ヨルダン国境に面するナスィーブ国境通行所が住民の襲撃を受け、アサド大統領の写真が破られ、ヨルダンからの産品が焼かれる(2019年10月23日)

ダルアー県では、HFL(10月23日付)によると、ヨルダン国境に面するナスィーブ国境通行所をナスィーブ村の住民が襲撃し、アサド大統領の写真を破るなどの破壊行為に及んだ。


これを受けて、シリア軍のパトロール部隊が首都ダマスカス方面から破壊され、住民1人を拘束した。

住民は拘束中に暴行を受け、ほどなく釈放され、病院に搬送された。

なお、ヨルダン側のジャービル国境通行所のアッラーウィー・バシャービシャ出荷局長によると、住民の襲撃により、ヨルダン製の商品の一部が消失した。

AFP, October 23, 2019、ANHA, October 23, 2019、AP, October 23, 2019、al-Durar al-Shamiya, October 23, 2019、HFL, October 23, 2019、Reuters, October 23, 2019、SANA, October 23, 2019、SOHR, October 23, 2019、UPI, October 23, 2019などをもとに作成。

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ジェフリー米国務省シリア問題担当特使「米国にはアサド政権を退陣させる計画はない」(2019年10月23日)

ジェームズ・ジェフリー米国務省シリア問題担当特使は米上院の外交委員会で「米国にはアサド政権を退陣させる計画はない」と述べた。

ジェフリー特使はまた「アサドとは交渉いないが、米国は国連主催の交渉の一員である」と付言した。

一方、ダーイシュ(イスラーム国)対策については、「米国は人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍と協力を続け、ダーイシュ(イスラーム国)の復活を阻止する」と述べた。

スプートニク・ニュース(10月23日付)が伝えた。

AFP, October 23, 2019、ANHA, October 23, 2019、AP, October 23, 2019、al-Durar al-Shamiya, October 23, 2019、Reuters, October 23, 2019、SANA, October 23, 2019、SOHR, October 23, 2019、Sputnik News, October 23, 2019、UPI, October 23, 2019などをもとに作成。

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プーチン・エルドアン合意に基づきロシア・トルコ軍がアイン・アラブ市で合同パトロールを開始する一方、トルコ占領下のラッカ県で爆発が発生し、3人死亡(2019年10月23日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍憲兵隊がアイン・アラブ(コバネ)市内でパトロール活動を行った。

パトロール活動は22日のロシアのヴラジミール・プーチン大統領とトルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領の合意を受けたもの。

一方、シリア人権監視団によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍がラアス・アイン市近郊のジャーファー村を攻撃、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍が応戦した。

トルコ軍はまた、アアザーズ市近郊のマルアナーズ村を砲撃、バーブ市近郊のハズワーン村一帯ではシリア民主軍と国民軍が交戦した。

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ラッカ県では、シリア人権監視団によると、トルコ占領下のスルーク町では、トルコの支援を受ける東部自由人連合の拠点近くで車に仕掛けられた爆弾し、3人が死亡、18人が負傷した。

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ハサカ県では、SANA(10月23日付)によると、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の撤退が予定されているカーミシュリー市で自動車に仕掛けられていた爆弾が爆発した。

また北・東シリア自治局の支配が継続されるシャッダーディー市でもオートバイに仕掛けられていた爆弾が爆発し、住民複数人が負傷した。

一方、シリア人権監視団によると、22日のロシアのヴラジミール・プーチン大統領とトルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領の合意を受けるかたちで、ハサカ市方面に避難していたダルバースィーヤ市住民が帰還を始めた。

AFP, October 23, 2019、ANHA, October 23, 2019、AP, October 23, 2019、al-Durar al-Shamiya, October 23, 2019、Reuters, October 23, 2019、SANA, October 23, 2019、SOHR, October 23, 2019、UPI, October 23, 2019などをもとに作成。

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トランプ米大統領はトルコの侵攻作戦終了を米国によって生み出された結果」と自賛(2019年10月23日)

ドナルド・トランプ米大統領は、ホワイト・ハウスでシリア情勢について演説し、「トルコ政府から「シリアでの攻撃を停止し、停戦を恒久的なものとする」との連絡があった」と述べ、トルコが一時的に停止してきたシリア北東部に対する侵攻作戦(「平和の泉」作戦)の終了を通知してきたと明らかにした。

トランプ大統領はこれに関して、「停戦は米国によって生み出された結果だ」と自賛、トルコへの制裁を解除すると付言した。

トランプ大統領はまた、ツイッターの公式アカウント(https://twitter.com/realDonaldTrump/ へのリンク)で、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍のマズルーム・アブディー総司令官と電話会談を行い、謝意を示されたとしたうえで、「アブディー総司令官の温かい言葉と勇気に感謝する。クルド人によろしく伝えて欲しい。すぐに会えることを楽しみしている」と綴った。

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AFP(10月23日付)は、米政府高官の話として、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍が米政府に、シリア北東部の「安全地帯」設置予定地域から撤退したことを通知してきたと伝えた。

同高官によると、シリア民主軍は、トルコと米国の合意に従って所定の地域から撤退したという。

またフッラ・チャンネル(10月23日付)は、米政府匿名高官の話として、シリア民主軍のマズルーム・アブディー総司令官が、米国に対してダーイシュ(イスラーム国)との戦いでの支援の継続を要請したと伝えた。

