ダイル・ザウル県の部族長と名士はYPG主体のシリア民主軍に対し、72時間以内に退去しなければ、ゼネストを行うと通告(2019年4月30日)

ダイル・ザウル県では、ユーフラテス・ポスト(5月1日付)によると、北・東シリア自治局の支配下にある同県の部族長や名士らが、カスラ村にあるダイル・ザウル民政評議会で、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍と緊急の会合を開き、26日から28日にかけて各所で発生した、抗議デモへの対応について協議した。

部族長と名士は会合で、シリア民主軍の代表に対して、72時間以内に抗議デモで訴えられた要求への回答がない場合、ゼネストを宣言し、抗議行動や道路封鎖を再開すると伝えたという。

会合が行われたカスラ村では住民が街頭に出て抗議デモを行い、シリア民主軍のイラクへの退去、シリア民主軍が拘束している逮捕者の釈放、住民への対応の改善、強制捜査の停止、地域住民の役割の強化と権限の移譲、シリア政府との断交、シリア政府支配地域への石油輸出停止、シリア政府関係者・工作員の新入阻止、生活・衛生・福祉の改善などを要求した。

AFP, May 1, 2019、ANHA, May 1, 2019、AP, May 1, 2019、al-Durar al-Shamiya, May 1, 2019、Euphrates Post, May 1, 2019、al-Hayat, May 2, 2019、Reuters, May 1, 2019、SANA, May 1, 2019、UPI, May 1, 2019などをもとに作成。

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シリア軍兵士100人が4月の1ヶ月だけでダーイシュの要撃により死亡(2019年4月30日)

バーディヤ24ネット(4月30日付)は、4月に入って、ヒムス県東部のスフナ砂漠で、ダーイシュ(イスラーム国)の要撃によって死亡したシリア軍兵士および親政権民兵の数が100人に達していると伝えた。

死亡した兵士・民兵のなかには士官15人も含まれているという。

AFP, April 30, 2019、ANHA, April 30, 2019、AP, April 30, 2019、al-Badiya 24, April 30, 2019、al-Durar al-Shamiya, April 30, 2019、al-Hayat, May 1, 2019、Reuters, April 30, 2019、SANA, April 30, 2019、UPI, April 30, 2019などをもとに作成。

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トルコ軍パトロール部隊が、ロシア・シリア軍の爆撃が続くイドリブ県、ハマー県でのパトロール活動を強化(2019年4月30日)

ドゥラル・シャーミーヤ(4月30日付)によると、シリア軍と反体制武装集団の戦闘、ロシア軍の爆撃が激化したのを受けた、イドリブ県タッル・トゥーカーン村、ハマー県ムーリク市近郊の監視所に進駐するトルコ軍部隊がパトロール活動を強化した。

AFP, April 30, 2019、ANHA, April 30, 2019、AP, April 30, 2019、al-Durar al-Shamiya, April 30, 2019、al-Hayat, May 1, 2019、Reuters, April 30, 2019、SANA, April 30, 2019、UPI, April 30, 2019などをもとに作成。

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トルコ軍とその支援を受ける反体制武装集団がアフリーン市近郊、タッル・リフアト市近郊を砲撃(2019年4月30日)

アレッポ県では、ANHA(4月30日付)によると、トルコ軍とその支援を受ける反体制武装集団が、シャッラー村近郊のマーリキーヤ村、マルアナーズ村を砲撃した。

トルコ軍と反体制武装集団はまた、アアザーズ市近郊のバイルーニーヤ村、アイン・ダクナ村、タッル・リフアト市一帯を砲撃した。

AFP, April 30, 2019、ANHA, April 30, 2019、AP, April 30, 2019、al-Durar al-Shamiya, April 30, 2019、al-Hayat, May 1, 2019、Reuters, April 30, 2019、SANA, April 30, 2019、UPI, April 30, 2019などをもとに作成。

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PYDに近いANHAは、北・東シリア自治局支配下のダイル・ザウル県での抗議デモがシリア政府によって煽動されていると非難(2019年4月30日)

クルド民族主義組織の民主統一党(PYD)に近いANHA(4月30日付)は、ダイル・ザイル県内の北・東シリア自治局の支配地で26日から28日にかけて、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の退去を求めて行われた抗議デモに関して、「ガソリン価格の引き上げなどを求めるデモの参加者は…子供を除くと30人に満たない」と伝えたうえで、「シリア国内の一部の勢力に資する政治的アジェンダを実現しようとして人民の要求に乗じている」と批判した。

