ロシア難民受入移送居住センター:7月31日に難民348人が新たに帰国、7月18日以降に帰国したシリア難民は4,492人に(2018年8月1日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(8月1日付)を公開し、7月31日に難民348人がシリアに帰国したと発表した。

これにより、7月18日以降に帰国したシリア難民の数は4,492人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者4,174人(ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者318人(ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

なお、45カ国で難民登録したシリア人の数は715万6,987人(うち女性214万7,096人、子供365万0,063人)。

Ministry of Defence of the Russian Federation, August 1, 2018をもとに作成。

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ロシア合同調整センターはシリア難民・避難民帰還に向けた活動の進捗を発表(2018年8月1日)

ロシア国防省は、国外難民と国内避難民の帰還を支援するための外務省との合同調整センターの会合がモスクワで開催されたと発表した。

会合はミハエル・ミズィンツェヴ(Mikhail Mizintsev)上級大将(国家防衛管理センター長)が議長を務めた。

会合でのミズィンツェヴ上級大将の報告内容の骨子は以下の通り:

Ministry of Defence of Russia, August 1, 2018
Ministry of Defence of Russia, August 1, 2018

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合同調整センターは、UNHCR(国際連合難民高等弁務官事務所)などの国際機関との連携のもと、シリア、レバノン、ヨルダン、トルコでの難民・避難民の帰還の手順に関する提案を先週行った。

その際、国連、UNHCRによって提示され、ほとんどの西側諸国が支持している帰還にかかる以下の基本原則をロシアは承認した。

1. 自発的帰還
2. 帰還者の安全の保障
3. 帰還者の不動産所有権の承認
4. 帰還者のシリアでの非訴追
5. 外国で発効された身分証の承認
6. 恩赦の保証
7. 人道機関の帰還者への円滑なアクセス

これらの基本原則に関してシリア政府も理解を示した。

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一部の諸外国は、ほとんどの場合、国際機関や支援国からの援助の獲得や、シリア難民の安価な労働力としての利用といった政治的な口実で、帰還を妨げるような妨害を行っている。

こうしたことを踏まえて、合同調整センターは難民帰還にマイナスに作用する傾向を監視することを優先事項とし、以下3点を主要な目的としている。

1. 国際レベルでの連絡の促進
2. 現下のすべての問題に取り組むための支援
3. 戦時下のシリアが直面する複雑な社会・政治・経済・人道問題に取り組むシリア政府への支援

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シリア大統領は合同調整センターの設置、難民受入移送居住センターの活動を完全に承認している。

シリアの地元当局も帰還者にとって有利な条件を作り出そうと活動しており、この動きに対応するため、ロシア政府は難民受入移送居住センター支部をダイル・ザウル市サーリヒーヤ地区(ダイル・ザウル県)、バーニヤース港(タルトゥース県)、ダマスカス国際空港(ダマスカス郊外県)に新設した。

また、レバノンとの国境にもセンターの支部を4カ所設置済みで、レバノン政府はシリア難民帰還を積極支援している。

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ヨルダンも、アイマン・サファディー外務大臣がこの問題での協力する意思を示しており、シリアの関係機関と直接連絡をとり合うための合同作業本部設置に向けて、ロシア、米国とともに動いている。

エジプト政府も難民帰還に向けた仲介を行っている。

トルコ政府は、シリア情勢への対応を協議するためのロシア、ドイツ、フランスとの四カ国首脳会議を9月7日に開催すると発表した。

トルコ外務省、軍、情報機関は、シリア難民の帰還に反対はしていないが、難民の安全や生活条件が保証されない限りは帰国させられないとの姿勢を取っている。

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在ダマスカスのロシア大使館はシリアの外務在外居住者省とともに、難民帰還に向けたハンドブックを作成している。

また、在アンカラおよび在アンマンのロシア大使館も、トルコ、ヨルダン両政府に難民帰還を促すための措置を講じるよう働きかけている。

とりわけ、在アンマンのロシア大使館は、ルクバーン難民キャンプへの人道支援問題にかかる米国との協議にヨルダンも関与させようと検討中である。

一方、在アンカラのロシア大使館は、アブー・ズフール町の通行所を通じた難民帰国に向けた態勢作りに向けてトルコの関係当局との協力関係構築をめざしている。

Ministry of Defence of the Russian Federation, August 2, 2018をもとに作成。

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ハンムード運輸大臣「シリア政府はナスィーブ国境通行所再開を検討している」(2018年8月1日)

アリー・ハンムード運輸大臣は、ロイター通信(8月1日付)に対して、「ヨルダンとの国境に至る街道は利用の準備ができている。シリア政府は(ナスィーブ)国境通行所の再開と利用を検討している」と述べた。

ハンムード運輸大臣はまた、「この通行所に至るのを阻止するすべての問題を解消した。我々は率先して、街道を整備し、通行所を利用できるようにするため修復した」と付言した。

