トルコのエルドアン大統領、チャヴシュオール外務大臣、アカル国防大臣はロシアのイドリブ県爆撃を非難せず(2019年3月14日)

トルコのメヴリュト・チャヴシュオール外務大臣は、ベルギーのブリュッセルで開催されている国際会議「ブリュッセル3大会:シリアと地域の未来の支援」で、13日のロシア軍によるイドリブ県爆撃に関して「トルコはいかなる挑発があろうと、イドリブ県にかかる合意を遵守し、地域の平和を維持する決意である」と述べた。

ドゥラル・シャーミーヤ(3月14日付)が伝えた。

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トルコのフルシ・アカル国防大臣は、「ロシアのセルゲイ・ショイグ国防大臣と先週、イドリブ県でのパトロール実施について合意した」と発表したが、ロシア軍によるイドリブ県爆撃についてコメントはしなかった。

アナトリア通信(3月14日付)が伝えた。

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トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領は、ツイッターのアラビア語版アカウントに「西側諸国、そして一部イスラーム諸国が「樽爆弾」やミサイルで殺されているシリア国民の痛みを感じたことはない。彼らはまた、カメラの前でイスラエルが殺しているパレスチナの老若男女の苦しみに同情を示したこともない」と綴った。

https://twitter.com/rterdogan_ar/status/1106135559288877056

AFP, March 14, 2019、Anadolu Ajansı, March 14, 2019、ANHA, March 14, 2019、AP, March 14, 2019、al-Durar al-Shamiya, March 14, 2019、al-Hayat, March 15, 2019、Reuters, March 14, 2019、SANA, March 14, 2019、UPI, March 14, 2019などをもとに作成。

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トルコの庇護を受けるシャーム軍団幹部はロシア軍の爆撃に関して「シリアの問題は外国の手に委ねられてしまっている」と吐露(2019年3月14日)

トルコの庇護を受ける国民解放戦線に所属するシャーム軍団法務官(兼国民解放戦線法務局長)のウマル・フザイファ氏はテレグラムのアカウントを通じて、シャーム解放機構が軍事・治安権限を握るイドリブ県に対する13日のロシア軍の爆撃に関して、現地で何が起きているかを把握できず、シリアの問題はシリア人ではなく、外国の手に委ねられてしまったと吐露した。

フザイファ氏は「国際情勢の急激な変化を前にして、何が起きているかを正確に知っている者など1人もいないというのが本当のところだ・・。SNSやメディアで発言をする者もいるが、それは分析、推測、予想であって、それ以外の何ものでもない…。みなにとって明らかになったのは、シリア問題はその住民の手を離れ、何よりもまず自国の国益に合うようにシリアを動かそうとする大国の手に委ねられてしまっているということだ…。反体制派であれ、犯罪者体制であれ…、国際社会のチェスのコマに過ぎず、事態を掌握していない」と綴った。

AFP, March 14, 2019、ANHA, March 14, 2019、AP, March 14, 2019、al-Durar al-Shamiya, March 14, 2019、al-Hayat, March 15, 2019、Reuters, March 14, 2019、SANA, March 14, 2019、UPI, March 14, 2019などをもとに作成。

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シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構は13日のロシア軍の爆撃に乗じて脱走したシリア諜報機関工作員に懸賞金をかけ再び拘束(2019年3月14日)

シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構は声明を出し、13日のイドリブ中央刑務所に対する爆撃に乗じて脱獄したシリア諜報機関の工作員の潜伏先についての情報を提供した者に懸賞金を支払うと発表した。

懸賞金をかけられたのは、シリア駐留ロシア軍の本部があるラタキア県フマイミーム航空基地に所属するシリア情報機関工作員の一人ズハイル・カラーウィー氏とサイード・アッブード氏で、2月18日のイドリブ市での連続爆破事件に関与、シャーム解放機構が12日に実行犯グループを拘束したとを発表していた。

カラーウィー氏には2500ドル、アッブード氏には1000ドルの懸賞金がかかっている。

なお、ドゥラル・シャーミーヤ(3月14日付)によると、このうちカラーウィー氏は14日、イドリブ県との県境に位置するアレッポ県のバータブー村に設置された検問所で再び拘束された。

検問所から逃走を試みたカラーウィー氏は銃で撃たれ負傷しているという。

また、脱獄者の多くはすでに拘束されているという。

AFP, March 14, 2019、ANHA, March 14, 2019、AP, March 14, 2019、al-Durar al-Shamiya, March 14, 2019、al-Hayat, March 15, 2019、Reuters, March 14, 2019、SANA, March 14, 2019、UPI, March 14, 2019などをもとに作成。

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アル=カーイダにイドリブ県の自治を委託されているシリア救国戦線は、世界の人権擁護団体に「ロシアとイランの犯罪」を停止させるため圧力をかけるよう呼びかける(2019年3月14日)

イドリブ県およびその周辺の反体制派支配地域(非武装地帯第1ゾーン)で軍事・治安権限を掌握するシリアのアル=カーイダのシャーム解放機構に自治を委託されているシリア救国内閣(ファウワーズ・ヒラール首班)は声明し、13日のロシア軍による爆撃で、民間人12人が死亡、数十人が負傷したと発表した。

救国戦線は、ロシア軍の爆撃の狙いが「解放区の住民がイドリブ市内で建設したインフラを破壊する」にあると断じたうえで、メディアに爆撃を受けた現場を訪問し、ロシアの嘘を暴くよう呼びかけた。

