最新論考「シリアの化学兵器攻撃から2年、「穏健な反体制派」支援がもたらす混乱」(Yahoo Japan! News)

青山弘之「シリアの化学兵器攻撃から2年、「穏健な反体制派」支援がもたらす混乱」

Yahoo Japan! News、2015年9月9日

http://bylines.news.yahoo.co.jp/aoyamahiroyuki/20150909-00049307/

シリアの首都ダマスカス郊外で化学兵器が使用されたとの情報が世界を席巻してから8月で2年が経った。この騒動は、米英仏によるシリアへの軍事介入の試みが、英国議会での否決やロシアの巧みな外交によって頓挫したことで一応収束し、その後、シリア国内では、化学兵器禁止機関(OPCW)の監督のもと、シリア政府が保有していた化学物質や関連施設を全廃した。・・・

(http://bylines.news.yahoo.co.jp/aoyamahiroyuki/20150909-00049307/)

アル=カーイダ指導者のザワーヒリー師がダーイシュ(イスラーム国)に「十字軍、世俗主義者、ヌサイリー派(アラウィー派)、サファビー朝の者ども(イラン)との戦闘」での共闘を暗に呼びかける(2015年9月9日)

アル=カーイダ総司令部のアイマン・ザワーヒリー師は、サハーブ・ネットを通じて音声声明(https://www.youtube.com/watch?v=ZkXQkkGuKrM)を発表、そのなかでダーイシュ(イスラーム国)が2014年6月末に宣言したカリフ制が無効だと改めて述べた。

しかし、ザワーヒリー師は、「十字軍、世俗主義者、ヌサイリー派(アラウィー派)、サファビー朝の者ども(イラン)との戦闘」での共闘をダーイシュに暗に呼びかけた。

45分におよぶこの音声声明で、ザワーヒリー師は「我々は(イスラーム国が宣言した)このカリフ制を承認しない。また我々はそれが、預言者の方法に基づいたカリフ制だとは考えていない。それは、シューラーを経ないで制圧されたに過ぎない国(イマーラ)であり、イスラーム教徒がこれに対して忠誠を誓う義務もない。我々は、アブー・バクル・バグダーディーがカリフだとは考えていない」と述べた。

また「バグダーディーおよび彼と共にいる者たちが行ったことは、ジハード主義を代表していない」としたうえで、アル=カーイダへの攻撃を停止するよう要請、またバグダーディー氏を「少数の無知な者たちが忠誠を誓った…反乱者」と非難した。

しかしザワーヒリー師は「我々は彼(バグダーディー)やその同胞たちの行いのすべてに反対しているという訳ではない。むろん、我々は彼らには多くの体系的な過ちがあるということにも異論を唱えない。しかし、私がもしイラク、あるいはシャーム(シリア)にいたとしたら、十字軍、世俗主義者、ヌサイリー派、サファヴィー朝の者どもと戦うために彼らと協力したことだろう。彼らの国家(イスラーム国)、さらには彼らが言うカリフ制の正統性を承認はしない。なぜなら、そうした問題は、私を越えたより大きな問題だからだ…。イスラーム共同体は十字軍の卑劣な攻撃に曝されており、ジハード主義者はこれと戦うために一体とならねばならない」と強調した。

ザワーヒリー師はそのうえで「十字軍の同盟に参加している西洋諸国に危害を与えることができるすべてのイスラーム教徒に対して、躊躇せず攻撃を加えるよう呼びかける。これらの国の心臓部、西洋の十字軍の都市、とりわけ米国に戦争を波及させることに集中しなければならない」と述べた。

なお、『ハヤート』(9月14日付)によると、サハーブ・ネットを通じて配信された音声声明は、アフガニスタンのターリバーンの指導者ムハンマド・ウマル師の死など最近の事件について言及されておらず、2015年6月30日以前に録音されたものと思われるという。

 

AFP, September 9, 2015、AP, September 9, 2015、ARA News, September 9, 2015、Champress, September 9, 2015、al-Hayat, September 10, 2015、September 14, 2015、Iraqi News, September 9, 2015、Kull-na Shuraka’, September 9, 2015、al-Mada Press, September 9, 2015、Naharnet, September 9, 2015、NNA, September 9, 2015、Reuters, September 9, 2015、SANA, September 9, 2015、UPI, September 9, 2015などをもとに作成。

