ダーイシュはダイル・ザウル県でYPG主体のシリア民主軍、親政権民兵を攻撃、ロシア軍が対抗措置として同地を爆撃(2019年4月12日)

ダイル・ザウル県では、ダイル・ザウル24(4月13日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)がスィージャーン油田近くを走行中の人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の車列を襲撃し、戦闘員多数を死傷させた。

また、ダイル・ザウル市南のフライビシャ町近郊の砂漠地帯でも、ダーイシュは親政権民兵(国防隊)を襲撃し、4人を殺害した。

これを受け、ロシア軍戦闘機がフライビシュ町一帯を爆撃した。

AFP, April 13, 2019、ANHA, April 13, 2019、AP, April 13, 2019、Dayr al-Zawr 24, April 13, 2019、al-Durar al-Shamiya, April 13, 2019、al-Hayat, April 14, 2019、Reuters, April 13, 2019、SANA, April 13, 2019、UPI, April 13, 2019などをもとに作成。

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北・東クルド自治局の高官は米国がシリアからの部隊撤退を撤回して以降、シリア政府との交渉が暗礁に乗り上げていることを明かし、ロシアを非難(2019年4月12日)

ロイター通信(4月12日付)は、シリア政府との交渉に当たっている北・東クルド自治局の高官が、両者の政治的取引が暗礁に乗り上げていることを明らかにし、仲介をしているロシアを非難している、と伝えた。

暗礁に乗り上げていることを明かしたのは、北・東シリア自治局のジャズィーラ地方顧問を務めるバドラーン・ジヤー・クルド氏。

同氏によると、北・東クルド自治局や、ドナルド・トランプ米大統領がシリアから部隊撤退すると発表(2018年12月)した直後の1月から、シリア政府との交渉を再開、ロシアの仲介でシリア北東部の自治が維持されることを期待していた。

だが、米国が撤退を事実上撤回すると、シリア政府は、北・東クルド自治局に対して、支配に服さない場合は軍事行動も辞さないと脅迫するようになり、ロシアも仲介のイニシアチブを発揮しなくなった、という。

バドラーン・ジヤー・クルド氏は、「ロシアはイニシアチブは有効だと主張しているが、役に立っていない」と批判した。

AFP, April 12, 2019、ANHA, April 12, 2019、AP, April 12, 2019、al-Durar al-Shamiya, April 12, 2019、al-Hayat, April 13, 2019、Reuters, April 12, 2019、SANA, April 12, 2019、UPI, April 12, 2019などをもとに作成。

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シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構はトルコの庇護を受ける反体制武装集団の支配地との境界に位置するアティマ村(イドリブ県北部)の通行所を再開、住民の往来に限って認める(2019年4月12日)

シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構は、トルコの庇護を受ける反体制武装集団(いわゆる「オリーブの枝」作戦司令室、国民軍、国民解放戦線)の支配地との境界に位置するイドリブ県北部のアティマ村に設置していた通行所を再開すると発表した。

通行所を管理するシャーム解放機構総務局のアフマド・アリー氏が、同組織に近いイバー・ネット(4月12日付)が伝えたところによると、アティマ村の通行所の再開は、住民の要請を受けたもので、商業通路としてではなく、住民の移動のみのために開放されるという。

なお、アリー氏によると、これに対して、アレッポ県のダーラト・イッザ市の通行所は商業通路として開放されているが、住民の移動は認められないという。

シャーム解放機構は、イドリブ県を中心とする反体制派支配地域(緊張緩和地帯第1ゾーン)から国民解放戦線を放逐した2019年1月にアティマ村の通行所を閉鎖していた。

AFP, April 12, 2019、ANHA, April 12, 2019、AP, April 12, 2019、al-Durar al-Shamiya, April 12, 2019、al-Hayat, April 13, 2019、Reuters, April 12, 2019、SANA, April 12, 2019、Shabaka Iba’ al-Ikhbariya, April 12, 2019、UPI, April 12, 2019などをもとに作成。

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アレッポ県北部でバーブ軍事評議会とトルコの支援を受ける反体制武装集団が交戦(2019年4月12日)

アレッポ県では、ANHA(4月12日付)によると、トルコの占領下にあるバーブ市東のブワイヒジュ村にあるバーブ軍事評議会(人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍所属)の拠点を、反体制武装集団(いわゆる「ユーフラテスの盾」作戦司令室)が砲撃、両者が交戦した。

AFP, April 12, 2019、ANHA, April 12, 2019、AP, April 12, 2019、al-Durar al-Shamiya, April 12, 2019、al-Hayat, April 13, 2019、Reuters, April 12, 2019、SANA, April 12, 2019、UPI, April 12, 2019などをもとに作成。

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ダルアー県で反体制派がイラン人の乗ったジープを爆破(2019年4月12日)

ダルアー県では、ドゥラル・シャーミーヤ(4月12日付)が匿名消息筋の話として伝えたところによると、同県の「人民抵抗組織」がジャイドゥール地方(インヒル市、ジャースィム市一帯)でシーア派民兵が乗った黒塗りのランドクルーザーに爆弾を仕掛けて爆破した。

乗っていたのは、最近ダルアー県に派遣されたイラン人戦闘員で、爆発の直後、現場に救急車輌が向かうのが目撃されたが、死傷者数は不明だという。

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ハマー県では、SANA(4月12日付)によると、シリア軍がフワイズ村、サフル丘、カフルヌブーダ町一帯にあるシャーム解放機構の拠点を砲撃した。

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イドリブ県では、SANA(4月12日付)によると、シリア軍がタマーニア町一帯にあるシャーム解放機構の拠点を砲撃した。

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アレッポ県では、SANA(4月12日付)によると、アレッポ市ハムダーニーヤ地区で反体制武装集団が残していった地雷が爆発し、子供2人が死亡、5人が負傷した。

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ロシア国防省:ロシア・トルコ停戦監視委員会のロシア側監督チームは27件の停戦違反を、トルコ側は7件の違反を確認

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を6件(ラタキア県5件、ハマー県1件)確認したと発表した。

AFP, April 12, 2019、ANHA, April 12, 2019、AP, April 12, 2019、al-Durar al-Shamiya, April 12, 2019、al-Hayat, April 13, 2019、Ministry of Defence of the Russian Federation, April 12, 2019、Reuters, April 12, 2019、SANA, April 12, 2019、UPI, April 12, 2019などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:レバノンから307人、ヨルダンから854人の難民が帰国、避難民105人が帰宅(2019年4月12日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(4月12日付)を公開し、4月11日に難民1,161人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは307人(うち女性92人、子供157人)、ヨルダンから帰国したのは854人(うち女性256人、子供436人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は186,733人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者66,569人(うち女性20,114人、子ども33,870人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者120,164人(うち女性36,076人、子ども61,272人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は 460,013人(うち女性124,848人、子供212,064人)となった。

なお、45カ国で難民登録したシリア人の数は6,696,131人(うち女性2,000,839人、子供3,415,027人)。

一方、国内避難民105人が新たに帰宅した。

うち東グータ地方に帰宅したのは27人(うち女性11人、子供12人)、ダイル・ザウル県サーリヒーヤ村の通行所を経由してダマスカス郊外県、ヒムス県などに帰宅したのは24人(うち女性6人、子供14人)、ヒムス県南東グラーブ山の通行所を経由して帰還したのは54人(うち女性12人、子供25人)、イドリブ県アブー・ズフール町郊外の通行所を経由して帰宅したのは0人だった。

これにより、2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は17,798人(うち女性5,909人、子供7,675人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,286,394人(うち女性388,468人、子供651,441人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, April 12, 2019をもとに作成。

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