アターリブ市(アレッポ県)で、アル=カーイダ系組織ヌスラ戦線の退去を求めるデモ発生(2015年9月7日)

アレッポ県では、クッルナー・シュラカー(9月8日付)によると、アターリブ市で、住民がシャームの民のヌスラ戦線の退去を求めるデモを行い、トルコ国境のバーブ・ハワー国境通行所にいたる街道などを道路封鎖し、抗議行動を行った。

デモに参加した住民は「アターリブは自由、自由。(ヌスラ)戦線は出て行け」、「戦線の連中ども聞け、聞け。アターリブは屈しない」といったシュプレヒコールを挙げ、抗議の意を示したという。

アリー・アフマドを名乗る地元活動家は、ARA News(9月8日付)に対し、デモには周辺の村々からも住民が集まり、数百人がデモを行ったと述べた。

また、ARA News(9月8日付)は、匿名の目撃者の話として、ヌスラ戦線のメンバーと住民の一人がアターリブ市内で口論となり、ヌスラ戦線メンバーが発砲、またヌスラ戦線の車輌が市内に展開し、検問所を設置したことに対し、住民らが退去を求め、デモに発展したと伝えた。

しかし、ヌスラ戦線の高官は「月曜日(7日)に起きたことは、マフムード・ディーブーを名乗る人物が…ヌスラ戦線のメンバーを罵倒し、殺害すると脅迫し、暴行を加えようとした」と主張し、アターリブ市への展開を正当化した。

ARA News, September 8, 2015
ARA News, September 8, 2015
Kull-na Shuraka', September 8, 2015
Kull-na Shuraka’, September 8, 2015
Kull-na Shuraka', September 8, 2015
Kull-na Shuraka’, September 8, 2015
Kull-na Shuraka', September 8, 2015
Kull-na Shuraka’, September 8, 2015

 

AFP, September 8, 2015、AP, September 8, 2015、ARA News, September 8, 2015、Champress, September 8, 2015、al-Hayat, September 9, 2015、Iraqi News, September 8, 2015、Kull-na Shuraka’, September 8, 2015、al-Mada Press, September 8, 2015、Naharnet, September 8, 2015、NNA, September 8, 2015、Reuters, September 8, 2015、SANA, September 8, 2015、UPI, September 8, 2015などをもとに作成。

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レバノンの軍・治安当局がダーイシュ(イスラーム国)とヌスラ戦線のメンバーを逮捕(2015年9月7日)

NNA(9月7日付)によると、内務治安軍総局は北部県でダーイシュ(イスラーム国)メンバーのレバノン人男性1人を逮捕した、と発表した。

逮捕されたのは、アブドゥッラフマーン・アリー・マアラバーニー容疑者、1991年生まれ、トリポリ市バーブ・タッバーナ地区出身だという。

またナハールネット(9月7日付)によると、これに先立ち、総合情報部が同日、シャームの民のヌスラ戦線メンバーのシリア人男性を逮捕した、と発表していた。

AFP, September 7, 2015、AP, September 7, 2015、ARA News, September 7, 2015、Champress, September 7, 2015、al-Hayat, September 8, 2015、Iraqi News, September 7, 2015、Kull-na Shuraka’, September 7, 2015、al-Mada Press, September 7, 2015、Naharnet, September 7, 2015、NNA, September 7, 2015、Reuters, September 7, 2015、SANA, September 7, 2015、UPI, September 7, 2015などをもとに作成。

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シリア軍、ヒズブッラーがザバダーニー市(ダマスカス郊外県)内のシリア商業銀行一帯を制圧(2015年9月7日)

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、シリア軍第4師団、国防隊、ヒズブッラー戦闘員、パレスチナ解放軍がザバダーニー市内で進軍を続け、ジハード主義武装集団、地元武装集団と交戦するなか、シリア軍が同地一帯に「樽爆弾」14発を投下した。

シリア軍はまた、アルバイン市など東グータ地方一帯を空爆し、アジュナード・シャーム・イスラーム連合司令官1人を含む3人が死亡した。

一方、SANA(9月7日付)によると、シリア軍がレバノンのレジスタンス(ヒズブッラー戦闘員)とともにザバダーニー市内でシャームの民のヌスラ戦線などからなる反体制武装集団と交戦し、戦闘員24人を殲滅、市内マハッタ地区にあるシリア商業銀行ほか複数の建物群を制圧し、市内東部に向けて進軍を続けた。

