米中央司令部は、「穏健な反体制派」新規戦闘員約70人がアル=カーイダ系のヌスラ戦線に装備の25%を引き渡していたことを認める(2015年9月25日)

米中央軍は、25日午後1時頃、最近になってシリアに進入した「穏健な反体制派」新規戦闘員約70人(第30師団、新シリア軍)の司令官が、作戦実行地域内での安全な移動を確保するため、アル=カーイダ系組織のシャームの民のヌスラ戦線に、有志連合が供与した装備を引き渡していた事実を確認したと発表した。

中央司令部のパトリック・レイダー報道官(大佐)によると、9月21~22日にかけて、「新シリア軍」は、ピック・アップ・トラック6台と弾薬をヌスラ戦線に直接引き渡したという。

ヌスラ戦線に引き渡された装備、弾薬は、有志連合が供与した装備の25%にあたるという。

なお、米中央軍は23日、新規戦闘員約70人がアル=カーイダ系のシャームの民のヌスラ戦線に降伏、武器弾薬を引き渡したとの報道に関して、「そうした証拠を得ていない」と否定、有志連合が提供した武器弾薬は「新シリア軍」の管理下にある、と発表していた。

AFP, September 26, 2015、AP, September 26, 2015、ARA News, September 26, 2015、Champress, September 26, 2015、al-Hayat, September 27, 2015、Iraqi News, September 26, 2015、Kull-na Shuraka’, September 26, 2015、al-Mada Press, September 26, 2015、Naharnet, September 26, 2015、NNA, September 26, 2015、Reuters, September 26, 2015、SANA, September 26, 2015、UPI, September 26, 2015などをもとに作成。

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シリアで戦闘に参加しているロシア軍兵士とされる動画公開(2015年9月25日)

AFP(9月25日付)は、シリア国内でシリア軍とともに戦闘に参加しているというロシア軍兵士の動画(https://youtu.be/o1lCLPV4xbE)をユーチューブなどを通じて配信した。

ロシア軍兵士とされる男性は、「アサドのシリア」、「第4師団」と書かれ、アサド大統領の顔が中央にあしらわれたシリア国旗の腕章とつけ、カラシニコフ銃を撃ち、ロシア語と思われる言語で、「アッラー、シリア、バッシャールのみ」「アッラーよ軍を祝福あれ」と叫んでいる。

AFP, September 25, 2015
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ヒズブッラーのナスルッラー書記長「一部の大国がシリア政府とその同盟者の不屈を前に従来の姿勢を転換させているようだ」(2015年9月25日)

ヒズブッラーのハサン・ナスルッラー書記長はマナール・チャンネル(9月25日付)のインタビューに応じ、そのなかでシリア情勢について、一部の大国がシリア政府とその同盟者の不屈を前に従来の姿勢を転換させつつある、との見方を示した。

ナスルッラー書記長は以下のように述べた。

「シリアに対する5年に及ぶ世界規模の戦争は、体制を転覆させ、国(シリア)を支配することが目的だった。だが、シリアとその同盟者が見せた不屈の忍耐が、我々が今日目の当たりにしている現状の背景にある最大の要因だ」。

「我々が目の当たりにしている現状とは、米国としてダーイシュ(イスラーム国)に対する有志連合の戦略が頓挫したというものだ。欧州諸国は今や新たな脅威、すなわち難民問題に直面し、彼らには二つの選択肢しかない。シリアでの戦争を止めるか、難民を受け入れるかだ」。

「米国は、シリアをめぐる交渉でイラン人を説得できると思っていた。しかし、こうした試みも終わった」。

「ロシアとイラン、イラク、トルコといった国の高官らとの間で、何度か会談が持たれ、これらの国は真の反テロ部隊を作ることについて真剣な協議を行った」。

「バッシャール・アサド大統領を支援するというロシアとイランの姿勢は断固たるものだ…。ヒズブッラーはその前線を支援するためにシリアに入るあらゆる部隊(ロシア軍)を歓迎する。なぜなら、そうした部隊は、シリアと地域が直面している最大の脅威を排除することに貢献するからだ…ロシアの動きは、前述の四カ国(イラク、イラン、トルコ、シリア)との調整のもとに行われている」。