AFP, October 23, 2019、Alhurra, October 23, 2019、ANHA, October 23, 2019、AP, October 23, 2019、al-Durar al-Shamiya, October 23, 2019、Reuters, October 23, 2019、SANA, October 23, 2019、SOHR, October 23, 2019、UPI, October 23, 2019などをもとに作成。

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トルコ国防省は、ロシア、さらには米国との合意を受けてシリア北東部への侵攻作戦「平和の泉」作戦を終了したと発表(2019年10月23日)

トルコ国防省は声明を出し、10月9日に開始したシリア北東部への侵攻作戦「平和の泉」作戦を終了すると発表した。

声明において、国防省は「シリアにかかるトルコとロシアの合意に従い、新たな軍事作戦を行う必要はなくなった。両国間で協同の努力が始められることになる」と表明した。

また、「10月17日にトルコと米国はユーフラテス川東岸にかかる合意を交わし、これに従い、「平和の泉」作戦が120時間中止された…。米国は猶予期間が終わりに、クルディスタン労働者党(PKK)/人民防衛隊(YPG)のこの地域からの撤退プロセスを完了したと発表した。ソチでのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領とロシアのヴラジミール・プーチン大統領の10月22日の合意を踏まえて、今日からロシアとの協同の取り組みが始められる」と付言した。

AFP, October 23, 2019、ANHA, October 23, 2019、AP, October 23, 2019、al-Durar al-Shamiya, October 23, 2019、Reuters, October 23, 2019、SANA, October 23, 2019、SOHR, October 23, 2019、UPI, October 23, 2019などをもとに作成。

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ロシア国防省はプーチン・エルドアン合意に基づくシリアの新たな勢力地図を公開するとともに、シリア軍が国境地帯に15の監視所を設置すると発表(2019年10月23日)

ロシア国防省は、インターネットの公式サイト(http://mil.ru/index.htm)を通じて、22日のロシアのヴラジミール・プーチン大統領とトルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領の合意に基づいたシリアの新たな勢力図を発表した。

地図には、トルコが「平和の泉」作戦で占領下地域(ハサカ県ラアス・アイン市からタッル・アブヤド市にいたる幅30キロの地域)、ロシア・トルコ軍が合同パトロールを行う幅10キロの地域の境界線、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍が撤退し、シリア軍が代わって展開する幅30キロの地域の境界線が書かれている。

ロシア国防省はまた、シリア軍が国境地帯に15の監視所を設置することを決定したと発表、その位置も地図で示した。


プーチン大統領とエルドアン大統領の合意内容は「ロシアのプーチン大統領とトルコのエルドアン大統領は「平和の泉」作戦地域以外からのYPGの撤退、シリア・ロシア軍の展開など10項目を合意(2019年10月22日)」を参照のこと。

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SANA(10月23日付)は、ハサカ県のユーフラテス川東岸(ジャズィーラ地方)へのシリア軍の展開が続いたと伝え、その写真、映像を公開した。

AFP, October 23, 2019、ANHA, October 23, 2019、AP, October 23, 2019、al-Durar al-Shamiya, October 23, 2019、Reuters, October 23, 2019、SANA, October 23, 2019、SOHR, October 23, 2019、UPI, October 23, 2019などをもとに作成。

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ロシア軍戦闘機がシャーム解放機構などの支配下にあるイドリブ県を爆撃(2019年10月23日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機がシャーム解放機構などの支配下にあるカフルサジュナ村、シャイフ・ムスタファー村、ジャバーラー村を爆撃した。

シリア軍地上部隊もカフルサジュナ村、ラカーヤー村、タッル・ナール村、タッフ村、バーブーリーン村、スィフヤーン村、ウンム・ジャラール村、マアッラト・ハルマ村を砲撃した。

これに対して、シャーム解放機構はサッバーギーヤ農場、カフルヤルドゥーン村を砲撃した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シャーム解放機構がラスィーフ村、アズィーズィーヤ村を砲撃した。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シリア軍ヘリコプターがカッバーナ村一帯を「樽爆弾」で爆撃、地上部隊が同地を砲撃した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍地上部隊がハーン・トゥーマーン村、ハラサ村、ハミーラ村を砲撃した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を15件(イドリブ県7件、ラタキア県11件、アレッポ県4件、ハマー県3件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を27件(イドリブ県7件、ラタキア県11件、アレッポ県3件、ハマー県6件)確認した。

AFP, October 23, 2019、ANHA, October 23, 2019、AP, October 23, 2019、al-Durar al-Shamiya, October 23, 2019、Ministry of Defence of the Russian Federation, October 23, 2019、Reuters, October 23, 2019、SANA, October 23, 2019、SOHR, October 23, 2019、UPI, October 23, 2019などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:レバノンから412人、ヨルダンから438人の難民が帰国、避難民0人が帰宅(2019年10月23日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(10月23日付)を公開し、10月22日に難民850人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは412人(うち女性123人、子供210人)、ヨルダンから帰国したのは438人(うち女性131人、子供223人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は444,986人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者142,021人(うち女性42,989人、子ども72,730人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者302,965人(うち女性90,929人、子ども154,501人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

45カ国で難民登録したシリア人の数は6,655,584人(うち女性1,996,675人、子供3,394,348人)。

また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は 674,266人(うち女性202,576人、子供344,153人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, October 23, 2019をもとに作成。

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