米主導の有志連合はシリア空爆で「意図せず死亡したとされる民間人」は2019年2月末の段階で1,257人のまま(2019年3月28日)

有志連合CJTF-OIR(「生来の決戦作戦」統合任務部隊)は、2014年8月から2019年2月までにシリア、イラク両国領内での航空作戦に伴う民間人犠牲者発生にかかる6件の新たな報告を受け、すでに報告されている141件と併せて調査を行い、1件の調査を完了、本件に関する情報が信用にたることを確認した。

ただし、本件での死者数は示されなかった。

これにより、2014年8月から2019年2月までに有志連合が実施した空爆34,038回によって、意図せず犠牲となったことが確認される民間人の数は1,257人と前月発表と同じとなった。

この数値は先月の発表と同じ。

なお、146件については調査が継続される。

CENTCOM, March 28, 2019をもとに作成。

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シリア各地で3日連続となる抗議デモ…ゴラン高原に対するイスラエルの主権を承認したトランプ米大統領の決定に抗議(2019年3月28日)

シリア各地で26、27日に続き、バアス党、人民諸組織、組合諸組合の呼びかけで、ドナルド・トランプ米大統領が25日にシリア領ゴラン高原に対するイスラエルの主権を認める大統領令に署名したことに抗議するデモが行われ、多くの住民が参加した。

抗議デモが行われたのは、首都ダマスカスの国連事務所前、ハサカ市、カーミシュリー市(ハサカ県)、スワイダー市、ハッファ市(ラタキア県)、ダイル・ザウル市、ナブア・サフル村(クナイトラ県)、アレッポ市、シャイフ・マスキーン市(ダルアー県)、ジーザ町(ダルアー県)。

首都ダマスカス
ハサカ市
カーミシュリー市
スワイダー市
ナブア・サフル村(クナイトラ県)
アレッポ市
シャイフ・マスキーン町(ダルアー県)

SANA(3月28日付)が伝えた。

AFP, March 28, 2019、ANHA, March 28, 2019、AP, March 28, 2019、al-Durar al-Shamiya, March 28, 2019、al-Hayat, March 29, 2019、Reuters, March 28, 2019、SANA, March 28, 2019、UPI, March 28, 2019などをもとに作成。

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スワイダー県で「ゴラン高原はアサドが売った」などと書かれた落書きが発見される(2019年3月28日)

ドゥラル・シャーミーヤ(3月28日付)は、スワイダー県東部タルバー村のバアス党施設の壁に、アサド大統領を非難する落書きが書かれているのが発見されたと伝え、その写真を公開した。

写真には、「アサドは倒れる」、「アサドは裏切り者」、「ゴラン(高原)はアサドが売った」などといった落書きが写っている。


AFP, March 28, 2019、ANHA, March 28, 2019、AP, March 28, 2019、al-Durar al-Shamiya, March 28, 2019、al-Hayat, March 29, 2019、Reuters, March 28, 2019、SANA, March 28, 2019、UPI, March 28, 2019などをもとに作成。

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ロシア外務省報道官「米国はシリアから部隊を撤退させるとの約束に忠実であるべき」(2019年3月28日)

ロシアのマリア・ザハロワ外務省報道官は、米軍のシリア駐留が、シリアの主権と領土保全を確認した国連安保理決議第2254号への違反だとしたうえで、米国はシリアから部隊を撤退させるとの約束に忠実であるべきだと述べた。

発言は、ドナルド・トランプ米大統領がロシアはヴェネズエラから出て行くべきだと述べたことへの反論。

AFP, March 28, 2019、ANHA, March 28, 2019、AP, March 28, 2019、al-Durar al-Shamiya, March 28, 2019、al-Hayat, March 29, 2019、Reuters, March 28, 2019、SANA, March 28, 2019、UPI, March 28, 2019などをもとに作成。

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イスラエルのネタニヤフ首相「シリア領内にイランがミサイルを持ち込むことを許さない」(2019年3月28日)

イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相はツイッターのアカウントで、27日のアレッポ市郊外に対するイスラエル軍戦闘機のミサイル攻撃に関して、シリア領内にイランがミサイルを持ち込むことを許さないと綴った。

ネタニヤフ首相は「イランは長距離高性能ミサイル、破壊力のある最新型ミサイルをシリアに持ち込もうとしている」、「我々はこれを認めない。イランがシリアを軍事拠点化し、最新鋭兵器を持ち込もうとすることに対する我々の作戦は間断なく続けられる」と綴った。

AFP, March 28, 2019、ANHA, March 28, 2019、AP, March 28, 2019、al-Durar al-Shamiya, March 28, 2019、al-Hayat, March 29, 2019、Reuters, March 28, 2019、SANA, March 28, 2019、UPI, March 28, 2019などをもとに作成。

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イスラエルのネタニヤフ首相は米国によるゴラン高原主権承認を初めて同地を訪問(2019年3月28日)

イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は、ドナルド・トランプ米政権がシリア領ゴラン高原に対するイスラエルの主権を承認する大統領令に署名して以降初めて、ゴラン高原を訪問した。

