ロシア軍はトルコと連携して、シャーム解放機構の支配下にあるイドリブ市を精密爆撃、武器弾薬庫を破壊したほか、イドリブ県各所を爆撃、シリア軍もハマー県、アレッポ県各所を砲撃(2019年3月13日)

ロシア国防省は声明を出し、ロシア軍戦闘機が、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構が軍事・治安権限を掌握するイドリブ県の中心都市イドリブ市にある武器弾薬庫に対して精密爆撃を行ったと発表した。

声明は以下の通り:

「ロシア空軍戦闘機複数が、3月13日、トルコ側と連携し、イドリブ市内にあるシャーム解放機構の武器弾薬庫に対して精密爆撃を行った…。複数のチャンネルを通じて確認した情報によると、武装集団は直前にこの武器弾薬庫に多数の無人航空機を搬入していた。テロリストはこれらを(シリア駐留ロシア軍の司令部があるラタキア県の)フマイミーム航空基地への攻撃に使用することを計画していた」。

ドゥラル・シャーミーヤ(3月13日付)によると、イドリブ市への爆撃で住民9人が死亡、30人以上が負傷した。

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一方、イドリブ県では、ドゥラル・シャーミーヤ(3月13日付)やANHA(3月13日付)によると、ロシア軍はタマーニア町を白リン弾を使用して爆撃した。
また、ドゥラル・シャーミーヤによると、ロシア軍はまた、カフルアミーム村にある避難民キャンプを爆撃し、女性2人が死亡、20人が負傷した。

負傷者のほとんどは子供だという。
ロシア軍はさらに、イドリブ市西部のイドリブ中央刑務所を爆撃し、受刑者を含む数十人が死傷、多数の受刑者が脱走した。

ANHAは、シャーム解放機構がアレッポ市とラタキア市を結ぶM4高速道路、アレッポ市とハマー市を結ぶM5高速道路一帯地域へのロシア軍憲兵隊の展開を拒否したことを受けて、爆撃が実施されたと伝えた。

これに対して、これらの爆撃に関して、シャーム解放機構の広報部門の責任者だというイマードッディーン・ムジャーヒド氏は報道向け声明を出し、シャーム解放機構の治安部隊が12日にシリア駐留ロシア軍の本部があるラタキア県のフマイミーム航空基地に所属するシリア諜報機関の細胞を摘発したと発表したことへの報復だとの見方を示した。

この細胞は2月18日のイドリブ市内での連続爆破事件に関与していたのだという。

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ハマー県では、SANA(3月13日付)によると、シリア軍がイドリブ県のマアッラト・ハルマ村、フワイン村、ザルズール村一帯からシリア政府支配地域に潜入しようとした反体制武装集団を砲撃、これを撃退した。

また、ANHA(3月13日付)によると、シリア軍がマサースィナ村を砲撃し、シャーム解放機構と交戦した。

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アレッポ県では、ドゥラル・シャーミーヤ(3月13日付)によると、シリア軍がアレッポ市北部のフライターン市、アナダーン市、ハイヤーン町、カフルハムラ村、マンスーラ村を砲撃、フライターン市近郊のアジア製薬工場などが被弾した。

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ラタキア県では、SANA(3月13日付)によると、反体制武装集団が撃った迫撃砲弾1発がラタキア市クナイニス地区の住居を直撃し、住民1人が負傷し、建物に被害が出た。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を17件(アレッポ県4件、イドリブ県4件、ラタキア県5件、ハマー県4件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を23件(アレッポ県9件、イドリブ県6件、ラタキア県5件、ハマー県3件)を確認した。

AFP, March 13, 2019、ANHA, March 13, 2019、AP, March 13, 2019、al-Durar al-Shamiya, March 13, 2019、al-Hayat, March 14, 2019、Ministry of Defence of the Russian Federation, March 13, 2019、Reuters, March 13, 2019、RT, March 13, 2019、SANA, March 13, 2019、UPI, March 13, 2019などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:レバノンから73人、ヨルダンから899人の難民が帰国、避難民111人が帰宅(2019年3月13日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(3月13日付)を公開し、3月12日に難民972人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは73人(うち女性22人、子供37人)、ヨルダンから帰国したのは899人(うち女性270人、子供458人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は157,410人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者59,044人(うち女性17,848人、子ども30,032人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者98,366人(うち女性29,536人、子ども50,152人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は 386,690人(うち女性116,042人、子供197,106人)となった。

なお、45カ国で難民登録したシリア人の数は6,673,308人(うち女性2,002,592人、子供3,404,407人)。

一方、国内避難民111人が新たに帰宅した。

うち東グータ地方に帰宅したのは37人(うち女性14人、子供7人)、ダイル・ザウル県サーリヒーヤ村の通行所を経由してダマスカス郊外県、ヒムス県などに帰宅したのは26人(うち女性8人、子ども11人)、ヒムス県南東グラーブ山の通行所を経由して帰還したのは48人(うち女性8人、子ども26人)、イドリブ県アブー・ズフール町郊外の通行所を経由して帰宅したのは0人だった。

これにより、2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は12,665人(うち女性4,362人、子供5,459人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,281,261人(うち女性386,921人、子供649,225人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, March 13, 2019をもとに作成。

