米主導の有志連合が、シリア民主軍に対する抗議デモを受け、CONOCOガス田一帯に展開、同地のシリア民主軍を排除(2019年4月27日)

ダイル・ザウル県では、ダイル・ザウル24(4月27日付)によると、米主導の有志連合がCONOCOガス田一帯に展開、同地に進駐していた人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍を排除した。

シリア民主軍の排除は、4月24日以降、北・東シリア自治局支配地域で、シリア民主軍の退去を求める抗議デモが続いているのを受けた動きだという。

AFP, April 27, 2019、ANHA, April 27, 2019、AP, April 27, 2019、Dayr al-Zawr 24, April 27, 2019、al-Durar al-Shamiya, April 27, 2019、al-Hayat, April 28, 2019、Reuters, April 27, 2019、SANA, April 27, 2019、UPI, April 27, 2019などをもとに作成。

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イスラエル当局は、ロシア仲介によるイスラエル軍兵士の遺体回収(奪還)の見返りとして、シリア人2人の釈放を許可(2019年4月27日)

イスラエル日刊紙『ハアレツ』(4月27日付)は、イスラエル司法当局が拘束中のシリア人捕虜2人の釈放を許可したと伝えた。

ロシアのアレクサンドル・ラヴレンチエフ・シリア問題担当大統領特使が26日、イスラエル軍兵士ザハリア・バウメル氏の遺体回収(奪還)への見返りとして、シリア人2人の釈放に同意したと発表していた。

バウメル氏は1982年のレバノン侵攻時のシリア軍との間で行われた「スルターン・ヤアクーブの戦い」で行方不明となったイスラエル軍兵士で、イスラエル軍は「ほろ苦い歌」と名づけられた作戦で、ロシアの仲介のもと、シリア国内に埋葬されていたとされる遺体を回収していた。

シリア政府筋も20日、ロイター通信に対して、ロシアの仲介でイスラエルの刑務所からシリア人2人ないしはそれ以上が釈放されるだろうと述べていた。

イスラエル高官は今回の決定が関して、「捕虜交換」ではなく、「善意」を示すためのものと説明、バウメル氏の遺体回収に先立って、2人の釈放が合意されていたことを否定した。

イスラエルが釈放するとされているのは、ザイダーン・タウィール氏とアフマド・ハミース氏。

タウィール氏は1962年、ハーディル村(アレッポ県)生まれ。

2008年7月に麻薬密売容疑で逮捕され、有罪判決を受け、2019年7月に刑期を終える予定だった。

また、ハミース氏は、1984年、ダマスカス県ヤルムーク難民キャンプ生まれ。

イスラエル軍基地に潜入し、兵士に危害を加えようとしていたとして2005年4月に逮捕され、有罪判決を受け、2023年に刑期を終える予定だった。

2人の釈放は、イスラエル政府ではなく、検事総長が決定した。

AFP, April 27, 2019、ANHA, April 27, 2019、AP, April 27, 2019、al-Durar al-Shamiya, April 27, 2019、Haaretz, April 27, 2019、al-Hayat, April 28, 2019、Reuters, April 27, 2019、SANA, April 27, 2019、UPI, April 27, 2019などをもとに作成。

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ロシアのプーチン大統領「シリアの反体制派はアサド政権が勝利したと見ている」、反体制派「ロシアの発言は、非現実的で、何ら客観的でない」(2019年4月27日)

ロシアのヴラジミール・プーチン大統領は一帯一路サミットで訪問中の中国の首都北京での記者会見でシリア情勢に言及、「シリアの反体制派はアサド政権が勝利したと見ており、こうした認識は正しく現実的だ」と述べた。

プーチン大統領は「しかし、この政府(アサド政権)は、制憲委員会に関して自らの主張を押しつけようとはしていない…。アサド大統領が制憲委員会の活動開始を妨害しているという嫌疑は根も葉もない…。アサド大統領がこの委員会の設置を免れようとしているなどと言う権利は誰にもない」としたうえで、「反体制派こそが妨害している」と強調した。

一方、「イドリブ県に対する包括的な攻撃は今は適切ではない」と述べ、「ロシアは反体制派とともに制憲委員会を設置するために行動する」と付言した。

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これに対して、国連主催のジュネーブ会議に参加する反体制派の最高交渉委員会のナスル・ハリーリー代表はツイッターのアカウントを通じて、「シリア政府は過去も未来も勝利することはない。ロシアの発言は、たとえそれが本当だとしても、非現実的で、何ら客観的でない」と反論した。

AFP, April 27, 2019、ANHA, April 27, 2019、AP, April 27, 2019、al-Durar al-Shamiya, April 27, 2019、al-Hayat, April 28, 2019、Reuters, April 27, 2019、SANA, April 27, 2019、UPI, April 27, 2019などをもとに作成。

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野党国民青年公正成長党のイブラーヒーム書記長の娘が小銃の暴発で死亡(2019年4月27日)

ドゥラル・シャーミーヤ(4月27日付)は、親政権系の複数サイトの情報として、野党国民青年公正成長党のバルウィーン・イブラーヒーム書記長の娘が首都ダマスカスで遺体で発見されたと伝えた。

遺体で発見されたのは、イブラーヒーム書記長の娘サーンドラー・ハンムー氏(23歳)で、小銃の手入れしていた際に暴発し、死亡したという。

AFP, April 27, 2019、ANHA, April 27, 2019、AP, April 27, 2019、al-Durar al-Shamiya, April 27, 2019、al-Hayat, April 28, 2019、Reuters, April 27, 2019、SANA, April 27, 2019、UPI, April 27, 2019などをもとに作成。

