『ニューヨーク・タイムズ』はロシアがシリア政府に対して大規模な軍事支援を計画していると伝える(2015年9月4日)

『ニューヨージュ・タイムズ』(9月4日付)は、ロシアがシリアに先遣隊を派遣したほか、シリア国内の飛行場に数百人の舞台を収容できるプレハブ設備を輸送したとしたうえで、ロシアがシリア政府に対して大規模な軍事支援を計画しているものと思われると伝えた。

The New York Times, September 4, 2015などをもとに作成。

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トルコ海岸で遺体で発見されたシリア人幼児の父親の素性(2015年9月4日)

クッルナー・シュラカー(9月4日付)は、フェイスブックの情報として、2日にギリシャにボートで移動中に遭難し、トルコ海岸で遺体として発見されたアイラーン・クルディーくん(本名アイラーン・シャンヌー、クルド語名アーラーン・シャンノー)の父親のアブドゥッラー・クルディー氏(36歳)が、シリアの空軍情報部の拘置所で5ヶ月拘留されていたとしたうえで、自分の店を売却し、500万シリア・ポンドを賄賂として支払うことで釈放されていたとの素性を紹介した。

アブドゥッラー氏は拘留中の拷問により、すべての歯を抜かれたという。

Kull-na Shuraka', September 4, 2015
Kull-na Shuraka’, September 4, 2015

AFP, September 4, 2015、AP, September 4, 2015、ARA News, September 4, 2015、Champress, September 4, 2015、al-Hayat, September 5, 2015、Iraqi News, September 4, 2015、Kull-na Shuraka’, September 4, 2015、al-Mada Press, September 4, 2015、Naharnet, September 4, 2015、NNA, September 4, 2015、Reuters, September 4, 2015、SANA, September 4, 2015、UPI, September 4, 2015などをもとに作成。

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シリア政府支持者が多いスワイダー市で連続爆破テロが発生し、反体制派を指導するドゥルーズ派のシャイフ、ワヒード・バルウース師が死亡、市内で支持者が抗議(2015年9月4日)

スワイダー県では、SANA(9月4日付)によると、スワイダー市で爆弾が仕掛けられた車2台が相次いで爆発し、住民26人が死亡、多数が負傷した。

スワイダー県警察によると、爆発した2台の車のうち1台は、東部郊外のダフル・ジャバル街道で、またもう1台はスワイダー市中心部の国立病院の南側の門の前でほぼ同時に爆発した。

1台目の爆発で4人が死亡、8人が負傷、2台目の爆発で4人が死亡、14人が負傷、また爆発により国立病院と周辺のビル、さらには通行中の車多数が被害を受けた。

ワーイル・ハルキー内閣はスワイダー市で発生した連続爆破テロに関してただちに声明を出し、犠牲者と遺族に哀悼の意を示すと友に、「こうした卑劣なテロ行為は、テロに対するシリア国民の抵抗を挫くことはなく、国民の抵抗力を増すだけだ」と表明した。

またバアス党シリア地域指導部のヒラール・ヒラール副書記長もスワイダー市での連続爆破テロに関して「シリアの敵がスワイダー県民の姿勢と抵抗を挫くことに失敗した末に、スワイダーを狙ったものだ」と述べ、反体制勢力が関与しているとの見方を暗示した。

そのほか、ウムラーン・ズウビー情報大臣、アフマド・バドルッディーン・ナッスーン共和国ムフティー、ドゥルーズ派のシャイフ・アクルのヒムマト・ヒジュリー師やユースフ・ジャルブーア師も連続爆破テロを厳しく非難した。

なおシリア国内では、2日にラタキア市で爆破テロが発生している。

ラタキア市、スワイダー市はいずれもシリア政府の支持者が多い地域。

SANA, September 4, 2015
SANA, September 4, 2015
Kull-na Shuraka', September 4, 2015
Kull-na Shuraka’, September 4, 2015

またクッルナー・シュラカー(9月4日付)によると、爆発はその後、クライヤー村でも発生したという。

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一方、クッルナー・シュラカー(9月4日付)は、現地の複数の消息筋の話として、ダフル・ジャバル街道で発生した1回目の爆破テロで、ドゥルーズ派の「カラーマの男たち」の指導者のワヒード・バルウース師(アブー・ファフド)の車列が爆発に巻き込まれ、乗っていたバルウース師と同師の兄弟1人が重傷を負い、市内の病院に搬送されたと伝えた。

