ラタキア県でアサド家の「子飼い」と国防隊・シリア軍部隊が交戦、国防隊司令官が捕らえられ、腕を折られる(2019年3月9日)

ラタキア県では、バラディー(3月10日付)、ジュルフ・メディアなどによると、ハーフィズ・アサド前大統領の生誕地であるカルダーハ市で、アサド大統領の甥にあたるバッシャール・タラール・アサド氏とヤサール・タラール・アサド氏の「子飼い」と国防隊・シリア軍部隊が交戦した。

交戦は、バッシャール・タラール氏の「子飼い」が、イヤード・バラカート氏が指揮するジャブラ市の国防隊司令官の隊員から文句を言われたことがきっかけ。

カルダーハ市での交戦を受けて、バッシャール・タラール氏とヤサール氏の「子飼い」は、ジャブラ市にあるバラカート氏の自宅を襲撃、バラカート氏の自宅を守るために駆けつけたシリア軍部隊とも交戦した。

バッシャール・タラール氏とヤサール氏の「子飼い」は最終的にはバラカート氏を捉えて、腕を骨折させたという。

バッシャール・タラール氏とヤサール氏は、アリーン第313部隊(別名アブー・ハーディス大隊)を名のる「シャッビーハ」を指導している。

AFP, March 10, 2019、ANHA, March 10, 2019、AP, March 10, 2019、Baladi, March 10, 2019、al-Durar al-Shamiya, March 10, 2019、al-Hayat, March 11, 2019、Jurf News, March 10, 2019、Reuters, March 10, 2019、SANA, March 10, 2019、UPI, March 10, 2019などをもとに作成。

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米占領下のタンフ国境通行所で活動する革命特殊任務軍がルクバーン・キャンプでダーイシュ・メンバー4人を逮捕(2019年3月9日)

ドゥラル・シャーミーヤ(3月10日付)によると、米軍の占領下にあるヒムス県南東のタンフ国境通行所一帯地域(55キロ地帯)で活動する革命特殊任務軍は、同地に面するヨルダン北東部のルクバーン・キャンプ内にダーイシュ(イスラーム国)のメンバーが潜入したとして、キャンプ内で活動する「警察」とともに捜索活動を行った。

これにより、革命特殊任務軍はダーイシュ・メンバー4人を逮捕したが、2人を取り逃がしたという。

AFP, March 10, 2019、ANHA, March 10, 2019、AP, March 10, 2019、al-Durar al-Shamiya, March 10, 2019、al-Hayat, March 11, 2019、Reuters, March 10, 2019、SANA, March 10, 2019、UPI, March 10, 2019などをもとに作成。

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反体制メディア活動家は殺人罪で収監中のアサド大統領のいとこがブルガリアに偽の身分証明書を使って逃亡したと明かす(2019年3月9日)

反体制メディア活動家のワーイル・ハーリディー氏は、フェイスブックのアカウントで、アサド大統領が、いとこのスライマーン・ヒラール・アサド氏の国外逃亡を幇助したと綴った。

ハーリディー氏の書き込みによると、アサド大統領はスライマーン氏の家族の圧力に屈し、スライマーン氏の保釈を認めたという。

保釈を認められたスライマーン氏は用意された偽の身分証明書で出国、ブルガリアに逃れたという。

ハーリディー氏の書き込みの真偽は定かでない。

スライマーン氏は2015年8月、ラタキア市の鉄道駅前の交差点で、シリア軍のハッサーン・シャイフ大佐と車線変更をめぐってトラブルとなり、公衆の面前で同大佐を射殺、2016年1月に殺人罪で禁固20年の実刑判決を受けていた。

スライマーン氏はラタキア刑務所に収監されていたが、メンタル・クライシスを理由にダマスカスに移送されていた。

スライマーン氏の父のヒラール・アサド氏は、国防隊創設者n一人で2014年3月にラタキア県カサブ市での戦闘で戦死している。

https://www.facebook.com/wael.alkhaldy/posts/10156855068730155

 

AFP, March 9, 2019、ANHA, March 9, 2019、AP, March 9, 2019、al-Durar al-Shamiya, March 9, 2019、al-Hayat, March 10, 2019、Reuters, March 9, 2019、SANA, March 9, 2019、UPI, March 9, 2019などをもとに作成。

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トルコのエルドアン大統領「S-400購入は米国の安全保障ではなく、シリアでのトルコの活動の自由と関係している。その利用方法は明らかだ」(2019年3月9日)

トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領は、統一地方選挙に向けてディアルバクル県で演説し、ロシアからのS-400防空システムの購入と、シリアでのトルコの軍事作戦の関係に言及した。

エルドアン大統領は「S-400防空システムの購入をめぐる取引と、米国の安全保障、NATO、F-35、プロジェクトも一切関係はない…。我々がS-400防空システムを購入した理由、そしてその理由に基づいてどのように利用するかは明白だ。問題はS-400防空システムの購入ではなく、トルコがこの地域、とりわけシリアでの活動の自由と関係している…。この問題をめぐってアンカラとワシントンの意見の相違が解消されることを望む」と述べた。

アナトリア通信(3月9日付)が伝えた。

AFP, March 9, 2019、Anadolu Ajansı, March 9, 2019、ANHA, March 9, 2019、AP, March 9, 2019、al-Durar al-Shamiya, March 9, 2019、al-Hayat, March 10, 2019、Reuters, March 9, 2019、SANA, March 9, 2019、UPI, March 9, 2019などをもとに作成。