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ベルギーのブリュッセルで国際会議「ブリュッセル3大会:シリアと地域の未来支援」が開幕(2019年3月12日)

ベルギーのブリュッセルで国際会議「ブリュッセル3大会:シリアと地域の未来の支援」が開幕した。

会議は12~14日までの予定で、欧州連合(EU)と国連が共催し、アラブ連盟、国際機関、シリアと近隣諸国の市民団体の代表数1,000人が参加、シリアおよび周辺諸国への人道支援、開発援助、資金援助について話し合う予定。

https://www.consilium.europa.eu/media/38409/brusselsiii-conference-programe.pdf

AFP, March 12, 2019、ANHA, March 12, 2019、AP, March 12, 2019、al-Durar al-Shamiya, March 12, 2019、al-Hayat, March 13, 2019、Reuters, March 12, 2019、SANA, March 12, 2019、UPI, March 12, 2019などをもとに作成。

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反シリア政府系『ナハール』紙はシリア諜報機関がレバノンから自発的に帰国した難民を殺害していると伝える(2019年3月12日)

シリア政府に反対の立場をとる『ナハール』(3月12日付)は、欧米諸国の複数の報告書の情報に基づくとして、レバノンから自発的に帰国したシリア難民が、シリアの諜報機関によって殺害されていると伝えた。

同紙によると、これらの報告書では、帰還した難民は、反体制派に協力していたとして殺害されているのだというが、真偽は不明。

また、帰還した多くの若者がシリア軍への従軍を強いられているという。

AFP, March 12, 2019、ANHA, March 12, 2019、AP, March 12, 2019、al-Durar al-Shamiya, March 12, 2019、al-Hayat, March 13, 2019、al-Nahar, March 12, 2019、Reuters, March 12, 2019、SANA, March 12, 2019、UPI, March 12, 2019などをもとに作成。

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トルコの占領下にあるバーブ市のセンター交差点で、爆弾が仕掛けられたオートバイが爆発(2019年3月12日)

アレッポ県では、ANHA(3月12日付)によると、トルコの占領下にあるバーブ市のセンター交差点で、爆弾が仕掛けられたオートバイが爆発した。

一方、ドゥラル・シャーミーヤ(3月12日付)によると、トルコの庇護を受ける国民軍の総合治安部隊がバーブ市とガンドゥーラ町でオートバイに仕掛けられていた爆弾を撤去した。

このほか、バーブ市近郊のブーガーズ村では、トルコの支援を受ける反体制武装集団が人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍に所属するバーブ軍事評議会の拠点が攻撃を受け、バーブ軍事評議会が応戦した。

AFP, March 12, 2019、ANHA, March 12, 2019、AP, March 12, 2019、al-Durar al-Shamiya, March 12, 2019、al-Hayat, March 13, 2019、Reuters, March 12, 2019、SANA, March 12, 2019、UPI, March 12, 2019などをもとに作成。

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ダーイシュ最後の支配地バーグーズ市に対するYPG主体のシリア民主軍の攻撃続く(2019年3月12日)

ダイル・ザウル県では、ANHA(3月12日付)によると、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍が、ダーイシュ(イスラーム国)最後の支配地であるバーグーズ村に対する総攻撃を続け、各地でダーイシュと交戦した。

また、同地に留まっていたダーイシュ戦闘員が新たにシリア民主軍に投降した。

シャーム解放機構はフマイミーム航空基地所属のシリア諜報機関の細胞を摘発(2019年3月12日)

イドリブ県では、ドゥラル・シャーミーヤ(3月12日付)によると、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構の治安部隊が県内での爆破事件に関与していたとされるシリアの諜報機関の細胞を摘発した。

治安機関の報道官だというウバイダ・サーリフ氏が発表した報道向け声明によると、摘発したのは諜報機関工作員からなる2つのグループで、県内の30件以上の爆破事件に関与しており、シリア駐留ロシア軍の本部があるラタキア県のフマイミーム航空基地に所属しており、彼らが使用した車輌がこの基地で目撃されていたという。

なお、摘発は20日ほど前に行われ、合わせて武器弾薬、車輌などを押収したという。


また、シャーム解放機構に近いイバー・ネット(3月12日付)によると、シャーム解放機構の治安部隊はイドリブ市内で爆弾が仕掛けられた車2台を発見した。

AFP, March 12, 2019、ANHA, March 12, 2019、AP, March 12, 2019、al-Durar al-Shamiya, March 12, 2019、al-Hayat, March 13, 2019、Reuters, March 12, 2019、SANA, March 12, 2019、Shabaka Iba’ al-Ikhbariya, March 12, 2019、UPI, March 12, 2019などをもとに作成。

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シャーム解放機構とシリア軍の戦闘が激化するなか、トルコ国防省はロシアとの合意を履行するべく努力(2019年3月12日)

トルコ国防省は声明を出し、イドリブ県、ハマー県でシャーム解放機構とシリア軍の戦闘が激化していることに関して、「挑発にもめげず、ロシアとの調整して、イドリブ県にかかるソチでの合意を成功させるため努力を続けている」と発表した。

