イドリブ県で脱獄したダーイシュ・メンバーとシリアのアル=カーイダの治安部隊が交戦、ダーイシュ・メンバー4人が投降を拒否して自爆(2019年3月23日)

イドリブ県では、ドゥラル・シャーミーヤ(3月24日付)によると、ビンニシュ市で23日夜、シャーム解放機構の治安部隊がダーイシュ(イスラーム国)のメンバーと交戦した。

戦闘は、イドリブ中央刑務所に対する13日のロシア軍の爆撃に乗じて脱獄したダーイシュ・メンバーが同地に潜伏しているとの情報を受け、治安部隊が強制捜査を行ったことによるもの。

戦闘は4時間にわたり続き、ダーイシュ・メンバー4人が投降を拒否して自爆した。

また、戦闘の巻き添えとなり、子供1人が死亡した。

なお、イドリブ中央刑務所から脱獄したダーイシュ・メンバーは数十人に達するという。

AFP, March 24, 2019、ANHA, March 24, 2019、AP, March 24, 2019、al-Durar al-Shamiya, March 24, 2019、al-Hayat, March 25, 2019、Reuters, March 24, 2019、SANA, March 24, 2019、UPI, March 24, 2019などをもとに作成。

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イスラエル紙:アサド大統領の後継者としてサーミル・ファウズなる人物がにわかに台頭(2019年3月23日)

イスラエルの『イデオト・アハロノト』(3月23日付)は、バッシャール・アサド大統領の後継者として、サーミル・ファウズ氏がにわかに台頭していると伝えた。

同紙によると、ファウズ氏はラタキア市出身の45歳。アサド大統領やその弟のマーヒル・アサド少将に非常に近く、最近ではシリア、アラブ諸国、諸外国のメディアでの露出が増えているという。

ファウズ氏はまた、イラン、ロシア、UAEとも関係が深く、イランとの武器取引契約の締結に関与しているほか、UAEを拠点としたビジネスも行っているという。

なお、ロシアの複数メディアは、アサド大統領の後継者としては、ロシアが「虎」の愛称で知られるスハイル・ハサン准将を担ごうとしていると報じたこともあったが、西側諸国の同意を得られなかったという。

AFP, March 23, 2019、ANHA, March 23, 2019、AP, March 23, 2019、al-Durar al-Shamiya, March 23, 2019、al-Hayat, March 24, 2019、Reuters, March 23, 2019、SANA, March 23, 2019、UPI, March 23, 2019、Yedioth Ahronoth, March 23, 2019などをもとに作成。

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クナイトラ県マジュダル・シャムス村で「米国がゴラン高原に対するイスラエルの主権を完全に承認する時が来た」とのトランプ米大統領のツイートに反対するデモ(2019年3月23日)

クナイトラ県では、SANA(3月23日付)によると、イスラエルとの停戦ライン(ラインA)によって分断されているマジュダル・シャムス村の住民が、シリア側にある広場で、ドナルド・トランプ米大統領が21日にツイッターで「米国がゴラン高原に対するイスラエルの主権を完全に承認する時が来た」と綴ったことに対する抗議デモを行った。

また、イスラエル占領下のマジュダル・シャムス村でも、住民が抗議するデモを行った。

デモ参加者は、シリア国旗やアサド大統領の写真を掲げ、トランプ大統領の発言に反対するシュプレヒコールを連呼した。

AFP, March 23, 2019、ANHA, March 23, 2019、AP, March 23, 2019、al-Durar al-Shamiya, March 23, 2019、al-Hayat, March 24, 2019、Reuters, March 23, 2019、SANA, March 23, 2019、UPI, March 23, 2019などをもとに作成。

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ロバック元駐バーレーン米国大使やヴォーテル米中央軍司令官は「ダーイシュ根絶のためさらなる行動を続ける」と表明(2019年3月23日)

