シリア軍はハマー県北部をトルコ軍パトロール部隊が通行するなかで激しい砲撃を行い、トルコ軍が初めて応戦(2019年3月17日)

ハマー県では、ドゥラル・シャーミーヤ(3月18日付)によると、トルコ軍がイドリブ県を中心とする緊張緩和地帯第1ゾーンに含まれるハマー県北部のフワイズ村、カルアト・マディーク町、ジスル・バイト・ラース村一帯をムーリク市に向かってパトロール活動を行ったが、シリア軍が迫撃砲400発余りを発射し、同地を攻撃したため、これに応戦した。

トルコ軍による同地でのパトロールは、これが4度目。

トルコ軍はまた、アレッポ県アイス丘に設置された監視所とアレッポ市ラーシディーンに設置された監視所の間の地域でもパトロールを実施した。

AFP, March 18, 2019、ANHA, March 18, 2019、AP, March 18, 2019、al-Durar al-Shamiya, March 18, 2019、al-Hayat, March 19, 2019、Reuters, March 18, 2019、SANA, March 18, 2019、UPI, March 18, 2019などをもとに作成。

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イラン・イスラーム革命防衛隊のジャアファリー総司令官はシリア国内に10万の「イランの部隊」がいると発表(2019年3月17日)

イラン・イスラーム革命防衛隊のモハンマド・アリー・ジャアファリー総司令官(少将)は、シリアに駐留するいわゆる「イランの部隊」の数を初めて明らかにした。

ファルス通信(3月17日付)によると、ジャアファリー総司令官は「シリアで10万の戦闘員からなる人民部隊が結成された…。この部隊はダーイシュ(イスラーム国)、ヌスラ戦線(シャーム解放機構)、シリア人武装勢力に対峙してきた。シリア人民こそが同地でのレジスタンス部隊の主軸をなしている」と述べた。

AFP, March 17, 2019、ANHA, March 17, 2019、AP, March 17, 2019、al-Durar al-Shamiya, March 17, 2019、FARS, March 17, 2019、al-Hayat, March 18, 2019、Reuters, March 17, 2019、SANA, March 17, 2019、UPI, March 17, 2019などをもとに作成。

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シャーム解放機構はイドリブ中央刑務所脱獄犯の追跡を継続、追い詰められたダーイシュ・メンバーが自爆(2019年3月17日)

イドリブ県では、ドゥラル・シャーミーヤ(3月17日付)によると、シャーム解放機構が13日のロシア軍によるイドリブ中央刑務所への爆撃に乗じて脱獄した服役者を摘発するための大規模な捜索活動を行った。

捜索活動はサルミーン市、ムサイビーン村、イドリブ市近郊で行われた。

サルミーン市では脱獄した服役者の1人で、アブー・ハマームを名のるダーイシュ(イスラーム国)幹部がシャーム解放機構の治安部隊に追い詰められ、民家で自爆し、住民1人が巻き添えとなり負傷したという。

AFP, March 17, 2019、ANHA, March 17, 2019、AP, March 17, 2019、al-Durar al-Shamiya, March 17, 2019、al-Hayat, March 18, 2019、Reuters, March 17, 2019、SANA, March 17, 2019、UPI, March 17, 2019などをもとに作成。

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シリア政府との和解に応じたアル=カーイダ系組織の元幹部が空軍情報部に拘束され、拷問の末に死亡(2019年3月17日)

ノールス研究センター(3月17日付)は、昨年5月の緊張緩和地帯第2ゾーン(ヒムス県北部、ハマー県南部)でのシリア政府との和解に応じていたアル=カーイダ系組織の一つシャーム自由人イスラーム運動の幹部イブラーヒーム・ウバイド氏(少尉)が1月に空軍情報部に拘束され、拷問の末に死亡したと発表した。

空軍情報部はウバイド氏とともに、同じくシャーム自由人イスラーム運動幹部のターリク・ズクール氏(少尉)も拘束しているという。

AFP, March 17, 2019、ANHA, March 17, 2019、AP, March 17, 2019、al-Durar al-Shamiya, March 17, 2019、al-Hayat, March 18, 2019、Nors for Studies, March 17, 2019、Reuters, March 17, 2019、SANA, March 17, 2019、UPI, March 17, 2019などをもとに作成。

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シャーム解放機構は過去20日間の戦闘でシリア軍将兵、イラン人士官1人、ロシア軍狙撃兵4人を含む100人以上を殺害したと発表(2019年3月17日)

シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構は2月25日にイドリブ県一帯で開始した「信者の民の胸を癒やす」作戦の成果を示したインフォグラフィアを発表した。

それによると、シャーム解放機構はシリア軍将兵、イラン人士官1人、ロシア軍狙撃兵4人を含む100人以上を殺害したという。

AFP, March 17, 2019、ANHA, March 17, 2019、AP, March 17, 2019、al-Durar al-Shamiya, March 17, 2019、al-Hayat, March 18, 2019、Reuters, March 17, 2019、SANA, March 17, 2019、UPI, March 17, 2019などをもとに作成。

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ムアッリム外務在外居住者大臣はペデルセン・シリア問題担当国連特別代表との会談で「憲法とそれに関連するすべてが主権にかかわる問題で、外国が介入せずにシリア国民がこれを決定する」と強調(2019年3月17日)

ゲイル・ペデルセン・シリア問題担当国連特別代表がシリアを訪問し、ワリード・ムアッリム外務在外居住者大臣兼副首相と会談し、制憲委員会設置などシリア危機の解決に向けた政治プロセスについて意見を交わした。