「我々はザバダーニー市での戦闘を7月1日に開始し、周辺のすべての丘陵地帯と村々を掌握した。武装集団は2週間もしないうちに、救難を求めるようになった…。彼らはその後、フーア市・カファルヤー町とザバダーニー市を結びつけるようになり、フーア市とカファルヤー町に圧力をかければザバダーニー市の戦況が改善すると考えるようになった…。彼らがザバダーニー市の問題を絡めてきたとき、我々はチャンスだと思った。我々は、ザバダーニー市の完全制圧を控えることで、フーア市とカファルヤー町を守ったのだ」。

SANA, September 25, 2015
SANA, September 25, 2015

AFP, September 25, 2015、AP, September 25, 2015、ARA News, September 25, 2015、Champress, September 25, 2015、al-Hayat, September 26, 2015、Iraqi News, September 25, 2015、Kull-na Shuraka’, September 25, 2015、al-Mada Press, September 25, 2015、Qanat al-Manar, September 25, 2015、Naharnet, September 25, 2015、NNA, September 25, 2015、Reuters, September 25, 2015、SANA, September 25, 2015、UPI, September 25, 2015などをもとに作成。

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クナイトラ県の反体制武装集団が「堪え忍ぶ者たちに吉報をもたらせ」と銘打って、シリア軍への攻撃を激化(2015年9月25日)

クナイトラ県では、クッルナー・シュラカー(9月25日付)によると、クナイトラ県で活動する反体制武装集団が、ダマスカス郊外県西グータ地方に対するシリア政府の包囲を解除するため「堪え忍ぶ者たちに吉報をもたらせ」の戦いを開始した。

「堪え忍ぶ者たちに吉報をもたらせ」合同作戦司令室に参画したシャームの剣大隊広報局のラーイド・トゥウマ氏によると、この戦いの目的は、クナイトラ県タルジャナ村北東部の丘陵地帯に展開する第4中隊、歩兵中隊などの拠点を制圧し、首都ダマスカスにいたる西グータ地方への進路を確保することにあるという。

これに関して、シリア人権監視団は、シリア軍、国防隊と反体制武装集団がハミーディーヤ村、タルジャナ村、ジュャバーター・ハシャブ村一帯で反体制武装集団と交戦したと発表した。

また、マサール・プレス(9月25日付)によると、この戦闘で、「革命家部隊」は、ダマスカス郊外県サアサア町方面で、ダマスカス県とクナイトラ市を結ぶ幹線道路の寸断に成功したという。

なお、ARA News(9月26日付)は、この戦いに関して、「イスラーム軍が行っている」と伝えた。

一方、SANA(9月25日付)によると、アイン・バイダー村、ジュャバーター・ハシャブ村、サーヒー丘北部、ウーファーニヤー村、ハミーディーヤ村一帯、アマル農場、ハドル村東部南東部、ハーン・アルナバ村一帯で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、アクラバー村をシリア軍が空爆した。

一方、SANA(9月25日付)によると、シャイフ・マスキーン市、ダルアー市・ガラズ刑務所間街道、ダルアー市Syriatelビル南部で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がドゥーマー市、バラダー渓谷一帯を「樽爆弾」などで空爆、また国防隊とともに同地の反体制武装集団と交戦した。

一方、SANA(9月25日付)によると、ザブディーン村、ザマーニーヤ村、ダイル・サルマーン町など東グータ地方各所で、シリア軍がイスラーム軍と交戦し、戦闘員14人を殲滅した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍、国防隊、ヒズブッラー戦闘員がアレッポ市アーミリーヤ地区でジハード主義武装集団と交戦した。

一方、SANA(9月25日付)によると、アレッポ市バーブ・ナスル地区、サーフール地区、ラーシディーン地区で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がアブー・ズフール航空基地、サルジャ村、アルバイーン山一帯を空爆した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍ばバルアース村を空爆した。

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ダマスカス県では、SANA(9月25日付)によると、ジャウバル地区で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

これに関して、クッルナー・シュラカー(9月26日付)は、シリア軍が毒ガスを装填した迫撃砲でジャウバル区を砲撃し、住民複数名が中毒症状を訴えたと伝えた。

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ヒムス県では、SANA(9月25日付)によると、キースィーン村、ガジャル、ラスタン市、ファルハーニーヤ村、南マシュジャル村、ジュッブ・ジャッラーフ村、ダブール丘、アブー・サナースィル丘で、シリア軍、国防隊が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県で、有志連合、シリア軍、YPG主体のユーフラテスの火山作戦司令室がダーイシュ(イスラーム国)に爆撃・砲撃(2015年9月25日)