声明ではまた、「我々は、ユーフラテス川東岸地域での作戦に向けた準備の一環として、米国、ロシアとの協議と調整を続けている…。トルコは、ロシアとタッル・リフアト市で合同パトロールを行うことを計画している」と付言した。

アナトリア通信(3月12日付)が伝えた。

AFP, March 12, 2019、Anadolu Ajansı, March 12, 2019、ANHA, March 12, 2019、AP, March 12, 2019、al-Durar al-Shamiya, March 12, 2019、al-Hayat, March 13, 2019、Reuters, March 12, 2019、SANA, March 12, 2019、UPI, March 12, 2019などをもとに作成。

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シャーム解放機構などからなる反体制派がアレッポ市を砲撃、ハマー県のシリア軍拠点を特攻攻撃、対するシリア軍はハマー県、イドリブ県を爆撃・砲撃(2019年3月12日)

アレッポ県では、SANA(3月12日付)によると、アレッポ市ザフラー地区、ムーカーンブー地区に反体制武装集団が撃った迫撃砲弾複数発が着弾し、住民1人が死亡、3人が負傷した。


また、ANHA(3月12日付)が複数の地元筋の話として伝えたところによると、シリア軍はこの砲撃に対して、シャーム解放機構などの反体制武装集団の支配下にあるハイヤーン町、カフルハムラ村、フライターン市を砲撃した。

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ハマー県では、ドゥラル・シャーミーヤ(3月12日付)によると、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構のアサーイブ・ハムラー(赤鉢巻)がムハルダ市近郊のシーザル、村のシリア軍拠点に対して特攻自爆(インギマースィー)攻撃を敢行し、シリア軍兵士数十人が死傷した。

これに関して、SANA(3月12日付)は、反体制武装集団がムハルダ市近郊にあるシリア軍拠点に対して2回にわたり自爆攻撃を試み、シリア軍がこれを迎撃したと伝えた。

一方、シリア人権監視団によると、戦闘機(所属は明示せず)がイドリブ県南部および西部から同北部を旋回し、カフルズィーター市を爆撃した。

またシリア軍が、マアルカバ村、ブワイダ村、ラターミナ町を砲撃した。

これに対して、SANA(3月12日付)はシリア軍が、ジャディーダ村一帯のシリア軍拠点を攻撃したシャーム解放機構と交戦したと伝えた。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がタウィール・ハリーブ村県東部の放棄された大隊基地などを砲撃した。

ドゥラル・シャーミーヤ(3月12日付)によると、フバイト村へのクラスター弾による攻撃で女性1人が死亡、2人が負傷した。

このクラスター弾はハマー県北部のロシア軍の基地から発射されたという。

また、県東部に展開するシリア軍もサルミーン市に向けてクラスター弾を発射し、住民1人が負傷したという。

このほか、前日のシリア軍の砲撃で負傷した住民1人が死亡した。

一方、SANA(3月12日付)によると、シリア軍がフバイト村一帯に潜入しようとしたシャーム解放機構に対して砲撃を加えた。

シリア軍はまた、アービディーン村の灌木地帯にあるシャーム解放機構の基地を砲撃した。

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ラタキア県では、新興のアル=カーイダ系組織のフッラース・ディーン機構が主導する「信者を煽れ」作戦司令室が、声明を出し、離反したシリア軍兵士1人を受け入れたことを明らかにした。

声明では「2019年3月12日朝、ラタキア県郊外のトルコマン山のヌサイリー軍1人の離反が保証された」と発表した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を9件(アレッポ県3件、イドリブ県3件、ラタキア県3件、ハマー県3件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を28件(イドリブ県11件、アレッポ県4件、ラタキア県3件、ハマー県10件)を確認した。

AFP, March 12, 2019、ANHA, March 12, 2019、AP, March 12, 2019、al-Durar al-Shamiya, March 12, 2019、al-Hayat, March 13, 2019、Ministry of Defence of the Russian Federation, March 12, 2019、Reuters, March 12, 2019、SANA, March 12, 2019、UPI, March 12, 2019などをもとに作成。

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ロシア国防省はルクバーン・キャンプ近くに難民が埋葬されていると思われる新たな墓地を発見したと発表(2019年3月12日)

ロシア国防省は、ロシア連邦・シリア・アラブ共和国合同本部の名で「ルクバーン・キャンプの難民の窮状に関して」と題した共同声明を出した。

同声明によると、米軍が支援する反体制武装集団によって、キャンプの難民が「強制的に拘禁」されてから12日で1776日が経ち、その状況は悪化を続けているという。

飲料水の供給に限っては、ヨルダン当局が供与を続けているが、食糧、衣服、医薬品の不足は深刻だという。

また、すでに存在が確認されている墓地の他にも、3カ所の墓地が存在することが新たに確認されたとして、その衛生写真複数点を公開した。

あらたに発見された墓地には約700の墓石が立てられており、埋葬されている死者数は、この墓石に数を遥かに上回ることが予想されるという。

Ministry of Defence of the Russian Federation, March 12, 2019をもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:レバノンから87人、ヨルダンから635人の難民が帰国、避難民167人が帰宅(2019年3月12日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(3月12日付)を公開し、3月11日に難民772人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは87人(うち女性27人、子供45人)、ヨルダンから帰国したのは635人(うち女性191人、子供324人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は156,438人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者58,971人(うち女性17,826人、子ども29,995人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者97,467人(うち女性29,266人、子ども49,694人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は 385,718人(うち女性115,750人、子供196,611人)となった。

