ダーイシュ(イスラーム国)メンバーの家族20人以上がトルコ領内に避難(2015年6月28日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)戦闘員の家族20人以上が、バーブ市北部のラーイー村からトルコ領内に入った。

トルコに入った約20人のうち、13人は女性で、チュニジア人女医1人も含まれており、トルコ側はそのなかの5人を逮捕したという。

なお、同監視団によると、ダーイシュのヒスバ(宗教警察)の女性隊員すべてが、2週間前にラッカ市からアレッポ県北部に「避難」したのを受け、ラッカ市内でのヒスバによる巡回は減少したという。

AFP, June 29, 2015、AP, June 29, 2015、ARA News, June 29, 2015、Champress, June 29, 2015、al-Hayat, June 30, 2015、Iraqi News, June 29, 2015、Kull-na Shuraka’, June 29, 2015、al-Mada Press, June 29, 2015、Naharnet, June 29, 2015、NNA, June 29, 2015、Reuters, June 29, 2015、SANA, June 29, 2015、UPI, June 29, 2015などをもとに作成。

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ハサカ市でシリア軍、YPGがダーイシュ(イスラーム国)への反転攻勢を続ける(2015年6月28日)

ハサカ県では、シリア人権監視団、ARA News(6月28日付)によると、シリア軍、国防隊が、ハサカ市内のヌシューワ地区(スーク・ガナム(羊市場)一帯)、ハサカ中央刑務所一帯(グワイラーン地区)に進軍し、ダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、同地を砲撃する一方、ハサカ市東部一帯では、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊がダーイシュと交戦し、アズィーズィーヤ地区、ガズル地区を制圧した。

人民防衛隊はまた、タッル・ブラーク町郊外でダーイシュと交戦し、3カ村を制圧した。

一方、ARA News(6月28日付)によると、ラアス・アイン市内にある人民防衛隊の事務所前で爆弾を積んだオートバイが自爆し、隊員3人が負傷した。

さらに、ハサカ市ガズル地区でシリア軍がダーイシュ(イスラーム国)の追撃を行い、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

これに対して、ダーイシュはグワイラーン地区で爆弾を積んだ車で自爆攻撃を行い、2人が死亡したという。

他方、人民防衛隊のライドゥール・ハリール報道官は、人民防衛隊の戦闘参加に関して『ハヤート』(6月29日付)に対し、シリア政府との間で共闘の合意がなされたとの一部情報を否定、こうした情報が「コバニ(アイン・アラブ)市、タッル・アブヤド市、第93旅団基地での人民防衛隊の勝利に乗じようとする噂」と批判した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)がハマー市・アスリヤー間の街道に位置するシャイフ・ヒラール村のシリア軍の検問所3カ所を相次いで襲撃し、シリア軍兵士、国防隊隊員74人を殺害した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、ガザル村一帯で、シャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団がダーイシュ(イスラーム国)と交戦した。

また有志連合はトルコ国境に位置するジャラーブルス市に近いアマールナ村、マクラア村一帯、そしてアイン・アラブ市西部郊外のシュユーフ・ファウカーニー町一帯のダーイシュ拠点を空爆し、ダーイシュ戦闘員16人が死亡した。

またシュユーフ・ファウカーニー町一帯では、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊がダーイシュと交戦し、ダーイシュ戦闘員8人が死亡した。

クッルナー・シュラカー(6月29日付)によると、ダーイシュはこの攻撃を受け、シュユーフ・ファウカーニー町から撤退した。

一方、SANA(6月28日付)によると、アレッポ市東部の航空士官学校一帯で、シリア軍がダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ラッカ県では、シリア人権監視団によると、有志連合と思われる戦闘機が、ダーイシュ(イスラーム国)の支配下にあるラッカ市北部のハズィーマ交差点地区一帯を空爆した。

またタッル・アブヤド市南部郊外では、有志連合の航空支援を受けた西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊がダーイシュと交戦し、ダーイシュ戦闘員6人が死亡した。