シリア軍はまた、ダイル・アサーフィール市農場地帯、ハラスター市、アーリヤ農場、ジスリーン町農場地帯、ダーライヤー市、バラダー渓谷、バイト・ジン村で反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線、イスラーム軍、イスラーム旅団の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、ジャウバル区で、シリア軍、国防隊、ヒズブッラー戦闘員がシャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団と交戦した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、アブー・ズフール航空基地一帯で、シリア軍、国防隊がシャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団と交戦した。

シリア軍が地対地ミサイルでヌスラ戦線の拠点などを攻撃するなか、ヌスラ戦線は基地の外壁内で爆弾を積んだ車を爆破するなどして攻勢を続けたという。

一方、SANA(9月7日付)によると、シリア軍がマウザラ村、アルナバ村、バルユーン村、マアッラーター村、アブー・ズフール航空基地一帯を空爆し、ファトフ軍の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

シリア軍はまた、アリーハー市内中心部のシャーミー病院近くのファトフ軍拠点に対して攻撃を行い、戦闘員40人を殲滅した。

他方、ARA News(9月7日付)は、シャームの民のヌスラ戦線の前線司令官の一人だというアブー・アドハム氏からの情報だとして、ヌスラ戦線がフーア市、カファルヤー町制圧に向けたファトフ軍の攻撃に本格参加した、と伝えた。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、ムーリク市北部郊外でシリア軍が進軍を試み、ジハード主義武装集団と交戦した。

一方、SANA(9月7日付)によると、シリア軍がラターミナ町、アトシャーン村を空爆し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市内のシリア政府支配地区に対してジハード主義武装集団が砲撃を行った。

またアレッポ市北部のブライジュ村一帯では、シリア軍、国防隊、ヒズブッラー戦闘員、クドス旅団(パレスチナ人)がムハージリーン・ワ・アンサール軍(チェチェン人)などからなるアンサールッディーン戦線と交戦した。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がサルマー町一帯、クルド山一帯を空爆した。

一方、SANA(9月7日付)によると、シリア軍がワーディー・バースール村を空爆し、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、SANA(9月7日付)によると、ズィムリーン村、ダルアー市セノビア学校一帯、
シャームの民のヌスラ戦線、シャーム自由人イスラーム運動で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, September 7, 2015、AP, September 7, 2015、ARA News, September 7, 2015、Champress, September 7, 2015、al-Hayat, September 8, 2015、Iraqi News, September 7, 2015、Kull-na Shuraka’, September 7, 2015、al-Mada Press, September 7, 2015、Naharnet, September 7, 2015、NNA, September 7, 2015、Reuters, September 7, 2015、SANA, September 7, 2015、UPI, September 7, 2015などをもとに作成。

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ダーイシュ(イスラーム国)によるジャズル村(ヒムス県)完全制圧を受け、シリア政府は「最後の大規模油田」ジャズル・ガス田を放棄(2015年9月7日)

ヒムス県では、シリア人権監視団によると、6日にダーイシュ(イスラーム国)ヒムス州がジャズル村一帯を完全制圧したのを受け、ジャズル・ガス採掘所の技術者、就労者らが設備、機器を破壊・焼却して撤収、シリア政府は「2,500バレル/日の生産量を誇っていた最後の大規模油田」を放棄・喪失した。

シリアは「アラブの春」が波及した2011年には38万バレル/日の石油を生産していたが、2014年には9,329バレル/日にまで生産量が落ち込んでいた。

同監視団によると、ヒムス県東部では、ジャズル・ガス採掘所一帯などで、シリア軍とダーイシュが散発的な戦闘を続ける一方、柑橘農園一帯でも戦闘が続いた。

一方、SANA(9月7日付)によると、タドムル市西部校外、柑橘農園一帯、ジャズル・ガス採掘所一帯で、シリア軍がダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ラッカ県では、シリア人権監視団によると、ラッカ市北部および西部各所に対して有志連合が空爆を行い、ダーイシュ(イスラーム国)メンバー16人以上が死亡した。

地元活動家によると、死亡した16人のうち5人が外国人(ウズベク人、エジプト人、チュニジア人、モロッコ人)、11人がシリア人だという。

また、ARA News(9月7日付)によると、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のユーフラテスの火山合同作戦司令室が、ラッカ市北部のヒーシャ村一帯でダーイシュ(イスラーム国)と交戦した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、米トルコ両政府が設置合意したとされる「安全地帯」内の反体制武装集団の拠点都市マーリア市一帯、ハルジャラ村一帯、ダフラ村一帯、ハルバル村一帯で、ダーイシュ(イスラーム国)とジハード主義武装集団の戦闘が続いた。