なお、45カ国で難民登録したシリア人の数は6,673,308人(うち女性2,002,592人、子供3,404,407人)。

一方、国内避難民167人が新たに帰宅した。

うち東グータ地方に帰宅したのは42人(うち女性18人、子供12人)、ダイル・ザウル県サーリヒーヤ村の通行所を経由してダマスカス郊外県、ヒムス県などに帰宅したのは31人(うち女性13人、子ども11人)、ヒムス県南東グラーブ山の通行所を経由して帰還したのは94人(うち女性24人、子ども47人)、イドリブ県アブー・ズフール町郊外の通行所を経由して帰宅したのは0人だった。

これにより、2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は12,554人(うち女性4,332人、子供5,415人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,281,150人(うち女性386,891人、子供649,181人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, March 12, 2019をもとに作成。

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ロシアとYPG主体のシリア民主軍は、米軍撤退後にマンビジュ市一帯にロシア軍を展開させることで合意(2019年3月11日)

アル・モニター(3月11日付)は、ロシアと人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍がアレッポ県マンビジュ市一帯地域の処遇に関する合意を締結したと伝え、その内容を明らかにした。

合意は、トルコおよびその支援を受ける武装集団がマンビジュ市への侵攻を試みた場合、シリア駐留ロシア軍がこれに対峙することを定めたもの。

シリア民主軍の傘下で活動するマンビジュ軍事評議会のムハンマド・ムスタファー共同議長によると、「ロシアは米国が明日撤退したら、我々がこれにとって代わると彼ら(シリア民主軍)に通告した…。ロシア軍の司令官らは2日前、米国が退去したら、ロシアが国境に沿って部隊を展開させると述べた」という。

AFP, March 12, 2019、ANHA, March 12, 2019、Al-Monitor, March 12, 2019、AP, March 12, 2019、al-Durar al-Shamiya, March 12, 2019、al-Hayat, March 13, 2019、Reuters, March 12, 2019、SANA, March 12, 2019、UPI, March 12, 2019などをもとに作成。

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米主導の有志連合はダーイシュ最後の拠点バーグーズ村を爆撃、YPG主体のシリア民主軍の総攻撃続く(2019年3月11日)

ダイル・ザウル県では、ANHA(3月11日付)によると、10日晩からダーイシュ(イスラーム国)最後の支配地バーグーズ村で再開された人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍による総攻撃は、11日早朝まで続き、ダーイシュとの間で激しい戦闘が行われた。

シリア民主軍は11日に入っても、攻撃を続け、バーグーズ村内のダーイシュ最大の武器弾薬庫を破壊した。

これに対して、ダーイシュのスリーパー・セルは、ブサイラ市でシリア民主軍を襲撃し、1人が死亡、1人が負傷した。

戦闘激化を受けて、ダーイシュの戦闘員とその家族数十人がシリア民主軍に投降した。

また、米主導の有志連合が11日夜、バーグーズ村に対する爆撃を実施した。

この爆撃に関して、SANA(3月11日付)は、複数の住民の話として、住民50人が死亡、数十人が負傷したと伝えた。

犠牲者のほとんどは女性と子供だという。

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なお、シリア民主軍の広報センターによると、バーグーズ村での11日の戦闘で、シリア民主軍はダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員38人を殲滅した。

シリア民主軍側は3人が戦死、10人が負傷したという。

ANHA(3月12日付)が伝えた。

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このほか、一方、ダイル・ザウル24(3月11日付)は、シリア民主軍が9日、バーグーズ村で女性1人とその子供たち多数を処刑、その画像がシリア民主軍のメンバーによって公開されたと伝えた。

 

AFP, March 11, 2019、ANHA, March 11, 2019、March 12, 2019、AP, March 11, 2019、Dayr al-Zawr 24, March 11, 2019、al-Durar al-Shamiya, March 11, 2019、al-Hayat, March 12, 2019、Reuters, March 11, 2019、SANA, March 11, 2019、UPI, March 11, 2019などをもとに作成。

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アレッポ県北部でシリア民主軍所属のバーブ軍事評議会とトルコの支援を受ける武装集団が砲撃戦(2019年3月11日)

アレッポ県では、ANHA(3月11日付)によると、トルコの支援を受ける反体制武装集団が、ブワイヒジュ村にある人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍に所属するバーブ軍事評議会の拠点を砲撃、バーブ軍事評議会が応戦した。

AFP, March 11, 2019、ANHA, March 11, 2019、AP, March 11, 2019、al-Durar al-Shamiya, March 11, 2019、al-Hayat, March 12, 2019、Reuters, March 11, 2019、SANA, March 11, 2019、UPI, March 11, 2019などをもとに作成。

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OPCWシリア常駐代表は昨年4月の東グータ地方での化学兵器使用疑惑事件に関する最終報告書を「事実からの深刻な逸脱、多くの矛盾、一貫性の欠如が見られる」と批判(2019年3月11日)