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スワイダー県では、SANA(6月28日付)によると、シリア軍はサアド遺跡方面からブサイナ丘に潜入しようとしたダーイシュ(イスラーム国)を撃退する一方、カスル村一帯でダーイシュと交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、SANA(6月28日付)によると、ラジャム・カスル村、ラジャム・アーリー村、アブー・ジャリース村、ワーディー・マースィク、ジバーブ・ハマド村、ムシャイリファ村、ラスム・ハミーダ村、ウンム・サフリージュ村、ウンム・リーシュ村、ジャズル・ガス採掘所一帯、ウンム・ジャーミア村、マクサル・ヒサーン村、ジュッブ・ジャッラーフ村で、シリア軍がダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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米中央軍(CENTCOM)は、6月28日午前8時から29日午前8時までの24時間にシリア、イラク領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して23回の空爆を行ったと発表した。

このうちシリア領内での空爆は6回におよび、ラッカ市近郊(1回)、ハサカ市近郊(1回)、アイン・アラブ市近郊(4回)、タッル・アブヤド市近郊(2回)のダーイシュに対して攻撃が行われたという。

AFP, June 28, 2015、AP, June 28, 2015、ARA News, June 28, 2015、June 29, 2015、Champress, June 28, 2015、al-Hayat, June 29, 2015、Iraqi News, June 28, 2015、Kull-na Shuraka’, June 28, 2015、al-Mada Press, June 28, 2015、Naharnet, June 28, 2015、NNA, June 28, 2015、Reuters, June 28, 2015、SANA, June 28, 2015、UPI, June 28, 2015などをもとに作成。

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ダルアー市攻略をめざすヌスラ戦線、自由シリア軍など「南部の嵐の戦い」の作戦司令室をタフリール旅団が襲撃、ダマスカス市街地に迫撃砲弾が着弾(2015年6月28日)

ダルアー県では、シリア人権監視団によると、シャームの民のヌスラ戦線、イスラーム・ムサンナー運動、自由シリア軍南部戦線などがダルアー市に設置した「南部の嵐の戦い」作戦司令室本部をジハード主義武装集団が攻撃し、本部にいた複数名が負傷、また本部の外に駐車されていた車複数台が破壊された。

クッルナー・シュラカー(6月28日付)によると、作戦司令室を攻撃したのは、タフリール旅団を名乗る武装集団で、「司令官らの殺害が目的ではなく、司令官らを脅迫し、行動を促し、作戦司令室から戦場に彼らを駆り立てようとした」のだという。

一方、ドゥラル・シャーミーヤ(6月28日付)によると、ダルアー市攻略に向け「南部の嵐の戦い」作戦を継続する「革命家」(自由シリア軍南部戦線、シャームの民のヌスラ戦線などジハード主義武装集団)が、ダルアー市郊外のマディーナ・リヤーディーヤ地区に対してロケット弾攻撃を行い、パノラマ兵舎に設置されていたシリア軍作戦司令室を破壊、司令官の1人ニダール・スライマーン准将らを殺害した。

クッルナー・シュラカー(6月28日付)によると、シリア軍はこれに対して、ハウラーン法務局が刑務所として利用していた建物を「樽爆弾」などで空爆し、シリア政府に協力したとして拘置されていた収監者、窃盗犯、殺人犯ら多数が脱走、またシリア人権監視団によると、シリア軍はブスル・ハリール市一帯に対しても砲撃を行った。

なお、シリア人権監視団によると、25日に本格化したダルアー市での攻防戦では、ヌスラ戦線側の戦闘員70人、シリア軍側の兵士・戦闘員34人が死亡しているという。

他方、SANA(6月28日付)によると、シリア軍がダルアー市北東部郊外のシャイフ・フサイン丘でシャームの民のヌスラ戦線の戦闘員ら数十人を殲滅し、同地を制圧した。

またダルアー市内の電力会社一帯でハウラーン殉教者旅団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、ダマスカス郊外県東グータ地方から反体制武装集団(イスラーム軍)が撃ったと思われる迫撃砲弾1発がアマーラ地区に着弾し、住民4人が死亡、13人以上が負傷した。

