NATO事務総長「ロシア軍のシリアでの爆撃がダーイシュ(イスラーム国)を標的としていないとの報告に懸念している」(2015年9月30日)

NATOのイェンス・ストルテンベルグ事務総長は、ロシア軍によるシリア領内での空爆開始に関して、「ロシア軍のシリアでの空爆がダーイシュ(イスラーム国)を標的としていないとの報告に懸念している」と述べた。

ARA News(10月1日付)が伝えた。

AFP, October 1, 2015、AP, October 1, 2015、ARA News, October 1, 2015、Champress, October 1, 2015、al-Hayat, October 2, 2015、Iraqi News, October 1, 2015、Kull-na Shuraka’, October 1, 2015、al-Mada Press, October 1, 2015、Naharnet, October 1, 2015、NNA, October 1, 2015、Reuters, October 1, 2015、SANA, October 1, 2015、UPI, October 1, 2015などをもとに作成。

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レバノン大統領選挙29回目の延期(2015年9月30日)

ナビーフ・ビッリー国民議会議長は、大統領選挙(第2回投票)のための臨時会(29回目、9月30日予定)が定足数に達しなかったことを受け、会合を10月21日に再び延期すると決定した。

ナハールネット(9月30日付)が伝えた。

AFP, September 30, 2015、AP, September 30, 2015、ARA News, September 30, 2015、Champress, September 30, 2015、al-Hayat, October 1, 2015、Iraqi News, September 30, 2015、Kull-na Shuraka’, September 30, 2015、al-Mada Press, September 30, 2015、Naharnet, September 30, 2015、NNA, September 30, 2015、Reuters, September 30, 2015、SANA, September 30, 2015、UPI, September 30, 2015などをもとに作成。

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アレッポ市シャイフ・マクスード地区でYPGとアル=カーイダ系のヌスラ戦線、シャーム自由人イスラーム運動の戦闘が再開(2015年9月30日)

アレッポ県では、ARA News(9月30日付)によると、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊が最近になって完全制圧し、シリア政府支配地域とを結ぶ通行所が開放されたアレッポ市シャイフ・マスキーン地区に対して、アル=カーイダ系組織のシャームの民のヌスラ戦線、シャーム自由人イスラーム運動が再び攻撃、人民防衛隊と交戦した。

ヌスラ戦線、シャーム自由人イスラーム運動の攻撃は、アレッポ・ファトフ作戦司令室の人民防衛隊の停戦合意後、数時間足らずで再開された。

AFP, September 30, 2015、AP, September 30, 2015、ARA News, September 30, 2015、Champress, September 30, 2015、al-Hayat, October 1, 2015、Iraqi News, September 30, 2015、Kull-na Shuraka’, September 30, 2015、al-Mada Press, September 30, 2015、Naharnet, September 30, 2015、NNA, September 30, 2015、Reuters, September 30, 2015、SANA, September 30, 2015、UPI, September 30, 2015などをもとに作成。

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イドリブ県でヌスラ戦線とアジュナード・シャーム・イスラーム連合が交戦(2015年9月30日)

イドリブ県では、クッルナー・シュラカー(9月30日付)によると、トルコ国境に近いダーナー市にあるシャリーア委員会で、アル=カーイダ系組織のシャームの民のヌスラ戦線とジハード主義組織のアジュナード・シャーム・イスラーム連合が交戦し、ヌスラ戦線メンバー1人が死亡、シャリーア委員会の3人が負傷した。

両者の戦闘は、シャリーア委員会が外国人戦闘員に協力する民間人複数名を拘束したことに異議を唱えて、ヌスラ戦線がシャリーア委員会の本部を襲撃、本部を警護していたアジュナード・シャーム・イスラーム連合と交戦したことで激化したという。

AFP, September 30, 2015、AP, September 30, 2015、ARA News, September 30, 2015、Champress, September 30, 2015、al-Hayat, October 1, 2015、Iraqi News, September 30, 2015、Kull-na Shuraka’, September 30, 2015、al-Mada Press, September 30, 2015、Naharnet, September 30, 2015、NNA, September 30, 2015、Reuters, September 30, 2015、SANA, September 30, 2015、UPI, September 30, 2015などをもとに作成。

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シリア軍がアレッポ市東部でダーイシュ(イスラーム国)と交戦(2015年9月30日)