化学兵器禁止機関(OPCW)シリア常駐代表のバッサーム・サッバーグ氏は、オランダのハーグでロシア常駐代表部が開催した記者会見に出席し、3月1日にOPCWの事実調査団(FFM)が提出したダマスカス郊外県東グータ地方での2018年4月7日の化学兵器使用疑惑事件に関する最終報告書について、「事実からの深刻な逸脱、多くの矛盾、一貫性の欠如」が見られると非難した。

ロシアの専門家による報告書の検証結果を発表するために開催された記者会見で、サッバーグ氏は、米英仏によるシリアへのミサイル攻撃を正当化する口実を作り出すためにホワイト・ヘルメットが果たした役割が無視されていると指摘した。

サッバーグ氏はまた、中立性と客観性を欠いており、テロ組織が塩素ガスなどの有毒化学物質を保有していたことを完全に無視していると付言した。

さらに、FFMによる目撃者の証言の採用がダブル・スタンダードに依拠していると非難、事件現場を撮影したとされるビデオに映っていた目撃者15人のなかで、シリア国内でインタビューを受けたのは7人だけで、事件とは関係ない可能性のある目撃者とされる26人がシリア国外でインタビューを受けて、その証言が採用されたと指摘した。

そのうえで、シリアはOPCWのFFMによる調査に全面協力し、論理的且つ中立的な結論が導出されることを期待したにもかかわらず、「周知の一部諸外国」の圧力に屈したと締めくくった。

SANA(3月11日付)が伝えた。

AFP, March 11, 2019、ANHA, March 11, 2019、AP, March 11, 2019、al-Durar al-Shamiya, March 11, 2019、al-Hayat, March 12, 2019、Reuters, March 11, 2019、SANA, March 11, 2019、UPI, March 11, 2019などをもとに作成。

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ロシア国防省はロシア軍がイドリブ県を爆撃しているとする一部報道を否定(2019年3月11日)

ロシア国防省は声明を出し、ロシア軍戦闘機がイドリブ県各所を爆撃しているとするアブハジア通信(ANNA News)などロシアの複数メディアの報道に関して、「事実に反する」と発表した。

スプートニク・ニュース(3月11日付)が伝えた。

AFP, March 11, 2019、ANHA, March 11, 2019、AP, March 11, 2019、al-Durar al-Shamiya, March 11, 2019、al-Hayat, March 12, 2019、Ministry of Defence of the Russian Federation, March 11, 2019、Reuters, March 11, 2019、SANA, March 11, 2019、Sputnik News, March 11, 2019、UPI, March 11, 2019などをもとに作成。

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シリア軍はハマー県、イドリブ県、ラタキア県でシャーム解放機構などと交戦(2019年3月11日)

ハマー県では、SANA(3月11日付)によると、ハーン・シャイフーン市、タッル・マンス村で活動を続けるシャーム解放機構がシリア政府支配地域を砲撃、シリア軍が同地にあるシャーム解放機構の拠点や陣地を砲撃して、応戦した。

一方、シリア人権監視団によると、シリア軍がカフルズィーター市を砲撃した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がハーン・シャイフーン市、タマーニア町、ナージヤ村、ビダーマー町、ジャルジャナーズ町、スカイク村、ウンム・ハラーヒール村、フワイン村を砲撃した。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がクルド山、タルディーン村、ハッダーダ村を砲撃した。

これに対して、反体制武装集団もアブー・アスアド丘のシリア軍拠点を砲撃した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を21件(アレッポ県7件、ラタキア県5件、イドリブ県6件、ハマー県3件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を22件(ラタキア県7件、イドリブ県7件、ハマー県8件)を確認した。

AFP, March 11, 2019、ANHA, March 11, 2019、AP, March 11, 2019、al-Durar al-Shamiya, March 11, 2019、al-Hayat, March 12, 2019、Ministry of Defence of the Russian Federation, March 11, 2019、Reuters, March 11, 2019、SANA, March 11, 2019、UPI, March 11, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシア難民受入移送居住センター:レバノンから93人、ヨルダンから674人の難民が帰国、避難民93人が帰宅(2019年3月11日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(3月10日付)を公開し、3月9日に難民767人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは93人(うち女性28人、子供48人)、ヨルダンから帰国したのは674人(うち女性202人、子供344人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は155,716人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者58,884人(うち女性17,799人、子ども29,950人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者96,832人(うち女性29,075人、子ども49,370人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は 384,996人(うち女性115,532人、子供196,242人)となった。

なお、45カ国で難民登録したシリア人の数は6,673,308人(うち女性2,002,592人、子供3,404,407人)。

一方、国内避難民92人が新たに帰宅した。

うち東グータ地方に帰宅したのは32人(うち女性17人、子供9人)、ダイル・ザウル県サーリヒーヤ村の通行所を経由してダマスカス郊外県、ヒムス県などに帰宅したのは24人(うち女性8人、子ども11人)、ヒムス県南東グラーブ山の通行所を経由して帰還したのは36人(うち女性7人、子ども17人)、イドリブ県アブー・ズフール町郊外の通行所を経由して帰宅したのは0人だった。

これにより、2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は12,387人(うち女性4,277人、子供5,345人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,280,983人(うち女性386,836人、子供649,111人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, March 11, 2019をもとに作成。