またスワイダー市住民によるとされる複数のSNSページによると、身元不明の遺体3体が病院に搬送され、そのなかにバルウース師が含まれていたという。

バルウース師は反体制活動家として知られ、アサド政権に対して公然の異議を唱えていた人物で、最近ではドゥルーズ派の若者にシリア軍、国防隊などへの従軍を拒否するよう呼びかけていた。

また、シリア人権監視団は、バルウース師が「民兵指導者」で、彼が率いる民兵はダーイシュ(イスラーム国)、シャームの民のヌスラ戦線と戦っている、と記している。

「カラーマの男たち」(単数形は「シャイフ・カラーマ」)とは、シリア政府を支持するドゥルーズ派の「シャイフ・アクル」(複数形は「マシャーイフ・アクル」)と一線を画し、反体制的な姿勢をとるアブー・ファフド・ワヒード・バルウース師らを中心とするシャイフのグループ。

スワイダー市では1日、スワイダー市で、地元の活動家が「お前たちは我々を絞め殺した」(خنقتونا)と銘打って汚職に抗議するデモを呼びかけ、住民数千人が県庁舎前に集まり、燃料不足、停電、断水などへの不満を訴えた。

デモ主催者は、スワイダー県知事、バアス党スワイダー支部書記長、燃料、電力、水道公社総裁、治安機関幹部、警察署長、供給局長の解任を求めていた。

Kull-na Shuraka', September 4, 2015
Kull-na Shuraka’, September 4, 2015

 

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クッルナー・シュラカー(9月4日付)によると、スワイダー市内では3日晩、バルウース師の死に対して怒りを露わにした「カラーマの男たち」の指導者や住民ら合わせて「数千人」がデモを行い、市の中心に位置する広場でハーフィス・アサド前大統領の立像を破壊、その後、軍事情報局スワイダー支部、刑事保安局に向ったが、治安部隊と「もみ合い」となり、デモ参加者、治安部隊隊員双方合わせて「数十人」が死亡した。

トルコのイスタンブールで活動するシリア革命反体制勢力国民連立は「スワイダーの革命家たちは、空軍情報部、軍事情報局、刑事保安局、軍警察、バアス党支部のすべてを完全制圧した」と吹聴した。

また、クッルナー・シュラカー(9月4日付、5日付)などによると、シリア政府は、連続爆破テロ発生の数時間後には、ダマスカス・スワイダー街道を封鎖し、インターネット回線を遮断するなどして、スワイダー市一帯を孤立化させようとしているという。

しかし、シリア人権監視団は、デモに参加し、スワイダー市内で発生した連続爆破テロに対するシリア政府の責任を追及したのはバルウース師の支持者ら「数十人」だけで、デモをめぐるもみ合いで治安部隊隊員が死亡したと発表した(その後(6日)、シリア人権監視団は、スワイダー市での連続爆破テロの死者が子供1人、女性5人を含む31人に及び、その直後に発生した市内でも暴動で、治安部隊隊員6人が殺害されたと発表した。)。

またAFP(9月5日付)などによると、スワイダー市のドゥルーズ派のシャイフらが住民らに平静を保つよう呼びかける一方、バルウース師を支持する若者ら数十人は、県庁舎など政府関連施設に投石し、施設前に駐車していた車に放火するなどの破壊行為を続け、ガラスが割れる音や発砲音が夜通し聞こえたという。

AFP, September 4, 2015、September 5, 2015、AP, September 4, 2015、ARA News, September 4, 2015、Champress, September 4, 2015、al-Hayat, September 5, 2015、September 6, 2015、September 7, 2015、Iraqi News, September 4, 2015、Kull-na Shuraka’, September 4, 2015、September 5, 2015、al-Mada Press, September 4, 2015、Naharnet, September 4, 2015、NNA, September 4, 2015、Reuters, September 4, 2015、SANA, September 4, 2015、UPI, September 4, 2015などをもとに作成。