アレッポ県では、SANA(9月30日付)によると、ダイル・ハーフィル市、バクジャ村、発電所一帯、ブラート村、サーリヒーヤ村、ジャッブール村、シャイフ・ルトフィー村、タッル・ハッターバート村、ナアーム丘一帯、サブイーン村、アイユーブ村、航空士官学校一帯で、シリア軍がダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

一方、ARA News(9月30日付)によると、米トルコ領政府が設置合意した北部「安全地帯」内のサンダフ村に潜入しようとしたダーイシュ(イスラーム国)をシャーム戦線が撃退し、戦闘員30人を殲滅した。

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ダイル・ザウル県では、ARA News(10月1日付)によると、ダイル・ザウル市とハサカ市を結ぶ街道上で、ダーイシュ(イスラーム国)のチェチェン人司令官(アミール)1人を含むダーイシュ・メンバー5人の遺体が発見された。

5人は2ヶ月前にダイル・ザウル市内で拉致され、行方不明になっていたという。

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ハサカ県では、ARA News(10月1日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)がハサカ市郊外で、男性2人を「国防隊に所属」しているとの罪で処刑した。

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米中央軍(CENTCOM)は、9月30日にシリア、イラク領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して22回の空爆を行ったと発表した。

このうちシリア領内での空爆は1回で、マーリア市近郊のダーイシュに対して攻撃が行われたという。

AFP, September 30, 2015、AP, September 30, 2015、ARA News, September 30, 2015、October 1, 2015、Champress, September 30, 2015、al-Hayat, October 1, 2015、Iraqi News, September 30, 2015、Kull-na Shuraka’, September 30, 2015、al-Mada Press, September 30, 2015、Naharnet, September 30, 2015、NNA, September 30, 2015、Reuters, September 30, 2015、SANA, September 30, 2015、UPI, September 30, 2015などをもとに作成。

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クナイトラ県で「堪え忍ぶ者たちに吉報をもたらせ」合同作戦司令室の攻勢続く(2015年9月30日)

クナイトラ県では、マサール・プレス(9月30日付)によると、反体制武装集団が、同県の県庁所在地バアス市制圧に向けて、ハムリーヤ丘、アフマル丘、ハーン・アルナバ市近郊に対して砲撃を強化した。

これに対して、シリア軍は、「堪え忍ぶ者たちに吉報をもたらせ」合同作戦司令室によって制圧されたタルジャナ中隊展開地域一帯、アマル農場、ジュャバーター・ハシャブ村、タルジャナ村を「樽爆弾」などで空爆するとともに、ダマスカス郊外県サフナーヤー市、ジャルマーナー市一帯の国防隊、人民諸委員会を増援部隊として同地に派遣した。

一方、SANA(9月30日付)によると、シリア軍と人民防衛諸組織が、タルジャナ村、一帯で、シリア軍がシャームの民のヌスラ戦線、ナワー自由人大隊などと交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

これに対して、ヌスラ戦線はハドル村、ハーン・アルナバ市、ハラファー村に対して砲撃を加えた。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ダーヒヤト・アサド町一帯で、シリア軍、国防隊が、イスラーム軍などからなるジハード主義武装集団と交戦した。

シリア軍はまた、ダーライヤー市に対して「樽爆弾」約40発を投下した。

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アレッポ県では、SANA(9月30日付)によると、マンスーラ村、アレッポ市カルム・マイサル地区、カルム・ジャバル地区、ライラムーン地区、ブスターン・バーシャー地区、サーフール地区で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、SANA(9月30日付)によると、ダルアー市Syriatelビル一帯で、シリア軍がシャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, September 30, 2015、AP, September 30, 2015、ARA News, September 30, 2015、Champress, September 30, 2015、al-Hayat, October 1, 2015、Iraqi News, September 30, 2015、Kull-na Shuraka’, September 30, 2015、al-Mada Press, September 30, 2015、Masar Press Agency, September 30, 2015、Naharnet, September 30, 2015、NNA, September 30, 2015、Reuters, September 30, 2015、SANA, September 30, 2015、UPI, September 30, 2015などをもとに作成。

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トルコのダウトオール首相「シリア紛争の解決策を考えるのであれば、いかなる者であれアサドのいないシリアを考えねばならない」(2015年9月30日)