これに関して、ARA News(9月7日付)は、アレッポ・ファトフ作戦司令室がダーイシュとの戦闘の末、ハルジャラ村の大部分を制圧したと伝えた。

アレッポ・ファトフ作戦司令室は、2015年3月にイドリブ県のほぼ全域を制圧したファトフ軍に倣って、アレッポ県で活動する武装集団が2015年5月に結成した連合組織。

ヌールッディーン・ザンキー運動、ムジャーヒディーン軍、スンナ軍、アブー・アマーラ大隊、第101歩兵師団、第16師団、第13師団、ファトフ旅団、スルターン・ムラード旅団、フルサーン・ハック旅団、山地の鷹旅団、ハック旅団、フルカーン旅団、バヤーリク・イスラーム運動からなる。
一方、SANA(9月7日付)によると、アレッポ市東部の航空士官学校一帯で、シリア軍がダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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スワイダー県では、SANA(9月7日付)によると、サアド村一帯で、シリア軍がダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハサカ県では、ARA News(9月7日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)がタッル・ブラーク町近郊の西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊拠点を攻撃した。

また、クッルナー・シュラカー(9月7日付)によると、カーミシュリー市でサナーディード軍を構成する部隊の隊員(ズィーブ・ウワイナーン大隊の隊員とフサイニーヤ大隊の隊員)が口論の末に撃ち合いとなり、負傷した。

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米中央軍(CENTCOM)は、9月7日にシリア、イラク領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して19回の空爆を行ったと発表した。

このうちシリア領内での空爆は5回におよび、フール町(ハサカ県)近郊(1回)、アイン・イーサー市近郊(1回)、マーリア市近郊(3回)のダーイシュに対して攻撃が行われたという。

AFP, September 7, 2015、Alarabia.net, May 7, 2015、AP, September 7, 2015、ARA News, September 7, 2015、Champress, September 7, 2015、al-Hayat, September 8, 2015、Iraqi News, September 7, 2015、Kull-na Shuraka’, September 7, 2015、al-Mada Press, September 7, 2015、Naharnet, September 7, 2015、NNA, September 7, 2015、Reuters, September 7, 2015、SANA, September 7, 2015、UPI, September 7, 2015などをもとに作成。

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ヨルダンを拠点とする反体制派は、ダーイシュ(イスラーム国)に勝てないとの理由でダルアー県で活動する反体制武装集団への支援を停止(2015年9月7日)

マサール・プレス(9月7日付)は、ヨルダン国内に作戦司令室を置くシリアの反体制派がダルアー県で活動する反体制武装集団への物的支援、兵站支援を停止したと伝えた。

ヨルダン国内で活動する反体制派が、「ダーイシュ(イスラーム国)との戦いにおいて勝利できず、またダーイシュの細胞と戦う能力がない」というのが理由だという。

ダルアー県では、バイト・サフム村一帯で、ダーイシュ(イスラーム国)に忠誠を誓うヤルムーク殉教者旅団(かつては自由シリア軍に所属)と、アル=カーイダ系組織のシャームの民のヌスラ戦線および自由シリア軍南部戦線を構成する武装集団が対立を続けている。

AFP, September 7, 2015、AP, September 7, 2015、ARA News, September 7, 2015、Champress, September 7, 2015、al-Hayat, September 8, 2015、Iraqi News, September 7, 2015、Kull-na Shuraka’, September 7, 2015、al-Mada Press, September 7, 2015、Masar Press Agency, September 7, 2015、Naharnet, September 7, 2015、NNA, September 7, 2015、Reuters, September 7, 2015、SANA, September 7, 2015、UPI, September 7, 2015などをもとに作成。

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4日に爆殺された反体制組織「カラーマの男たち」指導者のワヒード・バルウース師葬儀に数千人が参列、一部が暴徒化するも、「カラーマの男たち」指導者が自制を呼びかけ、事態は収束(2015年9月7日)

スワイダー県では、『ハヤート』(9月8日付)などによると、4日の連続爆破テロで死亡された反体制組織「カラーマの男たち」の指導者ワヒード・バルウース師の葬儀がスワイダー市内の県立競技場で執り行われた。

