OPCWは2018年4月にドゥーマー市で塩素ガスが兵器として使用されたと結論づける(2019年3月1日)

化学兵器禁止機関(OPCW)の事実調査団(FFM)は、2018年4月7日にダマスカス郊外県東グータ地方ドゥーマー市で発生した化学兵器使用疑惑事件に関する最終報告書を発表した。

報告書は、FFMが現地で採取した環境サンプルの分析データ、目撃者の証言、収拾されたデータをもとに作成したもので、有毒化学物質が兵器として使用された合理的根拠があると結論づけた。

この有毒化学物質には、反応性塩素が含まれているほか、分子状塩素も使用されたと思われるという。

FFMは、シリアで化学兵器や有毒化学物質が兵器として使用されたか否かを調査することが任務で、誰が攻撃を行ったかと特定することは任務に含まれていない。

AFP, March 2, 2019、ANHA, March 2, 2019、AP, March 2, 2019、al-Durar al-Shamiya, March 2, 2019、al-Hayat, March 2, 2019、Reuters, March 2, 2019、SANA, March 2, 2019、UPI, March 2, 2019などをもとに作成。

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シリア民主評議会高官「シリア領内の外国部隊の撤退についてロシアと協議する用意がある」(2019年3月1日)

人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の政治母体であるシリア民主評議会の在米ワシントンDC代表のバッサーム・イスハク氏なリア・ノヴォースチ通信(3月2日付)に対して、シリア領内の外国部隊の撤退についてロシアと協議する用意があると述べた。

イスハク氏は、ロシアのヴラジミール・プーチン大統領が27日のイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相との会談で、シリア国内で活動する外国の部隊の撤退を検討するための合同作業チームを設置することを提案したことに関して、「我々はあらゆる提案をロシアの高官と検討することを喜んで受け入れる。ロシアはシリアにおける重要な政治大国で、我々は何度もモスクワを訪れてきた…。ロシアはシリア民主評議会とダマスカスの連絡を仲介する役割を果たしている。一方、米国はトルコとの連絡において同じ役割を果たしている…。我々はロシア、米国、そしてシリアの問題に関与しているすべてのプレーヤーが協力を続けることを切に願う」と述べた。

一方、米軍の進駐については「我々は米国が撤退するだろうということは承知していた。我々はこの決定を尊重したい」と付言した。

AFP, March 2, 2019、ANHA, March 2, 2019、AP, March 2, 2019、al-Durar al-Shamiya, March 2, 2019、al-Hayat, March 2, 2019、Reuters, March 2, 2019、RIA Novosti, March 2, 2019、SANA, March 2, 2019、UPI, March 2, 2019などをもとに作成。

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ペデルセン・シリア問題担当国連特別代表「YPGではなく、シリアのクルド人が政治プロセスの当事者だ」(2019年3月1日)

ゲイル・ペデルセン・シリア問題担当国連特別代表は、シリア情勢への対応を協議する国連安全保障理事会での会合後、記者団の質問に対して、「クルド人はシリアの危機解決に向けた政治プロセスの当事者なのであって、人民防衛隊(YPG)がそうではない」と述べた。

ペデルセン氏はまた、危機解決に向けたシリア人の主導のもとに「国際合同フォーラム」を設置すると示唆した。

アナトリア通信(3月1日付)が伝えた。

AFP, March 1, 2019、Anadolu Ajansı, March 1, 2019、ANHA, March 1, 2019、AP, March 1, 2019、al-Durar al-Shamiya, March 1, 2019、al-Hayat, March 2, 2019、Reuters, March 1, 2019、SANA, March 1, 2019、UPI, March 1, 2019などをもとに作成。

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シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構の支配下にあるイドリブ市で男が自爆、3人が死亡、多数が負傷(2019年3月1日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構が軍事・治安権限を掌握する同県の中心都市イドリブ市のドゥバイト地区にあるレストラン(マトアム・フュージョン)で、男性が身につけていた爆弾ベルトを爆発させ、27人以上が死傷した。

オリエント・ニュース(3月1日付)によると、男性は武器をもってレストランに押し入り、客や従業員に向けて発砲後、自爆、3人が死亡、女性と子供を含む多数が負傷したという。

AFP, March 1, 2019、ANHA, March 1, 2019、AP, March 1, 2019、al-Durar al-Shamiya, March 1, 2019、al-Hayat, March 2, 2019、Reuters, March 1, 2019、SANA, March 1, 2019、UPI, March 1, 2019などをもとに作成。

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YPG主体のシリア民主軍は住民や戦闘員の家族の退去完了を受けて、ダーイシュ最後の支配地バーグーズ村への総攻撃を開始(2019年3月1日)

ダイル・ザウル県では、ANHA(3月1日付)によると、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍が、ダーイシュ(イスラーム国)最後の支配地であるバーグーズ村からの住民、戦闘員、そしてその家族の退去が完了したのを受けて、18時00分に「テロ撲滅の戦い」最終段階に入り、総攻撃を開始した。