また、世界の人権擁護団体に対して、「ロシアとイランの犯罪」を停止させるため圧力をかけるよう呼びかけるとともに、「アサド政権打倒(の目標)を譲歩しない」との意志を改めて示した。

AFP, March 14, 2019、ANHA, March 14, 2019、AP, March 14, 2019、al-Durar al-Shamiya, March 14, 2019、al-Hayat, March 15, 2019、Reuters, March 14, 2019、SANA, March 14, 2019、UPI, March 14, 2019などをもとに作成。

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バーグーズ村(ダイル・ザウル県)からダーイシュ戦闘員と家族1,300人がシリア民主軍に新たに投降(2019年3月14日)

ダイル・ザイル県では、ANHA(3月14日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)最後の支配地であるバーグーズ村に留まっていたダーイシュ(イスラーム国)戦闘員の男女数百人が、同地への総攻撃を続ける人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍に投降した。

シリア民主軍広報センターによると、新たに投降したダーイシュの戦闘員とその家族は1,300人近くに達したという。

一方、ドゥラル・シャーミーヤ(3月14日付)によると、ダーイシュは砂嵐に乗じて、シリア民主軍の拠点を攻撃し、11人を殺害したという。

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トルコ占領下のバーブ市で爆弾が仕掛けられたオートバイが爆発、オリーブの怒り作戦司令室が関与を認める(2019年3月14日)

アレッポ県では、ANHA(3月14日付)によると、トルコの占領下にあるバーブ市のシャイフ・ドゥーシャー・モスク前で爆弾が仕掛けられたオートバイが爆発し、反体制武装集団の戦闘員1人が負傷した。

これに関して、人民防衛隊(YPG)に近いオリーブの怒り作戦司令室は声明を出し、武装集団戦闘員3人を殺害したと発表し、関与を認めた。

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オリーブの怒り作戦司令室はまた別の声明を出し、トルコの占領下にあるアアザーズ市で、トルコ諜報機関の教練を受けたマフムード・アブー・サティーフなる工作員を暗殺したと発表した。

これに関して、ドゥラル・シャーミーヤ(3月14日付)は、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍がアアザーズ市西に潜入を試みたが、反体制武装集団がこれを撃退したと伝えた。

AFP, March 14, 2019、ANHA, March 14, 2019、AP, March 14, 2019、al-Durar al-Shamiya, March 14, 2019、al-Hayat, March 15, 2019、Reuters, March 14, 2019、SANA, March 14, 2019、UPI, March 14, 2019などをもとに作成。

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シリア軍はシャーム解放機構、トルキスタン・イスラーム党とハマー県、イドリブ県、アレッポ県で交戦(2019年3月14日)

アレッポ県では、SANA(3月14日付)によると、シリア軍がアレッポ市南のザンマール町一帯を移動する反体制武装集団を砲撃した。

シリア軍はまたアレッポ市西のハーン・トゥーマーン村にあるシャーム解放機構の拠点を砲撃した。

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ハマー県では、SANA(3月14日付)によると、シリア軍がジャービリーヤ村、ウスマーン丘からシリア政府支配地域に潜入しようとしたトルキスタン・イスラーム党を撃退し、ハウワーシュ村、ラハーヤー村にある反体制武装集団の拠点を砲撃した。

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イドリブ県では、SANA(3月14日付)によると、シリア軍がハーッス村、マアッル・シャマーリーン村、ジャルジャナーズ町にあるシャーム解放機構などの拠点を砲撃した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を16件(ハマー県8件、ラタキア県5件、アレッポ県4件、イドリブ県1件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を38件(アレッポ県18件、ラタキア県9件、イドリブ県6件、ハマー県5件)を確認した。

AFP, March 14, 2019、ANHA, March 14, 2019、AP, March 14, 2019、al-Durar al-Shamiya, March 14, 2019、al-Hayat, March 15, 2019、Ministry of Defence of the Russian Federation, March 14, 2019、Reuters, March 14, 2019、SANA, March 14, 2019、UPI, March 14, 2019などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:レバノンから108人、ヨルダンから761人の難民が帰国、避難民57人が帰宅(2019年3月14日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(3月14日付)を公開し、3月13日に難民869人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは108人(うち女性33人、子供55人)、ヨルダンから帰国したのは761人(うち女性240人、子供408人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は158,279人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者59,152人(うち女性17,881人、子ども30,087人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者99,127人(うち女性29,764人、子ども50,540人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は 387,559人(うち女性116,303人、子供197,549人)となった。

なお、45カ国で難民登録したシリア人の数は6,673,308人(うち女性2,002,592人、子供3,404,407人)。

一方、国内避難民57人が新たに帰宅した。

うち東グータ地方に帰宅したのは31人(うち女性11人、子供13人)、ダイル・ザウル県サーリヒーヤ村の通行所を経由してダマスカス郊外県、ヒムス県などに帰宅したのは20人(うち女性10人、子ども6人)、ヒムス県南東グラーブ山の通行所を経由して帰還したのは6人(うち女性0人、子ども0人)、イドリブ県アブー・ズフール町郊外の通行所を経由して帰宅したのは0人だった。

これにより、2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は12,722人(うち女性4,383人、子供5,478人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,281,318人(うち女性386,338人、子供648,448人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, March 14, 2019をもとに作成。

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