一方、ヨルダン国内の貨物運送会社も、ナスィーブ国境通行所近くの事務所再開に向けて修復作業を開始したという。

『ハヤート』(8月2日付)などが伝えた。

AFP, August 1, 2018、ANHA, August 1, 2018、AP, August 1, 2018、al-Durar al-Shamiya, August 1, 2018、al-Hayat, August 2, 2018、Reuters, August 1, 2018、SANA, August 1, 2018、UPI, August 1, 2018などをもとに作成。

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イドリブ県で活動する国民解放戦線にアル=カーイダ系組織や旧「穏健な反体制派」が新たに加入(2018年8月1日)

イドリブ県で活動する国民解放戦線は声明を出し、アル=カーイダ系のシャーム自由人イスラーム運動とバラク・オバマ米政権の支援を受けていた「穏健な反体制派」のヌールッディーン・ザンキー運動からなるシリア解放戦線、シャームの鷹旅団、自由人軍、ダマスカス連合が新たに戦線に加入したと発表した。

国民解放戦線は5月に結成された武装連合体で、トルコが支援するシリア・ムスリム同胞団系のシャーム軍団、シャーム解放機構と共闘してきた自由イドリブ軍、第1沿岸師団、第2沿岸師団、第1歩兵師団、第2軍、精鋭軍、ナスル軍、ダーライヤー・イスラーム殉教者、自由旅団、第23師団からなる。

al-Durar al-Shamiya, August 1, 2018

AFP, August 1, 2018、ANHA, August 1, 2018、AP, August 1, 2018、al-Durar al-Shamiya, August 1, 2018、al-Hayat, August 2, 2018、Reuters, August 1, 2018、SANA, August 1, 2018、UPI, August 1, 2018などをもとに作成。

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ダーイシュがスワイダー県、ダマスカス郊外県でシリア軍を攻撃(2018年8月1日)

スワイダー県では、ダーイシュ(イスラーム国)に近いアアマーク通信(8月1日付)によると、ダーイシュがハルハラ航空基地を攻撃した。

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ダマスカス郊外県では、ドゥラル・シャーミーヤ(8月1日付)によると、ドゥマイル市南部のマダービア地区でナディーム・アスアド准将ら士官複数人がダーイシュ(イスラーム国)の要撃を受け、アスアド准将を含む3人が死亡した。

AFP, August 1, 2018、ANHA, August 1, 2018、AP, August 1, 2018、al-Durar al-Shamiya, August 1, 2018、al-Hayat, August 2, 2018、Reuters, August 1, 2018、SANA, August 1, 2018、UPI, August 1, 2018などをもとに作成。

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統一地方選挙の立候補者申請の受付期間が約半日延長(2018年8月1日)

高等司法選挙委員会(選挙管理委員会)は声明を出し、9月16日に投票が予定されている統一地方選挙の立候補者申請の受付期間を8月1日の午前12時にまで延長すると発表した。

受付期間は8月1日の午後で終了する予定だったが、申請者が多いために約半日延長された。

SANA(8月1日付)が伝えた。

AFP, August 1, 2018、ANHA, August 1, 2018、AP, August 1, 2018、al-Durar al-Shamiya, August 1, 2018、al-Hayat, August 2, 2018、Reuters, August 1, 2018、SANA, August 1, 2018、UPI, August 1, 2018などをもとに作成。

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アサド大統領「我々が勝利する日は近い」(2018年8月1日)

シリア軍武装部隊総司令官(大将)を兼務するアサド大統領は、軍創設73周年記念日(8月1日)に合わせて、軍機関誌『人民軍』を通じて祝辞を発表した。

祝辞のなかで、アサド大統領は「諸君らの犠牲と勇敢さのおかげで、我々は今日、ほとんどの地域の治安と安定を回復した…。諸君らが彼ら(反体制派)に苦い敗北を味合わせたことで、彼らは、屈辱に苛まれ、撃破され、しっぽを巻くようにして、退去を余儀なくされた…。我々が勝利する日は近い」と述べた。

SANA(8月1日付)が伝えた。

SANA, August 1, 2018

AFP, August 1, 2018、ANHA, August 1, 2018、AP, August 1, 2018、al-Durar al-Shamiya, August 1, 2018、al-Hayat, August 2, 2018、Reuters, August 1, 2018、SANA, August 1, 2018、UPI, August 1, 2018などをもとに作成。

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シリア軍との非公式合意に基づき、ダーイシュに忠誠を誓うハーリド・ブン・ワリード軍の戦闘員400人あまりがスワイダー県の砂漠地帯に退去(2018年8月1日)

スワイダー24(8月1日付)は、ダーイシュ(イスラーム国)に忠誠を誓うハーリド・ブン・ワリード軍とシリア軍が非公式に停戦合意を交わしたと伝え、内容の詳細を明らかにした。