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シリア外務在外居住者省は国連安保理議長に「アル=カーイダ系組織のシャーム自由人イスラーム運動がイドリブ県でVXガスを使用としている」と報告(2015年9月9日)

シリアのバッシャール・ジャアファリー国連代表大使は、国連安保理議長に外務在外居住者省書簡を提出し、そのなかで、イドリブ県で活動する「武装テロ集団」のシャーム自由人イスラーム運動が、フーア市、カファルヤー町に対して有毒化学物質を使用しようとしていると報告した。

シャーム自由人イスラーム運動は、ザバダーニー市(ダマスカス郊外県)でのシリア軍との戦闘に敗北し、シリア政府がザバダーニー市制圧を発表した場合、報復としてVXガスを使用としているという。

書簡は「テロ組織であるシャーム自由人イスラーム運動は、VXガスの生産に使用される化学物質の原材料を保有しており、シリア北部(イドリブ県)のトルコ国境地帯にあるナバティーヤ村のテロリストの基地でこのガスを生産しようとしている」と主張するとともに、「彼らはまた、トルコのヤイラダーイ市に容易にアクセスできる」と付言、トルコ政府が化学兵器の製造に関与していることを示唆した。

また「VXガス製造は、化学博士を取得したアフガン人女性の監督のもとに行われており、彼女はパキスタンやアフガニスタンでアル=カーイダとともに活動していた」と主張した。

他方、書簡は、「シリアのブーカマール区(ダイル・ザウル県)のあるイラク人が、有毒サリン・ガスを500万米ドルで密売している…。シリアのテロリストがこれを購入しようとしている」と付言した。

『ハヤート』(9月9日付)が伝えた。

AFP, September 9, 2015、AP, September 9, 2015、ARA News, September 9, 2015、Champress, September 9, 2015、al-Hayat, September 10, 2015、Iraqi News, September 9, 2015、Kull-na Shuraka’, September 9, 2015、al-Mada Press, September 9, 2015、Naharnet, September 9, 2015、NNA, September 9, 2015、Reuters, September 9, 2015、SANA, September 9, 2015、UPI, September 9, 2015などをもとに作成。

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アスマー・アフラス大統領夫人がダマスカス大学講堂で行われた国民優秀生センター修了式に出席(2015年9月9日)

SANA(9月9日付)は、国民優秀生センター(http://www.ncd.sy/)2015年度第4期修了式がダマスカス大学付属の講堂で執り行われ、アスマー・アフラス大統領夫人が出席し、祝辞を述べた。

アスマー夫人は祝辞で、知識と志向を活用して、自らが定めた目的の実現をめざすとともに、あらゆる困難に立ち向かうよう激励した。

SANA, September 9, 2015
SANA, September 9, 2015


AFP, September 9, 2015、AP, September 9, 2015、ARA News, September 9, 2015、Champress, September 9, 2015、al-Hayat, September 10, 2015、Iraqi News, September 9, 2015、Kull-na Shuraka’, September 9, 2015、al-Mada Press, September 9, 2015、Naharnet, September 9, 2015、NNA, September 9, 2015、Reuters, September 9, 2015、SANA, September 9, 2015、UPI, September 9, 2015などをもとに作成。

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アル=カーイダ系組織のヌスラ戦線がイドリブ県におけるアブー・ズフール軍事飛行場を完全制圧、シリア軍は最後の軍事拠点を喪失(2015年9月9日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、アル=カーイダ系組織のシャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義集団が、県内におけるシリア軍の最後の軍事拠点だったアブー・ズフール航空基地を完全制圧した。

アブー・ズフール空軍基地はイドリブ県最大の航空基地だったが、2年以上にわたりヌスラ戦線らの包囲を受けており、同基地から作戦を遂行するための戦闘機などは残っていなかったという。

Kull-na Shuraka', September 8, 2015
Kull-na Shuraka’, September 8, 2015
Kull-na Shuraka', September 8, 2015
Kull-na Shuraka’, September 8, 2015
Kull-na Shuraka', September 8, 2015
Kull-na Shuraka’, September 8, 2015
Kull-na Shuraka', September 8, 2015
Kull-na Shuraka’, September 8, 2015
Kull-na Shuraka', September 8, 2015
Kull-na Shuraka’, September 8, 2015