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アル=カーイダ系のファトフ軍がフーア市とカファルヤー町(イドリブ県)の寸断に成功する一方、ザバダーニー市(ダマスカス郊外県)でシリア軍が攻勢を続ける(2015年9月4日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、ハルバ丘などフーア市、カファルヤー町の周辺一帯で、国防隊、人民諸委員会がヒズブッラーの指揮下で、アル=カーイダ系組織のジュンド・アクサー機構、シャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団と交戦し、ジハード主義武装集団は手製の迫撃砲などでフーア市を砲撃した。

マサール・プレス(9月4日付)によると、ジハード主義武装集団はハルバ丘のシリア軍拠点3カ所を制圧し、シリア軍兵士多数を殲滅したという。

また、ARA News(9月4日付)は、ファトフ軍が、ハルバ丘のシリア軍拠点複数カ所を制圧することで、フーア市とカファルヤー町を寸断することに成功した、と伝えた。

これに対して、シリア軍は、フーア市、カファルヤー町周辺のジハード主義武装集団の拠点などを空爆し対抗、またザーウィヤ山のイブリーン村、タマーニア町に対して「樽爆弾」などで攻撃した。

一方、SANA(9月4日付)によると、フーア市、カファルヤー町を包囲するファトフ軍の拠点(ラーム・ハムダーン村、ビンニシュ市、タフタナーズ市、サワーギヤ村など)をシリア軍が重点的に空爆した。

シリア軍はまた、マアッラト・ヌウマーン市、カフル・ウワイド村、カンスフラ村、ジスル・シュグール市、バサーミス村、ムハムバル村、タマーニア町、マストゥーマ村、イブリーン村、アブー・ズフール町、ウンム・ジャリーン村、マジャース村、タッル・サラムー村を空爆、シャームの民のヌスラ戦線などの戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、シリア軍第4師団、国防隊、ヒズブッラー戦闘員、パレスチナ解放軍がザバダーニー市内でシャーム自由人イスラーム運動などジハード主義武装集団、地元武装集団と交戦、シリア軍は同市および隣接するマダーヤー町を空爆した。

シリア軍はまた、ダーライヤー市一帯、アルバイン市を「樽爆弾」、地対地ミサイルなどで攻撃し、アルバイン市では1人が死亡、子供ら複数が負傷した。

一方、SANA(9月4日付)によると、シリア軍がレバノンのレジスタンス(ヒズブッラー戦闘員)とともにザバダーニー市での作戦を継続し、市北東部のナーブーア地区の大部分を新たに制圧した。

反体制武装集団の多数が戦闘により死亡、一部は逃走、ないしは投降したという。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がジャウバル区を8回にわたり空爆した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、ガーブ平原のタッル・ワースィト村一帯で、シリア軍、国防隊、ヒズブッラー戦闘員が、ハック旅団、スンナ軍、アンサール・ディーン戦線、アンサール・シャーム、アジュナード・シャーム・イスラーム連合、ジュンド・アクサー機構、シャームの民のヌスラ戦線、トルキスターン・イスラーム党、シャーム軍団、シャーム自由人イスラーム運動、第101歩兵師団、山地の鷹旅団、ガーブの鷹、第111歩兵師団、ジュヌード・シャーム(チェチェン人)などと交戦した。

シリア軍はまた、タッル・ワースィト村一帯を空爆した。

一方、シリア政府支配下のフナイフィス村に迫撃砲弾が着弾し、子供2人が負傷した。

他方、SANA(9月4日付)によると、シリア軍がアンカーウィー村、ハウワーシュ村、マンスーラ村、ズィヤーラ町、カストゥーン村、タッル・ワースィト村、ハミーディーヤ村、ヒルバト・ナークース村、ラターミナ町、カフルズィーター市を空爆、ファトフ軍の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団、マサール・プレス(9月4日付)によると、シリア軍がガントゥー市、ジャッブーリーン村を砲撃、またウンム・シャルシューフ村西部一帯で反体制武装集団と交戦した。

一方、SANA(9月4日付)によると、ラスタン市で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がナブア・ムッル村一帯、サルマー町一帯を砲撃した。

一方、SANA(9月4日付)によると、バイト・アワーン村、アイン・アシャラ村のシャームの民のヌスラ戦線などの拠点をシリア軍が空爆し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市ハーリディーヤ地区で、シリア軍、国防隊が、アレッポ・ファトフ作戦司令室と交戦した。