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ダルアー市でハーフィズ・アサド前大統領の像再建に反対するデモが発生、像再建を支持するデモは何者かの発砲を受け中止に(2019年3月10日)

ダルアー県では、ハウラーン自由人連合がフェイスブックのアカウントを通じて発表したところによると、ダルアー市各所で抗議デモが発生した。

デモは、ダルアー市内にハーフィズ・アサド前大統領の像が再建されたことに抗議するもので、デモ参加者は、イドリブ県との連帯、イドリブ県の反体制派支配地域に対する砲撃反対、逮捕者釈放などを訴えた。

ドゥラル・シャーミーヤはまた、インターネットを通じて、デモ参加者数百人が体制打倒などを訴える様子を撮影した映像を公開した。

https://youtu.be/07hyAjNDhP0


ハーフィズ・アサド前大統領の像は、2011年の抗議デモに際して、デモ参加者によって破壊されていた。

ハウラーン自由人連合によると、ダルアー市ではまた、バアス党員の呼びかけにより、鉄道駅地区(マハッタ地区)でシリア政府を支持する行進も行われたが、何者かの発砲を受けた。

行進は、ハーフィズ・アサド前大統領の像再建を歓迎するためのものだったが、発砲を受け中止された。

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スワイダー県では、スワイダー24(3月10日付)によると、スワイダー市東のザフル・ジャバル検問所を通行しようとした若者1人がシリア軍兵士に射殺されたことへの報復として、若者の家族や地元の武装集団がこの検問所を迫撃砲などで攻撃した。

AFP, March 10, 2019、ANHA, March 10, 2019、AP, March 10, 2019、al-Durar al-Shamiya, March 10, 2019、al-Hayat, March 11, 2019、HoranFreeMedia, March 10, 2019、Reuters, March 10, 2019、SANA, March 10, 2019、Suwayda 24, March 10, 2019、UPI, March 10, 2019などをもとに作成。

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トルコ軍はイドリブ県内でのパトロール活動を中止(2019年3月10日)

ドゥラル・シャーミーヤ(3月10日付)は、トルコの庇護を受ける国民解放戦線傘下のシャーム軍団の司令官(匿名)の離しとして、8日にロシア軍とともにイドリブ県を中心とする緊張緩和地帯内の非武装地帯でパトロール活動を開始したトルコ軍が、10日にパトロール活動を中止したと伝えた。

同司令官によると、トルコ軍はシャーム軍団側に安全上の理由でパトロール活動を中止したと通告してきたが、理由については明らかにしなかったという。

パトロール活動は11日に再開される見込み。

AFP, March 10, 2019、ANHA, March 10, 2019、AP, March 10, 2019、al-Durar al-Shamiya, March 10, 2019、al-Hayat, March 11, 2019、Reuters, March 10, 2019、SANA, March 10, 2019、UPI, March 10, 2019などをもとに作成。

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YPG主体のシリア民主軍はダーイシュ最後の支配地バーグーズ村への攻撃を再開(2019年3月10日)

ダイル・ザウル県では、ANHA(3月10日付)によると、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍が10日18時00分、ダーイシュ(イスラーム国)最後の支配地であるバーグーズ村に対する攻撃を再開した。

シリア民主軍は、バーグーズ村に留まっていた住民、ダーイシュ戦闘員とその家族の退去・投降を促すため、一時攻撃を停止していた。

攻撃再開を受け、シリア民主軍はバーグーズ村を四方から攻撃、ダーイシュと激しく交戦した。

AFP, March 10, 2019、ANHA, March 10, 2019、AP, March 10, 2019、al-Durar al-Shamiya, March 10, 2019、al-Hayat, March 11, 2019、Reuters, March 10, 2019、SANA, March 10, 2019、UPI, March 10, 2019などをもとに作成。

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アサド大統領は中国の陈晓东外交部長助理と会談(2019年3月10日)

アサド大統領は、シリアを訪れた中国の陈晓东外交部長助理一行とダマスカスで会談した。

SANA(3月10日付)によると、会談では、政治、軍事、経済、文化、テクノロジーといった分野での両国の連携協力関係の強化の必要が確認された。

アサド大統領は会談で、シリアに対する戦争が、制裁や経済戦争を基礎とした新たなかたちに変容しつつあるとする一方、シリアでの「テロとの戦い」は国際社会全体で行われている戦争の一環で、過激思想は地理的に境界を越えて拡大する危険があると指摘、軍事面だけでなく、思想、イデオロギー面でも戦いを行う必要があると強調した。

また、「テロとの戦い」がシリア危機の政治的解決をもたらすものだとし、テロ拡散が続いているなかで政治的解決について話すことは、幻想であり偽りだと述べた。

陈外交部長助理はまた、ワリード・ムアッリム外務在外居住者大臣兼副首相とも個別に会談した。

AFP, March 10, 2019、ANHA, March 10, 2019、AP, March 10, 2019、al-Durar al-Shamiya, March 10, 2019、al-Hayat, March 11, 2019、Reuters, March 10, 2019、SANA, March 10, 2019、Shabaka Iba’ al-Ikhbariya, March 10, 2019、UPI, March 10, 2019などをもとに作成。

