ロシア当事者和解調整センター司令官「イドリブ県にフランスとベルギーの諜報機関が到着、シリア軍による化学兵器攻撃を偽装しようとしている」(2019年3月29日)

ラタキア県フマイミーム航空基地のシリア駐留ロシア軍司令部に設置されている当事者和解調整センターのヴィクトール・クプチシン(Viktor Kupchishin)司令官(少将)は記者会見で、イドリブ県にフランスとベルギーの諜報機関が到着、シリア軍による化学兵器攻撃を偽装しようとしているとの情報を得たと述べた。

クプチシン司令官によると、塩素ガスと思われる有毒ガスを詰めたボンベが、3月23日にサラーキブ市からハーン・シャイフーン市、マアッラト・ハルマ村、カフルズィーター市に移送されたという。

スプートニク・ニュース(3月29日付)が伝えた。

なお、ベルギー、フランスの外務省はこれを強く否定している。

AFP, March 29, 2019、ANHA, March 29, 2019、AP, March 29, 2019、al-Durar al-Shamiya, March 29, 2019、al-Hayat, March 30, 2019、Reuters, March 29, 2019、SANA, March 29, 2019、Sputnik News, March 29, 2019、UPI, March 29, 2019などをもとに作成。

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チャヴシュオール外務大臣「米国はシリア軍がイドリブ県を解放した場合、シリアから部隊を撤退させない」(2019年3月29日)

ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣は、トルコのアンタリヤ市を訪問し、トルコのメヴリュト・チャヴシュオール外務大臣と会談し、シリア情勢、とりわけイドリブ県を中心とする緊張緩和地帯第1ゾーンの処遇について意見を交わした。

会談後の記者会見で、ラブロフ外務大臣は、「ロシアはイドリブ県をめぐるトルコとの合意を遵守する…。イドリブ県にかかる合意を実行するうえで決定的な役割を果たすロシア・トルコ両軍の連絡は常に行われている。この地域が困難に直面しているとはいえ、私は我々が一歩ずつ前に進んでいると信じている。両国首脳が定めた目標実現に向けて進み始めた。そのなかには、第1段階として三つの地区でのパトロール実施が含まれている」と述べた。

一方、ユーフラテス川以東地域の処遇については「撤退についての発言を受けるかたちで、米国は実際に撤退しなければならない」と強調し、シリアの主権尊重、領土統一のために同地の問題に対してトルコと共通姿勢をとると述べた。

そのうえで、すべての当事者がユーフラテス川以東地域の事態を収拾し、国境地帯の安全を保障するために参加する必要があり、アダナ合意がその基礎をなすべきとの見方を示した。

これに対して、チャヴシュオール外務大臣も、ロシアとの協力がイドリブ県の事態収拾において重要だと確認する一方、シリア軍の砲撃により、民間人に犠牲が出ていることに懸念を示した。

また「米国は、シリア軍がシリア北部を解放した場合、シリアから部隊を撤退させないだろう」と述べ、イドリブ県の支配をシリア政府が回復させないことを、シリアからの撤退の条件としていると述べた。

RT(3月29日付)、スプートニク・ニュース(3月29日付)などが伝えた。

AFP, March 29, 2019、ANHA, March 29, 2019、AP, March 29, 2019、al-Durar al-Shamiya, March 29, 2019、al-Hayat, March 30, 2019、Reuters, March 29, 2019、RT, March 29, 2019、SANA, March 29, 2019、Sputnik News, March 29, 2019、UPI, March 29, 2019などをもとに作成。

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シリア政府と和解したダマスカス郊外県バラダー渓谷出身の元反体制武装集団メンバー約200人が帰還を認められず(2019年3月29日)

サウト・アースィマ(3月29日付)は、国民安全保障会議(アリー・マムルーク議長)がダマスカス郊外県のバラダー渓谷の村長らに対して、帰還が認められない同地出身者のリストを開示したと伝えた。

リストは3部あり、それぞれ115人、68人、23人の氏名が記載されているという。

そのほとんどが、シリア政府との和解に応じた反体制武装集団の元メンバーだが、「治安上の理由」で帰還が認められないという。

AFP, March 29, 2019、ANHA, March 29, 2019、AP, March 29, 2019、al-Durar al-Shamiya, March 29, 2019、al-Hayat, March 30, 2019、Reuters, March 29, 2019、SANA, March 29, 2019、Sawt al-‘Asima, March 29, 2019、UPI, March 29, 2019などをもとに作成。

