ロシア難民受入移送居住センター:レバノンから96人、ヨルダンから484人の難民が帰国、避難民281人が帰宅(2019年3月3日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(3月3日付)を公開し、3月2日に難民580人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは96人(うち女性28人、子供49人)、ヨルダンから帰国したのは484人(うち女性145人、子供247人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は148,966人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者57,852人(うち女性17,488人、子ども29,423人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者91,114人(うち女性27,360人、子ども46,452人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は 378,246人(うち女性113,506人、子供192,797人)となった。

なお、45カ国で難民登録したシリア人の数は6,673,308人(うち女性2,002,592人、子供3,404,407人)。

一方、国内避難民281人が新たに帰宅した。

うち東グータ地方に帰宅したのは34人(うち女性16人、子供11人)、ダイル・ザウル県サーリヒーヤ村の通行所を経由してダマスカス郊外県、ヒムス県などに帰宅したのは29人(うち女性13人、子ども9人)、ヒムス県南東グラーブ山の通行所を経由して帰還したのは218人(うち女性52人、子ども124人)、イドリブ県アブー・ズフール町郊外の通行所を経由して帰宅したのは0人だった。

これにより、2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は11,350人(うち女性3,945人、子供4,911人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,279,946人(うち女性386,504人、子供648,677人)となった。

CENTCOM, March 3, 2019をもとに作成。

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『クドス・アラビー』:アサド政権との関係修復に抗ってきたサウジアラビアが駐シリア大使館に領事と職員2人を派遣(2019年3月3日)

『クドス・アラビー』(3月3日付)は、サウジアラビアがシリアの首都ダマスカスにある大使館に領事と職員2人を派遣したと伝えた。

サウジアラビアは、ヨルダン、UAE、バーレーンがシリア政府との関係を修復するなか、カタールとともにこの動きにもっとも強く抗ってきた国。

同紙によると、大使館は再開していないが、派遣された領事らは、メッカやメディアへのシリア人の巡礼にかかる査証の発給などにあたると思われるという。

AFP, March 3, 2019、ANHA, March 3, 2019、AP, March 3, 2019、al-Durar al-Shamiya, March 3, 2019、al-Hayat, March 4, 2019、Reuters, March 3, 2019、al-Quds al-‘Arabi, March 3, 2019、SANA, March 3, 2019、UPI, March 3, 2019などをもとに作成。

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サウジアラビアの衛星テレビ局アラビーヤ・チャンネルは反体制派を「テロリスト」、イランの民兵を「武装勢力」と伝える(2019年3月3日)

サウジアラビアの衛星テレビ局アラビーヤ・チャンネルは、ハマー県マサースィナ村近郊のシリア軍拠点に対するアンサール・タウヒードの特攻自爆(インギマースィー)攻撃に関する報道で、反体制派を「テロリスト」(إرهابيون)、「イランの民兵」を「武装勢力」(المسلحين)と評した。

アラビーヤ・チャンネルはインターネットを通じて配信した記事のなかで、シリア人権監視団の発表を引用するかたちで、「シリア政権軍と親政権武装勢力21人が、日曜未明のテロリストによる攻撃で死亡した」と伝えた。

 

AFP, March 3, 2019、ANHA, March 3, 2019、AP, March 3, 2019、al-Durar al-Shamiya, March 3, 2019、al-Hayat, March 4, 2019、Reuters, March 3, 2019、SANA, March 3, 2019、UPI, March 3, 2019などをもとに作成。

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ロシアのラヴロフ外務大臣はトルコにイドリブ県での非武装地帯にかかる合意を完全履行するよう求める(2019年3月3日)

ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣はKUNA(3月3日付)のインタビューに応じ、そのなかで、トルコに対して、2018年9月にソチでの首脳会談で交わされたイドリブ県を中心とする緊張緩和地帯第1ゾーンでの非武装地帯設置にかかる合意を遵守するよう求めるとともに、「停戦を口実にテロ組織の存在」を強化しないよう警告した。

ラブロフ外務大臣は「我々ははトルコに2018年9月17日に調印されたイドリブ県の緊張緩和地帯事態収拾にかかる覚書を遵守するよう求める…。この合意はイドリブ県を非武装地帯に宣言し、すべての急進派を排除し、重火器を撤去すると定めているが、まだ完全に履行されていない…。トルコと合意した停戦を口実にして、テロの存在が強化されないことが重要だ」と述べた。

一方、ダーイシュ(イスラーム国)については、シリア国内で安定が実現し、ダーイシュが根絶されたとはいえ、テロが最終的に消滅したと言うのは時期尚早だと述べ、「急進派のスリーパー・セルを無力化するために大いなる努力を行う必要がある」と強調した。

KUNA(3月2日付)が伝えた。

AFP, March 3, 2019、ANHA, March 3, 2019、AP, March 3, 2019、al-Durar al-Shamiya, March 3, 2019、al-Hayat, March 4, 2019、KUNA, March 3, 2019、Reuters, March 3, 2019、SANA, March 3, 2019、UPI, March 3, 2019などをもとに作成。

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ロバック元駐バーレーン米国大使がシリア民主評議会本部を訪問し、ダーイシュ壊滅後について協議(2019年3月3日)

ウィリアム・ロバック(William Roebuck)元駐バーレーン米国大使が、ラッカ県タッル・アブヤド市近郊のアイン・イーサー市にあるシリア民主評議会(人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の政治母体)の本部を訪問、イルハーム・アフマド執行委員会共同議長、ジハード・ウマル渉外局共同議長、ファルハード・ハンムー渉外局局員と会談した。

シリア民主評議会の広報局の発表によると、会談では、シリア北部および東部での情勢、とりわけシリア民主軍と有志連合によるダイル・ザウル県南東部バーグーズ村でのダーイシュ(イスラーム国)との戦いについて意見を交わした。

