アレッポ市マイダーン地区、サイイド・アリー地区を反体制武装集団が砲撃し、住民14人が死亡、33人が負傷、またダマスカス県のロシア大使館一帯を砲撃(2015年9月20日)

アレッポ県では、SANA(9月20日付)によると、アレッポ市マイダーン地区、サイイド・アリー地区に、「テロリスト」が撃った迫撃砲弾複数発が着弾し、住民14人が死亡、33人が負傷した。

アレッポ県警察によると、マイダーン地区に対する砲撃はバニー・ザイド地区から、サイイド・アリー地区に対する砲撃はバーブ・ハディード地区から行われたという。

一方、シリア人権監視団によると、シリア軍は、アレッポ市ハーリディーヤ地区、カフルナーン村のジハード主義武装集団に対して砲撃を加えた。

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ダマスカス県では、『ハヤート』(9月22日付)によると、マズアラ地区のロシア大使館を狙ったと思われる迫撃砲弾複数発が着弾した。

ロシア外務省によると、迫撃砲弾は、アル=カーイダ系組織のシャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団が支配下に置くジャウバル地区から発射されたという。

ロシア外務省は声明で「我々は、ダマスカスのロシアの外交使節に対する犯罪的な砲撃を非難する。我々は、国際社会のすべての成員に、こうしたテロに対して明確な姿勢を取るよう期待する」と発表した。

この迫撃砲攻撃に関して、『ハヤート』(9月22日付)は、シリア政府への軍事・技術支援強化を行ったロシアに対する反体制派からの「メッセージ」だと伝えた。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がズィヤーラ町、マンスーラ村、ハミーディーヤ村を8回にわたり空爆、またハムル丘一帯を「樽爆弾」で攻撃した。

一方、SANA(9月20日付)によると、フナイフィス村一帯をシリア軍が空爆し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が東グータ地方のマルジュ地区を4回空爆、またダーライヤー市を「樽爆弾」23発を投下するなどして、空爆した。

シリア軍はまたアルバイン市を空爆し、4人が死亡、ハラスター市も空爆を受けた。

一方、SANA(9月20日付)によると、シリア軍がイスラーム軍との交戦の末、ハラスター市を通る国際幹線道路を見下ろすことができるアブー・ザイド丘北部(カサーラート村)を制圧した。

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ダルアー県では、SANA(9月20日付)によると、ヌアイマ村、ズィムリーン村東部、サムリーン村で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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クナイトラ県では、SANA(9月20日付)によると、マスハラ丘で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、クッルナー・シュラカー(9月20日付)によると、ヒムス市ザフラー地区でシリア軍兵士が運転する車に仕掛けられた爆弾が爆発し、乗っていた兵士1人が死亡、3人が負傷した。

一方、SANA(9月20日付)によると、タルビーサ市、スルターニーヤ村周辺、ファルハーニーヤ村、ウンム・シャルシューフ村で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, September 20, 2015、AP, September 20, 2015、ARA News, September 20, 2015、Champress, September 20, 2015、al-Hayat, September 21, 2015、September 22, 2015、Iraqi News, September 20, 2015、Kull-na Shuraka’, September 20, 2015、al-Mada Press, September 20, 2015、Naharnet, September 20, 2015、NNA, September 20, 2015、Reuters, September 20, 2015、SANA, September 20, 2015、UPI, September 20, 2015などをもとに作成。

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シリア軍とダーイシュ(イスラーム国)がヒムス県中部、アレッポ市東部で交戦(2015年9月20日)

ヒムス県では、SANA(9月20日付)によると、シャーイル山(ハマー県)西部一帯、タドムル市、ジャズル・ガス採掘所一帯、スフナ市、カルヤタイン市、ウンク・ハワー村、ラッフーム村のダーイシュ(イスラーム国)拠点を攻撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がダーイシュ(イスラーム国)の包囲を受けるクワイリス航空基地一帯に対して「樽爆弾」を投下するなどして空爆を行った。

