シリア南東部の油田地帯にとどまる米軍は約900人になる見込み(2019年10月31日)

『ニューヨーク・タイムズ』(10月31日付)は、複数の消息筋の話として、シリア南東部の油田地帯にとどまる米軍の規模が約900人に達する見込みだと伝えた。

同紙によると、ダイル・ザウル県の油田地帯に残留する米軍は約750人、そのほかにヒムス県のタンフ国境地帯一帯地域(55キロ地帯)にも部隊は駐留を続けるという。

AFP, October 31, 2019、ANHA, October 31, 2019、AP, October 31, 2019、al-Durar al-Shamiya, October 31, 2019、The New York Times, October 31, 2019、Reuters, October 31, 2019、SANA, October 31, 2019、SOHR, October 31, 2019、UPI, October 31, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

アサド大統領がシリア・チャンネルとイフバーリーヤ・チャンネルの共同インタビューに応じる:「バグダーディーもダーイシュも必要に応じて米国によって再生される」(2019年10月31日)

アサド大統領は、シリア・チャンネルとイフバーリーヤ・チャンネルの共同インタビューに応じ、米国によるダーイシュ(イスラーム国)のアブー・バクル・バグダーディー指導者の殺害を、米国が言うことは証拠がなければ信じられないとしたうえで、同じような人間が再生産され、ダーイシュも必要に応じて別の名前で再生され、米国がこれを操ることになるだろう、と述べた。

また、シリア北東部の処遇にかかるロシアとトルコの合意に関しては、あくまでも暫定的なもので、すべてを実現するものではなかったが、トルコや米国の侵略や占領を抑止する効果があったと前向きな評価を下し、最終的にはこの地域の支配を完全に回復するとの意志を強調した。

一方、クルド人については、そのほとんどが常に国家と良い関係を築いており、真に愛国的な考えを持っていると評価した。

30日にジュネーブで開幕した制憲委員会(憲法委員会)については、その設置において決して譲歩はしなかったと振り返る一方、そこで国益に合致したものが案出されるのであれば、新憲法であっても同意するが、国益に反するのであれば、いかなる憲法改正・改悪も拒否すると述べた。

アサド大統領の主な発言は以下の通り:

**

(ドナルド・トランプ米大統領が、米軍によるダーイシュ(イスラーム国)のアブー・バクル・バグダーディー指導者を殺害作戦に対するシリアの支援に謝意を示したことに関して)「この作戦にはまったく関与していない。メディアで耳にしただけだ…。我々は米国のいかなる機関ともコミュニケーションをとっていない。より重要なこととして、我々はこの作戦が実際に行われたかどうかも承知していない。レーダーには航空機は映っていなかった。なぜ、バグダーディーの遺体を見せないのか?! 彼らは(遺体の)残骸と言っている。ビン・ラーディンと同じシナリオだ…。なぜ彼らはビン・ラーディンに対する作戦の全貌を隠したのか。そして、今度はバグダーディーに対する作戦だ。米国の偽りの一部だ。我々は証拠が示されなければ、彼らの言うことは信じない」。

「バグダーディーが…体現していた思想は過激なワッハーブ思想だ。この思想は200年以上も続いている。この思想がなくならないかぎり、バグダーディーの死は何の影響も及ぼさない…。個人としてのバグダーディーについてだが、彼がイラク領内の米国の刑務所にいたことは周知の通りだ。彼らが出獄させ、役割を演じさせたのだ。いつでも交換できる個人に過ぎない…。米国の政策はハリウッドと違わない。想像に頼っている…。バグダーディーは別の名前で、別の人物として再生されるだろう。おそらくダーイシュそのものも、必要に応じて、別の名前で再生される。思想そのものは、その利用そのものは続く。そしてこれを操るのは米国だ」。

(シリア北東部の処遇に関するロシアとトルコの協議・合意に関して)「ロシアの政策は現実に対処するかたちで行われており、これまでに二つのことが実現された。第1に、武装部隊(人民防衛隊YPG)主体のシリア民主軍」の北部から南部への撤退であり、これはシリア軍との連携のもとに行われ、(これを受けて、第2に)同軍はトルコが占領していない北部に展開した。これはトルコの存在を廃するものではないが、良いことだ…。しかし、この合意は暫定的なものであって、持続的なものではない…。我々は最終目標と戦略を区別しなければならない…。この合意は良い合意だ…。なぜなら、もう一つの側面があるからだ。トルコの進駐は…米国が望むところでもあったからだ。トルコには野望があるが、ロシアとの関係…が、それを抑制した。さらに、米国が北部をもてあそぶ道を絶った…。だから、我々はこの合意が前向きな一歩だと言っている」。