バーグーズ村に留まっていた住民らは、シリア民主軍の特殊部隊が用意した貨物車輌に分乗し、バーグーズ村を後にした。

そのなかには、外国人を含むダーイシュ戦闘員とその家族数が含まれているという。

このほか、ANHAによると、シリア民主軍は、イラクのシンジャール郡出身のヤズィード教徒の少年1人をバーグーズ村で新たに解放した。

AFP, March 1, 2019、ANHA, March 1, 2019、AP, March 1, 2019、al-Durar al-Shamiya, March 1, 2019、al-Hayat, March 2, 2019、Reuters, March 1, 2019、SANA, March 1, 2019、UPI, March 1, 2019などをもとに作成。

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シリア軍と反体制派はハマー県で砲撃戦(2019年3月1日)

ハマー県では、SANA(3月1日付)によると、反体制武装集団がムハルダ市、スーラーン町、マフルーサ村、ナーウーラ・シャトハ村、バッザーム丘を砲撃し、住民2人が負傷した。

これに対して、シリア軍はスーラーン町・ムーリク市間にある反体制武装集団の拠点を砲撃した。

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イドリブ県では、オリエント・ニュース(3月1日付)によると、戦車など50輌からなるトルコ軍部隊がカフルルースィーン村の通行所からシリア領内に入った。

トルコ軍部隊は二班に分かれ、サルマーン村とムーリク市にある監視所に展開したという。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を6件(アレッポ県2件、イドリブ県3件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を8件(イドリブ県3件、ラタキア県5件)を確認した。

AFP, March 1, 2019、ANHA, March 1, 2019、AP, March 1, 2019、al-Durar al-Shamiya, March 1, 2019、al-Hayat, March 2, 2019、Ministry of Defence of the Russian Federation, March 1, 2019、Reuters, March 1, 2019、SANA, March 1, 2019、UPI, March 1, 2019などをもとに作成。

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アフリーン解放軍団がトルコ占領下のアレッポ県北部3カ所で反体制武装集団を攻撃(2019年3月1日)

アレッポ県では、アフリーン解放軍団が声明を出し、トルコの占領下にあるアフリーン郡で27日、スルターン・ムラード師団の拠点を爆破、28日には第9師団の本部を爆破した。
爆破したスルターン・ムラード師団の拠点はシャッラー村近郊の街道、第9師団の拠点はラージュー町近郊にあった。

アフリーン解放軍はまた、トルコの占領下にあるバーブ市近郊の街道でシャーム自由人イスラーム運動の車輌を爆破した。

ANHA(3月1日付)が伝えた。

AFP, March 1, 2019、ANHA, March 1, 2019、AP, March 1, 2019、al-Durar al-Shamiya, March 1, 2019、al-Hayat, March 2, 2019、Reuters, March 1, 2019、SANA, March 1, 2019、UPI, March 1, 2019などをもとに作成。

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ロシア合同連携センターとシリア国外難民帰還調整委員会の合同会合が開催:タンフ国境通行所一帯を占領し、ルクバーン・キャンプからの難民帰還を妨害する米国を非難(2019年3月1日)

ロシアの合同連携センター(国外難民と国内避難民の帰還を支援するためのロシア国防省と外務省の合同調整センター)とシリアの国外難民帰還調整委員会の合同会合がモスクワとシリア各所をテレビ会議システムで結び開催され、難民、避難民の帰還状況、ロシアによる人道支援状況などについて報告が行われた。

会合では、とくに、ルクバーン・キャンプの人道状況、米国による難民帰国阻止の実態について報告が行われ、合同連携センター議長を務めるミハイル・ミズィンツェフ(Mikhail Mizintsev)上級大将(国家防衛管理センター長)が「タンフ国境通行所一帯に展開する米軍部隊は…ルクバーン・キャンプ住民の帰国の意志を妨害している」と批判した。

AFP, March 1, 2019、ANHA, March 1, 2019、AP, March 1, 2019、al-Durar al-Shamiya, March 1, 2019、al-Hayat, March 2, 2019、Ministry of Defence of the Russian Federation, March 1, 2019、Reuters, March 1, 2019、SANA, March 1, 2019、UPI, March 1, 2019などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:レバノンから108人、ヨルダンから473人の難民が帰国、避難民49人が帰宅(2019年3月1日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(3月1日付)を公開し、2月28日に難民581人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは108人(うち女性33人、子供55人)、ヨルダンから帰国したのは473人(うち女性142人、子供241人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は146,617人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者56,469人(うち女性17,073人、子ども28,717人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者90,148人(うち女性27,070人、子ども45,959人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は 375,897人(うち女性112,801人、子供191,598人)となった。

なお、45カ国で難民登録したシリア人の数は6,673,308人(うち女性2,002,592人、子供3,404,407人)。

一方、国内避難民49人が新たに帰宅した。

うち東グータ地方に帰宅したのは31人(うち女性12人、子供15人)、ダイル・ザウル県サーリヒーヤ村の通行所を経由してダマスカス郊外県、ヒムス県などに帰宅したのは18人(うち女性6人、子ども8人)、ヒムス県南東グラーブ山の通行所を経由して帰還したのは0人、イドリブ県アブー・ズフール町郊外の通行所を経由して帰宅したのは0人だった。

これにより、2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は11,009人(うち女性3,838人、子供4,747人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,279,605人(うち女性386,397人、子供648,513人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, March 1, 2019をもとに作成。

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