ムアッリム外務在外居住者大臣は会談で、シリアの主権、独立、領土統一、国民統合、テロ根絶、違法な外国部隊の駐留を実現するため、シリア人どうしの対話を促進することを任務とするペデルセン氏に協力する用意があると改めて述べた。

また、政治プロセスがシリアの主導のもと、シリア人のみによって行われねばならず、シリア国民のみが国の未来を決する権利を有しているとしたうえで、憲法とそれに関連するすべてが主権にかかわる問題で、外国が介入せずにシリア国民がこれを決定すると強調した。

これに対して、ペデルセン氏は国連憲章や、関連する安保理決議に従って、問題解決に向けた努力を惜しまないとの意思を示した。

会談には、ファイサル・ミクダード外務在外居住者副大臣、アイマン・スーサーン次官、ムハンマド・ウムラーニー特別局長が出席した。

なお、ペデルセン氏のシリア訪問は2019年1月に続いて2度目。

AFP, March 17, 2019、ANHA, March 17, 2019、AP, March 17, 2019、al-Durar al-Shamiya, March 17, 2019、al-Hayat, March 18, 2019、Reuters, March 17, 2019、SANA, March 17, 2019、UPI, March 17, 2019などをもとに作成。

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YPG主体のシリア民主軍はバーグーズ村で投降したダーイシュ・メンバーの家族が3万人弱、脱出した住民が3万5000人に達すると発表、米主導の有志連合の爆撃で住民10人死亡(2019年3月17日)

人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍のキーヌー・ガーブリイール報道官は声明を出し、ダイル・ザウル県南東部でのダーイシュ(イスラーム国)の殲滅を目的として2018年9月11日に開始された「テロ撲滅の戦い」の最新の戦果を発表した。

声明によると、2019年1月9日から3月17日までの2ヶ月半で、ダーイシュ・メンバーの家族2万9600人が投降し、戦闘員520人が拘束され、民間人3万4000人がシリア民主軍支配地域に脱出したという。

またこの間の戦闘で死亡したダーイシュ戦闘員は1,306人、シリア民主軍兵士は82人だった。

ANHA(3月17日付)が伝えた。

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一方、SANA(3月17日付)が複数の住民の情報として伝えたところによると、米主導の有志連合がダーイシュ(イスラーム国)最後の支配地であるバーグーズ村一帯を爆撃し、少なくとも住民10人が死亡した。

また、ANHA(3月17日付)によると、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍がバーグーズ村でダーイシュ(イスラーム国)と激しく交戦した。

この戦闘で、シリア民主軍はダーイシュの武器弾薬庫1棟を破壊した。

AFP, March 17, 2019、ANHA, March 17, 2019、AP, March 17, 2019、al-Durar al-Shamiya, March 17, 2019、al-Hayat, March 18, 2019、Reuters, March 17, 2019、SANA, March 17, 2019、UPI, March 17, 2019などをもとに作成。

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トルコ軍部隊が非武装地帯での監視のためにシリア領内に入るなか、シリア軍はハマー県北部のシャーム解放機構拠点を砲撃(2019年3月17日)

ハマー県では、SANA(3月17日付)によるとシリア軍がカルアト・マディーク町一帯でシャーム解放機構などの反体制武装集団の拠点を砲撃した。

一方、シリア人権監視団によると、シリア軍はムーリク市を砲撃した。

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イドリブ県では、ドゥラル・シャーミーヤ(3月17日付)によると、トルコ軍部隊がヒルバト・ジャウズ村に設置された通行所を通じて、シリア領内に入り、イシュタブリク村を経由してハマー県ガーブ平原方面に向かった。

同部隊は、非武装地帯でのパトロールを行うために派遣されたものと思われる。
http://norsforstudies.org/wp-content/uploads/2019/03/Idlib-17-03-2019@4x-15.jpg

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を12件(アレッポ県3件、イドリブ県4件、ラタキア県2件、ハマー県3件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を18件(アレッポ県3件、イドリブ県4件、ラタキア県1件、ハマー県10件)確認した。

AFP, March 17, 2019、ANHA, March 17, 2019、AP, March 17, 2019、al-Durar al-Shamiya, March 17, 2019、al-Hayat, March 18, 2019、Ministry of Defence of the Russian Federation, March 17, 2019、Reuters, March 17, 2019、SANA, March 17, 2019、UPI, March 17, 2019などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:レバノンから203人、ヨルダンから676人の難民が帰国、避難民90人が帰宅(2019年3月17日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(3月17日付)を公開し、3月16日に難民879人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは203人(うち女性46人、子供78人)、ヨルダンから帰国したのは676人(うち女性142人、子供241人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は161,334人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者59,700人(うち女性17,881人、子ども30,087人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者101,634人(うち女性30,393人、子ども51,309人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は 390,614人(うち女性101,116人、子供171,748人)となった。

なお、45カ国で難民登録したシリア人の数は6,673,308人(うち女性2,002,592人、子供3,404,407人)。

一方、国内避難民90人が新たに帰宅した。

うち東グータ地方に帰宅したのは31人(うち女性11人、子供15人)、ダイル・ザウル県サーリヒーヤ村の通行所を経由してダマスカス郊外県、ヒムス県などに帰宅したのは29人(うち女性9人、子ども13人)、ヒムス県南東グラーブ山の通行所を経由して帰還したのは30人(うち女性16人、子ども33人)、イドリブ県アブー・ズフール町郊外の通行所を経由して帰宅したのは0人だった。

これにより、2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は12,972人(うち女性3,820人、子供4,724人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,281,568人(うち女性386,397人、子供648,513人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, March 17, 2019をもとに作成。

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