これに関して、マサール・プレス(9月9日付)は、「革命家」たちがシリア軍兵士多数を殺害、捕捉したとしつつ、基地内の武器弾薬などは、シリア軍が撤退する際にほとんど破壊、焼却されていた、と伝えた。

アブー・ズフール航空基地の制圧により、シリア政府支配下に残っているイドリブ県内の要衝は、フーア市、カファルヤー町を残すのみとなった。

フーア市、カファルヤー町は、シーア派住民が多く、住民から構成される国防隊、人民防衛隊(いわゆる人民防衛諸組織)がヒズブッラーの指導のもと、同地周辺一帯でファトフ軍との戦闘を続けている。

シリア人権監視団によると、アブー・ズフール航空基地を放棄したシリア軍守備隊とヌスラ戦線などが交戦を続けているという。

なお、シリア人権監視団によると、アブー・ズフール航空基地の最終攻防戦では、シリア軍兵士120人以上が死傷、捕捉されたのに対し、ヌスラ戦線側の犠牲者は数十人だったという(シリア人権監視団はその後(10日)、アブー・ズフール航空基地攻防戦で、シリア軍兵士56人が死亡、40人あまりが捕捉され、また数十人が行方不明になっていると発表した)。

一方、SANA(9月9日付)も、シリア軍アブー・ズフール航空基地守備隊が、「テロ集団」との熾烈な戦闘の末、基地内の拠点を放棄し、基地外の拠点に最集結したと報じ、同基地放棄を認めた。

SANAによると、反体制武装集団は、折から続く悪天候(砂嵐)で視界が悪い状況に乗じて、基地内に潜入、これを受け守備隊は9日早朝に基地を放棄したという。

守備隊が放棄した基地内には、3年間におよぶ戦闘で使用できる武器弾薬は放置されていないという。

SANAによると、シリア軍はしかし、マウザラ村一帯を空爆し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、マアルカバ村一帯で、シリア軍とジハード主義武装集団が交戦し、反体制武装集団が同村を制圧した。

一方、SANA(9月9日付)によると、シリア軍がカフルズィーター市で反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、シリア軍第4師団、国防隊、ヒズブッラー戦闘員、パレスチナ解放軍が、ザバダーニー市でジハード主義武装集団、地元武装集団と交戦した。

シリア軍はまた、ザバダーニー市に隣接するマダーヤー町を空爆した。

一方、SANA(9月9日付)によると、シリア軍とレバノンのレジスタンス(ヒズブッラー戦闘員)が、ザバダーニー市で反体制武装集団の掃討作戦を継続し、ナーブーア地区内の複数の建物群を新たに制圧した。

シリア軍はまた、タッル・クルディー町農場地帯、リーハーン農場に潜入しようとしたイスラーム軍を撃退した。

クッルナー・シュラカー(9月9日付)などは、イスラーム軍がダマスカス中央刑務所(サイドナーヤー刑務所)一帯に進攻し、その一部を制圧したと報じたが、SANAはこれを否定した。

他方、東グータ地方で活動するラフマーン軍団とイスラーム軍は共同声明を出し、合同作戦司令室を設置すると発表した。

クッルナー・シュラカー(9月9日付)が伝えた。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、米トルコ両政府が設置合意した「安全地帯」にある反体制武装集団の拠点都市マーリア市一帯、ハルバル村、タラーリーン村一帯で、ダーイシュ(イスラーム国)と反体制武装集団の交戦が続く一方、有志連合がマーリア市一帯のダーイシュ拠点に対して3回にわたり空爆を行った。

一方、SANA(9月9日付)によると、アレッポ市ハラブ・ジャディーダ地区、ラームーサ地区、アシュラフィーヤ地区、ラーシディーン地区、ルトフィー地区、ライラムーン地区、バニー・ザイド地区、アーミリーヤ地区、シャイフ・アフマド地区、シャイフ・ハドル地区、ラドワーニーヤ村で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、SANA(9月9日付)によると、西ガーリヤ村で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, September 9, 2015、AP, September 9, 2015、ARA News, September 9, 2015、Champress, September 9, 2015、al-Hayat, September 10, 2015、September 11, 2015、Iraqi News, September 9, 2015、Kull-na Shuraka’, September 9, 2015、al-Mada Press, September 9, 2015、Masar Press Agency, September 9, 2015、Naharnet, September 9, 2015、NNA, September 9, 2015、Reuters, September 9, 2015、SANA, September 9, 2015、UPI, September 9, 2015などをもとに作成。