クッルナー・シュラカー(9月7日付)によると、葬儀には数千人の住民が参列し、ドゥルーズ派の旗、シリア国旗などを掲げ(反体制派が使用するフランス委任統治領シリアの国旗(いわゆる革命旗)は映像などでは確認されず)弔意を示したが、シリア政府関係者の参列は見られなかった。

これに関して、ARA News(9月7日付)は、「カラーマの男たち」の支持者らがフェイスブックなどを通じて、シリア政府関係者の参列を阻止するよう呼びかけた、と伝えた。

クッルナー・シュラカーによると、葬儀後、参列者500人以上が、スワイダー県庁舎前でデモを行い、舎内に突入を試みたが、「カラーマの男たち」の指導者の一人が、デモ参加者に対して、突入を止め、「バルウーニー師の埋葬が終わるまで行動を控えるよう」呼びかけた。

この呼びかけに対して、参列者の一人が空砲を撃ち、怒りを露わにしつつも、この指導者の言葉に従い、デモ参加者の多くは、バルウース師の故郷であるマズラア町での葬儀に参列するため、同町に帰着したという。

Kull-na Shuraka', September 6, 2015
Kull-na Shuraka’, September 6, 2015

 

AFP, September 7, 2015、AP, September 7, 2015、ARA News, September 7, 2015、Champress, September 7, 2015、al-Hayat, September 8, 2015、Iraqi News, September 7, 2015、Kull-na Shuraka’, September 7, 2015、al-Mada Press, September 7, 2015、Naharnet, September 7, 2015、NNA, September 7, 2015、Reuters, September 7, 2015、SANA, September 7, 2015、UPI, September 7, 2015などをもとに作成。

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ロシア外務省報道官「ロシアは、テロと戦うシリア当局に軍備を供与していることを隠したことなどない」(2015年9月7日)

ロシア外務省のマリア・ザハロワ報道官は、5日に行われたセルゲイ・ラブロフ外務大臣とジョン・ケリー米国務長官の電話会談に関して、「ロシア側は、これまでに1日たりとも、テロと戦うシリア当局に軍備を供与していることを隠したことなどない…。引き続きこうした支援を行う」と述べた。

ザハロワ報道官はまた「シリア軍こそが、ダーイシュ(イスラーム国)などのテロリストに対してもっとも有効に戦っている軍だ」と強調した。

そのうえで、「ロシアは外国の元首の任命や退任に関与することはない…。これはシリア、そして中東地域の他の国自体に関わる問題で、これらの国の国民は自分たちの国の運命を決めることができる」と述べ、アサド政権の退陣を要求する欧米諸国には同調しないとの姿勢を改めて示した。

AFP, September 7, 2015、AP, September 7, 2015、ARA News, September 7, 2015、Champress, September 7, 2015、al-Hayat, September 8, 2015、Iraqi News, September 7, 2015、Kull-na Shuraka’, September 7, 2015、al-Mada Press, September 7, 2015、Naharnet, September 7, 2015、NNA, September 7, 2015、Reuters, September 7, 2015、SANA, September 7, 2015、UPI, September 7, 2015などをもとに作成。

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ロシアによる軍事支援強化に先んじて、英首相は8月にラッカ市を単独爆撃したと認める一方、仏大統領もシリア爆撃に向けた偵察飛行を開始すると発表(2015年9月7日)

英国のデヴィッド・キャメロン首相は、英議会下院で、英空軍が8月21日に無人戦闘機でシリア領内のラッカ市を空爆し、ダーイシュ(イスラーム国)メンバーの英国人2人を含む3人を殺害したと証言した。

殺害されたメンバーの1人はレヤード・ハーン容疑者(21歳、カーディフ出身)で、ハーン容疑者は、2014年にダーイシュへの勧誘ビデオに登場、キャメロン首相によると「明白かつ現在の危険」だったという。

キャメロン首相は下院議員に対し「自衛行為として、また綿密な作戦計画のもと、レヤード・ハーンは、8月21日に英空軍の遠隔操作無人戦闘機の正確な空爆により殺害された。空爆時、彼はシリアのラッカを車で移動中だった…。空爆の標的であるレヤード・ハーンのほかにも、2人の仲間が殺害された。そのうち1人、ルフル・アミンも英国籍であることが確認されている。彼らは戦闘員で、民間人に犠牲者が出なかったと確信している」と述べた。

