北・東シリア自治局支配下のダイル・ザウル県各所でシリア民主軍の退去を求めるデモ続く(2019年4月28日)

ダイル・ザウル県では、SANA(4月28日付)によると、北・東シリア自治局支配下のブサイラ市、マーシフ村、ダマーン村、ナムリーヤ村、タイイブ・ファール村、タヤーナ村で、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の素行に抗議し、北・東シリア自治局支配地からの退去を求めるデモが発生し、住民数百人が参加した。

一部住民は、タイヤを燃やすなどして街道で封鎖した。

タヤーナ村では、シリア民主軍がデモ参加者に向けて実弾を発砲し、デモを強制排除しようとした。

抗議デモは4月24日から連日続いている。

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反体制派系のドゥラル・シャーミーヤ(4月28日付)もまた、住民数百人が、シリア民主軍による燃料の独占、燃料価格の高騰、劣悪な経済社会状況に抗議するデモを行われたと伝え、写真を掲載した。

AFP, April 28, 2019、ANHA, April 28, 2019、AP, April 28, 2019、al-Durar al-Shamiya, April 28, 2019、al-Hayat, April 29, 2019、Reuters, April 28, 2019、SANA, April 28, 2019、UPI, April 28, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

北・東シリア自治局支配地各所でアフリーン市一帯でのトルコによる隔離壁建設に抗議するデモ(2019年4月28日)

アレッポ県では、ANHA(4月28日付)によると、アイン・アラブ(コバネ)市で、北・東シリア自治局のコバネ地区、ギレ・スピ(タッル・アブヤド)地区の諸機関や同地で活動する政治組織の呼びかけで、アフリーン市一帯でのトルコによる隔離壁建設に抗議するデモが行われ、住民数百人が参加した。

ラッカ県カラーマ村でも同様の抗議デモが行われ、数百人が参加した。

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アレッポ県では、ANHA(4月28日付)によると、トルコの占領下にあるアフリーン市で爆発が起き、反体制武装集団の戦闘員複数が死傷した。

一方、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍に所属するバーブ軍事評議会の発表によると、バーブ市近郊のシャイフ・ナースィル市に展開する反体制武装集団(いわゆる「ユーフラテスの盾」作戦司令室)が、シャイフ・ナースィル(クルト・ワイラーン)村にあるバーブ軍事評議会の拠点を攻撃、交戦状態になった。

AFP, April 28, 2019、ANHA, April 28, 2019、AP, April 28, 2019、al-Durar al-Shamiya, April 28, 2019、al-Hayat, April 29, 2019、Reuters, April 28, 2019、SANA, April 28, 2019、UPI, April 28, 2019などをもとに作成。

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イスラエルが釈放したシリア人捕虜2人がクナイトラ通行所を経由して帰国(2019年4月28日)

イスラエル司法当局が釈放を許可したシリア人捕虜2人が、UNDOFが管理するクナイトラ通行所を経由して、シリアに帰国した。

釈放されたは、ザイダーン・タウィール氏とアフマド・ハミース氏。

タウィール氏は1962年、ハーディル村(アレッポ県)生まれ。

2008年7月に麻薬密売容疑で逮捕され、有罪判決を受け、2019年7月に刑期を終える予定だった。

また、ハミース氏は、1984年、ダマスカス県ヤルムーク難民キャンプ生まれ。

イスラエル軍基地に潜入し、兵士に危害を加えようとしていたとして2005年4月に逮捕され、有罪判決を受け、2023年に刑期を終える予定だった。

2人は、イスラエル軍兵士ザハリア・バウメル氏の遺体回収(奪還)への見返りとして、釈放された。

バウメル氏は1982年のレバノン侵攻時のシリア軍との間で行われた「スルターン・ヤアクーブの戦い」で行方不明となったイスラエル軍兵士で、イスラエル軍は「ほろ苦い歌」と名づけられた作戦で、ロシアの仲介のもと、シリア国内に埋葬されていたとされる遺体を回収していた。

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トルコの庇護を受ける国民軍と国民解放戦線が共同声明発表「プーチンは、シリア政府、アサドを頂点とする体制など存在しないことを認めねばならない」(2019年4月28日)