トルコのアフメト・ダウトオール首相は30日、国連総会で一般討論演説を行った。

シリア情勢に関して、ダウトオール首相は以下の通り述べた。

「国連は、ボスニア、ルワンダなどでの地域紛争、シリアで過去4年にわたり続いている紛争において、人々を「地獄の苦しみ」から救い出すことに失敗してしまった…。国際社会は速やかに、シリア難民の安全をはく補するために、彼らの祖国に「安全地帯」を設定するために行動しなければならない」。

「シリアにおける悲劇は、シリア国民が自らの意思を真に代表し、その存在に完全に満足することができる正統な政府を持つことなくして終わることはないだろう。シリア紛争の解決策を考えるいかなる者も、アサドのいないシリアを作ることを考えねばならない」。

「トルコは、ISIS、PKKを含むあらゆるテロと戦っている。我々の対テロ努力と国際社会への貢献は、同盟国には周知のことである」。

『デイリー・サバフ』(9月30日付)が伝えた。

Daily Sabah, September 30, 2015などをもとに作成。

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ファビウス仏外相「民間人と穏健な反体制派ではなく、ダーイシュ(イスラーム国)とアル=カーイダ系組織のみを攻撃すべき」(2015年9月30日)

フランスのローラン・ファビウス外務大臣は記者会見で、シリア領内でのロシア軍による空爆開始に関して、民間人と「穏健な反体制派」を標的とせず、ダーイシュ(イスラーム国)とアル=カーイダ系組織にのみ攻撃を限定すべきだと述べた。

ファビウス外務大臣は「もちろん、ダーイシュ(イスラーム国)と一致団結して全力で戦わねばならない。また我々に参加したいという者は、以下の条件を満たせば歓迎される。空爆がダーイシュなどのテロ組織に対して行われること。民間人、穏健な反体制派を標的としないこと」と述べた。


AFP, September 30, 2015、AP, September 30, 2015、ARA News, September 30, 2015、Champress, September 30, 2015、al-Hayat, October 1, 2015、Iraqi News, September 30, 2015、Kull-na Shuraka’, September 30, 2015、al-Mada Press, September 30, 2015、Naharnet, September 30, 2015、NNA, September 30, 2015、Reuters, September 30, 2015、SANA, September 30, 2015、UPI, September 30, 2015などをもとに作成。

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ハモンド英外務相が国連総会で演説「アサドが、移行期の開始時であれ、移行期中であれ、去ることで、傷ついた人々を癒やすことができる」(2015年9月30日)

英国のフィリップ・ハモンド外務大臣は30日、国連総会で一般討論演説を行った。

シリア情勢に関して、ハモンド外務大臣は以下の通り述べた。

「シリアの危機は、暴力的な過激主義…移民問題の双方において世界全体に反響をもたらしている。これらの脅威を恒久的に解決するには、シリアに恒久的な平和と安定をもたらす以外にはない。こうした安定を実現したいのなら、我々は紛争に人道的な影響を及ぼすべくこれまで以上に行動しなければならない。しかしシリアがこの危機から脱するための航路をたどれるようにするには、我々は何よりもまず、シリアがどのように安定へといたるのかをはっきりさせねばならない」。

「シリアを危機に陥れたのはアサド政権だ。平和的に抗議する人々への残虐な弾圧…、「樽爆弾」の無差別使用へといたる民間人に対する無差別攻撃が根本原因だ。アサド政権は、過激主義、とりわけISILが台頭する環境を創り出した。だから、我々はISILというガンを征するためにアサドという毒を飲むべきだとの忠告を拒否する」。

「紛争当初、ジハード主義者を解き放ったのはアサドだ。今でも彼らとの取引を続けているのはアサドだ。アサドの軍はそれ以外の当事者よりも多くの民間人を毎月殺している」。

「アサドは、ISILに戦闘員を勧誘するもっとも重要な戦闘員(sergeants)の一人だ。彼の軍は穏健な反体制派や民間人の拠点を破壊するために照準を合わせいる。ISILと戦うためにアサドと同盟を結ぶいかなる試みもISILを強化し、アサド政権に対するスンナ派抵抗運動の事実上の指導者にしたてあげてしまう」。

「我々はシリア国民に、ISILのテロとアサドの専制から自由な未来を保障しなければならない。なぜなら、シリアは、代議的な政府、すなわちISILと軍事的に戦うために国際社会と行動できる政府を持つことができれば、暴力的な過激主義を圧倒するもっとも有効なパートナーとなり得るからだ」。

