ダルアー県マターイヤ村の住民がヨルダン人観光客を逮捕しようとした諜報機関と旧反体制派を撃退(2019年3月19日)

ダルアー県では、ハウラーン自由人連合のフェイスブックのアカウントによると、マターイヤ村の住民が、村を訪れていたヨルダン人(観光客)を逮捕しようとした諜報機関と旧反体制派(シリア政府と和解した反体制武装集団)からなる合同パトロール部隊を撃退した。

このヨルダン人はマターイヤ村の親戚を訪れるため、シリアに入国していた。

AFP, March 21, 2019、ANHA, March 21, 2019、AP, March 21, 2019、al-Durar al-Shamiya, March 21, 2019、al-Hayat, March 22, 2019、Reuters, March 21, 2019、SANA, March 21, 2019、UPI, March 21, 2019などをもとに作成。

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北・東シリア自治局は声明で「シリア民主軍が共存を選択しなければ、その支配地を軍事的に制圧する」とのアイユーブ国防大臣の発言を「抑圧政策に固執している」と批判(2019年3月19日)

北・東シリア自治局の防衛局(国防省に相当)は声明を出し、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍が共存を選択しなければ、その支配地を軍事的に制圧するとしたアリー・アブドゥッラ・アイユーブ国防大臣の発言(18日)に関して「こうした発言は政権が抑圧政策に固執していることを示している…シリア北部と東部の全域を解放・防衛したシリア民主軍に対して脅迫の言葉を向けることは、シリアを分割しようとしている勢力を利するだけだ」と批判、「政治解決という選択肢を支持するが、自らの権利を合法的に守るすることに躊躇しない」と表明した。

そのうえで「政権は軍事的決着を通じて自らを再生産しようとしている。これに対して北・東シリア自治局は、包括的な政治的正常化を通じて治安と安定を実現しようとしている」を強調した。

AFP, March 20, 2019、ANHA, March 20, 2019、AP, March 20, 2019、al-Durar al-Shamiya, March 20, 2019、al-Hayat, March 21, 2019、Reuters, March 20, 2019、SANA, March 20, 2019、UPI, March 20, 2019などをもとに作成。

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アレッポ県のトルコ占領地とシリア政府支配地域を結ぶ通商路が開通、経済活性化に期待(2019年3月19日)

アレッポ県では、ドゥラル・シャーミーヤ(3月19日付)によると、トルコの支援を受ける国民軍が、県北西部のジャラーブルス市一帯およびバーブ市一帯からなるいわゆる「ユーフラテスの盾」地域と、バーブ市南方一帯に伸びるシリア政府支配地域を結ぶ通行所を新たに設置した。

アブー・ザンディーン村に開設された通商路により、両地域の商品の輸送や人の往来が可能となる。

これによって、「ユーフラテスの盾」地域から北・東シリア自治局が支配するマンビジュ市への移動が1時間短縮されるという。

また国民軍第2軍団に所属する第211旅団のアブー・ワリードを名のる司令官は、ドゥラル・シャーミーヤに対して、アブー・ザンディーン通行所開設によって、「ユーフラテスの盾」地域の経済、とりわけ農業生産や農産物の流通・販売の活性化が期待できるとしている。

AFP, March 19, 2019、ANHA, March 19, 2019、AP, March 19, 2019、al-Durar al-Shamiya, March 19, 2019、al-Hayat, March 20, 2019、Reuters, March 19, 2019、SANA, March 19, 2019、UPI, March 19, 2019などをもとに作成。

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ロシアのセルゲイ・ショイグ国防大臣がシリアを訪問し、アサド大統領と会談:イドリブ県、ユーフラテス川以東地域の治安と安定回復に向けて共同行動を継続することを確認(2019年3月19日)

ロシアのセルゲイ・ショイグ国防大臣がシリアを訪問し、アサド大統領と会談した。

ショイグ国防大臣のシリア訪問に先だって、イランのモハンマド・バーゲリー参謀長(少将)、ウスマーン・ガーニミー参謀長(上級大将)が率いるイラン・イラク軍合同使節団が18日にシリアを訪問、アサド大統領、アリー・アブドゥッラー・アイユービー国防大臣と会談している。