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シリアのアル=カーイダがシリア政府支配下のハマー県ミスヤーフ市を砲撃(2019年3月10日)

ハマー県では、SANA(3月10日付)によると、反体制武装集団がミスヤーフ市一帯を砲撃し、砲弾2発がミスヤーフ市の国立病院近くに着弾した。

これに対して、シリア軍はラターミナ町、アルバイーン村、カフルズィーター市の反体制武装集団拠点を砲撃した。

この攻撃に関して、シャーム解放機構に近いイバー・ネット(3月10日付)は、シャーム解放機構がミスヤーフ市にあるシリア軍の拠点複数カ所を砲撃したと伝え、その写真を公開した。

攻撃は「信者の民の胸を癒やす」と銘打った作戦の一環だという。




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ラタキア県では、シャーム解放機構に近いイバー・ネット(3月10日付)によると、シャーム解放機構がアイン・イーサー村一帯(トルコマン山)に進攻しようとしたシリア軍を撃退した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を9件(ラタキア県5件、イドリブ県2件、ハマー県2件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を33件(アレッポ県10件、ラタキア県4件、イドリブ県13件、ハマー県6件)を確認した。

AFP, March 10, 2019、ANHA, March 10, 2019、AP, March 10, 2019、al-Durar al-Shamiya, March 10, 2019、al-Hayat, March 11, 2019、Ministry of Defence of the Russian Federation, March 10, 2019、Reuters, March 10, 2019、SANA, March 10, 2019、UPI, March 10, 2019などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:レバノンから89人、ヨルダンから824人の難民が帰国、避難民130人が帰宅(2019年3月10日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(3月10日付)を公開し、3月9日に難民913人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは89人(うち女性32人、子供53人)、ヨルダンから帰国したのは824人(うち女性220人、子供420人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は154,949人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者58,791人(うち女性17,771人、子ども29,374人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者96,158人(うち女性28,873人、子ども49,026人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は 384,229人(うち女性115,302人、子供195,850人)となった。

なお、45カ国で難民登録したシリア人の数は6,673,308人(うち女性2,002,592人、子供3,404,407人)。

一方、国内避難民130人が新たに帰宅した。

うち東グータ地方に帰宅したのは34人(うち女性15人、子供15人)、ダイル・ザウル県サーリヒーヤ村の通行所を経由してダマスカス郊外県、ヒムス県などに帰宅したのは22人(うち女性9人、子ども8人)、ヒムス県南東グラーブ山の通行所を経由して帰還したのは74人(うち女性20人、子ども28人)、イドリブ県アブー・ズフール町郊外の通行所を経由して帰宅したのは0人だった。

これにより、2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は12,295人(うち女性4,245人、子供5,308人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,280,891人(うち女性386,806人、子供649,074人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, March 10, 2019をもとに作成。

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ラタキア県でアサド家の「子飼い」と国防隊・シリア軍部隊が交戦、国防隊司令官が捕らえられ、腕を折られる(2019年3月9日)

ラタキア県では、バラディー(3月10日付)、ジュルフ・メディアなどによると、ハーフィズ・アサド前大統領の生誕地であるカルダーハ市で、アサド大統領の甥にあたるバッシャール・タラール・アサド氏とヤサール・タラール・アサド氏の「子飼い」と国防隊・シリア軍部隊が交戦した。

交戦は、バッシャール・タラール氏の「子飼い」が、イヤード・バラカート氏が指揮するジャブラ市の国防隊司令官の隊員から文句を言われたことがきっかけ。

カルダーハ市での交戦を受けて、バッシャール・タラール氏とヤサール氏の「子飼い」は、ジャブラ市にあるバラカート氏の自宅を襲撃、バラカート氏の自宅を守るために駆けつけたシリア軍部隊とも交戦した。

バッシャール・タラール氏とヤサール氏の「子飼い」は最終的にはバラカート氏を捉えて、腕を骨折させたという。

バッシャール・タラール氏とヤサール氏は、アリーン第313部隊(別名アブー・ハーディス大隊)を名のる「シャッビーハ」を指導している。

AFP, March 10, 2019、ANHA, March 10, 2019、AP, March 10, 2019、Baladi, March 10, 2019、al-Durar al-Shamiya, March 10, 2019、al-Hayat, March 11, 2019、Jurf News, March 10, 2019、Reuters, March 10, 2019、SANA, March 10, 2019、UPI, March 10, 2019などをもとに作成。

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米占領下のタンフ国境通行所で活動する革命特殊任務軍がルクバーン・キャンプでダーイシュ・メンバー4人を逮捕(2019年3月9日)

ドゥラル・シャーミーヤ(3月10日付)によると、米軍の占領下にあるヒムス県南東のタンフ国境通行所一帯地域(55キロ地帯)で活動する革命特殊任務軍は、同地に面するヨルダン北東部のルクバーン・キャンプ内にダーイシュ(イスラーム国)のメンバーが潜入したとして、キャンプ内で活動する「警察」とともに捜索活動を行った。

これにより、革命特殊任務軍はダーイシュ・メンバー4人を逮捕したが、2人を取り逃がしたという。

AFP, March 10, 2019、ANHA, March 10, 2019、AP, March 10, 2019、al-Durar al-Shamiya, March 10, 2019、al-Hayat, March 11, 2019、Reuters, March 10, 2019、SANA, March 10, 2019、UPI, March 10, 2019などをもとに作成。