シリア軍はまた、アレッポ市マイサル地区、ザフラー協会地区一帯、アクユール地区を空爆した。

一方、SANA(9月4日付)によると、アンジャーラ村、タワーマ村、ダーラト・イッザ市で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線などの戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

このほか、革命家軍は声明を出し、7月10日にアレッポ県カフルナーハー村にある本部を武装集団が襲撃し、革命家軍隊員2人が死亡、7人が拉致された事件に関して、シャーム自由人イスラーム運動が関与していた、と批判した。

他方、ARA News(9月4日付)は、地元活動家が、アレッポ市ザフラー協会地区の反体制武装集団に対してシリア軍が塩素ガスを装填した迫撃砲で砲撃を行ったと主張していると伝えた。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がシャイフ・マスキーン市、イブタア町を「樽爆弾」で空爆した。

一方、SANA(9月4日付)によると、シャイフ・マスキーン市、ダルアー市カラク地区、スィーバ地区で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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クナイトラ県では、SANA(9月4日付)によると、マスハラ村で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, September 4, 2015、AP, September 4, 2015、ARA News, September 4, 2015、Champress, September 4, 2015、al-Hayat, September 5, 2015、Iraqi News, September 4, 2015、Kull-na Shuraka’, September 4, 2015、al-Mada Press, September 4, 2015、Masar Press Agency, September 4, 2015、Naharnet, September 4, 2015、NNA, September 4, 2015、Reuters, September 4, 2015、SANA, September 4, 2015、UPI, September 4, 2015などをもとに作成。

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ダーイシュ(イスラーム国)がUNESCO世界文化遺産のパルミラ遺跡の塔墓三つも破壊(2015年9月4日)

シリアの遺跡博物館局のマアムーン・アブドゥルカリーム局長はAFP(9月4日付)に対し、UNESCO世界文化遺産に登録されているヒムス県タドムル市にあるパルミラ遺跡の塔墓三つが、同地を占拠するダーイシュ(イスラーム国)によって新たに破壊されたことを明らかにした。

塔墓は紀元44年から103年にかけて建設されたもの。

ダーイシュによるパルミラ遺跡の遺構破壊は、ライオン像、バール・シャミーン神殿、ベル神殿に続いて4件目。

http://www.discover-syria.com/
http://www.discover-syria.com/

マサール・プレス(9月4日付)によると、フルクルス町一帯、マヒーン町一帯、シャーイル山(ハマー県)西部一帯、ジャズル・ガス採掘所一帯で、シリア軍とダーイシュ(イスラーム国)が交戦し、シリア軍兵士4人が死亡した。

一方、SANA(9月4日付)によると、ジャズル・ガス採掘所一帯、ワーディー・アブヤド、バイヤラート村東部、タール山一帯、スフナ市、カルヤタイン市、ウンム・リーシュ村、ウンム・サフリージュ村、東ヒブラ村、ウンム・トゥワイナ村、マヌーフ村で、シリア軍がダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、クッルナー・シュラカー(9月4日付)によると、米トルコ両政府が設置合意したとされる「安全地帯」における反体制武装集団の拠点都市マーリア市に対してダーイシュ(イスラーム国)が3日深夜から激しい攻撃を開始し、双方合わせて数十人が死傷した。

一方、マーリア市に隣接するサンダフ村では、シャーム戦線がダーイシュの攻撃に応戦、これを撃退したという。

他方、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)による包囲が続くクワイリス航空基地一帯をシリア軍が「樽爆弾」などで空爆した。

また、SANA(9月4日付)によると、航空士官学校一帯、サフィーラ市郊外のタッル・リーマーン村で、シリア軍がダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)とシャームの民のヌスラ戦線が占拠を続けるヤルムーク・パレスチナ難民キャンプ一帯に対して、シリア軍が砲撃を再開した。

またヤルムーク区に隣接するタダームン区にも迫撃砲弾2発が着弾、爆発した。

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ダルアー県で活動する南部自由人部族連合は声明を出し、ラジャー高地一帯でダーイシュ(イスラーム国)掃討に向けた戦いを開始すると発表した。

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米中央軍(CENTCOM)は、9月4日にシリア、イラク領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して33回の空爆を行ったと発表した。

