「穏健な反体制派」の新規戦闘員70人が米国などの教練を終え、シリアに入国(2015年9月21日)

米中央軍(CENTCOM)は、有志連合が有志連合の教練プログラムを修了した戦闘員約70人が、武器・装備を携帯して無事シリアに入国し、「新シリア軍」(New Syrian Forces、NSF)として作戦を遂行中だと発表した。

合同司令部発表によると、戦闘員約70人は、有志連合の支援のもと、「入念な検査を経た(vetted)反体制武装集団」(「穏健な反体制派」のこと)とともに、ダーイシュと戦うことになる、という。

また、彼らは、ダーイシュによって支配されている地域のうちの1万7,000平方キロの奪還を達成した、シリアのクルド人(西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊のこと)、スンナ派アラブ人、およびその他の反ダーイシュ勢力の戦列に加わり、また「新シリア軍」は有志連合の指揮を受けずに活動する、という。

Centcom, September 21, 2015をもとに作成。

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ザバダーニー市地元評議会は一時停戦合意を受けて声明を出し、ファトフ軍の努力と犠牲に謝意(2015年9月21日)

ザバダーニー市地元評議会は声明を出し、イドリブ県のフーア市、カファルヤー町攻略に向けた戦闘を続けたファトフ軍に対して、「ザバダーニー救済のために行った努力と犠牲に感謝する」とする声明を発表した。

Kull-na Shuraka', September 22, 2015
Kull-na Shuraka’, September 22, 2015

AFP, September 22, 2015、AP, September 22, 2015、ARA News, September 22, 2015、Champress, September 22, 2015、al-Hayat, September 23, 2015、Iraqi News, September 22, 2015、Kull-na Shuraka’, September 22, 2015、al-Mada Press, September 22, 2015、Naharnet, September 22, 2015、NNA, September 22, 2015、Reuters, September 22, 2015、SANA, September 22, 2015、UPI, September 22, 2015などをもとに作成。

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YPGとシャーム戦線(≒シャーム自由人イスラーム運動?)が、シリア政府支配地域とを結ぶ通行所開放の是非をめぐって、アレッポ市シャイフ・マクスード地区で交戦(2015年9月21日)

アレッポ県では、ARA News(9月22日付)によると、アレッポ市シャイフ・マクスード地区で、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊とシャーム戦線が交戦し、両組織の狙撃兵が同地区にいたる幹線道路沿いに展開し、交通が遮断した。

シャイム・マクスード地区は、クルド人住民が多く、西クルディスタン移行期民政局が実効支配している地区。

アリー・ガザールを名乗るアレッポ市の活動家はARA Newsに対し、人民防衛隊とシャーム戦線の間は緊張は、前者がシリア政府支配地域と反体制武装集団支配地域の間に位置するジャズィーラ通行所を数日前に開放しようとしたことで一気に高まっていたと述べた。

また、通行所開放に対して、シャーム戦線やその他の武装集団が拒否の姿勢を示すと、人民防衛隊は、反体制武装集団支配地域に面するシャイフ・マクスード地区西部一帯に狙撃手を配備し、アレッポ県北部とアレッポ市内の反体制武装集団支配地域を結ぶカースティールー街道を遮断、事態は戦闘に発展し、住民らにも被害が出たという。

これに関して、クッルナー・シュラカー(9月23日付)は、シャーム戦線ではなく、アル=カーイダ系組織のシャーム自由人イスラーム運動と西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊が、アレッポ市シャイフ・マクスード地区一帯で激しく交戦したと伝えた。

同サイトによると、人民防衛隊は、アレッポ県北部とアレッポ市内を結ぶ唯一の街道に狙撃兵を展開させ、道路を封鎖する一方、シャーム自由人イスラーム運動もアレッポ市内から市外への車の移動を禁止し、対抗しているという。

複数の活動家は、クッルナー・シュラカーに対し、人民防衛隊(西クルディスタン移行期民政局)が、シリア軍(シリア政府)との合意のもとに、シャイフ・マクスード地区からアレッポ市内のシリア政府支配地域への車での移動を許可したことに、シャーム自由人イスラーム運動が反発したことが戦闘のきっかけだったの述べた。