SANA(3月19日付)によると、会談ではシリアにおける「テロとの戦い」の進捗について意見を交わした。

アサド大統領は会談のなかで、シリアとロシアが軍事、政治面をはじめとするすべての分野で高度な共同行動と連携をしたことが、テロに対してシリアが持ちこたえ、ダーイシュ(イスラーム国)やシャーム解放機構などといった組織に対する勝利を実現した決定要因の一つだと述べた。

これに対して、ショイグ国防大臣は、シリア・アラブ軍とともに「テロとの戦い」を続けるとともに、シリア全土の解放、領土統一、主権、そして独立維持のためにシリア国民を全面支援を継続すると応えた。

会談では、シャーム解放機構が軍事・治安権限を握るイドリブ県、米国の支援を受ける北・東シリア自治局の支配下にあるユーフラテス川以東地域の情勢についても検討、これらの地域において治安と安定を回復するのにふさわしい解決策を策定するため共同行動を継続するとともに、シリア国民に敵対する国家が過去数年にわたる戦争でなし得なかったことを実現しようとする動きを許さないことを確認した。

会談にやアリー・アブドゥッラ・アイユーブ国防大臣、アリー・マムルーク国民安全保障会議議長、アイマン・スーサーン外務在外居住者省次官、セルゲイ・ヴェルシニン外務副大臣、アレクサンドル・エフィモフ駐シリア・ロシア大使も同席した。

AFP, March 19, 2019、ANHA, March 19, 2019、AP, March 19, 2019、al-Durar al-Shamiya, March 19, 2019、al-Hayat, March 20, 2019、Reuters, March 19, 2019、SANA, March 19, 2019、UPI, March 19, 2019などをもとに作成。

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PYD幹部「シリア民主軍が共存を選択しなければ、その支配地を軍事的に制圧するとしたアイユーブ国防大臣の発言は脅迫」(2019年3月19日)

民主統一党(PYD)のスィーハーヌーク・ディーブー共同党首付顧問(兼シリア民主評議会議長評議会メンバー)は、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍が共存を選択しなければ、その支配地を軍事的に制圧するとしたアリー・アブドゥッラ・アイユーブ国防大臣の発言(18日)を「脅迫」と非難した。

ディーブー氏は『ハヤート』(3月20日付)の取材に対して、「独裁体制の脅迫は、シリア民主軍が暗黒のダーイシュ(イスラーム国)を地理的に消滅させようとしているのを世界が目の当たりにしているなかで行われている…。こうした脅迫は政治的解決を反故にし、現下のシリアをさらに東西に分断するものだ」と非難した。

AFP, March 19, 2019、ANHA, March 19, 2019、AP, March 19, 2019、al-Durar al-Shamiya, March 19, 2019、al-Hayat, March 20, 2019、Reuters, March 19, 2019、SANA, March 19, 2019、UPI, March 19, 2019などをもとに作成。

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クウェートでシリア政府に近いビジネスマンがマネー・ロンダリングへの関与を疑われ逮捕(2019年3月19日)

クウェート日刊紙『カバス』(3月19日付)は、クウェート治安当局がクウェート市内の『ハダフ』誌本社でシリア人ビジネスマンのマーズィン・タルズィー氏を逮捕したと伝えた。

タルズィー氏はシリア政府に近いとされる人物で、マネー・ロンダリングへの関与を疑われているという。

なお、米財務省は2015年、タルズィー氏を資産凍結、渡航禁止などの制裁対象リストに加えている。

AFP, March 19, 2019、ANHA, March 19, 2019、AP, March 19, 2019、al-Durar al-Shamiya, March 19, 2019、al-Hayat, March 20, 2019、al-Qabas, March 19, 2019、Reuters, March 19, 2019、SANA, March 19, 2019、UPI, March 19, 2019などをもとに作成。