「それゆえ、アサドとその取り巻きが今行うことができる最大の貢献とは…、政治的移行を可能とするように退くことであり、それにより内戦が終わり、シリア人がイスラーム過激主義との戦いにおいて一つになることを可能とする」。

「過去数週間、シリア国内の現実は変化した。ロシアの介入が政権の指揮を高め、その能力を高めた。ロシアは、このように公然とアサドを支えるという重責を担っているが…、この間もアサドは自国民に対してテロを続けている。国際社会はロシアに、樽爆弾…、化学兵器の使用を停止させるための影響力をこれまで以上に行使することを期待している」。

「我々は、ロシアがISILに対して武力を行使するとの意思を耳にしてきた。そして我々はこれを歓迎する。しかし…、これと同じ武力を行使して、アサド政権の弾圧に抵抗する穏健な反体制派を攻撃するのであれば、ISILとの戦いにおいて効果的な一員となることは不可能だ」。

「明確に言うのなら、政権を支援する行動は、シリアでISILに対する戦いを効果的に行うことと両立しない。これは道義的な判断ではなく、プラグマティックな判断による」。

「ロシアの空爆の標的は、慎重に選択されていたとは言えない…。シリアで今朝行われた軍事行動がISILとアル=カーイダ系組織に対するもので、アサド政権に抵抗する穏健な反体制派ではない。ロシアは、国際社会に対してそう明言できるかが重要だ」。

「シリア国民はアサドがとどまるか去るかを決めるべきだということも耳にする。しかし、こうしたことは幻想だと言わねばならない。そうした発言は現地の現実を無視している。25万人が死亡し、120万人が難民となった国で公正な選挙などどのようにしてできるのか? 彼らのほとんどは国外にいる」。

「アサドが、移行期の開始時であれ、移行期中であれ、去ることで、傷ついた人々への癒やしを始めることができる。アサド抜きの新たな政府が支配する新たなシリアへといたる政治プロセスに着手することができれば、そのとき反体制派の力をISILと戦うために向けることもできるだろう」。


英国政府ホームページ(2015年9月30日)をもとに作成。

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中国の王外相「シリア危機を政治的に解決するための機会を追求すべき」(2015年9月30日)

中国の王毅外交部長(外務大臣)は、国連安保理常任理事国会合で、シリア情勢に関して「一丸となってシリア危機を政治的に解決するための機会を追求すべきである。(紛争の)当事者たちは、これまで以上に政治的解決を実現への意思を示している」と述べた。

王外交部長はまた、開催に向けた準備が綴られているシリア政府と反体制派の和平交渉(ジュネーブ3)について、「こうした会合が開催し得るような環境を創り出すため行動すべきであり…、政治的解決に向けたプロセスを進めることが、すべての当事者による「テロとの戦い」に向けた連携強化に知ることになろう」と付言した。

そのうえで、スタファン・デミストゥラ・シリア問題担当国連アラブ連盟共同特別代表による当事者どうしの仲介努力を支援すべきだと主唱した。

新華社通信(9月30日付)、ロイター通信(9月30日付)などが伝えた。


AFP, September 30, 2015、AP, September 30, 2015、ARA News, September 30, 2015、Champress, September 30, 2015、al-Hayat, October 1, 2015、Iraqi News, September 30, 2015、Kull-na Shuraka’, September 30, 2015、al-Mada Press, September 30, 2015、Naharnet, September 30, 2015、NNA, September 30, 2015、Reuters, September 30, 2015、SANA, September 30, 2015、UPI, September 30, 2015などをもとに作成。

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ムアッリム外務在外居住者大臣が、国連総会出席のため米ニューヨーク入りし、ヴェネズエラ大統領、イラク、スーダン、中国外相と会談、またロシアを議長国とする「テロとの戦い」の連携強化に向けた安保理外相級会合に出席(2015年9月30日)

ワリード・ムアッリム外務在外居住大臣は、国連総会出席のため米ニューヨークを訪問した。

大臣には、ファイサル・ミクダード外務在外副大臣、アフマド・アルヌース外務在外居住者省顧問も同行した。

シリアの外務大臣が米国に入国するのは、2014年9月の国連総会時以来1年ぶり。

ニューヨークに到着したムアッリム外務在外居住者省は、ヴェネズエラのニコラス・マドゥロ大統領、イラクのイブラーヒーム・ジャアファリー外務大臣、スーダンのイブラーヒーム・ガンドゥール外務大臣、中国の王毅外交部長(外務大臣)と相次いで会談した。