また、戦闘激化を受け、西クルディスタン移行期民政局は、シリア軍のシャイフ・マクスード地区への進入をシリア政府側と合意、シリア軍部隊の進入を認めたとの情報も流れているという。

「シャーム戦線」は、「命じられるままに進め連合」、ムジャーヒディーン軍、ヌールッディーン・ザンキー運動、アサーラ・ワ・タンミヤ運動からなる武装組織で、米トルコ両政府が設置合意した「安全地帯」では、ダーイシュ(イスラーム国)と戦い、米国からは「穏健な反体制派」と目されている。

一方、シャーム自由人イスラーム運動は、アル=カーイダの元メンバーらが結成したジハード主義武装集団。

組織としてはアル=カーイダとの関係を否定しているが、イドリブ県などを中心にアル=カーイダ系組織のシャームの民のヌスラ戦線、ジュンド・アクサー機構と共闘している。

その一方で、ダマスカス郊外県ザバダーニー市一帯では、地元の武装集団と共闘、またアレッポ県では「穏健な反体制派」のシャーム戦線と共闘している。

AFP, September 22, 2015、AP, September 22, 2015、ARA News, September 22, 2015、Champress, September 22, 2015、al-Hayat, September 23, 2015、Iraqi News, September 22, 2015、Kull-na Shuraka’, September 22, 2015、September 23, 2015、al-Mada Press, September 22, 2015、Naharnet, September 22, 2015、NNA, September 22, 2015、Reuters, September 22, 2015、SANA, September 22, 2015、UPI, September 22, 2015などをもとに作成。

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サーリフ・ムスリム氏、アースィヤー・アブドゥッラー氏が民主統一党共同党首に再選(2015年9月21日)

ARA News(9月21日付)によると、ハサカ県ルマイラーン町で20日に開幕した民主統一党第6回党大会で、サーリフ・ムスリム氏、アースィヤー・アブドゥッラー氏の2人が共同党首に再選された。

AFP, September 21, 2015、AP, September 21, 2015、ARA News, September 21, 2015、Champress, September 21, 2015、al-Hayat, September 22, 2015、Iraqi News, September 21, 2015、Kull-na Shuraka’, September 21, 2015、al-Mada Press, September 21, 2015、Naharnet, September 21, 2015、NNA, September 21, 2015、Reuters, September 21, 2015、SANA, September 21, 2015、UPI, September 21, 2015などをもとに作成。

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イスラエルのネタニヤフ首相がロシアのプーチン大統領と会談「イスラエル軍とロシア軍のあらゆる誤解を回避することが私の目的」(2015年9月21日)

イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相はロシアを訪問し、首都モスクワでヴラジミール・プーチン大統領と会談した。

ネタニヤフ首相は会談前に声明を出し「我々の政策を明示するためここ(ロシア)を訪れ、我々の軍との間に誤解が生じないようすることがきわめて重要だ」と表明した。

ネタニヤフ首相はまた、シリアとイスラエルによるヒズブッラーへの武器供与を停止させることが重要だと付言、両国がイスラエルに対する「第2戦線」を開こうとしていると批判した。

プーチン大統領との会談後、ネタニヤフ首相は、不意の交戦を回避するため、ロシアとイスラエルがシリアをめぐるそれぞれの軍事行動を調整していくことになると述べたうえで、「イスラエル軍とロシア軍のあらゆる誤解を回避することが私の目的だった」と改めて表明した。

これに対して、ロシアのメディアによると、プーチン大統領は、イスラエルに対して「ロシアの対中東政策が常に充分な検討を加えられている」ことを強調するとともに、以下の通り述べ、シリアにイスラエルを攻撃する意思がないことを説明したという。

「我々は、シリア軍、そしてシリア全般が、第2戦線を開くことができない状態にあることを知っている。シリアは自国の独立を維持しようとしているだけだ」。

イスラエル首相府広報局によると、会談では、シリア国内におけるロシア軍の展開状況のほか、シリアの海岸地域における軍備増強とヒズブッラーなど「テロ組織」への武器供与がイスラエルに及ぼす脅威について意見が交わされたという。