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シャナハン米国防長官臨時代行「我々はシリアでの兵力削減について計画中だ」(2019年3月19日)

米国防総省のパトリック・シャナハン長官臨時代行は米国を訪問中のフランスのフロランス・パルリ国防大臣と会談し、イラク、シリアでの両国の取り組みについて意見を交わした。

シャナハン氏は「フランスは、シリアでの米国の取り組みを間接的に、そしてイラクで直接的に支援してきた…。我々はまたトルコとの密接に協力している。トルコは戦略的パートナーだ。より重要なこととして、我々はシリアでの兵力削減について計画中だ。この計画の詳細に関して、我々は有志連合諸国とともに密接に連携している」などと述べた。

AFP, March 19, 2019、ANHA, March 19, 2019、AP, March 19, 2019、al-Durar al-Shamiya, March 19, 2019、al-Hayat, March 20, 2019、Reuters, March 19, 2019、SANA, March 19, 2019、UPI, March 19, 2019などをもとに作成。

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トルコ占領下のジャラーブルス市(アレッポ県)で国民軍第3軍団に所属するシャーム自由人イスラーム運動とシャーム戦線が交戦(2019年3月19日)

アレッポ県では、ドゥラル・シャーミーヤ(3月19日付)によると、トルコの占領下にあるジャラーブルス市で、国民軍第3軍団に属す二つの武装集団、シャーム自由人イスラーム運動とシャーム戦線が交戦、トルコ軍が介入して兵力を引き離した。

戦闘は、国民軍傘下の国民総合治安部隊の隊員が交通違反を犯したシャーム戦線のメンバーを逮捕したことをきっかけに発生したという。

総合治安部隊隊員はザルカー(ないしはザルカート)家の子息でシャーム自由人イスラーム運動のメンバー、逮捕された違反者はジャワーディラ家の子息でシャーム軍団のメンバーで、両組織ともに国民軍第3軍団に所属しているという。

AFP, March 19, 2019、ANHA, March 19, 2019、AP, March 19, 2019、al-Durar al-Shamiya, March 19, 2019、al-Hayat, March 20, 2019、Reuters, March 19, 2019、SANA, March 19, 2019、UPI, March 19, 2019などをもとに作成。

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トルコ軍がアレッポ県アフリーン郡各所を砲撃(2019年3月19日)

アレッポ県では、ANHA(3月19日付)によると、トルコ軍とその支援を受ける反体制武装集団がアフリーン郡シーラーワー町のバナー村、スーハンキー村、シャッラー村のマーリキーヤ村を砲撃した。

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一方、アフリーン解放軍団が声明を出し、18日のアフリーン市タルナダ地区でトルコの支援を受ける反体制武装集団を標的とした爆破攻撃を行い、戦闘員6人を殺害したと発表した。

アフリーン解放軍団はまた、同日にアフリーン市マフムーディーヤ地区にある武装集団拠点を爆破し、戦闘員2人を殺害、タッル・マーリド村で武装集団戦闘員を狙撃し、1人を殺害したと発表した。

ANHA(3月19日付)が伝えた。

AFP, March 19, 2019、ANHA, March 19, 2019、AP, March 19, 2019、al-Durar al-Shamiya, March 19, 2019、al-Hayat, March 20, 2019、Reuters, March 19, 2019、SANA, March 19, 2019、UPI, March 19, 2019などをもとに作成。

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YPG主体のシリア民主軍は米軍兵士ら4人が犠牲となった1月のマンビジュ市での爆破事件に関与したとされるダーイシュ・メンバーを拘束(2019年3月19日)

フォックス・ニュース(3月19日付)は、米国防総省高官の話として、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍が特殊作戦を敢行し、米軍兵士2人、国防総省職員1人と契約職員1人の合わせて4人が犠牲となった1月16日のアレッポ県マンビジュ市での爆破事件に関与したとされるダーイシュ(イスラーム国)のメンバーを拘束したと伝えた。