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反体制メディア活動家は殺人罪で収監中のアサド大統領のいとこがブルガリアに偽の身分証明書を使って逃亡したと明かす(2019年3月9日)

反体制メディア活動家のワーイル・ハーリディー氏は、フェイスブックのアカウントで、アサド大統領が、いとこのスライマーン・ヒラール・アサド氏の国外逃亡を幇助したと綴った。

ハーリディー氏の書き込みによると、アサド大統領はスライマーン氏の家族の圧力に屈し、スライマーン氏の保釈を認めたという。

保釈を認められたスライマーン氏は用意された偽の身分証明書で出国、ブルガリアに逃れたという。

ハーリディー氏の書き込みの真偽は定かでない。

スライマーン氏は2015年8月、ラタキア市の鉄道駅前の交差点で、シリア軍のハッサーン・シャイフ大佐と車線変更をめぐってトラブルとなり、公衆の面前で同大佐を射殺、2016年1月に殺人罪で禁固20年の実刑判決を受けていた。

スライマーン氏はラタキア刑務所に収監されていたが、メンタル・クライシスを理由にダマスカスに移送されていた。

スライマーン氏の父のヒラール・アサド氏は、国防隊創設者n一人で2014年3月にラタキア県カサブ市での戦闘で戦死している。

https://www.facebook.com/wael.alkhaldy/posts/10156855068730155

 

AFP, March 9, 2019、ANHA, March 9, 2019、AP, March 9, 2019、al-Durar al-Shamiya, March 9, 2019、al-Hayat, March 10, 2019、Reuters, March 9, 2019、SANA, March 9, 2019、UPI, March 9, 2019などをもとに作成。

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トルコのエルドアン大統領「S-400購入は米国の安全保障ではなく、シリアでのトルコの活動の自由と関係している。その利用方法は明らかだ」(2019年3月9日)

トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領は、統一地方選挙に向けてディアルバクル県で演説し、ロシアからのS-400防空システムの購入と、シリアでのトルコの軍事作戦の関係に言及した。

エルドアン大統領は「S-400防空システムの購入をめぐる取引と、米国の安全保障、NATO、F-35、プロジェクトも一切関係はない…。我々がS-400防空システムを購入した理由、そしてその理由に基づいてどのように利用するかは明白だ。問題はS-400防空システムの購入ではなく、トルコがこの地域、とりわけシリアでの活動の自由と関係している…。この問題をめぐってアンカラとワシントンの意見の相違が解消されることを望む」と述べた。

アナトリア通信(3月9日付)が伝えた。

AFP, March 9, 2019、Anadolu Ajansı, March 9, 2019、ANHA, March 9, 2019、AP, March 9, 2019、al-Durar al-Shamiya, March 9, 2019、al-Hayat, March 10, 2019、Reuters, March 9, 2019、SANA, March 9, 2019、UPI, March 9, 2019などをもとに作成。

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米軍が駐留するマンビジュ市(アレッポ県)で自爆攻撃が発生:ダーイシュに近いメディアは米軍兵士3人が死亡したと伝える(2019年3月9日)

アレッポ県では、ANHA(3月9日付)によると、北・東シリア自治局の支配下にあるマンビジュ市南東部の幹線道路でオートバイに乗った男性が自爆し、住民6人が爆発に巻き込まれて負傷した。

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しかし、この自爆に関して、ダーイシュ(イスラーム国)に近いアアマーク通信(3月9日付)は、「マンビジュ市とバーブ市を結ぶ街道でPKK(クルディスタン労働者党)の車列に対して爆弾を積んだ車輌で自爆攻撃が行われた」としたうえで、「車列には米軍兵士がいた」と伝えた。

また、ダーイシュに近いナダー・スーリヤー(3月9日付)は、自爆攻撃がオートバイではなく、ジープで行われたとしたうえで、米軍兵士3人が死亡、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の戦闘員多数が負傷したと伝えた。

ドゥラル・シャーミーヤ(3月9日付)が伝えた。

AFP, March 9, 2019、ANHA, March 9, 2019、AP, March 9, 2019、al-Durar al-Shamiya, March 9, 2019、al-Hayat, March 10, 2019、Nada’ Suriya, March 9, 2019 、Reuters, March 9, 2019、SANA, March 9, 2019、UPI, March 9, 2019などをもとに作成。

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YPG主体のシリア民主軍はダーイシュ最後の支配地バーグーズ村への攻撃を再開(2019年3月9日)

人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍のムスタファー・バーリー公式報道官は、ダーイシュ(イスラーム国)最後の支配地が残るダイル・ザウル県南東部バーグーズ村から民間人や戦闘員の退去・投降がなければ、3月9日に戦闘を再開すると述べた。

ロイター通信(3月9日付)が伝えた。

AFP, March 9, 2019、ANHA, March 9, 2019、AP, March 9, 2019、al-Durar al-Shamiya, March 9, 2019、al-Hayat, March 10, 2019、Reuters, March 9, 2019、SANA, March 9, 2019、UPI, March 9, 2019などをもとに作成。

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