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クナイトラ県では、シリア人権監視団によると、ハドル村の南西部一帯で、シリア軍、国防隊が、シャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団と交戦した。

一方、SANA(6月28日付)によると、ジャバーター・ハシャブ村、タルジャナ村、アフマル丘一帯、クナイトラ市で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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スワイダー県では、シリア人権監視団によると、サアラ航空基地に近いシャイフ・フサイン丘一帯で、シリア軍、国防隊がジハード主義武装集団と交戦、またシリア軍はカスル村一帯を砲撃した。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がキスワ市郊外農園地帯を砲撃する一方、シリア軍、国防隊がジハード主義武装集団と交戦した。

またシリア軍、国防隊、ヒズブッラー戦闘員は、ザブディーン村・ダイル・アサーフィール市回廊で交戦した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、フーシュ・ハッジュー村、マシュラファ村一帯で、シリア軍、国防隊がシャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団と交戦し、シリア軍が同地一帯を砲撃した。

一方、SANA(6月28日付)によると、ザアフラーナ村で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線、ヒムス軍団、ファールーク大隊の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がハージブ村、マギーラート・シブリー村を「樽爆弾」で空爆する一方、ワディーヒー村近郊のマフルーカート丘一帯で、シリア軍、国防隊、ヒズブッラー戦闘員、クドス旅団(パレスチナ人)がジハード主義武装集団と戦闘を続けた。

またアレッポ市内では、シリア軍、バアス大隊が、ハーリディーヤ地区、ライラムーン・シャイハーン回廊、サラーフッディーン地区でジハード主義武装集団と交戦した。

このほか、アレッポ市ハラク地区をシリア軍が「樽爆弾」で空爆し、子供4人と女性1人を含む7人が死亡した。

一方、SANA(6月28日付)によると、アアザーズ市、ウワイジャ地区、タームーラ村、シャワーヤー丘、ファーフィーン村、ナイラブ航空基地西部、アレッポ市ザバディーヤ地区、ハナーヌー地区で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハマー県では、SANA(6月28日付)によると、ジャンナト・クラー村、アイン・ハンムラー村、カストゥーン村、フワイジャ村で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、ファトフ軍の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、SANA(6月28日付)によると、アブー・ズフール航空基地周辺、マジャース村、タッル・サラムー村、ウンム・ジャリーン村をシリア軍が空爆し、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

一方、ARA News(6月28日付)によると、シャームの民のヌスラ戦線がインターネットを通じて声明を出し、ダーナー市などの支配地域の裕福な住民に対して、ザカートを支払うよう通達し、資金面での支援を求めた。

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ラタキア県では、SANA(6月28日付)によると、ザーヒヤ山一帯、カトフ・ルンマーン村、サルマー町、カスブ村、ダルーシャーン村、ラウダ村、キンサッバー町一帯をシリア軍が攻撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, June 28, 2015、AP, June 28, 2015、ARA News, June 28, 2015、Champress, June 28, 2015、al-Durar al-Shamiya, June 28, 2015、al-Hayat, June 29, 2015、Iraqi News, June 28, 2015、Kull-na Shuraka’, June 28, 2015、al-Mada Press, June 28, 2015、Naharnet, June 28, 2015、NNA, June 28, 2015、Reuters, June 28, 2015、SANA, June 28, 2015、UPI, June 28, 2015などをもとに作成。

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YPGが声明を出し、ダーイシュ(イスラーム国)によるアイン・アラブ市奇襲の詳細を公表(2015年6月28日)

西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊は声明を出し、25日のダーイシュ(イスラーム国)によるアイン・アラブ市奇襲・侵入の詳細を公表した。

