナ市、サワーナ町、フナイフィース村で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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AKI(6月3日付)は、ラッカ市で活動するスブヒー・ハッラークを名乗る活動家の話として、ダーイシュ(イスラーム国)がシリア領内の支配地域で200以上の刑務所・拘置所を設置、運営している、と伝えた。

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米中央軍(CENTCOM)は、有志連合が現地時間の2日8時から3日8時までの24時間で、シリア、イラク領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して22回の空爆を行ったと発表した。

このうちシリア領内での空爆は4回におよび、ハサカ市近郊、ダイル・ザウル市近郊のダーイシュに対して攻撃が行われたという。

AFP, June 3, 2015、Anadolu Ajansı, June 3, 2015、AP, June 3, 2015、ARA News, June 3, 2015、Champress, June 3, 2015、al-Durar al-Shamiya, June 3, 2015、al-Hayat, June , 2015、Iraqi News, June 3, 2015、Kull-na Shuraka’, June 3, 2015、June 4, 2015、al-Mada Press, June 3, 2015、Naharnet, June 3, 2015、NNA, June 3, 2015、Reuters, June 3, 2015、SANA, June 3, 2015、UPI, June 3, 2015などをもとに作成。

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アレッポ県北部などでダーイシュ(イスラーム国)、ヌスラ戦線など反体制派、シリア軍が混戦(2015年6月3日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アアザーズ市、バーブ・サラーマ国境通行所に向かって進軍するダーイシュ(イスラーム国)が、マーリア市各所を砲撃した。

またマーリア市一帯では、アル=カーイダ系組織のシャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団がダーイシュを迎撃したほか、スーラーン・アアザーズ町一帯でもジハード主義武装集団とダーイシュが交戦した。

こうしたなか、アフリーン市近郊で数日前にクルド系住民20人を拉致していた反体制武装集団が、10人を釈放した。

20人はイドリブ県方面からアフリーン市に向かってバスで移動中に拉致されていた。

一方、SANA(6月3日付)によると、アレッポ市東部の航空士官学校一帯で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

アレッポ・ファトフ作戦司令室のヤースィル・アブドゥッララヒーム司令官はトルコのアナトリア通信(6月3日付)に宛てにプレス向け声明を出し、そのなかで反体制武装集団がアレッポ県北部でのダーイシュの進軍を食い止め、攻撃に転じたと主張した。

またアレッポ市一帯で活動するアブー・アマーラ特殊任務中隊は声明を出し、アレッポ県北部でのダーイシュ(イスラーム国)の侵攻に関して、「アレッポ北部の革命家部隊の拠点に対する攻撃は、地域のイスラーム教徒すべてへの攻撃以外の何ものでもない」と批判した。

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クワイリス航空基地内の第8滑走路でスホーイ戦闘機が炎上し、火災が発生、空港内の灯油倉庫が爆発した。

負傷者はヘリコプターでラタキア県の軍病院に搬送されたという。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、サフム・ジャウラーン村一帯で、アル=カーイダ系組織のシャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団が、ダーイシュ(イスラーム国)に忠誠を誓うヤルムーク殉教者旅団と交戦した。

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ダルアー県では、アル=カーイダ系組織のシャーム自由人イスラーム運動が、ラジャート高地を完全制圧したと発表した。

ラジャート高地では、自由シリア軍南部戦線に所属するウマリー旅団連合が2日に声明を出し、「ダーイシュの細胞」がラジャート高地に向かう街道を封鎖し、同地を孤立させようとしているとし、「革命家」に対して軍事支援を求めていた。

自由シリア軍南部戦線とシャーム自由人イスラーム運動は、ダルアー県での戦闘において協力関係にある。

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ダマスカス県では、スマート・ニュース(6月4日付)によると、ダマスカス県タダームン区などで活動するアンサール・イスラーム戦線がダーイシュ(イスラーム国)に忠誠を誓ったのを受け、タダームン統一大隊がアンサール・イスラーム戦線からの離反を宣言した。

AFP, June 3, 2015、AP, June 3, 2015、ARA News, June 3, 2015、Champress, June 3, 2015、al-Hayat, June , 2015、Iraqi News, June 3, 2015、Kull-na Shuraka’, June 3, 2015、al-Mada Press, June 3, 2015、Naharnet, June 3, 2015、NNA, June 3, 2015、Reuters, June 3, 2015、SANA, June 3, 2015、SMART News, June 3, 2015、UPI, June 3, 2015などをもとに作成。

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トルコ国境にあるダーイシュ(イスラーム国)の主要拠点タッル・アブヤド市にYPG迫る(2015年6月3日)

ラッカ県では、マサール・プレス(6月5日付)によると、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のユーフラテスの火山合同作戦司令室によるタッル・アブヤド市方面への進軍に対抗するかたちで、ダーイシュ(イスラーム国)が「自爆戦闘員75人」を含む増援部隊を3回に分けて派遣した。

ダーイシュは2日、ラッカ市での大規模な戦闘に備えて「総動員令」を出している。

なお、ARA News(6月3日付)によると、人民防衛隊はタッル・アブヤド市東部のスルーク町一帯にまで進軍したという。

また、こうした動きを受け、トルコ当局はタッル・アブヤド市からの避難民受け入れへの門戸を開いたという。

AFP, June 3, 2015、AP, June 3, 2015、ARA News, June 3, 2015、Champress, June 3, 2015、al-Hayat, June , 2015、Iraqi News, June 3, 2015、Kull-na Shuraka’, June 3, 2015、al-Mada Press, June 3, 2015、Masar Press Agency, June 3, 2015、Naharnet, June 3, 2015、NNA, June 3, 2015、Reuters, June 3, 2015、SANA, June 3, 2015、UPI, June 3, 2015などをもとに作成。

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首都ダマスカス防衛とジスル・シュグール市解放のため、イラン人およびイラク人戦闘員約7,000人がシリアに到着か?(2015年6月3日)

AFP(6月3日付)、マサール・プレス(6月3日付)は、シリア治安当局の匿名消息筋からの話として、「イラン人およびイラク人戦闘員約7,000人がシリアに到着した」と報じた。

同消息筋によると、これらの外国人戦闘員の「第1の目的は首都ダマスカスの防衛」で、同地に展開する戦闘員の「ほとんどはイラク人」で、その数は1万人に達するという。

また外国人戦闘員の「第2の任務」は、アル=カーイダ系組織のシャームの自由人イスラーム運動、シャームの民のヌスラ戦線などからなるファトフ軍によって制圧されたイドリブ県ジスル・シュグール市を奪還することにある、という。

しかし、別の複数の消息筋によると、先週シリアに派遣された戦闘員の数は1万2,000人で、そのほとんどがイラン人だったという。

この消息筋によると、派遣されたイラン人がイランの正規軍の兵士なのか民兵なのかは定かでないという。

Masar Press Agency, June 3, 2015をもとに作成。

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