ダルアー市でハーフィズ・アサド前大統領の像再建に反対するデモが発生、像再建を支持するデモは何者かの発砲を受け中止に(2019年3月10日)

ダルアー県では、ハウラーン自由人連合がフェイスブックのアカウントを通じて発表したところによると、ダルアー市各所で抗議デモが発生した。

デモは、ダルアー市内にハーフィズ・アサド前大統領の像が再建されたことに抗議するもので、デモ参加者は、イドリブ県との連帯、イドリブ県の反体制派支配地域に対する砲撃反対、逮捕者釈放などを訴えた。

ドゥラル・シャーミーヤはまた、インターネットを通じて、デモ参加者数百人が体制打倒などを訴える様子を撮影した映像を公開した。

https://youtu.be/07hyAjNDhP0


ハーフィズ・アサド前大統領の像は、2011年の抗議デモに際して、デモ参加者によって破壊されていた。

ハウラーン自由人連合によると、ダルアー市ではまた、バアス党員の呼びかけにより、鉄道駅地区(マハッタ地区)でシリア政府を支持する行進も行われたが、何者かの発砲を受けた。

行進は、ハーフィズ・アサド前大統領の像再建を歓迎するためのものだったが、発砲を受け中止された。

**

スワイダー県では、スワイダー24(3月10日付)によると、スワイダー市東のザフル・ジャバル検問所を通行しようとした若者1人がシリア軍兵士に射殺されたことへの報復として、若者の家族や地元の武装集団がこの検問所を迫撃砲などで攻撃した。

AFP, March 10, 2019、ANHA, March 10, 2019、AP, March 10, 2019、al-Durar al-Shamiya, March 10, 2019、al-Hayat, March 11, 2019、HoranFreeMedia, March 10, 2019、Reuters, March 10, 2019、SANA, March 10, 2019、Suwayda 24, March 10, 2019、UPI, March 10, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

トルコ軍はイドリブ県内でのパトロール活動を中止(2019年3月10日)

ドゥラル・シャーミーヤ(3月10日付)は、トルコの庇護を受ける国民解放戦線傘下のシャーム軍団の司令官(匿名)の離しとして、8日にロシア軍とともにイドリブ県を中心とする緊張緩和地帯内の非武装地帯でパトロール活動を開始したトルコ軍が、10日にパトロール活動を中止したと伝えた。

同司令官によると、トルコ軍はシャーム軍団側に安全上の理由でパトロール活動を中止したと通告してきたが、理由については明らかにしなかったという。

パトロール活動は11日に再開される見込み。

AFP, March 10, 2019、ANHA, March 10, 2019、AP, March 10, 2019、al-Durar al-Shamiya, March 10, 2019、al-Hayat, March 11, 2019、Reuters, March 10, 2019、SANA, March 10, 2019、UPI, March 10, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

YPG主体のシリア民主軍はダーイシュ最後の支配地バーグーズ村への攻撃を再開(2019年3月10日)

ダイル・ザウル県では、ANHA(3月10日付)によると、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍が10日18時00分、ダーイシュ(イスラーム国)最後の支配地であるバーグーズ村に対する攻撃を再開した。

シリア民主軍は、バーグーズ村に留まっていた住民、ダーイシュ戦闘員とその家族の退去・投降を促すため、一時攻撃を停止していた。

攻撃再開を受け、シリア民主軍はバーグーズ村を四方から攻撃、ダーイシュと激しく交戦した。

AFP, March 10, 2019、ANHA, March 10, 2019、AP, March 10, 2019、al-Durar al-Shamiya, March 10, 2019、al-Hayat, March 11, 2019、Reuters, March 10, 2019、SANA, March 10, 2019、UPI, March 10, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

アサド大統領は中国の陈晓东外交部長助理と会談(2019年3月10日)