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シリア軍がダーイシュ(イスラーム国)との戦闘の末、ヒムス県中部のジャズル・ガス田を制圧か?(2015年9月9日)

ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ジャズル・ガス採掘所一帯では、同地一帯の拠点を奪還したシリア軍とダーイシュ(イスラーム国)が激しく交戦した。

一方、SANA(9月9日付)によると、シリア軍がダーイシュ(イスラーム国)との戦闘の末、ジャズル・ガス採掘所を制圧した。

ダーイシュは折からの悪天候(砂嵐)に乗じて、ジャズル・ガス採掘所一帯に進攻していたが、シリア軍は激しい戦闘の末、これを撃退したのだという。

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スワイダー県では、シリア人権監視団によると、ブサイナ丘一帯で、シリア軍とダーイシュ(イスラーム国)が交戦した。

一方、SANA(9月9日付)によると、シリア軍が人民防衛諸集団とともに、ブサイナ丘に潜入しようとしたダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、これを撃退した。

またスワイダー市郊外の草地で、ダーイシュ・メンバーと思われる17人を逮捕した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)がジハード主義武装集団の拠点を襲撃した。

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アレッポ県では、SANA(9月9日付)によると、アルバイド村、航空士官学校一帯で、シリア軍がダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。


AFP, September 9, 2015、AP, September 9, 2015、ARA News, September 9, 2015、Champress, September 9, 2015、al-Hayat, September 10, 2015、Iraqi News, September 9, 2015、Kull-na Shuraka’, September 9, 2015、al-Mada Press, September 9, 2015、Naharnet, September 9, 2015、NNA, September 9, 2015、Reuters, September 9, 2015、SANA, September 9, 2015、UPI, September 9, 2015などをもとに作成。

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フランスがシリア領内でのダーイシュ(イスラーム国)爆撃に向け偵察飛行開始、オーストラリアもシリア領内での爆撃を決定:難民流入の主因に対処する姿勢を誇示(2015年9月9日)

フランス軍は声明を出し、「ダーイシュ(イスラーム国)に関する情報収集」のため9日にシリア領空で偵察活動を行ったと発表した。

偵察活動にはラファール戦闘機を使用されたという。

AFP(9月9日付)が伝えた。

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オーストラリアのトニー・アボット内閣は、有志連合の枠内で同国が行っているダーイシュ(イスラーム国)に対する空爆の範囲をシリア領内にも拡大することを発表した。

オーストラリアでは8日、国家安全保障委員会において、シリア領内での軍事作戦に関する計画が合意されていた。

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欧米諸国、オーストラリアは、2日にトルコの海岸で遺体で発見されたシリア人幼児(アイラーン・クルディーくん)の画像が公開されたことを受け、シリアなどからの難民への関心がにわかに高まっており、英独がそれぞれ約2万人、フランス、カナダ、オーストリアが約1万人、米国が約3万人と難民受け入れを表明しているが、その一方、難民発生の主因であるシリア国内の混乱に対しては、シリア領内でのダーイシュへの空爆という方針を打ち出し、事態に対処しようとしている。

その一方で、ロシアによるシリア政府への軍事支援強化に対しては、とりわけ米国が警戒感を示している。

『ガーディアン』(9月9日付)が伝えた。

AFP, September 9, 2015、AP, September 9, 2015、ARA News, September 9, 2015、Champress, September 9, 2015、The Guardian, September 9, 2015、al-Hayat, September 10, 2015、Iraqi News, September 9, 2015、Kull-na Shuraka’, September 9, 2015、al-Mada Press, September 9, 2015、Naharnet, September 9, 2015、NNA, September 9, 2015、Reuters, September 9, 2015、SANA, September 9, 2015、UPI, September 9, 2015などをもとに作成。

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ロシア外務省は「シリア軍にロシア製の新たな装備の教練を行うために軍事顧問複数名を派遣した」と認める一方、ロイター通信はロシア軍がシリア軍の作戦に参加したと伝える(2015年9月9日)