アレッポ県では、ARA News(9月25日付)によると、有志連合は米トルコ両政府が設置合意した「安全地帯」の反体制武装集団のハルバル村、タラーリーン村、スーラーン町、アフティムッラート村のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して空爆を行った。

また、シリア人権監視団によると、有志連合がタッル・マーリド村一帯を空爆した。

一方、SANA(9月25日付)によると、アレッポ市東部航空士官学校一帯、タッル・ファーウーリー村、タッル・イスタブル村で、シリア軍がダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

他方、ARA News(9月25日付)によると、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のユーフラテスの火山作戦司令室は、トルコ国境に位置するダーイシュ(イスラーム国)の拠点都市ジャラーブルス市に対して迫撃砲、重火器での攻撃を行った。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がシャーイル・ガス採掘所一帯でダーイシュを交戦し、戦闘員1人が死亡した。

一方、SANA(9月25日付)によると、シリア軍がウンク・ハワー村、ラッフーム村、シャーイル・ガス採掘所一帯を空爆し、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

また、クッルナー・シュラカー(9月26日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)がヒムス市・タドムル市間の街道で、車輌2台、バイク2台からなるシリア軍の車列を要撃し、兵士12人を殺害した。

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ハサカ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が、ダーイシュ(イスラーム国)の支配したにあるタッル・ブラーク町郊外のカーカー・サイード村、ラジャム・トゥファイヒー村、フワイティラ村などを空爆した。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、有志連合が、ダーイシュ(イスラーム国)の支配下にあるCONOCOガス工場を空爆した。

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米中央軍(CENTCOM)は、9月25日にシリア、イラク領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して25回の空爆を行ったと発表した。

このうちシリア領内での空爆は1回で、フール町(ハサカ県)近郊のダーイシュに対して攻撃が行われたという。

AFP, September 25, 2015、AP, September 25, 2015、ARA News, September 25, 2015、Champress, September 25, 2015、al-Hayat, September 26, 2015、Iraqi News, September 25, 2015、Kull-na Shuraka’, September 25, 2015、September 26, 2015、al-Mada Press, September 25, 2015、Naharnet, September 25, 2015、NNA, September 25, 2015、Reuters, September 25, 2015、SANA, September 25, 2015、UPI, September 25, 2015などをもとに作成。

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ハモンド英外相はアサド大統領との対話の必要を改めて強調する一方で、フランス外務省報道官はこれを依然として拒否(2015年9月25日)

英国のフィリップ・ハモンド外務大臣は『ル・モンド』(9月25日付)のインタビューで、シリア情勢に関して「もし我々は、アサドがその一部をなす権力の移譲をめぐって合意にいたるのであれば、このプロセスにおけるアクターとして彼と対話する必要がある」と述べた。

ロイター通信(9月25日付)が伝えた。

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フランス外務省のロマン・ナダル報道官は、パリでの英仏独の外相会談後に、シリア情勢について「シリア危機の解決への唯一の方法である政治的移行をめぐる広範な一致が生じている」としたうえで、「もしアサドが解決策の一部をなしていたとしたら、我々はそのことに4年前に着目していたはずだ…。彼がいることで危機は悪化している。彼が去ることが解決策の一部だ」と述べた。

AFP, September 25, 2015、AP, September 25, 2015、ARA News, September 25, 2015、Champress, September 25, 2015、al-Hayat, September 26, 2015、Iraqi News, September 25, 2015、Kull-na Shuraka’, September 25, 2015、al-Mada Press, September 25, 2015、Naharnet, September 25, 2015、NNA, September 25, 2015、Reuters, September 25, 2015、SANA, September 25, 2015、UPI, September 25, 2015などをもとに作成。

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ラタキア市に「観光客でない…ロシア人来訪者」が増加(2015年9月25日)

AFP(9月25日付)は、ラタキア市などのホテル、レストランで、「観光客でない…ロシア人来訪者」が増加しているとしたうえで、彼らがロシアからの軍事・技術支援強化の一環でシリアに派遣された人員である可能性が高いと伝えた。

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