アサド大統領は、シリアを訪れた中国の陈晓东外交部長助理一行とダマスカスで会談した。

SANA(3月10日付)によると、会談では、政治、軍事、経済、文化、テクノロジーといった分野での両国の連携協力関係の強化の必要が確認された。

アサド大統領は会談で、シリアに対する戦争が、制裁や経済戦争を基礎とした新たなかたちに変容しつつあるとする一方、シリアでの「テロとの戦い」は国際社会全体で行われている戦争の一環で、過激思想は地理的に境界を越えて拡大する危険があると指摘、軍事面だけでなく、思想、イデオロギー面でも戦いを行う必要があると強調した。

また、「テロとの戦い」がシリア危機の政治的解決をもたらすものだとし、テロ拡散が続いているなかで政治的解決について話すことは、幻想であり偽りだと述べた。

陈外交部長助理はまた、ワリード・ムアッリム外務在外居住者大臣兼副首相とも個別に会談した。

AFP, March 10, 2019、ANHA, March 10, 2019、AP, March 10, 2019、al-Durar al-Shamiya, March 10, 2019、al-Hayat, March 11, 2019、Reuters, March 10, 2019、SANA, March 10, 2019、Shabaka Iba’ al-Ikhbariya, March 10, 2019、UPI, March 10, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリアのアル=カーイダがシリア政府支配下のハマー県ミスヤーフ市を砲撃(2019年3月10日)

ハマー県では、SANA(3月10日付)によると、反体制武装集団がミスヤーフ市一帯を砲撃し、砲弾2発がミスヤーフ市の国立病院近くに着弾した。

これに対して、シリア軍はラターミナ町、アルバイーン村、カフルズィーター市の反体制武装集団拠点を砲撃した。

この攻撃に関して、シャーム解放機構に近いイバー・ネット(3月10日付)は、シャーム解放機構がミスヤーフ市にあるシリア軍の拠点複数カ所を砲撃したと伝え、その写真を公開した。

攻撃は「信者の民の胸を癒やす」と銘打った作戦の一環だという。




**

ラタキア県では、シャーム解放機構に近いイバー・ネット(3月10日付)によると、シャーム解放機構がアイン・イーサー村一帯(トルコマン山)に進攻しようとしたシリア軍を撃退した。

**

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を9件(ラタキア県5件、イドリブ県2件、ハマー県2件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を33件(アレッポ県10件、ラタキア県4件、イドリブ県13件、ハマー県6件)を確認した。

AFP, March 10, 2019、ANHA, March 10, 2019、AP, March 10, 2019、al-Durar al-Shamiya, March 10, 2019、al-Hayat, March 11, 2019、Ministry of Defence of the Russian Federation, March 10, 2019、Reuters, March 10, 2019、SANA, March 10, 2019、UPI, March 10, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシア難民受入移送居住センター:レバノンから89人、ヨルダンから824人の難民が帰国、避難民130人が帰宅(2019年3月10日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(3月10日付)を公開し、3月9日に難民913人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは89人(うち女性32人、子供53人)、ヨルダンから帰国したのは824人(うち女性220人、子供420人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は154,949人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者58,791人(うち女性17,771人、子ども29,374人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者96,158人(うち女性28,873人、子ども49,026人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は 384,229人(うち女性115,302人、子供195,850人)となった。

なお、45カ国で難民登録したシリア人の数は6,673,308人(うち女性2,002,592人、子供3,404,407人)。

一方、国内避難民130人が新たに帰宅した。

うち東グータ地方に帰宅したのは34人(うち女性15人、子供15人)、ダイル・ザウル県サーリヒーヤ村の通行所を経由してダマスカス郊外県、ヒムス県などに帰宅したのは22人(うち女性9人、子ども8人)、ヒムス県南東グラーブ山の通行所を経由して帰還したのは74人(うち女性20人、子ども28人)、イドリブ県アブー・ズフール町郊外の通行所を経由して帰宅したのは0人だった。

これにより、2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は12,295人(うち女性4,245人、子供5,308人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,280,891人(うち女性386,806人、子供649,074人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, March 10, 2019をもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.