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イドリブ県ファルワーン村の住民がシリアのアル=カーイダ「シャーム解放機構」を撃退、戦闘員12人を殺害(2019年4月27日)

イドリブ県では、ANHA(4月27日付)によると、シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構が、県南東部のファルワーン村の住民2人を「刑事事件」に関与している疑いがあるとして拘束しようとしたが、住民がこれに抵抗、戦闘の末、シャーム解放機構の戦闘員12人が死亡した。

AFP, April 27, 2019、ANHA, April 27, 2019、AP, April 27, 2019、al-Durar al-Shamiya, April 27, 2019、al-Hayat, April 28, 2019、Reuters, April 27, 2019、SANA, April 27, 2019、UPI, April 27, 2019などをもとに作成。

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ダイル・ザウル県北部で4日連続でYPG主体のシリア民主軍の退去を求める抗議デモ、シリア民主軍はデモ参加者に実弾を発砲(2019年4月27日)

ダイル・ザウル県では、SANA(4月27日付)によると、24、25、26日に続いて、北・東シリア自治局支配下の県北部のシュハイル村、スワル町、ムワイリフ村、ヒサーン村で、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の素行に抗議し、北・東シリア自治局支配地からの退去を求めるデモが発生し、住民数百人が参加した。

一部住民は、タイヤを燃やすなどして街道で封鎖した。

ヒサーン村では、シリア民主軍がデモ参加者に向けて実弾を発砲し、複数が負傷した。

AFP, April 27, 2019、ANHA, April 27, 2019、AP, April 27, 2019、al-Durar al-Shamiya, April 27, 2019、al-Hayat, April 28, 2019、Reuters, April 27, 2019、SANA, April 27, 2019、UPI, April 27, 2019などをもとに作成。

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シリアのアル=カーイダ「シャーム解放機構」と新興のアル=カーイダ系組織「信者を煽れ作戦司令室」がアレッポ県のシリア軍拠点を攻撃、ロシア軍戦闘機が介入し、爆撃を実施(2019年4月27日)

アレッポ県では、ANHA(4月27日付)によると、新興のアル=カーイダ系組織フッラース・ディーン機構、アンサール・ディーン戦線、アンサール・タウヒード、アンサール・イスラーム集団からなる「信者を煽れ」作戦司令室が、ザンマール町近郊のシリア軍拠点を襲撃、シリア軍と砲撃戦になった。

またウマル・ブン・ハッターブ軍を名のる武装集団もハーン・トゥーマーン村近郊のシリア軍拠点を攻撃し、シリア軍と砲撃戦となった。

シリア人権監視団によると、攻撃を行ったのは、シャーム解放機構とフッラース・ディーン機構。

戦闘は週時間に及び、ロシア軍戦闘機が介入、同地を爆撃、反体制武装集団は撤退したという。

戦闘でシリア軍兵士17人が死亡、30人が負傷、反体制武装集団側も8人が死亡したという。

「信者を煽れ」作戦司令室が発表した声明によると、戦闘でシリア軍将兵25人を殺傷したという。

一方、SANA(4月27日付)によると、ハラサ村で活動を続ける反体制武装集団がハーディル村を砲撃し、住民2人が死亡、複数が負傷した。

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ハマー県では、SANA(4月27日付)によると、シリア軍がハスラーヤー村、カフルズィーター市一帯にあるシャーム解放機構の拠点を砲撃した。

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イドリブ県では、SANA(4月27日付)によると、シリア軍がアービディーン村一帯にある反体制武装集団の拠点を砲撃した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を5件(アレッポ県1件、ラタキア県3件、ハマー県1件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を25件(アレッポ県9件、イドリブ県6件、ハマー県10件)確認した。

AFP, April 27, 2019、ANHA, April 27, 2019、AP, April 27, 2019、al-Durar al-Shamiya, April 27, 2019、al-Hayat, April 28, 2019、Ministry of Defence of the Russian Federation, April 27, 2019、Reuters, April 27, 2019、SANA, April 27, 2019、UPI, April 27, 2019などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:レバノンから391人、ヨルダンから729人の難民が帰国、避難民16人(うちラクバーン・キャンプからの帰還者0人)が帰宅(2019年4月27日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(4月27日付)を公開し、4月26日に難民1,120人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは391人(うち女性108人、子供183人)、ヨルダンから帰国したのは729人(うち女性240人、子供409人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は203,274人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者71,764人(うち女性21,557人、子ども36,318人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者131,510人(うち女性39,481人、子ども67,059人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は 432,554人(うち女性129,814人、子供220,499人)となった。

なお、45カ国で難民登録したシリア人の数は6,659,752人(うち女性1,997,926人、子供3,396,474人)。

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一方、国内避難民16人が新たに帰宅した。

うち東グータ地方に帰宅したのは11人(うち女性2人、子供7人)、ダイル・ザウル県サーリヒーヤ村の通行所を経由してダマスカス郊外県、ヒムス県などに帰宅したのは0人、ヒムス県南東グラーブ山の通行所を経由して帰還したのは5人、イドリブ県アブー・ズフール町郊外の通行所を経由して帰宅したのは0人だった。

これにより、2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は23,712人(うち女性7,556人、子供10,672人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,292,308人(うち女性390,115人、子供654,438人)となった。

なお、グラーブ山通行所を経由して帰還した5人のうち、米主導の有志連合が占領するヒムス県タンフ国境通行所一帯地域(55キロ地帯)に面するヨルダン北東部のルクバーン・キャンプから帰国した難民は0人だった。

これにより、2019年2月23日以降、同キャンプから帰国した難民は7,434人(うち女性2,017人、子供274人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, April 27, 2019をもとに作成。

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