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自由シリア軍幹部は「米国とシリアのスンナ派の同盟」を主唱するも、活動家の非難を浴びる(2019年3月29日)

ドゥラル・シャーミーヤ(3月29日付)は、トルコ占領下のアレッポ県北部で活動を続けるムウタスィム旅団(いわゆる自由シリア軍諸派)のムスタファー・スィージャリー政治局長は、ツイッターのアカウントで、シリアの革命勢力は米国と同盟を結ぶべきだとと綴り、活動家の反感を買っていると伝えた。

スィージャリー政治局長は「米国は我が国民の敵ではない。我々の呼びかけは公然たるもので、明白だ。国際的な別動部隊を獲得するために取り組み、ワシントンとシリアのスンナ派の協力な同盟を作るべきだ」と綴った。

スィージャリー政治局長はまた「トルコは、シリアに対するイランの計画やロシア人に対抗するうえでの、我々の戦略的な本陣、我が地域人民の別動部隊である。我々は、そのトルコに、米国との協力な同盟を結ぶ努力を行うよう強いられている」と付言した。

このツイートに対して、活動家らは「米国が行ったのは革命と国民を敗北させることだ」、「米国はシリア革命根絶の公式スポンサーだ」などとの批判のコメントが相次いだ。

AFP, March 29, 2019、ANHA, March 29, 2019、AP, March 29, 2019、al-Durar al-Shamiya, March 29, 2019、al-Hayat, March 30, 2019、Reuters, March 29, 2019、SANA, March 29, 2019、UPI, March 29, 2019などをもとに作成。

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アレッポ県北部ではトルコの支援を受ける反体制武装集団がPKKのメンバー4人を逮捕、武器弾薬を応酬(2019年3月29日)

アレッポ県では、ドゥラル・シャーミーヤ(3月29日付)によると、国民軍第1軍団第1旅団が、アフリーン市内でクルディスタン労働者党(PKK)のメンバー4人を逮捕した。

国民軍第111旅団のムスタファー・シュユーヒー大尉によると、4人は市内で地雷を敷設しようとしていたという。

また、トルコ占領下にあるラーイー村の警察および治安部隊が、北・東シリア自治局支配地域に密輸されようとしていた大量の武器弾薬を応酬した。

一方、人民防衛隊(YPG)に近いオリーブの怒り作戦司令室は声明を出し、ジュワイク村にあるハムザ師団の検問所を攻撃し、戦闘員6人を殺害したと発表した。

またアフリーン解放軍団も声明を出し、26日にカルジャブリーン村でシャーム軍団のメンバーを狙撃し、殺害した。

ANHA(3月29日付)が伝えた。

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「土地の日」43周年に合わせて、シリアのパレスチナ・キャンプでトランプ米大統領によるゴラン高原のイスラエル主権承認決定に抗議するデモ(2019年3月29日)

シリア各所のパレスチナ・キャンプで、「土地の日」(3月30日)43周年に合わせて、パレスチナ諸派が、ドナルド・トランプ米大統領が25日にシリア領ゴラン高原に対するイスラエルの主権を認める大統領令に署名したことに抗議するデモを呼びかけ、パレスチナ人が参加した。

抗議デモが行われたのは、首都ダマスカスのヤルムーク区、ダマスカス郊外県バッティーハ村、ジャルマーナー市のキャンプ。

SANA(3月29日付)が伝えた。

ヤルムーク・キャンプ(ダマスカス郊外県)
バッティーハ村(ダマスカス郊外県)
ジャルマーナー・キャンプ(ダマスカス郊外県)

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シリア軍はハマー県でシャーム解放機構、トルキスタン・イスラーム党と交戦(2019年3月29日)

ハマー県では、SANA(3月29日付)によると、シリア軍がシャリーア村、ジスル・バイト・ラース村にあるトルキスタン・イスラーム党の拠点を砲撃した。

シリア軍はまた、サフル丘、ジャイサート村一帯にあるシャーム解放機構の拠点を攻撃した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を13件(アレッポ県8件、ラタキア県7件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を17件(アレッポ県8件、イドリブ県6件、ラタキア県1件、ハマー県2件)確認した。

AFP, March 29, 2019、ANHA, March 29, 2019、AP, March 29, 2019、al-Durar al-Shamiya, March 29, 2019、al-Hayat, March 30, 2019、Ministry of Defence of the Russian Federation, March 29, 2019、Reuters, March 29, 2019、SANA, March 29, 2019、UPI, March 29, 2019などをもとに作成。

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