このうちシリア領内での空爆は8回におよび、ラッカ市近郊(1回)、マーリア市近郊(6回)、タッル・アブヤド市近郊(1回)のダーイシュに対して攻撃が行われたという。

AFP, September 4, 2015、AP, September 4, 2015、ARA News, September 4, 2015、Champress, September 4, 2015、al-Hayat, September 5, 2015、Iraqi News, September 4, 2015、Kull-na Shuraka’, September 4, 2015、September 5, 2015、al-Mada Press, September 4, 2015、Masar Press Agency, September 4, 2015、Naharnet, September 4, 2015、NNA, September 4, 2015、Reuters, September 4, 2015、SANA, September 4, 2015、UPI, September 4, 2015などをもとに作成。

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ロシアのプーチン大統領、シリアへの直接軍事介入を否定する一方、「アサド大統領は早期に国会選挙を行い、建設的野党・反体制派と権力を分有する準備ができている」と発言(2015年9月4日)

ロシアのヴラジミール・プーチン大統領は、ウラジオストク市で開催中の経済フォーラムで、ロシア軍がシリアに戦闘機や部隊を派遣したとの一部報道に関して、「我々はさまざまな可能性を検討しているが、ダーイシュ(イスラーム国)に対する軍事作戦への参加は議題になっていない。それはまだ時期尚早だ。我々はシリア、そして地域諸国と協議を続けるつもりだ」と述べ、ロシア軍がシリアに部隊を派遣したとの一部情報を否定した。

SANA, September 4, 2015
SANA, September 4, 2015

プーチン大統領はまた、ロシア政府が引き続き、シリアに軍事、技術支援を行うとしたうえで、「ロシアはもともと、シリアに対して、軍備増強と我々が武器供与した部隊の能力向上という二つのレベルで重要な支援を行ってきた」と付言した。

しかし、武器、技術支援の詳細については言及しなかった。

一方、米国主導の有志連合によるシリア、イラクでのダーイシュ(イスラーム国)空爆に関して、プーチン大統領は「効果はない」と批判した。

さらにシリアの紛争をめぐっては、「アサド大統領は早期に国会選挙を行い、建設的野党・反体制派と権力を分有する準備ができている」と述べ、シリア政府を擁護した。

また、ダーイシュ壊滅のための地域・国際同盟を結成すべきだという、という自身の提言を改めて強調し、「我々は米国と協議している。この問題に関してバラク・オバマ米大統領と個人的に話しをしている。我々はまた、トルコ、サウジアラビア、ヨルダンなどの国の指導者ともこの問題について協議している」と明言、「少なくとも、ある種の協調態勢が構築されなければ、テロとの戦いに関心があるこれらすべての国が戦場で共同行動を行うことは現段階では不可能だ」と力説した。

そのうえで、シリア紛争の解決の方向性について「シリアでの政治プロセスと並行して、テロとの戦いへの努力の結集が進められねばならないという点で、原則的に相互理解がある」と述べた。

このほか、欧州への中東・北アフリカへの避難民の流入に関しては「予期できた」としたうえで、シリア人雛民が「アサド政権ではなくダーイシュから逃れている」と強調した。

プーチン大統領のこの発言は、ジョシュ・アーネスト米ホワイトハウス報道官が「我々は、ロシアがシリアに戦闘機とその搭乗員を配備したとの情報を懸念しており、引き続き情報収集に努める」と述べたのを受けたもの。

AFP, September 4, 2015、AP, September 4, 2015、ARA News, September 4, 2015、Champress, September 4, 2015、al-Hayat, September 5, 2015、Iraqi News, September 4, 2015、Kull-na Shuraka’, September 4, 2015、al-Mada Press, September 4, 2015、Naharnet, September 4, 2015、NNA, September 4, 2015、Reuters, September 4, 2015、SANA, September 4, 2015、UPI, September 4, 2015などをもとに作成。

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トルコのダウトオール首相「シリア北部に「安全保障地帯」設置を認めるよう国際社会を説得しようとしたが、留意されなかった」(2015年9月4日)

トルコのアフメト・ダウトオール首相は、暫定内閣閣議で、トルコ領内へのシリア人避難民の流入を抑えるため、シリア北部に「安全地帯」設置を認めるよう国際社会を説得しようとしたが、こうした呼びかけが留意されることはなかった、と吐露した。

『ハヤート』(9月5日付)が伝えた。

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