空爆は、米国が主導する有志連合の枠内ではなく、英国単独で実施されたという。

『ガーディアン』(9月7日付)などが伝えた。

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フランスのフランソワ・オランド大統領はパリで記者会見を開き、対シリア政策を方針転換し、シリア領内でダーイシュ(イスラーム国)に対する空爆を行う、と発表した。

オランド大統領はこれまで、イラク領内のダーイシュに対する有志連合の空爆には参加してきたが、アサド政権に利するとの理由で、シリア領内での空爆を見送ってきた。

記者会見で、オランド大統領は「私は国防省に対し、明日(8日)からシリア上空での偵察飛行を行い、ダーイシュに対する空爆を計画するよう要請した」と述べた。

オランド大統領は、シリア領内への地上部隊の派遣については、派遣部隊が「占領軍になりかねない」と述べ、「必然性がなく、非現実的だ」として否定、「自らの責任を果たすのは(フランスではなく)地域諸国の部隊であり、フランスは政治的解決策をもたらすために活動する」と表明した。

そのうえで、シリア情勢に関しては、アサド大統領の退陣が紛争解決の「本質」をなすと改めて述べた。

AFP(9月7日付)などが伝えた。

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英仏両首脳の発表に先立ち、ロシアのヴラジミール・プーチン大統領は4日、「シリア政府への軍事、技術支援を続ける」と述べる一方、『ニューヨーク・タイムズ』(9月4日付)などが、ロシアがシリア政府への軍事支援を強化しようとしていると伝えていたが、英仏はロシアに先んじて、シリアに軍事介入することになる。

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『ハヤート』(9月8日付)は、ギリシャ外務省消息筋の話として、ギリシャ政府当局が、9月1日から24日にかけてギリシャ領空のロシア軍機の通過を阻止するよう求める米国からの要請への対応を検討している、と報じた。

同消息筋は匿名を条件に「我々は土曜日(5日)に要請を受け、検討している」と語った。

AFP, September 7, 2015、AP, September 7, 2015、ARA News, September 7, 2015、Champress, September 7, 2015、The Guardian, September 7, 2015、al-Hayat, September 8, 2015、Iraqi News, September 7, 2015、Kull-na Shuraka’, September 7, 2015、al-Mada Press, September 7, 2015、Naharnet, September 7, 2015、NNA, September 7, 2015、Reuters, September 7, 2015、SANA, September 7, 2015、UPI, September 7, 2015などをもとに作成。

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『ハヤート』:ロシアによる軍事支援増強は、6月のムアッリム外相のモスクワ訪問時に具体的に検討されていた(2015年9月7日)

『ハヤート』(9月7日付、イブラーヒーム・ハミーディー記者)は、ロシアのヴラジミール・プーチンに大統領が4日に「シリア政府への軍事、技術支援を続ける」と述べたことに関連して、ワリード・ムアッリム外務在外居住者大臣が6月末にロシアを訪問した際に、ロシアによる軍事支援について具体的に意見が交わされたと伝えた。

同紙のハミーディー記者は、「『ハヤート』紙の豊富な情報に基づいて」、ムアッリム大臣のロシア訪問およびそれに先だって行われたアリー・マムルーク国民安全保障会議議長の極秘訪問において、ロシア軍上級士官のシリアへの派遣、ロシア空軍による空爆実施、MiG31戦闘機や偵察機の供与、武器弾薬・装備、兵員輸送車輌の供与、ラタキア県での反体制武装集団との戦闘へのロシア軍の参加、タルトゥース市にあるロシア海軍の軍港の改築(拡大)などについての検討がなされた、と記している。

ハミーディー記者によると、プーチン大統領は、アサド大統領からの正式要請に基づき、1980年に締結された友好協力同盟の活性化するかたちで、シリア駐留ロシア軍の増強を決定したという。

複数の消息筋によると、ロシア政府は今のところシリアに地上部隊を派遣していないが、派遣はダーイシュ(イスラーム国)に対する地域同盟の結成の有無にかかっているという。

AFP, September 6, 2015、AP, September 6, 2015、ARA News, September 6, 2015、Champress, September 6, 2015、al-Hayat, September 7, 2015、Iraqi News, September 6, 2015、Kull-na Shuraka’, September 6, 2015、al-Mada Press, September 6, 2015、Naharnet, September 6, 2015、NNA, September 6, 2015、Reuters, September 6, 2015、SANA, September 6, 2015、UPI, September 6, 2015などをもとに作成。

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