同サイトはまた「デモのほとんどはシリア政府の支配地域に隣接する地域で発生し、「クルドよ出ていけ」などといった人種差別的なスローガンが掲げられていた…。ガソリンの価格引き下げを求めている人々は、この地域を構成する集団間の差別を固定化しようとする政策の燃料ではない」と付言、シリア政府がデモを煽動しているとの見方を示した。

AFP, April 30, 2019、ANHA, April 30, 2019、AP, April 30, 2019、al-Durar al-Shamiya, April 30, 2019、al-Hayat, May 1, 2019、Reuters, April 30, 2019、SANA, April 30, 2019、UPI, April 30, 2019などをもとに作成。

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シリア軍はシャーム解放機構支配下のハマー県を「樽爆弾」で爆撃、「樽爆弾」使用は1年ぶり(2019年4月30日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機がトゥラムラー村を爆撃した。

シリア軍はまた、フバイト村を砲撃した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機がフワイジャ村一帯を爆撃した。

またシリア軍ヘリコプターがカフルヌブーダ町、サフル村、アリーマ村に対して「樽爆弾」を投下、バーブ・ターカ村、フワイズ村、カストゥーン村、カフルズィーター市、ラターミナ町を砲撃した。

シリア軍が「樽爆弾」を使用したのは1年ぶりだという。

これに対して、反体制武装集団もムハルダ市を砲撃、トルコの支援を受ける国民解放戦線は、県北部でシリア軍の拠点を対戦車砲で攻撃、破壊したと発表し、その映像を公開した。

一方、SANA(4月30日付)によると、反体制武装集団がムハルダ市の住宅街を砲撃し、住民1人が負傷した。

これに対して、シリア軍はハウワーシュ村、カルアト・マディーク町にあるシャーム解放機構の拠点を砲撃した。

シリア軍はまた、バーブ・ターカ村、フワイジャ村、カフルヌブーダ町、サフル丘、アリーマ村、カルカート村、ラターミナ町一帯を移動するシャーム解放機構に対しても攻撃を加えた。

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イドリブ県では、ドゥラル・シャーミーヤ(4月30日付)によると、シリア軍がフバイト村の医療センターを砲撃、センターは利用不能となった。

シリア軍はまた、フバイト村、アリーマ村、アービディーン村に「樽爆弾」を投下、2人が死亡、複数が負傷した。

一方、SANA(4月30日付)によると、シリア軍がフバイト村、トゥラムラー村、カッサービーヤ村、ウライニバ村、アービディーン村にあるシャーム解放機構の拠点を砲撃した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がザンマール町、ジャズラーヤー村を砲撃した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を10件(ラタキア県5件、アレッポ県2件、ハマー県3件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を19件(アレッポ県13件、イドリブ県2件、ハマー県4件)確認した。

AFP, April 30, 2019、ANHA, April 30, 2019、AP, April 30, 2019、al-Durar al-Shamiya, April 30, 2019、al-Hayat, May 1, 2019、Ministry of Defence of the Russian Federation, April 30, 2019、Reuters, April 30, 2019、SANA, April 30, 2019、UPI, April 30, 2019などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:レバノンから317人、ヨルダンから511人の難民が帰国、避難民384人(うちラクバーン・キャンプからの帰還者368人)が帰宅(2019年4月30日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(4月30日付)を公開し、4月29日に難民828人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは317人(うち女性95人、子供162人)、ヨルダンから帰国したのは511人(うち女性153人、子供261人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は206,218人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者72,739人(うち女性21,873人、子ども36,854人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者133,479人(うち女性40,071人、子ども68,064人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は 435,498人(うち女性130,697人、子供222,002人)となった。

なお、45カ国で難民登録したシリア人の数は6,659,752人(うち女性1,997,926人、子供3,396,474人)。

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一方、国内避難民384人が新たに帰宅した。

うち東グータ地方に帰宅したのは12人(うち女性2人、子供7人)、ダイル・ザウル県サーリヒーヤ村の通行所を経由してダマスカス郊外県、ヒムス県などに帰宅したのは0人、ヒムス県南東グラーブ山の通行所を経由して帰還したのは372人(うち女性79人、子供212人)、イドリブ県アブー・ズフール町郊外の通行所を経由して帰宅したのは0人だった。

これにより、2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は24,144人(うち女性7,651人、子供10,903人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,292,720人(うち女性390,200人、子供654,669人)となった。

なお、グラーブ山通行所を経由して帰還した372人のうち、米主導の有志連合が占領するヒムス県タンフ国境通行所一帯地域(55キロ地帯)に面するヨルダン北東部のルクバーン・キャンプから帰国した難民は368人(うち女性79人、女性211人)だった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, April 30, 2019をもとに作成。

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