『ハヤート』(9月10日付)によると、ミハイル・ボグダノフ外務副大臣は、「シリアへのロシア軍の専門家の駐在は、ロシア製装備の使用について教練を行う必要があることが理由で、これらの装備は、ロシア・シリア間の軍事技術協力の枠組みのなかで締結された契約に基づいて輸出される」と述べた。

また、この発言の直後、ロシア外務省のマリア・ザハロワ報道官は、シリア国内でのシリア政府による「テロとの戦い」に必要な武器や装備を増強し続けると表明した。

ザハロフ報道官は、シリア軍との作戦面での協調が、ダーイシュ(イスラーム国)掃討に向けた域内同盟の結成を主唱するヴラジミール・プーチン大統領のイニシアチブを推し進め、「テロとの戦い」における努力を統合するうえで重視すべきだと述べたうえで、「テロとの戦いの支援を強化するうえで必要なのであれば、国際法や国内法に従い、さらなる措置を検討する用意がある」と付言した。

また、シリア駐留ロシア軍の増強を行ったとの質問に対して、ザハロフ報道官は「シリア軍にロシア製の新たな装備の教練するための軍事顧問複数名を派遣した」と認めた。

新たな装備の内容については明らかにしなかった。

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一方、ロイター通信(9月9日付)は、シリアの政治軍事情勢に精通したレバノンの複数の消息筋の話として、ロシア軍がシリア軍を支援するかたちで作戦に参加していると伝えた。

この消息筋は匿名を条件に、ロシア軍がシリア軍の作戦に参加したとしたうえで、参加したロシア人の数は今のところ少ない、と述べたという。

ロシア軍が具体的にどのように作戦に参加したのかは不明。

AFP, September 9, 2015、AP, September 9, 2015、ARA News, September 9, 2015、Champress, September 9, 2015、al-Hayat, September 10, 2015、Iraqi News, September 9, 2015、Kull-na Shuraka’, September 9, 2015、al-Mada Press, September 9, 2015、Naharnet, September 9, 2015、NNA, September 9, 2015、Reuters, September 9, 2015、SANA, September 9, 2015、UPI, September 9, 2015などをもとに作成。

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ギリシャは米国の要請を事実上拒否し、シリアに向かうロシア機の領空通過を許可、ブルガリアもロシア機の臨検を条件に通過を認める意思を表明(2015年9月9日)

タス通信(9月9日付)は、在アテネ・ロシア大使館高官からの情報として、ギリシャ政府が8月31日に、人道目的でシリアを往来するロシア機の領空通過を認めたと伝えた。

領空通過の許可機関は9月1日から24日で、この期間は、米国がギリシャ政府に対してロシア機の領空通過を禁じるよう要請した期間と一致しており、米国の要請を事実上拒否したかたちとなった。

またインテルファクス通信(9月9日付)は、イラン政府が、人道支援物資搬送のためにシリアを往来するロシア機の領空通過を求めるロシア側の要請に全面的に応じたと伝えた。

一方、ロシア機の領空通過を禁止したブルガリアでは、ダニエル・ミトフ外務大臣が記者団に対して、「ロシアの友人が、ブルガリアの空港でのロシア機に対する臨検を認めるのであれば、彼らに(領空通過)の許可を与えたい」と述べた。

他方、AFP(9月9日付)は、米国の複数の高官の話として、過去数日の間に、ロシアの軍用機少なくとも3機がシリア領内に着陸した、と伝えた。

複数の高官は匿名を条件に、3機のロシア機のうちの2機が貨物機、1機が人員輸送機だったことを明らかにしたうえで、いずれもラタキアの空港に着陸したと述べた。

AFP(9月9日付)が伝えた。

AFP, September 9, 2015、AP, September 9, 2015、ARA News, September 9, 2015、Champress, September 9, 2015、al-Hayat, September 10, 2015、Interfax, September 9, 2015、Iraqi News, September 9, 2015、Kull-na Shuraka’, September 9, 2015、al-Mada Press, September 9, 2015、Naharnet, September 9, 2015、NNA, September 9, 2015、Reuters, September 9, 2015、SANA, September 9, 2015、TASS, September 9, 2015、UPI, September 9, 2015などをもとに作成。

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