AFP, September 20, 2015、AP, September 20, 2015、ARA News, September 20, 2015、Champress, September 20, 2015、al-Hayat, September 21, 2015、Iraqi News, September 20, 2015、Kull-na Shuraka’, September 20, 2015、al-Mada Press, September 20, 2015、Naharnet, September 20, 2015、NNA, September 20, 2015、Reuters, September 20, 2015、SANA, September 20, 2015、UPI, September 20, 2015などをもとに作成。

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ダマスカス郊外県のタイバ村、カナーキル市でもシリア軍と地元武装集団が停戦(2015年9月20日)

『ハヤート』(9月21日付)は、ザバダーニー市、フーア市、カファルヤー町での一時停戦に続くかたちで、ダマスカス郊外県のタイバ村でも一時停戦が発効したと伝えた。

タイバ村は、シリア軍がこれまでにもたびたび制圧に向けて進攻を試みてきたが、発効した停戦合意は、①シリア軍がタイバ村一帯からの撤退、②地元の戦闘員による自治などを骨子とするという。

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ダマスカス郊外県では、クッルナー・シュラカー(9月21日付)によると、ザバダーニー市、フーア市・カファルヤー町(イドリブ県)での一時停戦に続くかたちかたちで、カナーキル村でもシリア軍と反体制武装集団が停戦に合意した。

シリア政府に近い複数の消息筋によると、この停戦合意を受け、カナーキル村の若者約500人が(シリア政府との)和解に応じ、投降した。

しかし、シリア軍消息筋は、クッルナー・シュラカー(9月21日付)に対して、投降した若者は70人にも達しておらず、武器の引き渡しも行われなかった、と述べている。

Kull-na Shuraka', September 21, 2015
Kull-na Shuraka’, September 21, 2015

AFP, September 20, 2015、AP, September 20, 2015、ARA News, September 20, 2015、Champress, September 20, 2015、al-Hayat, September 21, 2015、Iraqi News, September 20, 2015、Kull-na Shuraka’, September 20, 2015、September 21, 2015、al-Mada Press, September 20, 2015、Naharnet, September 20, 2015、NNA, September 20, 2015、Reuters, September 20, 2015、SANA, September 20, 2015、UPI, September 20, 2015などをもとに作成。

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ダマスカス郊外県ザバダーニー市、イドリブ県フーア市、カファルヤー町の住民避難に向けた3度目の一時停戦が発効(2015年9月20日)

『ハヤート』(9月21日付)などによると、ダマスカス郊外県ザバダーニー市一帯、イドリブ県フーア市、カファルヤー町で、戦闘員の安全な脱出や住民の避難に向けた最終交渉を行うための3度目となる一時停戦が20日正午に発効した。

シリア人権監視団によると、この一時停戦により、ザバダーニー市、フーア市、カファルヤー町では、完全に戦闘が停止したという。

一方、ムタッズ・シャクラブを名乗る活動家は、Elaph.com(9月21日付)に対して、この停戦合意をファトフ軍が完全に拒否しているほか、イドリブ県ビンニシュ市で停戦合意への署名拒否を求めるデモが行われたが、交渉は続けられていると述べた。

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Elaph.com(9月21日付)は、この停戦合意案の内容についての情報を入手したと伝え、その詳細を明らかにした。

それによると、停戦合意は、①戦闘停止、②具体的な合意の実施、という2段階からなっている、という。

実施合意の詳細は以下の通り:

1.合意は、以下の地域における戦闘停止について定める。a)南部:ザバダーニー市、マダーヤー町、ブカイン市、スィルガーヤー町、およびこれらの市町周辺の軍事地区。b)北部:フーア市、カファルヤー町、ビンニシュ市、タフタナーズ市、トゥウーム村、マアッラトミスリーン市、イドリブ市、ラーム・ハムダーン村、ザルダーナー市、シャラフ村。
2. ザバダーニー市からすべての戦闘員と、退去を望む戦闘員の家族が退去する。
3. 退去した戦闘員およびその家族の行く先はイドリブ県のみとする。
4. イラン政府は、レバノン政府とともに、レバノンに不法出国をしたザバダーニー市民のシへの帰国、ないしはトルコへの移動のために行動する。トルコに移動する世帯数は40~50とし、以上を第1段階として実行する。
5. フーア市、カファルヤー町からの避難を望む女性、18歳未満の子供、50歳以上の男性を非難させる。避難する住民の数は1万人以内とする。
6. フーア市、カファルヤー町から治療中の負傷者を搬出する。搬出される負傷者の数は10万人以内とする。
7. 第1段階実施後、シリア国内の拘置所に収監されている500人の釈放を誓約し、第2段階において実施する。釈放の対象となる収監者は2015年7月1日以前の逮捕者とし、内訳は、女性325人、男性150人、未成年者25人とする。
8. 戦闘停止時刻を、第1段階開始時刻とする。
9. 戦闘停止の内容は以下の通りとする:a)停戦地域内から停戦地域外、停戦地域外から停戦地域内への軍事作戦、発砲の停止、b)戦闘機、ヘリコプターによる攻撃、支援停止、c)最前線における拠点、壕の建設停止、d)停戦地域境界線への進軍の停止。
10. 停戦は、フーア市、カファルヤー町、マダーヤー町、ブカイン市、スィルガーヤー町への人道街道の閉鎖などの敵対行為を含むものとする。
11. ザバダーニー市から退去する戦闘員に対して軽火器、鞄1つを携帯を認める。
12. 携帯可能な軽火器は、小銃、各種ライフル、PKC機関銃、RPGとする。
13. ザバダーニー市に放置される重火器は破棄する。
14. 停戦合意は、国連の監督下で履行する。
15. 両当事者は、支配地域内における移動の安全を確保する。
16. イドリブ県における投降者、避難者の身柄引き渡し地はムーリク市(ハマー県)とし、ザバダーニー市における投降者、戦闘員、避難者らの身柄引き渡し地は双方の協議を通じて定める。
17. 停戦合意を実施するための準備期間は、合意から48時間以内とする。
18. 本合意は、マダーヤー町の戦闘員の退去を含まないが、同町での治療が不可能な重傷者の搬出は、シリア赤新月社が国連の監督のもとに行う。
19. ザバダーニー市からの退去を望む家族とは、ザバダーニー市、マダーヤー町、ブカイン市、スィルガーヤー町の全世帯とする。
20. フーア市、カファルヤー町、ザバダーニー市から避難・退去する戦闘員、住民らの総数を確認したうえで、ムーリク市でその交換を行う。
21. フーア市、カファルヤー町内の負傷者の治療のために医療チームを派遣する。
22. 国連代表、イラン代表、武装集団代表からなる作業チームを設置し、停戦合意の履行を監視する。
23. 第1段階の終了とともに、第2段階を開始する。これは拘置者500人の釈放をもって開始し、第2段階終了までの停戦期間を6ヶ月とする。

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シリア人権監視団によると、今回の停戦に関して、フーア市、カファルヤー町での19日の戦闘で、ファトフ軍戦闘員66人、国防隊・人民諸委員会メンバー40人、民間人7人が死亡したことで、停戦の機運が高まったのだという。

一方、クッルナー・シュラカー(9月20日付)は、イラン側が、フーア市、カファルヤー町に対するファトフ軍の攻撃激化を受けて、一時停戦を申し出てきた、とシャーム自由人イスラーム運動に近い消息筋が主張していると伝えた。

これまでの停戦交渉は、イランの高官とアル=カーイダ系組織のシャーム自由人イスラーム運動がトルコにおいて行い、野党の団結党(シリア・アラブ団結党)が仲介などで交渉を支えてきたとされるが、2度目の交渉が決裂した後、シリア・イスラーム最高評議会がシャーム自由人イスラーム運動に代えて新たな交渉団を発足したと発表していた。

AFP, September 20, 2015、AP, September 20, 2015、ARA News, September 20, 2015、Champress, September 20, 2015、Elaph,com, September 20, 2015、al-Hayat, September 21, 2015、Iraqi News, September 20, 2015、Kull-na Shuraka’, September 20, 2015、al-Mada Press, September 20, 2015、Naharnet, September 20, 2015、NNA, September 20, 2015、Reuters, September 20, 2015、SANA, September 20, 2015、UPI, September 20, 2015などをもとに作成。

