レバノンのヒズブッラーの幹部:サウジアラビアのムハンマド皇太子はアサド大統領にヒズブッラー、イランと断交すれば、生涯大統領職に留まることを保証すると申し出る(2018年8月24日)

レバノンのヒズブッラーの幹部の一人で、国民議会内会派の抵抗への忠誠ブロックに所属するナウワーフ・ムーサウィー議員は、マヤーディーン(8月24日付)とのインタビューで、サウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマーン皇太子が、シリアのアサド政権に「空想的」とも言える申し出を行ったと語った。

al-Durar al-Shamiya, August 25, 2018

ムーサウィー議員によると、ムハンマド皇太子は、アサド大統領に対して、ヒズブッラーやイランとの関係を完全に絶つことの代償として、大統領職に死ぬまで留まること、シリアでの憲法改正や政治改革を求めないこと、シリア復興に参与すると申し出た。

アサド大統領はこの申し出を拒否したという。

 

AFP, August 24, 2018、ANHA, August 24, 2018、AP, August 24, 2018、al-Durar al-Shamiya, August 24, 2018、al-Hayat, August 25, 2018、Qanat al-Mayadin, August 24, 2018、Reuters, August 24, 2018、SANA, August 24, 2018、UPI, August 24, 2018などをもとに作成。

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シリア政府は、ヤルムーク・パレスチナ難民キャンプの解放後に不要となったパレスチナ民兵への給与支払いを停止し、組織を解体(2018年8月24日)

英国で活動するシリアのパレスチナ人のための行動グループは、シリア政府がダマスカス県ヤルムーク・パレスチナ難民キャンプの解放戦でダーイシュ(イスラーム国)やシャーム解放機構と戦ってきたパレスチナ人民兵組織を解体したと発表した。

同グループによると、解体されたのは、自由パレスチナ運動、ファタハ・インティファーダ、サーイカが結成していた民兵組織。

シリア政府は、ヤルムーク・パレスチナ難民キャンプの解放を受けて、一部の検問所に進駐している戦闘員以外への給与の支払いを停止し、戦闘員への補償を行わないままに、組織を解体したという。

なお、ドゥラル・シャーミーヤ(8月24日付)によると、ヤルムーク・パレスチナ難民キャンプやダマスカス郊外県南部でのパレスチナ人民兵は、パレスチナ人民解放戦線総司令部派(PFLP-GC)が主導し、ファタハ・インティファーダ、サーイカ、自由パレスチナ運動、パレスチナ人民闘争戦線が参加していた。

また、このほかに、パレスチナ解放軍、クドス旅団などがシリア政府とともに、ダーイシュや反体制派と戦ってきた。

al-Durar al-Shamiya, August 25, 2018

Action Group for Palestinians of Syria, August 24, 2018、AFP, August 24, 2018、ANHA, August 24, 2018、AP, August 24, 2018、al-Durar al-Shamiya, August 24, 2018、al-Hayat, August 25, 2018、Reuters, August 24, 2018、SANA, August 24, 2018、UPI, August 24, 2018などをもとに作成。

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トルコの外務大臣、国防大臣、MiT長官がロシアを訪問、ロシア側とイドリブ県の処遇を協議:テロ撲滅は支持するも、県全域での戦闘には反対(2018年8月24日)

トルコのメヴリュト・チャヴシュオール外務大臣、フルシ・アカル国防大臣、ハカン・フィダン国家諜報機構(MİT)長官がロシアを訪問し、モスクワでヴラジミール・プーチン大統領、セルゲイ・ラブロフ外務大臣、セルゲイ・ショイグ国防大臣らと会談し、シリア情勢、とりわけイドリブ県の処遇について意見を交わした。

AP, August 25, 2018

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チャヴシュオール外務大臣はラブロフ外務大臣との会談後の共同記者会見で、「シリア北部のイドリブ県での軍事的解決は災難をもたらす…。民間人とテロリストを区別しなければならない…。アスタナ会議での決定を遵守し、停戦しなければならない」と主張した。

チャヴシュオール外務大臣は「イドリブ県で過激なテロ集団を無力化することは、トルコ、ロシア、そして地域全体にとって非常に重要だ。これらの組織がトルコ、そしてシリアに駐留するロシアの脅威となってはならない…。ロシアの懸念を払拭し、シリアにおけるロシアの基地への脅威をなくすことが重要だ」とする一方、「過激なテロ手段を根絶するためにイドリブ県全域を攻撃することは、数百万の人々を殺害し、300万ものシリア人を避難民とし、新たな人道災難をもたらすことになる…。イドリブ県を攻撃するのではなく、懸念を払拭し、地域の安定を守るために共に行動すべきだ」と述べた。

これに対する、ラブロフ外務大臣は「我々はシリアでの安定回復と政治プロセスに向けて共に努力をしている…。我々はシリアでテロを撲滅し、和平を実現するために行動する」と強調した。