それによると、ハーリド・ブン・ワリード軍の戦闘員400人が家族とともにダルアー県南西部のヤルムーク川河畔地域からスワイダー県東部に移送された、という。

また、スワイダー県東部で拉致された女性・子供の解放と引き替えに、シリア政府当局が拘置しているダーイシュのメンバー約100人も釈放されるという。

『ムドン』(8月1日付)は、この交渉にはシリア軍第4師団、第9師団の士官があたり、ハーリド・ブン・ワリード軍の戦闘員は7月29日に第1陣が、スワイダー県東部のカッラーア村、ディヤーサ村個々に向かって退去、30日までに退去した戦闘員の数は500人に達したという。

AFP, August 1, 2018、ANHA, August 1, 2018、AP, August 1, 2018、al-Durar al-Shamiya, August 1, 2018、al-Hayat, August 2, 2018、al-Mudun, August 1, 2018、Reuters, August 1, 2018、SANA, August 1, 2018、Suwayda 24, August 1, 2018、UPI, August 1, 2018などをもとに作成。

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シリア軍はダーイシュに忠誠を誓うハーリド・ブン・ワリード軍の最後の拠点クサイル村を制圧、ヤルムーク川河畔地域でイスラエル製の無人航空機、米国製武器を発見(2018年8月1日)

ダルアー県では、ANHA(8月1日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)に忠誠を誓うハーリド・ブン・ワリード軍の残党がクサイル村でシリア軍と激しく交戦、ロシア・シリア両軍が同地を爆撃した。

同地にはハーリド・ブン・ワリード軍の戦闘員約100人と住民数百人とともに留まっているという。

戦闘は、戦闘員の砂漠地帯への退去、スワイダー県東部で拉致された女性・子供の解放などをめぐる交渉が決裂したのを受けたのの。

一方、SANA(8月1日付)は、クサイル村をヤルムーク川河畔地域におけるハーリド・ブン・ワリード軍の最後の拠点と評したうえで、シリア軍がハーリド・ブン・ワリード軍との戦闘の末に同地を解放し、周辺の渓谷に逃走した戦闘員を追撃したと伝えた。

また、シリア軍工兵部隊は、解放したヤルムーク川河畔地域の村々で爆発物などの撤去作業を続け、アービディーン村でイスラエル製の無人航空機を、クーヤー村で米国製のTOW対戦車ミサイルなどの武器弾薬を発見した。

SANA, August 1, 2018
SANA, August 1, 2018
SANA, August 1, 2018


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クナイトラ県では、SANA(8月1日付)によると、ジュバーター・ハシャブ村で解放を祝う祝典が行われ、住民らが参加した。

SANA, August 1, 2018

AFP, August 1, 2018、ANHA, August 1, 2018、AP, August 1, 2018、al-Durar al-Shamiya, August 1, 2018、al-Hayat, August 2, 2018、Reuters, August 1, 2018、SANA, August 1, 2018、UPI, August 1, 2018などをもとに作成。

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トルコの実質占領下にあるアレッポ県アフリーン郡村でシャーム軍団が住民に発砲(2018年8月1日)

アレッポ県では、ANHA(8月1日付)によると、トルコの実質占領下にあるアフリーン郡のジンディールス町で、シャーム軍団が住民に発砲、1人が負傷した。

AFP, August 1, 2018、ANHA, August 1, 2018、AP, August 1, 2018、al-Durar al-Shamiya, August 1, 2018、al-Hayat, August 2, 2018、Reuters, August 1, 2018、SANA, August 1, 2018、UPI, August 1, 2018などをもとに作成。

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ロシアのアレクサンドル・ラヴレンチエフ・シリア問題担当大統領特使「イランの重火器部隊はイスラエルとシリアの停戦ラインから85キロ以内の地帯にはいない(2018年8月1日)

ロシアのアレクサンドル・ラヴレンチエフ・シリア問題担当大統領特使は、シリア国内で活動を続けるイランの部隊に関して「イラン人とシーア派部隊はそこ(シリア)にはいない…。イラン人顧問はシリア部隊とともにイスラエルとの国境近くにいるだろう…。しかし、イスラエルに脅威を与える可能性がある重火器を装備した部隊は、停戦ラインから85キロ以内の地域にはいない…。この地域には、ロシアの後援のもとに国連の部隊が入るだろう。」と述べた。

タス通信(8月1日付)などが伝えた。

AFP, August 1, 2018、ANHA, August 1, 2018、AP, August 1, 2018、al-Durar al-Shamiya, August 1, 2018、al-Hayat, August 2, 2018、Reuters, August 1, 2018、SANA, August 1, 2018、TASS News Agency, August , 2018、UPI, August 1, 2018などをもとに作成。

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