北・東シリア自治区に駐在するウィリアム・ロバック元駐バーレーン米国大使は、ダイル・ザウル県ウマル油田でのシリア民主軍による勝利宣言の発表に続いて、声明を読み上げ、「私は米国を代表して声明を読み上げる。我々はシリア人民がダーイシュを殲滅し、その支配地域を解放したことを承知している。ダーイシュ支配地域の解放は、有志連合とその協力者の戦略に大いに寄与した」と述べた。

ロバック氏はまた「我々はダーイシュを敗北させたとはいえ、ダーイシュを根絶するためにさらなる行動を行う…。我々はダーイシュを根絶するための有志連合作戦を引き続き支持する。ドナルド・トランプ大統領が述べた通り、我々はシリアで必要なあらゆることを行う」と強調するとともに、「我々は国連安保理決議第2254号を支援し、シリアでの完全な政治解決をめざす」と付言した。

米軍中央司令部(CENTCOM)のジョゼフ・ヴォーテル司令官(大将)も声明を出し、シリア民主軍の勝利に祝意を示すとともに、「ダーイシュの残党を追跡、殲滅する努力を継続する」と表明した。

AFP, March 23, 2019、ANHA, March 23, 2019、AP, March 23, 2019、al-Durar al-Shamiya, March 23, 2019、al-Hayat, March 24, 2019、Reuters, March 23, 2019、SANA, March 23, 2019、UPI, March 23, 2019などをもとに作成。

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北・東シリア自治局支配地各所でダーイシュに対するシリア民主軍の勝利を祝うデモや行進が行われる(2019年3月23日)

北・東シリア自治局の支配下にあるアレッポ県コバネ(アイン・アラブ)市、ハサカ県タッル・ハミース市、タッル・クージャル(ヤアルビーヤ)町、ディルベ・スピーイェフ(カフターニーヤ)市、ダルバースィーヤ市、マアバダ(カルキールキー)町、ラッカ県カリ・スィビー(タッル・アブヤド)市などでは、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍によるダイル・ザウル県バーグーズ村の完全解放とダーイシュ(イスラーム国)に対する勝利宣言を受けて、住民、シリア民主軍の勝利を祝うデモや行進を行った。



また、シリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるハサカ市、カーミシュリー市、シリア政府の支配下にあるアレッポ市シャイフ・マクスード地区、トルコ占領下にあるアフリーン市でも、住民がダーイシュに対するシリア民主軍の勝利を祝うデモ集会を行った。

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YPG主体のシリア民主軍はダーイシュへの勝利を宣言(2019年3月23日)

人民防衛部隊(YPG)を主体とするシリア民主軍の総司令部は、ダイル・ザウル県南東部のウマル油田から声明を出し、同県南東部ユーフラテス川東岸に残っていたダーイシュ(イスラーム国)最後の支配地バーグーズ村を完全解放し、ダーイシュに勝利したと宣言した。

声明はマズルーム・アブディー(合同)総司令官が読み上げ、有志連合を主導する米軍士官、シリア民主軍傘下の武装組織の将兵、北・東シリア自治局高官、同自治区で活動する政党代表および名士が同席した。

声明において、シリア民主軍は、ダーイシュおよびアル=カーイダに対する戦いによって、500万人に近い住民を救い、5万2000平方キロを解放したと成果を鼓舞する一方、11万人以上の将兵が死亡したことを明らかにし、改めて弔意を示した。

また、シリア民主評議会のイルハーム・アフマド執行委員会共同議長も声明を読み上げ、シリア民主軍の勝利に祝意を示した。

なお、これに先立って、シリア民主軍のジヤー・フラート(合同)総司令官は、ダーイシュ(イスラーム国)の掃討を完了したバーグーズ村から声明を出し「我々はこの勝利を世界のすべての人民、とくにクルド人民、アラブ人、シリア正教徒に贈りたい」と宣言した。

一方、北・東シリア自治局はユーフラテス地域が声明を出し、シリア民主軍の勝利に祝意を示した。

AFP, March 23, 2019、ANHA, March 23, 2019、AP, March 23, 2019、al-Durar al-Shamiya, March 23, 2019、al-Hayat, March 24, 2019、Reuters, March 23, 2019、SANA, March 23, 2019、UPI, March 23, 2019などをもとに作成。