SANA(9月30日付)が伝えた。

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ムアッリム外務在外居住者大臣はまた、「テロとの戦い」への対応を協議するために招集された安保理閣僚級会合(議長国ロシア)に出席し、ダーイシュ(イスラーム国)、シャームの民のヌスラ戦線、そしてその他のアル=カーイダ系組織によるテロに対抗し続けるとのシリアの立場を表明した。

AFP, September 30, 2015、AP, September 30, 2015、ARA News, September 30, 2015、Champress, September 30, 2015、al-Hayat, October 1, 2015、Iraqi News, September 30, 2015、Kull-na Shuraka’, September 30, 2015、al-Mada Press, September 30, 2015、Naharnet, September 30, 2015、NNA, September 30, 2015、Reuters, September 30, 2015、SANA, September 30, 2015、UPI, September 30, 2015などをもとに作成。

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ケリー米国務長官「ロシア軍がダーイシュ(イスラーム国)壊滅を目的としていれば反対しない」(2015年9月30日)

ジョン・ケリー米国務長官は、シリア領内でのロシア軍による空爆開始に関して、ダーイシュ(イスラーム国)壊滅を目的としていれば反対しないと述べた。

ケリー国務長官は「ロシアの最近の行動、そして現在遂行中の行動が、この組織(ダーイシュ)を敗北させるための真摯な取り組みを反映したものであれば、我々はこうした努力を歓迎し、我々の作戦との衝突を回避するための方法を模索する用意がある」と述べた。

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ジョシュ・アーネスト米ホワイトハウス報道官は、シリア領内でのロシア軍による空爆開始に関して、「ロシアが標的とした目標が何だったのか、ロシアが空爆した標的が何だったのかを言うことは時期尚早だ」としつつ、シリアの紛争に「軍事的解決」を強いることはロシアにはできないと述べた。

AFP, September 30, 2015、AP, September 30, 2015、ARA News, September 30, 2015、Champress, September 30, 2015、al-Hayat, October 1, 2015、Iraqi News, September 30, 2015、Kull-na Shuraka’, September 30, 2015、al-Mada Press, September 30, 2015、Naharnet, September 30, 2015、NNA, September 30, 2015、Reuters, September 30, 2015、SANA, September 30, 2015、UPI, September 30, 2015などをもとに作成。

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ロシア軍によるシリア領内での爆撃開始をめぐるロシア政府の動き(2015年9月30日)

ヴラジミール・プーチン大統領は、シリア領内のダーイシュやアル=カーイダ系組織へのロシア軍の空爆開始に関して「ロシアにジハード主義者たち(の脅威)が及ばないよう、シリアのジハード主義者を壊滅するために先手を打って行動する」と述べた。

プーチン大統領は「国際テロリズムと戦う唯一の正しい方法は、先制的に行動し、テロリストによって掌握されている場所で彼らと戦闘、壊滅し、彼らが我々のもとにまで到達することを待たないことだ」と述べた。

『ハヤート』(10月1日付)が伝えた。

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ロシアのセルゲイ・イワノフ大統領府長官は、シリア政府がロシア大統領に正式に「テロとの戦いのための軍事支援」を要請してきたとしたうえで、ロシア連邦議会がこの要請を審議するための臨時会を開催、全会一致で、プーチン大統領による国外での軍事力行使を承認したと発表した。

連邦議会の臨時会は非公式で行われ、数分で法案審議と採決を終了したという。

イワノフ大統領府長官はまた、地上軍派遣の是非に関して、「地上部隊の派遣は検討されていない」と述べ、否定した。

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『ハヤート』(10月1日付)によると、ロシア大統領府のドミトリー・ペスコフ報道官は、ロシア軍によるシリア領内での空爆に関して、第三国領内での武力行使は、国連安保理決議ないしはその国の正統な政府の要請に基づく必要があるとしたうえで、「ロシアは、シリア領内で唯一合法的に武力行使を行う国である」と述べた。

なお『ハヤート』(10月1日付)によると、ロシア軍による空爆開始と合わせて、ロシア外務省はイスラエルにその旨通知、またミハイル・ボグダノフ外務副大臣によると、数日中にすべての関係各国に空爆開始を通知するという。