トルコの庇護を受ける国民軍と国民解放戦線は共同声明を出し、ロシアのヴラジミール・プーチン大統領による「反体制派はアサド政権が勝利したと見ている」との発言に反論した。

声明で両組織は、ロシアによる攻撃とアサド政権の支援は、「殺戮と破壊、そして革命人民抵抗の拡大以外に何ももたらさない」としたうえで「プーチンは、シリア政府、アサドを頂点とする体制など存在しないことを認めねばならない…。ロシア、そしてプーチンにとって、アサドが勝利していないことは明らかだ」などと批判した。

AFP, April 28, 2019、ANHA, April 28, 2019、AP, April 28, 2019、al-Durar al-Shamiya, April 28, 2019、al-Hayat, April 29, 2019、Reuters, April 28, 2019、SANA, April 28, 2019、UPI, April 28, 2019などをもとに作成。

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ロシア軍がハマー県カルアト・マディーク町の病院を爆撃(2019年4月28日)

ハマー県では、SANA(4月28日付)によると、反体制武装集団がハンダク村を砲撃し、住民1人が死亡、3人が負傷した。

反体制武装集団はまた、スカイラビーヤ市を砲撃した。

これに対し、シリア軍はサフリーヤ村にあるシャーム解放機構の拠点を砲撃した。

一方、ドゥラル・シャーミーヤ(4月28日付)によると、ロシア軍戦闘機がカルアト・マディーク町にある第111婦人・小児科病院を爆撃、自由ハマー衛生局によると施設が利用不可能になった。

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イドリブ県では、SANA(4月28日付)によると、シリア軍がフバイト村にあるシャーム解放機構の拠点を砲撃した。

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アレッポ県では、SANA(4月28日付)によると、シリア軍がアレッポ市西部郊外のファミリーハウス一帯に潜入しようとしたシャーム解放機構を撃退、戦闘員3人を殺害した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を3件(ラタキア県2件、ハマー県1件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を32件(アレッポ県22件、イドリブ県4件、ハマー県4件、ラタキア県2件)確認した。

AFP, April 28, 2019、ANHA, April 28, 2019、AP, April 28, 2019、al-Durar al-Shamiya, April 28, 2019、al-Hayat, April 29, 2019、Ministry of Defence of the Russian Federation, April 28, 2019、Reuters, April 28, 2019、SANA, April 28, 2019、UPI, April 28, 2019などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:レバノンから348人、ヨルダンから731人の難民が帰国、避難民16人(うちラクバーン・キャンプからの帰還者0人)が帰宅(2019年4月28日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(4月28日付)を公開し、4月27日に難民1,079人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは348人(うち女性105人、子供178人)、ヨルダンから帰国したのは731人(うち女性219人、子供373人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は204,353人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者72,112人(うち女性21,780人、子ども36,696人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者132,241人(うち女性39,700人、子ども67,432人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は 433,633人(うち女性130,138人、子供221,050人)となった。

なお、45カ国で難民登録したシリア人の数は6,659,752人(うち女性1,997,926人、子供3,396,474人)。

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一方、国内避難民16人が新たに帰宅した。

うち東グータ地方に帰宅したのは10人(うち女性5人、子供3人)、ダイル・ザウル県サーリヒーヤ村の通行所を経由してダマスカス郊外県、ヒムス県などに帰宅したのは0人、ヒムス県南東グラーブ山の通行所を経由して帰還したのは6人(うち子供2人)、イドリブ県アブー・ズフール町郊外の通行所を経由して帰宅したのは0人だった。

これにより、2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は23,728人(うち女性7,561人、子供10,677人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,292,324人(うち女性390,120人、子供654,443人)となった。

なお、グラーブ山通行所を経由して帰還した16人のうち、米主導の有志連合が占領するヒムス県タンフ国境通行所一帯地域(55キロ地帯)に面するヨルダン北東部のルクバーン・キャンプから帰国した難民は0人だった。

これにより、2019年2月23日以降、同キャンプから帰国した難民は7,434人(うち女性2,017人、子供274人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, April 28, 2019をもとに作成。

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