会談ではまた、バーグーズ村でのダーイシュ壊滅後についても協議され、シリア民主軍がロバック氏に対して、シリア北部および東部に対するトルコの侵攻の脅威が続くなか、同地域がダーイシュのスリーパー・セルの反撃の脅威にも直面していると強調したという。

会談出席者は、ダーイシュを完全に根絶するまでシリア民主軍と有志連合が連携・協力する必要があることを確認した。

ANHA(3月3日付)が伝えた。

AFP, March 3, 2019、ANHA, March 3, 2019、AP, March 3, 2019、al-Durar al-Shamiya, March 3, 2019、al-Hayat, March 4, 2019、Reuters, March 3, 2019、SANA, March 3, 2019、UPI, March 3, 2019などをもとに作成。

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イスラエル軍がクナイトラ県ハドル村西の無人地帯を砲撃(2019年3月3日)

SANA(3月3日付)は、イスラエル軍がクナイトラ県のハドル村西の無人地帯を砲撃したと伝えた。

人的・物的被害はなかった。

AFP, March 3, 2019、ANHA, March 3, 2019、AP, March 3, 2019、al-Durar al-Shamiya, March 3, 2019、al-Hayat, March 4, 2019、Reuters, March 3, 2019、SANA, March 3, 2019、UPI, March 3, 2019などをもとに作成。

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YPG主体のシリア民主軍はダーイシュ最後の支配地バーグーズ村への総攻撃を続行(2019年3月3日)

ダイル・ザウル県では、ANHA(3月3日付)によると、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍がダーイシュ(イスラーム国)最後の支配地であるバーグーズ村への総攻撃を続行、ダーイシュと激しく交戦した。

AFP, March 3, 2019、ANHA, March 3, 2019、AP, March 3, 2019、al-Durar al-Shamiya, March 3, 2019、al-Hayat, March 4, 2019、Reuters, March 3, 2019、SANA, March 3, 2019、UPI, March 3, 2019などをもとに作成。

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サッバーグ人民議会議長がアラブ連盟傘下のアラブ議会連盟大会に出席「シリアはアラブのために勝利し、新たな世界秩序形成のきっかけを作る」(2019年3月3日)

ハムーダ・サッバーグ人民議会議長はヨルダンの首都アンマンで開催されたアラブ連盟傘下のアラブ議会連盟の第29回大会に出席した。

シリア政府の高官がアラブ連盟関連の会議に参加するのは、連盟加盟資格を停止された2011年以降初めて。

大会に出席したサッバーグ議長は、「私は鼓動するアラブの心臓からあなた方のところにやって来た」としたうえで、「シリアがテロに対して勝利を収めつつある…。アラブ、中東のために勝利し、全世界から強大な敵対勢力が作り出した悪を根絶するために貢献する」、「この勝利はよりバランスのとれた新たな世界秩序がきっかけとなり、この秩序はアラブ民族に悲惨な影響を与えてきた一局集中体制の残骸からその姿を現し始めた」と述べた。

サッバーグ議長はまた「エルサレムはパレスチナの永遠の首都」、「エルサレムはアラブ性(ウルーバ)の本質」だと強調した。

SANA(3月3日付)が伝えた。

AFP, March 3, 2019、ANHA, March 3, 2019、AP, March 3, 2019、al-Durar al-Shamiya, March 3, 2019、al-Hayat, March 4, 2019、Reuters, March 3, 2019、SANA, March 3, 2019、UPI, March 3, 2019などをもとに作成。

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アル=カーイダ系のアンサール・タウヒードがハマー県北部のシリア軍拠点に対して特攻攻撃を敢行、20人以上が死亡、ラタキア県でもシリアのアル=カーイダが特攻攻撃(2019年3月3日)

ハマー県では、SANA(3月3日付)によると、反体制武装集団が3日未明、マサースィナ村にいたるシリア軍の拠点を攻撃し、爆発が発生した。

これに対してシリア軍は畜産農場地区、(東)ズール・ヒーサ村、マアリーン村にある反体制武装集団の拠点を砲撃した。

シリア軍はまた、ハムラー村、バーブ・ターカ村、ムーリク市の反体制武装集団に対しても砲撃を加えた。

マサースィナ村近郊のシリア軍拠点に対する攻撃に関して、爆発は、フッラース・ディーン機構とともに「信者を煽れ」作戦司令室を主導する新興のアル=カーイダ系組織アンサール・タウヒードは声明を出し、特攻(インギマースィー)攻撃を敢行し、兵士40人を殺害、数十人を負傷させたと発表し、犯行を認めた。

なお、シリア人権監視団によると、この攻撃での死者数は21人。

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ラタキア県では、SANA(3月3日付)によると、シリア軍がカルア山にある反体制武装集団の拠点を砲撃した。

これに関して、ドゥラル・シャーミーヤ(3月3日付)は、シャーム解放機構に所属するアサーイブ・ハムラー(赤鉢巻)がカルア山のシリア軍拠点に対して特攻自爆(インギマースィー)攻撃を行い、シリア軍兵士複数が死傷したと伝えた。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を7件(イドリブ県3件、ラタキア県4件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を14件(イドリブ県5件、ラタキア県3件、アレッポ県1件、ハマー県5件)を確認した。

AFP, March 3, 2019、ANHA, March 3, 2019、AP, March 3, 2019、al-Durar al-Shamiya, March 3, 2019、al-Hayat, March 4, 2019、Ministry of Defence of the Russian Federation, March 3, 2019、Reuters, March 3, 2019、SANA, March 3, 2019、UPI, March 3, 2019などをもとに作成。

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