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『ハヤート』(10月1日付)は、ロシア正教会が、ロシア軍によるシリア領内でのダーイシュ(イスラーム国)、アル=カーイダ系組織への空爆を「聖なる戦い」と評し、支持を表明したと伝えた。

AFP, September 30, 2015、AP, September 30, 2015、ARA News, September 30, 2015、Champress, September 30, 2015、al-Hayat, October 1, 2015、Iraqi News, September 30, 2015、Kull-na Shuraka’, September 30, 2015、al-Mada Press, September 30, 2015、Naharnet, September 30, 2015、NNA, September 30, 2015、Reuters, September 30, 2015、SANA, September 30, 2015、UPI, September 30, 2015などをもとに作成。

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ロシア軍戦闘機がシリア軍戦闘機とともにシリア中部のダーイシュ(イスラーム国)とヌスラ戦線の拠点に対して爆撃を開始(2015年9月30日)

SANA(9月30日付)は、シリア軍消息筋の話として、テロとの戦いとダーイシュ(イスラーム国)根絶にかかるシリアとロシアの合意を実施するかたちで、ロシア空軍がシリア空軍の支援を受け、シリア中部のダーイシュ拠点複数カ所に正確な空爆を行った、と伝えた。

SANA, September 30, 2015
SANA, September 30, 2015

同消息筋によると、空爆は、ヒムス県のラスタン市、タルビーサ市、ザアフラーナ村、ダイル・フール村、ハマー県のトゥルール・ハムル村、アイドゥーン村、サラミーヤ市一帯のダーイシュ拠点に及んだ。

このうちラスタン市、タルビーサ市、ザアフラーナ村、ダイル・フール村は、ダーイシュではなく、アル=カーイダ系組織のシャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団の支配地域である。

これに関して、ロシア国防省のイゴール・コナシンコフ報道官はスプートニク通信(9月30日付)に対して、「ロシア軍戦闘機は今日(30日)、シリア領内のダーイシュ拠点8カ所に対して、約20回の空爆を行い、テロ組織の司令拠点…、武器弾薬燃料庫を破壊した」ことを明らかにした。

コナシンコフ報道官によると、「すべての空爆は、航空偵察とシリア軍参謀委員会のデータ照会後に実施された」という。

コナシンコフ報道官はこの発表に先立って、ロシア航空宇宙防衛軍の航空機が、シリア領内でのダーイシュ拠点に対する空爆を行うための作戦(偵察活動)を開始したことを明らかにしていた。

なお、20回という空爆回数は、2014年9月に米国がシリア領内で開始した空爆回数(1日平均3~5回程度)に比べ、4~6倍の規模。

一方、『ハヤート』(10月1日付)は、シリアの治安機関高官筋の話として、「ロシア空軍とシリア空軍の戦闘機は水曜日(29日)、複数回の空爆を行い、ハマー県、ヒムス県、ラタキア県のテロリストの拠点複数カ所を攻撃した」と伝えた。

同消息筋によると、両国空軍が空爆を行ったのは、ラタキア県のガマーム村、ズワイド山、ダイル・ハンナー村、ハマー県のラターミナ町、カフルズィーター市、ヒムス県のラスタン市、タルビーサ市。

これらの地域はいずれも、アル=カーイダ系組織のヌスラ戦線や、同じくアル=カーイダ系組織のシャーム自由人イスラーム運動、ジュンド・アクサー機構などからなるファトフ軍の活動地域。

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クッルナー・シュラカー(9月30日付)は、反体制活動家らが撮影した空爆の動画(https://youtu.be/UXsH50NrF1Ehttps://youtu.be/oqJPVlDdLek)、写真を転載した。

Kull-na Shuraka', September 30, 2015
Kull-na Shuraka’, September 30, 2015
Kull-na Shuraka', September 30, 2015
Kull-na Shuraka’, September 30, 2015
Kull-na Shuraka', September 30, 2015
Kull-na Shuraka’, September 30, 2015
Youtube, September 30, 2015
Youtube, September 30, 2015