AFP, September 21, 2015、AP, September 21, 2015、ARA News, September 21, 2015、Champress, September 21, 2015、al-Hayat, September 22, 2015、Iraqi News, September 21, 2015、Kull-na Shuraka’, September 21, 2015、al-Mada Press, September 21, 2015、Naharnet, September 21, 2015、NNA, September 21, 2015、Reuters, September 21, 2015、SANA, September 21, 2015、UPI, September 21, 2015などをもとに作成。

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アレッポ市の反体制派支配地域をシリア軍が爆撃・砲撃し、約30人が死亡(2015年9月21日)

アレッポ県では、シリア軍がシリア人権監視団によると、反体制武装集団の支配下にあるアレッポ市シャッアール地区を地対地ミサイルなどで砲撃し、少なくとも18人が死亡、数十人が負傷した。

シリア軍はまたアンサーリー地区に対して「樽爆弾」を投下し、住民11人が死亡したという。

一方、SANA(9月21日付)によると、アレッポ市ライラムーン地区、バニー・ザイド地区、アンサーリー地区、ブスターン・バーシャー地区、シャッアール地区、ハーン・アサル村、ワディーヒー村、カフルナーハー村で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線、バドル殉教者旅団の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ダーヒヤト・アサド町郊外で、シリア軍がジハード主義武装集団(イスラーム軍)と交戦し、戦闘員4人が死亡した。

またカラムーン地方無人地帯では、シャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団がヒズブッラー戦闘員と交戦し、ヒズブッラー戦闘員1人が死亡した。

一方、SANA(9月21日付)によると、シリア軍が東西グータ地方でイスラーム軍、イスラーム旅団、アジュナード・シャーム・イスラーム連合の拠点を攻撃し、戦闘員61人以上を殲滅した。

シリア軍が攻撃を行ったのは、ドゥーマー市西部郊外(ハラスター市郊外北東部方面)、ハラスター市、ドゥーマー市、サクバー市、ジスリーン町、ハズラマー村、ナシャービーヤ町、ダイル・アサーフィール市農場地帯、アルバイン市、ダーライヤー市など。

シリア軍はまた、タッル市郊外のタルフィーター村無人地帯でも特殊作戦を行い、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、SANA(9月21日付)によると、シリア軍がダルアー市内マンシヤ地区で反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団を殲滅し、同地区内の10の建物群を制圧した。

シリア軍はまた、アッバースィーヤ地区、難民キャンプ地区、ビラール・ハバシー・モスク一帯、郵便局一帯、アンタル丘、サイダー町、ビータール農場北部で反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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クナイトラ県では、SANA(9月21日付)によると、ハミーディーヤ村、ラワーディー村で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ラタキア県では、SANA(9月21日付)によると、シリア軍が人民防衛諸集団とともに、ザーヒヤ村、シャフルーラ村にあるシャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団の拠点を攻撃し、戦闘員24人を殲滅した。

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ヒムス県では、SANA(9月21日付)によると、シリア軍がラスタン市を空爆するととも、フーシュ・ザバーディー村、イッズッディーン村、サリーム村で反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、SANA(9月21日付)によると、シリア軍がフライカ村を空爆し、ファトフ軍の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, September 21, 2015、AP, September 21, 2015、ARA News, September 21, 2015、Champress, September 21, 2015、al-Hayat, September 22, 2015、Iraqi News, September 21, 2015、Kull-na Shuraka’, September 21, 2015、al-Mada Press, September 21, 2015、Naharnet, September 21, 2015、NNA, September 21, 2015、Reuters, September 21, 2015、SANA, September 21, 2015、UPI, September 21, 2015などをもとに作成。

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シリア軍がダーイシュの中心拠点ラッカ市各所を、有志連合がアレッポ市北部のダーイシュの兵站路をそれぞれ爆撃(2015年9月21日)

ラッカ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がラッカ市内のナイーム地区、カーディスィーヤ交差点一帯などを6回にわたり空爆した。

一方、SANA(9月21日付)によると、シリア軍がラッカ市内各所のダーイシュ(イスラーム国)の拠点を空爆した。

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アレッポ県では、ARA News(9月21日付)によると、有志連合が県北部(「安全地帯」)のアフティームッラート村・タラーリーン村間のダーイシュ(イスラーム国)の兵站路を空爆した。