また、近くロシア、トルコ、そしてイランの首脳会議を開催することを明らかにした。

ドゥラル・シャーミーヤ(8月24日付)、『ハヤート』(8月25日付)などが伝えた。

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一方、インターファクス(8月24日付)は、ショイグ国防大臣がアカル国防大臣との会談で、イドリブ県の処遇に関してトルコ側に「複数の提案」を行ったと伝えた。

提案の中味については明らかにしなかった。

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スタファン・デミストゥラ・シリア問題担当国連特別代表は、9月11~12日にスイスのジュネーブで、シリア国民対話大会で設置合意された制憲委員会について協議するための会合を開くと発表、ロシア、イラン、トルコに参加を呼びかけた。

ロイター通信(8月24日付)が伝えた。

AFP, August 24, 2018、ANHA, August 24, 2018、AP, August 24, 2018、al-Durar al-Shamiya, August 24, 2018、al-Hayat, August 25, 2018、Interfax, August 24, 2018、Reuters, August 24, 2018、SANA, August 24, 2018、UPI, August 24, 2018などをもとに作成。

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ポンペオ米国務長官はロシアのラヴロフ外務大臣との電話会談でイドリブ県への攻撃への懸念を伝える(2018年8月24日)

マイク・ポンペオ米国務長官はロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣と電話会談を行い、シリア情勢などについて意見を交わした。

米国務省のヘザー・ナウアート報道官によると、会談でポンペオ国務長官は、シリア軍が準備しているとされるイドリブ県への攻撃に懸念を表明した。

AFP, August 24, 2018、ANHA, August 24, 2018、AP, August 24, 2018、al-Durar al-Shamiya, August 24, 2018、al-Hayat, August 25, 2018、Reuters, August 24, 2018、SANA, August 24, 2018、UPI, August 24, 2018などをもとに作成。

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YPGに近い「オリーブの怒り」作戦司令室はアレッポ県北部で過去2ヶ月でトルコ軍兵士5人と反体制武装集団戦闘員55人を殺害したと発表(2018年8月24日)

西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)に近い「オリーブの怒り」作戦司令室は公式HP(http://www.xzeytune.com)を通じて声明を出し、6月9日から8月18日までの特殊作戦の成果を発表した。

それによると、作戦は、トルコの実質占領下にあるアレッポ県アフリーン郡各所やアアザーズ市一帯で25回実施され、シャーム戦線、精鋭軍、シャーム軍団、ハムザ旅団、シャーム解放戦線、スルターン・ムラード師団、シリア国民軍、サマルカンド旅団の戦闘員55人、トルコ軍兵士5人を殺害、反体制武装集団戦闘員43人を負傷させたという。

AFP, August 24, 2018、ANHA, August 24, 2018、AP, August 24, 2018、al-Durar al-Shamiya, August 24, 2018、al-Hayat, August 25, 2018、Reuters, August 24, 2018、SANA, August 24, 2018、UPI, August 24, 2018などをもとに作成。

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シリア軍はダマスカス郊外県ハーウィー遺跡一帯をダーイシュから解放(2018年8月24日)

ダマスカス郊外県では、SANA(8月24日付)によると、シリア軍が予備部隊とともにスワイダー県との県境に位置するサファー丘でダーイシュ(イスラーム国)に対する掃討戦を続け、ハーウィー遺跡一帯を制圧した。

SANA, August 25, 2018

一方、シリア人権監視団によると、治安当局が東カラムーン地方で男性複数を拘束、連行した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が県内の検問所でダーイシュ(イスラーム国)のメンバーと思われる4人を拘束した。

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スワイダー県では、ドゥラル・シャーミーヤ(8月25日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)が県東部の砂漠地帯でシリア軍部隊を要撃し、7人を殺害、45人を負傷させた。

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ハマー県では、ロシア軍当事者和解調整センターのアレクセイ・ツィガノフ・センター長(少将)によると、反体制武装集団が保有する無人航空機3機がハマー市のシリア軍拠点に対する攻撃を2度にわたって試みたが、シリア軍の防空部隊がこれを撃破した。

RT(8月25日付)が伝えた。

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アブー・アマーラ特殊任務中隊は声明を出し、アレッポ県アレッポ市のタラル地区でシリア軍のパトロール部隊を狙って即席爆弾を爆発させたと発表した。

AFP, August 24, 2018、ANHA, August 24, 2018、AP, August 24, 2018、al-Durar al-Shamiya, August 24, 2018、al-Hayat, August 25, 2018、Reuters, August 24, 2018、RT, August 25, 2018、SANA, August 24, 2018、UPI, August 24, 2018などをもとに作成。

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ロシア国防省:ロシア・トルコ停戦監視委員会のロシア側監督チームは15件の停戦違反を、トルコ側は0件の違反を確認(2018年8月24日)

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間(8月24日)で、「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を15件(ラタキア県8件、アレッポ県7件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を確認しなかった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, August 24, 2018をもとに作成。

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