北・東シリア自治局管理下の避難民キャンプの現況:帰還を妨げる最大の理由は、帰還先が戦闘によって破壊されていること(2019年4月17日)

クルド民族主義組織の民主統一党(PYD)に近いANHA(4月17日付)は、同党が主導する北・東シリア自治局が管理するラッカ県アイン・イーサー市近郊の避難民キャンプ(アイン・イーサー・キャンプ)の現況について報じた。

アイン・イーサー・キャンプは、ラッカ市および同地一帯での人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍とイスラーム国(ダーイシュ)の戦闘によって避難を余儀なくされた住民を収容するため、2016年11月に西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)によって設置された。

2017年4月18日、アイン・イーサー・キャンプはラッカ市民政評議会に移管され、国際機関と連携し、避難民への支援不足に対処してきた。

ラッカ県やダイル・ザウル県でのシリア民主軍によるイスラーム国掃討戦が本格化すると、キャンプに収容されている避難民の数は2万9000人を越えたが、ラッカ県での戦闘が収束すると避難民は帰還を始め、2018年初めまでに収容者数は1万3000人に減少した。

北・東シリア自治局の統計によると、収容者の内訳は、ラッカ県出身者3,115人、ダイル・ザウル県出身者8,073人、アレッポ県出身者1.056人、イドリブ県出身者48人、ハマー県出身者64人、ヒムス県出身者162人、イラク難民518人。

帰還した避難民のうち数千人はシリア政府支配地域とトルコ占領地域への帰還を選んだが、アイン・イーサー・キャンプを含む北・東シリア自治局管理下の避難民キャンプには、同自治局の支配下にない地域(シリア政府支配地域とトルコ占領地域)出身者約1万人が帰還せずに、とどまっている。

避難民の帰還を妨げる最大の理由は、帰還先が戦闘によって破壊されていることだという。

AFP, April 17, 2019、ANHA, April 17, 2019、AP, April 17, 2019、al-Durar al-Shamiya, April 17, 2019、al-Hayat, April 18, 2019、Reuters, April 17, 2019、SANA, April 17, 2019、UPI, April 17, 2019などをもとに作成。

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トルコ占領下のアレッポ県北部で活動する国民軍は深刻な燃料不足に直面するシリア政府支配地域への燃料移送を取りやめる(2019年4月17日)

トルコ占領下のアレッポ県北部(いわゆる「オリーブの枝」地域と「ユーフラテスの盾」地域)で活動する国民軍は声明を出し、シリア政府支配地域での深刻な燃料不足に対処するために計画していた燃料移送を取りやめたと発表した。

国民軍は声明で、「公共の利益に基づき、アレッポ県北部のアブー・ザンディーン村通行所からの灯油の輸出を取りやめることを決定した」と発表した。

シリア政府支配地域への灯油の輸送をめぐっては、複数の活動家がSNSなどを通じて暴露、非難、またアブー・ザンディーン通行所を経由して灯油が持ち込まれたことを示す両修了の写真などが公開されていた。

AFP, April 17, 2019、ANHA, April 17, 2019、AP, April 17, 2019、al-Durar al-Shamiya, April 17, 2019、al-Hayat, April 18, 2019、Reuters, April 17, 2019、SANA, April 17, 2019、UPI, April 17, 2019などをもとに作成。

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YPGの英国人戦闘員がテロ容疑で審理を受ける(2019年4月17日)

『インディペンデント』(4月17日付)は、人民防衛隊(YPG)に従軍する英国人義勇兵のエイダン・ジェームズ氏が英国でテロ容疑で審理の対象になっていると伝えた。

YPGは、英国においてはテロ組織に指定されておらず、またシリア北東部でダーイシュ(イスラーム国)に対する有志連合の「テロとの戦い」においては、協力部隊として地上戦を主導してきた。

YPG戦闘員がテロ容疑で審理の対象となるのはこれが初めてだという。

AFP, April 17, 2019、ANHA, April 17, 2019、AP, April 17, 2019、al-Durar al-Shamiya, April 17, 2019、al-Hayat, April 18, 2019、The Independent, April 17, 2019、Reuters, April 17, 2019、SANA, April 17, 2019、UPI, April 17, 2019などをもとに作成。

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イランのザリーフ外務大臣はシリアからトルコに空路で移動(2019年4月17日)

イランのモハンマド・ジャヴァード・ザリーフ外務大臣は、シリアへの公式訪問を終え、イラン外交使節団とともにトルコに空路で直接移動した。

首都アンカラに到着したザリーフ外務大臣は、シリア情勢への対応、北アフリカ情勢、そして両国の政治・経済二国間関係についてトルコ側と協議することを明らかにした。

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北・東シリア自治局支配下のマンビジュ市、タブカ市で爆発が発生(2019年4月17日)

