ロシアとYPG主体のシリア民主軍は、米軍撤退後にマンビジュ市一帯にロシア軍を展開させることで合意(2019年3月11日)

アル・モニター(3月11日付)は、ロシアと人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍がアレッポ県マンビジュ市一帯地域の処遇に関する合意を締結したと伝え、その内容を明らかにした。

合意は、トルコおよびその支援を受ける武装集団がマンビジュ市への侵攻を試みた場合、シリア駐留ロシア軍がこれに対峙することを定めたもの。

シリア民主軍の傘下で活動するマンビジュ軍事評議会のムハンマド・ムスタファー共同議長によると、「ロシアは米国が明日撤退したら、我々がこれにとって代わると彼ら(シリア民主軍)に通告した…。ロシア軍の司令官らは2日前、米国が退去したら、ロシアが国境に沿って部隊を展開させると述べた」という。

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米主導の有志連合はダーイシュ最後の拠点バーグーズ村を爆撃、YPG主体のシリア民主軍の総攻撃続く(2019年3月11日)

ダイル・ザウル県では、ANHA(3月11日付)によると、10日晩からダーイシュ(イスラーム国)最後の支配地バーグーズ村で再開された人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍による総攻撃は、11日早朝まで続き、ダーイシュとの間で激しい戦闘が行われた。

シリア民主軍は11日に入っても、攻撃を続け、バーグーズ村内のダーイシュ最大の武器弾薬庫を破壊した。

これに対して、ダーイシュのスリーパー・セルは、ブサイラ市でシリア民主軍を襲撃し、1人が死亡、1人が負傷した。

戦闘激化を受けて、ダーイシュの戦闘員とその家族数十人がシリア民主軍に投降した。

また、米主導の有志連合が11日夜、バーグーズ村に対する爆撃を実施した。

この爆撃に関して、SANA(3月11日付)は、複数の住民の話として、住民50人が死亡、数十人が負傷したと伝えた。

犠牲者のほとんどは女性と子供だという。

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なお、シリア民主軍の広報センターによると、バーグーズ村での11日の戦闘で、シリア民主軍はダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員38人を殲滅した。

シリア民主軍側は3人が戦死、10人が負傷したという。

ANHA(3月12日付)が伝えた。

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このほか、一方、ダイル・ザウル24(3月11日付)は、シリア民主軍が9日、バーグーズ村で女性1人とその子供たち多数を処刑、その画像がシリア民主軍のメンバーによって公開されたと伝えた。

 

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アレッポ県北部でシリア民主軍所属のバーブ軍事評議会とトルコの支援を受ける武装集団が砲撃戦(2019年3月11日)

アレッポ県では、ANHA(3月11日付)によると、トルコの支援を受ける反体制武装集団が、ブワイヒジュ村にある人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍に所属するバーブ軍事評議会の拠点を砲撃、バーブ軍事評議会が応戦した。

AFP, March 11, 2019、ANHA, March 11, 2019、AP, March 11, 2019、al-Durar al-Shamiya, March 11, 2019、al-Hayat, March 12, 2019、Reuters, March 11, 2019、SANA, March 11, 2019、UPI, March 11, 2019などをもとに作成。

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OPCWシリア常駐代表は昨年4月の東グータ地方での化学兵器使用疑惑事件に関する最終報告書を「事実からの深刻な逸脱、多くの矛盾、一貫性の欠如が見られる」と批判(2019年3月11日)

化学兵器禁止機関(OPCW)シリア常駐代表のバッサーム・サッバーグ氏は、オランダのハーグでロシア常駐代表部が開催した記者会見に出席し、3月1日にOPCWの事実調査団(FFM)が提出したダマスカス郊外県東グータ地方での2018年4月7日の化学兵器使用疑惑事件に関する最終報告書について、「事実からの深刻な逸脱、多くの矛盾、一貫性の欠如」が見られると非難した。

ロシアの専門家による報告書の検証結果を発表するために開催された記者会見で、サッバーグ氏は、米英仏によるシリアへのミサイル攻撃を正当化する口実を作り出すためにホワイト・ヘルメットが果たした役割が無視されていると指摘した。

サッバーグ氏はまた、中立性と客観性を欠いており、テロ組織が塩素ガスなどの有毒化学物質を保有していたことを完全に無視していると付言した。

さらに、FFMによる目撃者の証言の採用がダブル・スタンダードに依拠していると非難、事件現場を撮影したとされるビデオに映っていた目撃者15人のなかで、シリア国内でインタビューを受けたのは7人だけで、事件とは関係ない可能性のある目撃者とされる26人がシリア国外でインタビューを受けて、その証言が採用されたと指摘した。

そのうえで、シリアはOPCWのFFMによる調査に全面協力し、論理的且つ中立的な結論が導出されることを期待したにもかかわらず、「周知の一部諸外国」の圧力に屈したと締めくくった。

SANA(3月11日付)が伝えた。

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ロシア国防省はロシア軍がイドリブ県を爆撃しているとする一部報道を否定(2019年3月11日)

ロシア国防省は声明を出し、ロシア軍戦闘機がイドリブ県各所を爆撃しているとするアブハジア通信(ANNA News)などロシアの複数メディアの報道に関して、「事実に反する」と発表した。

スプートニク・ニュース(3月11日付)が伝えた。

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シリア軍はハマー県、イドリブ県、ラタキア県でシャーム解放機構などと交戦(2019年3月11日)

ハマー県では、SANA(3月11日付)によると、ハーン・シャイフーン市、タッル・マンス村で活動を続けるシャーム解放機構がシリア政府支配地域を砲撃、シリア軍が同地にあるシャーム解放機構の拠点や陣地を砲撃して、応戦した。

一方、シリア人権監視団によると、シリア軍がカフルズィーター市を砲撃した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がハーン・シャイフーン市、タマーニア町、ナージヤ村、ビダーマー町、ジャルジャナーズ町、スカイク村、ウンム・ハラーヒール村、フワイン村を砲撃した。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がクルド山、タルディーン村、ハッダーダ村を砲撃した。

これに対して、反体制武装集団もアブー・アスアド丘のシリア軍拠点を砲撃した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を21件(アレッポ県7件、ラタキア県5件、イドリブ県6件、ハマー県3件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を22件(ラタキア県7件、イドリブ県7件、ハマー県8件)を確認した。

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ロシア難民受入移送居住センター:レバノンから93人、ヨルダンから674人の難民が帰国、避難民93人が帰宅(2019年3月11日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(3月10日付)を公開し、3月9日に難民767人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは93人(うち女性28人、子供48人)、ヨルダンから帰国したのは674人(うち女性202人、子供344人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は155,716人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者58,884人(うち女性17,799人、子ども29,950人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者96,832人(うち女性29,075人、子ども49,370人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は 384,996人(うち女性115,532人、子供196,242人)となった。

なお、45カ国で難民登録したシリア人の数は6,673,308人(うち女性2,002,592人、子供3,404,407人)。

一方、国内避難民92人が新たに帰宅した。

うち東グータ地方に帰宅したのは32人(うち女性17人、子供9人)、ダイル・ザウル県サーリヒーヤ村の通行所を経由してダマスカス郊外県、ヒムス県などに帰宅したのは24人(うち女性8人、子ども11人)、ヒムス県南東グラーブ山の通行所を経由して帰還したのは36人(うち女性7人、子ども17人)、イドリブ県アブー・ズフール町郊外の通行所を経由して帰宅したのは0人だった。

これにより、2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は12,387人(うち女性4,277人、子供5,345人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,280,983人(うち女性386,836人、子供649,111人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, March 11, 2019をもとに作成。

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