シリア人権監視団は、ロシア空軍が攻撃を行ったタルビーサ市で、子供1人と女性2人を含む27人が空爆によって死亡したと発表した。

またドゥラル・シャーミーヤ(9月30日付)も、ロシア軍による攻撃が行われたザアフラーナ村で、住民8人が死亡したと伝えた。

さらに、トルコのイスタンブールでシリア革命反体制勢力国民連立のハーリド・ハウジャ代表は訪問先の米ニューヨークからツイッターで、「ロシア軍はダーイシュ、アル=カーイダとつながりのある組織が存在しない地域を標的とし、少なくとも36人が死亡した」とつぶやいた。

ハウジャ代表によると「今日、ロシア軍の標的となったヒムス県内の地域は、1年前にダーイシュが敗退した地域」なのだという。

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SANA(9月30日付)はまた、ロシア軍による空爆と並行して、シリア軍がヒムス県郊外のダーイシュとヌスラ戦線の拠点、車列に対して空爆を行ったと伝えた。

シリア軍が空爆を実施したのは、ダーイシュの支配下にあるシャーイル・ガス採掘所一帯、ハンヌーラ村、カルヤタイン市、ヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団の支配下にあるカンヌ山一帯(ラスタン市郊外)で、これにより拠点などを破壊、複数の戦闘員を殺傷したという。

一方、ハマー県では、シリア軍がラターミナ町、カフルズィーター市・ザカート村間の街道でシャームの民のヌスラ戦線などからなるファトフ軍の拠点、車列を攻撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

シリア軍はまた、バリーギート村、ムーリク市東部に対しても空爆を行った。

シリア人権監視団によると、ラターミナ町の空爆では死傷者はなかった。

なお、シリア人権監視団によると、シリア軍はマンスーラ村、タッル・ワースィト村に対しても空爆・砲撃を行った。

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このほか、SANA(9月30日付)によると、ヒムス県ヒムス市のマハッタ(鉄道駅)地区、アルメニア地区、ワーディー・ザハブ地区、警察住宅地区など(いずれもシリア政府支配地域)に、反体制武装集団が撃った迫撃砲弾11発が着弾し、1人が死亡、19人が負傷した。

一方、シリア人権監視団は、ヌスラ戦線とともにヒムス県ラスタン市一帯で活動するタウヒード軍の司令官(第313旅団司令官)の一人ハサン・ハシュファ氏、ザフラーナ村法廷のアブドゥルムハイミン・アーガー裁判長が25日に何者かに暗殺されたと発表した。

AFP, September 30, 2015、AP, September 30, 2015、ARA News, September 30, 2015、Champress, September 30, 2015、al-Durar al-Shamiya, September 30, 2015、al-Hayat, October 1, 2015、Iraqi News, September 30, 2015、Kull-na Shuraka’, September 30, 2015、al-Mada Press, September 30, 2015、Naharnet, September 30, 2015、NNA, September 30, 2015、Reuters, September 30, 2015、SANA, September 30, 2015、Sputnik News, September 30, 2015、UPI, September 30, 2015などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア大統領府声明「シリアからの正式な要請を受け、ロシア軍がシリア領内「テロとの戦い」の枠内で爆撃を開始」(2015年9月30日)

シリア大統領府は声明を出し、アサド大統領がロシアのヴラジミール・プーチン大統領に対して行った正式な要請に基づき、ロシア空軍が、「テロとの戦い」の枠組みのなかで派遣された、と発表した。

声明によると、「国外でのロシア空軍の活用をプーチン大統領に認めることを定めた法案をロシア連邦議会が承認したのを受け、シリア大統領府にシリア領内におけるロシア空軍の駐留形態に関する問い合わせがあった。これに基づき、我々は、国家間関係が、国際法・憲章、および国民の利益を実現し、国土保全を保障するための国家間の合意に基づくべきであることを確認した。これに基づき、ロシア軍のシリアへの派遣が、アサド大統領からプーチン大統領に送付された書簡を通じてシリア国家から正式に要請された。これは、テロとの戦いのためのプーチン大統領のイニシアチブの枠組みに基づく、ロシア空軍部隊の派遣要請を含むものである」という。

SANA(9月30日付)が伝えた。

AFP, September 30, 2015、AP, September 30, 2015、ARA News, September 30, 2015、Champress, September 30, 2015、al-Hayat, October 1, 2015、Iraqi News, September 30, 2015、Kull-na Shuraka’, September 30, 2015、al-Mada Press, September 30, 2015、Naharnet, September 30, 2015、NNA, September 30, 2015、Reuters, September 30, 2015、SANA, September 30, 2015、UPI, September 30, 2015などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.