ネタニヤフ首相は米国から帰国後、署名された大統領令の写しを持参し、国防省を訪れた後、その足でゴラン高原に向かった。

ネタニヤフ首相は、自身のツイッターのアカウントで「これがトランプ大統領が署名した大統領令だ。米国はゴラン高原に対する我が国の主権を承認した。我々は50年待った。これは、ゴラン高原に対する我が国の主権を強化する偉大なる宣言だ」と綴った。

AFP, March 28, 2019、ANHA, March 28, 2019、AP, March 28, 2019、al-Durar al-Shamiya, March 28, 2019、al-Hayat, March 29, 2019、Reuters, March 28, 2019、SANA, March 28, 2019、UPI, March 28, 2019などをもとに作成。

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シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構はダイル・ザウル県で初の特殊作戦を実施、シリア軍将兵2人を殺害したと発表(2019年3月28日)

シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構は声明を出し、ダイル・ザウル県内で3月25日に、シリア軍第4師団に対する初の特殊作戦を実施したと発表した。

声明によると、シャーム解放機構は、シリア軍第4師団の士官からなる一団を監視・追跡し、ダイル・ザウル県内のシリア政府支配地域(ユーフラテス川西岸)にあるシリア軍の兵舎に潜入、戦闘の末にシリア軍士官1人を含む2人を殺害、多数を負傷させたという。

AFP, March 28, 2019、ANHA, March 28, 2019、AP, March 28, 2019、al-Durar al-Shamiya, March 28, 2019、al-Hayat, March 29, 2019、Reuters, March 28, 2019、SANA, March 28, 2019、UPI, March 28, 2019などをもとに作成。

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ヨルダンに逃亡していた「自由シリア軍」元司令官が帰国し、親政権民兵を組織(2019年3月28日)

ドゥラル・シャーミーヤ(3月28日付)は、「自由シリア軍」の元司令官で、シリア政府による南西部制圧(2018年半ば)を受けて、ヨルダンに逃亡していたイマード・アブー・ズライク氏が、シリアに帰国し、軍事情報局との連携のもとに新たな民兵を結成する準備を進めている、と伝えた。

この民兵は約1,000人の戦闘員から構成され、そのほとんどは最近になってヨルダンから帰国したダルアー県各地出身の元反体制武装集団戦闘員だという。

アブー・ズライク氏本人もダルアー県ナスィーブ村出身。

ヨルダンに逃亡後、ロシアおよびシリア政府と接触、ヨルダンの諜報機関もこれを承知していたという。
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ダマスカス郊外県では、サウト・アースィマ(3月28日付)によると、東グータ地方のカフルバトナー町内で治安当局が強制捜査を行い、指名手配中の男性(兵役忌避者)12人を拘束した。

AFP, March 28, 2019、ANHA, March 28, 2019、AP, March 28, 2019、al-Durar al-Shamiya, March 28, 2019、al-Hayat, March 29, 2019、Reuters, March 28, 2019、SANA, March 28, 2019、Sawt al-‘Asima, March 28, 2019、UPI, March 28, 2019などをもとに作成。

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シリア軍はイドリブ県、ハマー県でシャーム解放機構などの拠点を砲撃(2019年3月28日)

イドリブ県では、SANA(3月28日付)によると、シリア軍がハーン・シャイフーン市、フワイン村にある反体制武装集団の拠点を砲撃した。

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ハマー県では、SANA(3月28日付)によると、シリア軍がシャリーア村、サフル丘にあるシャーム解放機構などの拠点を砲撃した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を7件(アレッポ県2件、イドリブ県1件、ラタキア県3件、ハマー県1件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を13件(アレッポ県4件、イドリブ県6件、ラタキア県1件、ハマー県2件)確認した。

AFP, March 28, 2019、ANHA, March 28, 2019、AP, March 28, 2019、al-Durar al-Shamiya, March 28, 2019、al-Hayat, March 29, 2019、Reuters, March 28, 2019、SANA, March 28, 2019、UPI, March 28, 2019などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:レバノンから214人、ヨルダンから689人の難民が帰国、避難民214人が帰宅(2019年3月28日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(3月28日付)を公開し、3月27日に難民903人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは214人(うち女性64人、子供109人)、ヨルダンから帰国したのは689人(うち女性207人、子供351人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は170,741人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者61,913人(うち女性18,705人、子ども31,496人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者108,828人(うち女性32,674人、子ども55,490人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は 400,021人(うち女性120,047人、子供203,908人)となった。

なお、45カ国で難民登録したシリア人の数は6,673,308人(うち女性2,002,592人、子供3,404,407人)。

一方、国内避難民62人が新たに帰宅した。

うち東グータ地方に帰宅したのは34人(うち女性11人、子供15人)、ダイル・ザウル県サーリヒーヤ村の通行所を経由してダマスカス郊外県、ヒムス県などに帰宅したのは28人(うち女性14人、子供8人)、ヒムス県南東グラーブ山の通行所を経由して帰還したのは0人、イドリブ県アブー・ズフール町郊外の通行所を経由して帰宅したのは0人だった。

これにより、2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は14,657人(うち女性4,975人、子供6,336人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,283,253人(うち女性387,534人、子供650,102人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, March 28, 2019をもとに作成。

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