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米英トルコ軍が教練した「穏健な反体制派」新規戦闘員75人がシリア領内に進入(2015年9月20日)

シリア人権監視団は、トルコ領内で有志連合の監督のもとに軍事教練を受けた「穏健な反体制派」の戦闘員75人が新たに18日深夜から19日にかけて、シリア領内に進入したと発表した。

同監視団によると、この新たな「穏健な反体制派」戦闘員は、トルコ領内の基地で、米、英、トルコ軍から軍事教練を受け、軽火器を装備した車輌12輌に分乗し、有志連合が航空支援するなか、アレッポ県バーブ・サラーマ国境通行所を通過してシリア領内(米トルコ両政府が設置合意した「安全地帯」)に進入したという。

AFP, September 20, 2015、AP, September 20, 2015、ARA News, September 20, 2015、Champress, September 20, 2015、al-Hayat, September 21, 2015、Iraqi News, September 20, 2015、Kull-na Shuraka’, September 20, 2015、al-Mada Press, September 20, 2015、Naharnet, September 20, 2015、NNA, September 20, 2015、Reuters, September 20, 2015、SANA, September 20, 2015、UPI, September 20, 2015などをもとに作成。

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民主統一党がシリア領内で党大会を開催(2015年9月20日)

西クルディスタン移行期民政局を主導するクルド民族主義政党の民主統一党(サーリフ・ムスリム共同党首)がハサカ県ルマイラーン町で、第6回党大会を開催した。

『ハヤート』(9月21日付)によると、民主統一党がシリア国内で公然と党大会を開催するのは、今回が初めて。

党大会には、党員およびシリア国内外(イラクなど)で活動するクルド民族主義政党のほか、国内で反体制活動を続ける民主的変革諸勢力国民調整委員会(ハサン・アブドゥルアズィーム代表)など左派(アラブ民族主義、マルクス主義)政治組織の代表合わせて約600人が参加した。

大会初日の20日には、サーリフ・ムスリム共同党首、アースィヤー・アブドゥッラー共同党首、西クルディスタン移行期民政局ジャズィーラ地区のハミーディー・ダッハーム・ハーディー共同執政官、イラクのクルディスタン民主党代表、KCK代表、YNK代表らが開会演説を行った。

ARA News, September 20, 2015
ARA News, September 20, 2015

 

AFP, September 20, 2015、AP, September 20, 2015、ARA News, September 20, 2015、Champress, September 20, 2015、al-Hayat, September 21, 2015、Iraqi News, September 20, 2015、Kull-na Shuraka’, September 20, 2015、al-Mada Press, September 20, 2015、Naharnet, September 20, 2015、NNA, September 20, 2015、Reuters, September 20, 2015、SANA, September 20, 2015、UPI, September 20, 2015などをもとに作成。

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アブドゥルアズィーズ民主的変革諸勢力国民調整委員会代表「シリアにおけるロシアの軍事的プレゼンスは、有志連合との調整のもとになされれば、テロとの戦いの努力を支え、シリアの危機の政治的解決を促す」(2015年9月20日)

国内で活動を続ける反体制組織の民主的変革諸勢力国民調整委員会のハサン・アブドゥルアズィーズ代表は、ロシアによるシリアへの軍備強化に関して、「シリアにおけるロシアの軍事的プレゼンスは、それが有志連合との調整のもとになされれば、テロとの戦いの努力を支え、シリアの危機の政治的解決を促すことになるだろう」と述べた。

『ハヤート』(9月21日付)が伝えた。

AFP, September 20, 2015、AP, September 20, 2015、ARA News, September 20, 2015、Champress, September 20, 2015、al-Hayat, September 21, 2015、Iraqi News, September 20, 2015、Kull-na Shuraka’, September 20, 2015、al-Mada Press, September 20, 2015、Naharnet, September 20, 2015、NNA, September 20, 2015、Reuters, September 20, 2015、SANA, September 20, 2015、UPI, September 20, 2015などをもとに作成。

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