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バーブ市近郊でYPG主体のシリア民主軍に所属するバーブ軍事評議会とトルコの支援を受ける武装集団が交戦(2019年3月23日)

アレッポ県では、ANHA(3月23日付)によると、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍に所属するバーブ軍事評議会が、バーブ市東のブーガーズ村、クールフユーク村の拠点に対する反体制武装集団(いわゆる「ユーフラテスの盾」作戦司令室)の攻撃を受け、これに応戦した。

AFP, March 23, 2019、ANHA, March 23, 2019、AP, March 23, 2019、al-Durar al-Shamiya, March 23, 2019、al-Hayat, March 24, 2019、Reuters, March 23, 2019、SANA, March 23, 2019、UPI, March 23, 2019などをもとに作成。

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反体制派は有毒ガスを装填した砲弾でハマー県北部の2カ村を砲撃、21人が病院に搬送される(2019年3月23日)

ハマー県では、SANA(3月23日付)によると、反体制武装集団が県北部のラスィーフ村とアズィーズィーヤ村に対して、有毒ガスを装填した砲弾で砲撃を行い、住民21人が呼吸困難、炎症などを訴えて、スカイラビーヤ市にある国立病院に搬送された。

https://youtu.be/QGbv38ricfw

これに対して、シリア軍がナシャーマ村一帯のシャーム解放機構の拠点を砲撃した。

シリア軍はまた、カルアト・マディーク町からカリーム村方面に潜入しようとした反体制武装集団を迎撃した。

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ヒムス県では、ドゥラル・シャーミーヤ(3月23日付)によると、空軍情報部がシリア政府との和解に応じたタウヒード軍の元総司令官マンハル・スルーフ・アッラーブ氏に暴行を加え、拘束した。

また、ドゥラル・シャーミーヤ(3月24日付)によると、空軍情報部は、2018年半ばにシリア政府との和解に応じたタウヒード軍のメンバー約300人に対してロシア当局(ラタキア県フマイミーム航空基地のシリア駐留ロシア軍司令部)が発効したIDを没収した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を13件(ラタキア県10件、ハマー県3件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を15件(アレッポ県3件、ハマー県5件、イドリブ県6件、ラタキア県1件)確認した。

AFP, March 23, 2019、ANHA, March 23, 2019、AP, March 23, 2019、al-Durar al-Shamiya, March 23, 2019、March 24, 2019、al-Hayat, March 24, 2019、Ministry of Defence of the Russian Federation, March 23, 2019、Reuters, March 23, 2019、SANA, March 23, 2019、UPI, March 23, 2019などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:レバノンから237人、ヨルダンから759人の難民が帰国、避難民103人が帰宅(2019年3月23日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(3月23日付)を公開し、3月22日に難民996人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは237人(うち女性33人、子供55人)、ヨルダンから帰国したのは759人(うち女性236人、子供401人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は166,496人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者60,826人(うち女性18,209人、子ども30,641人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者105,670人(うち女性31,725人、子ども53,383人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は 395,776人(うち女性118,771人、子供201,748人)となった。

なお、45カ国で難民登録したシリア人の数は6,673,308人(うち女性2,002,592人、子供3,404,407人)。

一方、国内避難民103人が新たに帰宅した。

うち東グータ地方に帰宅したのは28人(うち女性10人、子供12人)、ダイル・ザウル県サーリヒーヤ村の通行所を経由してダマスカス郊外県、ヒムス県などに帰宅したのは29人(うち女性12人、子供11人)、ヒムス県南東グラーブ山の通行所を経由して帰還したのは46人(うち女性13人、子ども22人)、イドリブ県アブー・ズフール町郊外の通行所を経由して帰宅したのは0人だった。

これにより、2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は13,560人(うち女性4,383人、子供5,478人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,282,156人(うち女性386,338人、子供648,448人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, March 23, 2019をもとに作成。

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