アレッポ県では、ANHA(4月17日付)によると、北・東シリア自治局の支配下にあるマンビジュ市内のシャイフ・ヤフヤー通りに仕掛けられていた爆弾が爆発した。

死傷者はなかった。

一方、オリーブの怒り作戦司令室が声明を出し、16日にトルコ占領下のマアバトリー町にある反体制武装集団の検問所を爆破し、戦闘員3人を殺害、2人を負傷させたと発表した。

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ラッカ県では、ANHA(4月17日付)によると、タブカ市で爆弾が爆発し、子供1人が負傷した。

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ダイル・ザウル県では、ダイル・ザウル24(4月19日付)によると、正体不明の武装集団が、ズィーバーン町にある人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の拠点に向けて発砲した。

AFP, April 17, 2019、ANHA, April 17, 2019、AP, April 17, 2019、Dayr al-Zawr 24, April 19, 2019、al-Durar al-Shamiya, April 17, 2019、al-Hayat, April 18, 2019、Reuters, April 17, 2019、SANA, April 17, 2019、UPI, April 17, 2019などをもとに作成。

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クナイトラ県バアス市で独立記念日を祝う集会が催され、バアス党、政府、議会などの幹部と住民が参加(2019年4月17日)

クナイトラ県では、クナイトラ県バアス市で、アサド大統領主催のもと、独立記念日(4月17日)を祝う記念集会が催され、バアス党中央指導部(旧シリア地域指導部)のヒラール・ヒラール副書記長、バッサーム・イブラーヒーム教育大臣、ハマーム・ディブヤート・クナイトラ県知事、アフマド・ムバーラク・シャーティル・アラブ学生連合総裁、ハムーダ・サッバーグ人民議会議長、イマード・ハミース首相、ムハンマド・シャッアール進歩国民戦線中央指導部副書記長、アフマド・バドゥルッディーン・ハッスーン共和国ムフティーなど、政府、議会、バアス党、人民諸組織、法曹界の幹部らが出席、多くの住民が参加した。

また、軍武装部隊も独立記念式典を首都ダマスカス郊外で行った。

このほか、クナイトラ県アイン・ティーナ村やマジュダル・シャムス村で、イスラエル占領下のゴラン高原住民との連帯を表明する集会が開かれ、ドゥルーズ派の聖職者や住民が参加した。

SANA(4月17日付)が伝えた。

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反体制武装集団がハマー県の民家を砲撃(2019年4月17日)

ハマー県では、SANA(4月17日付)によると、カルアト・マディーク町で活動を続ける反体制武装集団がシリア政府支配下のスカイラビーヤ市を砲撃し、民家複数棟が被害を受けた。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を3件(ラタキア県1件、ハマー県1件、イドリブ県1件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を10件(ハマー県6件、アレッポ県4件、イドリブ県1件)確認した。

AFP, April 17, 2019、ANHA, April 17, 2019、AP, April 17, 2019、al-Durar al-Shamiya, April 17, 2019、al-Hayat, April 18, 2019、Ministry of Defence of the Russian Federation, April 17, 2019、Reuters, April 17, 2019、SANA, April 17, 2019、UPI, April 17, 2019などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:レバノンから345人、ヨルダンから781人、ルクバーン・キャンプの難民703人を含む避難民761人が帰宅(2019年4月17日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(4月17日付)を公開し、4月16日に難民1,126人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは345人(うち女性103人、子供176人)、ヨルダンから帰国したのは781人(うち女性234人、子供398人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は192,733人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者68,203人(うち女性20,604人、子ども34,702人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者124,530人(うち女性37,385人、子ども63,498人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は 422,013人(うち女性126,647人、子供216,647人)となった。

なお、45カ国で難民登録したシリア人の数は6,696,131人(うち女性2,000,839人、子供3,415,027人)。

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一方、国内避難民761人が新たに帰宅した。

うち東グータ地方に帰宅したのは17人(うち女性6人、子供9人)、ダイル・ザウル県サーリヒーヤ村の通行所を経由してダマスカス郊外県、ヒムス県などに帰宅したのは12人(うち女性3人、子供7人)、ヒムス県南東グラーブ山の通行所を経由して帰還したのは732人(うち女性166人、子供381人)、イドリブ県アブー・ズフール町郊外の通行所を経由して帰宅したのは0人だった。

なお、グラーブ山通行所を経由して帰国した732人のうち、米主導の有志連合が占領するヒムス県タンフ国境通行所一帯地域(55キロ地帯)に面するヨルダン北東部のルクバーン・キャンプから帰国した難民は703人(うち女性160人、子供370人)だった。

これにより、2019年2月23日以降、同キャンプから帰国した難民は4,345人(うち女性1,136人、子供2,269人)となった。

これにより、2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は20,188人(うち女性6,555人、子供8,950人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,288,784人(うち女性389,114人、子供652,716人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, April 17, 2019をもとに作成。

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