同声明によると、「傭兵」(外国人)からなるダーイシュ戦闘員が25日早朝、「自由シリア軍」の軍服を着て、「革命旗」(委任統治領シリアの旗)を掲げてスィッリーン町方面からアイン・アラブ市南部から市内中心部に侵入する一方、トルコ国境(ミュルシトプナル国境通行所)からも別働隊が市内北部に侵入したという。

アイン・アラブ市に潜入したダーイシュ戦闘員の数は80~100人におよび、市内中心部に着くや、女性、子供、老人、そして男性数十人を殺害し、民間人数十人を人質にとったという。

これを受け、人民防衛隊、女性防衛部隊、そしてアサーイシュが大規模な掃討作戦を開始し、3日間の戦闘でダーイシュ戦闘員のほとんどを殲滅、1人を逮捕、7人がトルコ領内に、8人がアイン・アラブ市南部に敗走したという。

アイン・アラブ市南部に敗走したダーイシュ戦闘員8人はその後、人民防衛隊により全員殺害されたという。

3日間に及ぶ戦闘では、民間人233人が死亡(うちアイン・アラブ市での死者は210人、バルフ・ブーターン村での死者は23人)、273人が負傷したという。

AFP, June 28, 2015、AP, June 28, 2015、ARA News, June 28, 2015、Champress, June 28, 2015、al-Hayat, June 29, 2015、Iraqi News, June 28, 2015、Kull-na Shuraka’, June 28, 2015、al-Mada Press, June 28, 2015、Naharnet, June 28, 2015、NNA, June 28, 2015、Reuters, June 28, 2015、SANA, June 28, 2015、UPI, June 28, 2015などをもとに作成。

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ムハンマド・ナースィーフ・ハイルベク副大統領補が死去、シャルア前副大統領が自宅軟禁か?(2015年6月28日)

SANA(6月28日付)は、大統領府筋の話として、「副大統領補ムハンマド・ナースィーフ(・ハイルベク)退役少将は今朝、難病の末に主の側に召された」と発表、同補佐官が死亡したと発表した。

ムハンマド・ナースィーフ・ハイルベク氏は、1936年生まれ。ハマー県ラクバ村出身、アラウィー派の名望家の出。

ハーフィズ・アサド前政権時代の1970年代半ば以来、総合情報部次長兼同内務課長として同部を実質的に統括。

1999年4月に定年により次長職と内務課長職を解かれ、退役。その後同年9月、総合情報部次長に就任(復職)。

2006年2月、ファールーク・シャルア外務情報政策担当副大統領の補佐役となり、同年4月に正式に同副大統領補に就任。

ハーフィズ・アサド前大統領時代以来、ヒズブッラー、アマル運動、そして両組織と関係が深いイランといったいわゆる「シーア派ファイル」を担当。

レバノン日刊紙『ディヤール』(2010年12月27日付)によると、2010年末に脊髄の手術を受けるなど、シリア、レバノンの病院で闘病生活を送っていた。

Kull-na Shuraka', June 28, 2015
Kull-na Shuraka’, June 28, 2015

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Elaph(6月28日付)は、信頼できる消息筋の話として、ファールーク・シャルア前大統領が自宅軟禁状態に置かれたと報じた。

同消息筋によると、アサド大統領は、ムハンマド・ナースィーフ副大統領補の死去を受けるかたちで、「側近以外に大統領自身が犯した罪を目撃した者を抹殺する必要がある」と考えており、真偽はともかく、シャルア前副大統領の暗殺すら決定したという。

AFP, June 28, 2015、AP, June 28, 2015、ARA News, June 28, 2015、Champress, June 28, 2015、Elaph, June 28, 2015、al-Hayat, June 29, 2015、Iraqi News, June 28, 2015、Kull-na Shuraka’, June 28, 2015、al-Mada Press, June 28, 2015、Naharnet, June 28, 2015、NNA, June 28, 2015、Reuters, June 28, 2015、SANA, June 28, 2015、UPI, June 28, 2015、http://www.tufs.ac.jp/ts/personal/aljabal/biladalsham/syria/m/02_02.htmなどをもとに作成。

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