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米軍が駐留するマンビジュ市(アレッポ県)で自爆攻撃が発生:ダーイシュに近いメディアは米軍兵士3人が死亡したと伝える(2019年3月9日)

アレッポ県では、ANHA(3月9日付)によると、北・東シリア自治局の支配下にあるマンビジュ市南東部の幹線道路でオートバイに乗った男性が自爆し、住民6人が爆発に巻き込まれて負傷した。

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しかし、この自爆に関して、ダーイシュ(イスラーム国)に近いアアマーク通信(3月9日付)は、「マンビジュ市とバーブ市を結ぶ街道でPKK(クルディスタン労働者党)の車列に対して爆弾を積んだ車輌で自爆攻撃が行われた」としたうえで、「車列には米軍兵士がいた」と伝えた。

また、ダーイシュに近いナダー・スーリヤー(3月9日付)は、自爆攻撃がオートバイではなく、ジープで行われたとしたうえで、米軍兵士3人が死亡、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の戦闘員多数が負傷したと伝えた。

ドゥラル・シャーミーヤ(3月9日付)が伝えた。

AFP, March 9, 2019、ANHA, March 9, 2019、AP, March 9, 2019、al-Durar al-Shamiya, March 9, 2019、al-Hayat, March 10, 2019、Nada’ Suriya, March 9, 2019 、Reuters, March 9, 2019、SANA, March 9, 2019、UPI, March 9, 2019などをもとに作成。

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YPG主体のシリア民主軍はダーイシュ最後の支配地バーグーズ村への攻撃を再開(2019年3月9日)

人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍のムスタファー・バーリー公式報道官は、ダーイシュ(イスラーム国)最後の支配地が残るダイル・ザウル県南東部バーグーズ村から民間人や戦闘員の退去・投降がなければ、3月9日に戦闘を再開すると述べた。

ロイター通信(3月9日付)が伝えた。

AFP, March 9, 2019、ANHA, March 9, 2019、AP, March 9, 2019、al-Durar al-Shamiya, March 9, 2019、al-Hayat, March 10, 2019、Reuters, March 9, 2019、SANA, March 9, 2019、UPI, March 9, 2019などをもとに作成。

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親トルコのアフラール軍がハマー県スカイラビーヤ市近郊のシリア軍検問所を攻撃し、7人を殺害(2019年3月9日)

ハマー県では、トルコの庇護を受ける国民解放戦線に所属するアフラール軍(自由人軍)が声明を出し、スカイラビーヤ市近郊にあるシリア軍の検問所を攻撃し、将兵7人を殺害したと発表した。

攻撃は、ガーブ平原一帯に対するシリア軍の砲撃への報復だという。

これに関して、SANA(3月9日付)は、シリア軍はスカイラビーヤ市北で反体制武装集団と交戦したと伝えた。

また、SANAによると、反体制武装集団がムハルダ市を砲撃し、民家1棟が被害を受けた。

一方、シリア人権監視団によると、シリア軍がカフルズィーター市を砲撃した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がサラーキブ市、ビダーマー町、ナージヤ村、タッル・マンス村を砲撃し、サラーキブ市で1人が死亡した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がズィーターン村を砲撃した。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がカッバーナ村一帯、タルディーン村一帯を砲撃した。

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ヒムス県では、SANA(3月9日付)によると、アーラーク村近郊にダーイシュ(イスラーム国)が残した地雷に住民が触れて爆発、8人が死亡、11人が負傷した。

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を17件(ラタキア県5件、アレッポ県3件、イドリブ県6件、ハマー県3件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を17件(イドリブ県5件、ラタキア県4件、ハマー県8件)を確認した。

AFP, March 9, 2019、ANHA, March 9, 2019、AP, March 9, 2019、al-Durar al-Shamiya, March 9, 2019、al-Hayat, March 10, 2019、Ministry of Defence of the Russian Federation, March 9, 2019、Reuters, March 9, 2019、SANA, March 9, 2019、UPI, March 9, 2019などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:レバノンから107人、ヨルダンから852人の難民が帰国、避難民107人が帰宅(2019年3月9日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(3月9日付)を公開し、3月8日に難民959人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは107人(うち女性33人、子供55人)、ヨルダンから帰国したのは852人(うち女性240人、子供408人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は154,036人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者58,702人(うち女性17,676人、子ども29,741人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者95,334人(うち女性28,626人、子ども48,606人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は 382,357人(うち女性114,740人、子供194,859人)となった。

なお、45カ国で難民登録したシリア人の数は6,673,308人(うち女性2,002,592人、子供3,404,407人)。

一方、国内避難民107人が新たに帰宅した。

うち東グータ地方に帰宅したのは35人(うち女性14人、子供12人)、ダイル・ザウル県サーリヒーヤ村の通行所を経由してダマスカス郊外県、ヒムス県などに帰宅したのは28人(うち女性16人、子ども8人)、ヒムス県南東グラーブ山の通行所を経由して帰還したのは60人(うち女性16人、子ども33人)、イドリブ県アブー・ズフール町郊外の通行所を経由して帰宅したのは0人だった。

これにより、2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は12,058人(うち女性4,170人、子供5,210人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,280,654人(うち女性385,249人、子供647,245人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, March 9, 2019をもとに作成。

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