一方、SANA(9月21日付)によると、アレッポ市東部航空士官学校一帯、クワイリス航空基地近郊のラスム・アブド村、ダイル・ハーフィル市で、シリア軍がダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダイル・ザウル市労働者住宅地区(タフトゥーフ地区)で少年1人がダーイシュ(イスラーム国)メンバーと思われる狙撃手に撃たれ、死亡した。

またハリータ村では、シリア軍の空爆により男性1人が死亡、またムッラート村に対する空爆でも子供2人を含む5人が死亡した。

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ハサカ県では、シリア人権監視団によると、ラアス・アイン市郊外に仕掛けられた爆弾2発が相次いで爆発し、西クルディスタン移行期民政局アサーイシュ隊員1人を含む4人が死亡した。

また、ARA News(9月21日付)によると、有志連合がシャッダーディー市、マルカダ町のダーイシュ(イスラーム国)拠点を空爆した。

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ヒムス県では、SANA(9月21日付)によると、アブー・タッラーハ村、ハダス村で、シリア軍がダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

シリア軍はまた、トゥワイナーン村、タドムル市、カルヤタイン市、カディーム村を空爆し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、クッルナー・シュラカー(9月22日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)に忠誠を誓うヤルムーク殉教者旅団が、アフガン服の着用を拒んだ男性を殺害した。

AFP, September 21, 2015、AP, September 21, 2015、ARA News, September 21, 2015、September 22, 2015、Champress, September 21, 2015、al-Hayat, September 22, 2015、Iraqi News, September 21, 2015、Kull-na Shuraka’, September 21, 2015、al-Mada Press, September 21, 2015、Naharnet, September 21, 2015、NNA, September 21, 2015、Reuters, September 21, 2015、SANA, September 21, 2015、UPI, September 21, 2015などをもとに作成。

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米政府匿名筋「ロシア軍がシリア領空での無人航空機による偵察活動を開始した」、「ロシアがシリアに戦闘機28機を配備した」(2015年9月21日)

ロイター通信(9月21日付)は、2人の米政府匿名筋の話として、ロシア軍がシリア領空での無人航空機による偵察活動を開始した、と伝えた。

同匿名筋によると、この偵察活動は、ラタキア市近郊の軍事基地を発進したと思われる航空機によって行われ、この航空機は、ロシアが最近になって、戦闘機、戦闘ヘリコプター、歩兵部隊などとともにシリア領内に配備したものだという。

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AFP(9月21日付)は、複数の米政府筋の話として、ロシアがシリアに戦闘機28機を配備したと伝えた。

配備されたのは、Su-24戦闘機12機、Su-25戦闘爆撃機12機を含む戦闘機・戦闘爆撃機28機、攻撃・輸送用ヘリコプター20機などだという。

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一方、米民間情報機関のストラトフォーとオールソース社は、ラタキア県の「バースィル・アサド航空基地」(バースィル・アサド国際空港内のフマイミーム航空基地)上空から撮影された衛星写真を公開し、ロシア軍戦闘機16機が配備されている様子が確認できると発表した。

この衛星写真は9月20日に撮影されたもので、オールソース社の専門家によると、写真に写っている戦闘機16機のうち4機はSu-30、残る12機はSu-25だという。

写真にはまた、Mi-24攻撃ヘリコプター6機なども写っているという。

Stratfor/Allsource, September 21, 2015
Stratfor/Allsource, September 21, 2015

 

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これに関して、クッルナー・シュラカー(9月21日付)は、シリア軍が保有していないSu-30と思われる戦闘機4機と大型貨物航空機がヒムス県北部上空を通過とする映像が活動家の間で回付されていると伝え、その映像(https://www.youtube.com/watch?v=St_zPKmtB10&feature=youtu.be)を公開した。

Kull-na Shuraka', September 21, 2015
Kull-na Shuraka’, September 21, 2015

 

AFP, September 21, 2015、AP, September 21, 2015、ARA News, September 21, 2015、Champress, September 21, 2015、al-Hayat, September 22, 2015、Iraqi News, September 21, 2015、Kull-na Shuraka’, September 21, 2015、al-Mada Press, September 21, 2015、Naharnet, September 21, 2015、NNA, September 21, 2015、Reuters, September 21, 2015、SANA, September 21, 2015、UPI, September 21, 2015などをもとに作成。

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