CNN(3月19日付)によると、シリア民主軍が拘束したのは5人だという。

AFP, March 19, 2019、ANHA, March 19, 2019、AP, March 19, 2019、CNN, March 19, 2019、al-Durar al-Shamiya, March 19, 2019、Fox News, March 19, 2019、al-Hayat, March 20, 2019、Reuters, March 19, 2019、SANA, March 19, 2019、UPI, March 19, 2019などをもとに作成。

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YPG主体のシリア民主軍はバーグーズ避難民キャンプを解放、ダーイシュ戦闘員1,000人が投降するも、1,000人は抵抗を続ける(2019年3月19日)

ダイル・ザウル県では、ANHA(3月19日付)によると、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍がダーイシュ(イスラーム国)最後の支配地バーグーズ村での戦闘を続け、同地近郊にある避難民キャンプ(バーグーズ・キャンプ)を解放した。

これを受け、ダーイシュの戦闘員訳1,000人がシリア民主軍に投降した。

しかし、シリア民主軍のアドナーン・アフリーン司令官によると、戦闘員1,000人が投降を拒否し、バーグーズ村の丘陵地帯で抵抗を続けているという。

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反体制派はアレッポ市を走行中のバスを狙撃し、子供1人を殺害(2019年3月19日)

アレッポ県では、SANA(3月19日付)によると、反体制武装集団がアレッポ市ザフラー地区を走行中のバスを狙撃し、乗っていた5歳の子供1人が死亡、女性1人が負傷した。

バスは、児童グラブの子供たちと女性教員を乗せて、ザフラー地区のヌールス交差点に向かっていた。

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ハマー県では、SANA(3月19日付)によると、シリア軍がバーブ・ターカ村にあるシャーム解放機構の拠点を集中的に砲撃した。

砲撃は、同地のシャーム解放機構の攻撃を受けたもの。

シリア軍はまた、ムーリク市方面からシリア政府支配地域に潜入しようとした反体制武装集団を撃退した。

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イドリブ県では、SANA(3月19日付)によると、シリア軍がスィフヤーン村、タッル・マンス村にあるシャーム解放機構の拠点を砲撃した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を17件(アレッポ県3件、ハマー県3件、イドリブ県2件、ラタキア県9件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を33件(ハマー県25件、イドリブ県1件、アレッポ県5件、ラタキア県2件)確認した。

AFP, March 19, 2019、ANHA, March 19, 2019、AP, March 19, 2019、al-Durar al-Shamiya, March 19, 2019、al-Hayat, March 20, 2019、Ministry of Defence of the Russian Federation, March 19, 2019、Reuters, March 19, 2019、SANA, March 19, 2019、UPI, March 19, 2019などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:レバノンから137人、ヨルダンから621人の難民が帰国、避難民75人が帰宅(2019年3月19日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(3月19日付)を公開し、3月18日に難民758人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは137人(うち女性42人、子供70人)、ヨルダンから帰国したのは621人(うち女性186人、子供317人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は162,862人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者60,049人(うち女性18,152人、子ども30,546人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者102,813人(うち女性30,681人、子ども52,105人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は 392,142人(うち女性104,721人、子供177,874人)となった。

なお、45カ国で難民登録したシリア人の数は6,673,308人(うち女性2,002,592人、子供3,404,407人)。

一方、国内避難民75人が新たに帰宅した。

うち東グータ地方に帰宅したのは32人(うち女性11人、子供15人)、ダイル・ザウル県サーリヒーヤ村の通行所を経由してダマスカス郊外県、ヒムス県などに帰宅したのは38人(うち女性19人、子ども12人)、ヒムス県南東グラーブ山の通行所を経由して帰還したのは5人、イドリブ県アブー・ズフール町郊外の通行所を経由して帰宅したのは0人だった。

これにより、2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は13,192人(うち女性3,864人、子供4,767人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,281,788人(うち女性387,092人、子供649,426人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, March 19, 2019をもとに作成。

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