「アスタナ(・プロセス)を通じてトルコの撤退についての合意がなされたが、まだそれは履行されていない。だが、我々はイドリブ県を解放する。政治プロセス、政治対話、テロリストを退去させるさまざまな試みが行われるなかで1年間の遅れが生じているが、すべての機会を活かすことで、最終的には、軍事プロセスを通じて解放する。もちろん、漸進的にではあるが…。北部でも同じことが起こるだろう」。

「トルコは(シリアでの)この戦争における米国の代理人に過ぎない。そして、我々が戦ってきたあらゆる戦場で、トルコの代理人に対峙してきた。この代理人が出て行かないのであれば…、戦争以外の選択肢はない。これは自明のことだ…。だが、我々はさまざまな政治プロセスが行われる余地を残している」。

(米軍の撤退は米国、トルコ、そしてロシアの合意の一環ではなかったのかとの問いに対して)「ロシアはこの合意(米軍撤退)の一部をなしていないのは確実だ。ロシアの合意は常に公表されているからだ。トルコとの合意、ロシア仲介による我々とクルド勢力の合意…も当初から公表されてきた」。

「私は彼(トランプ大統領)はましな大統領だと言いたい。なぜか? 彼の政策が良いからではない。彼はより透明性のある大統領だからだ。これまでの大統領は…人権、米国の崇高な価値観…を擁護するような姿勢を示して、犯罪を繰り返してきた…。だが、トランプは「我々は石油が欲しい」とはっきり言う。これが米国の政策の真実だ」。

「米国が言うことは、これまでと同じように…、いずれも信用ならない。敵に対するものであれ、友人に対するものであれ、結果は一つだ」。

「シリア軍の進駐は単に治安・軍事活動を行うためだけではない。シリア軍が進駐するということは、国家が入るということだ。国家が入るというのは、国家が提供しなければならないすべてのサービスが入るということだ。このような合意が(ロシア仲介のもとにシリア民主軍との間で)交わされた。我々は、全域ではないが、ほとんどの地域に入った。いぜんとして困難はある。我々が介入できたのは、トルコの侵攻に先だって、これらのグループ(シリア民主軍)と直接、そして古くからの関係があったからだ」。

(クルド人との共存は可能かとの問いに対して)「クルド人のなかに、米国の手先のような地位にいた者がいたことは確かだ。だが、アラブ人にも似たようなことはあった…。こうした状況はシリアのほとんどの階層にもあてはまる。一部のクルド人グループがこうした活動をするなかで、自分たち自身をクルド人だけではく、アラブ人の代表、さらにはジャズィーラ地方におけるそれ以外のすべての階層を代表していると位置づけ、米国が武器や資金を支援したことが間違いだった…。そこで暮らしている人々はいずれもクルド人だ。現在対処しているのは一部の(クルド人からなる)政党だと言うべきだ。ほとんどのクルド人は、常にシリアの国家と良い関係を築いており、つねに我々とコミュニケーションをとり、真に愛国的な考えを示してきた…。だから、もちろん我々は共存できる」。

「こうしたグループは、シリアという国家が排外主義的だと疑う。バアス党が排外的な党だと疑う。だが、統計問題が生じた1962年に、バアス党は政権の座にいなかった…。(しかし)分離主義なアジェンダが存在する。ここが「シリアのクルディスタン」で、クルディスタンの一部だと表記するような地図があったりする。我々には、領土の統一性を守る権利があり、こうした分離主義的なアジェンダに警戒する権利がある。とはいえ、我々にとって、シリアが多様でアルということには何らも問題もない。むしろ、シリアの多様性とは美しく、豊かなものであり、力を意味する。豊かさや多様性と、分離、分割、国家解体は別問題だで、それが問題なのだ」。

(シリア政府の支配下で数年にわたりクルド人が暮らしたことの弊害に関して)「第1に子供たち、そして第2に若い世代にとって問題だ。多くの問題があるが、こうした世代は、国家や法が何を意味するのかを知らずに育ってしまった…。だが、より深刻なのは、アラビア語を学ばないで育ってしまった子供たちが一部の地域にいることだ。あるいは、その一部は過激主義の概念、国家に反する概念、さらには祖国に反する概念を学んでしまった…。こうした問題に関して、特に教育省、国防省、内務省が対応を検討している」。

「米国は占領者だ…東部にいようが、北部にいようが、南部にいようが…。だが我々はどのようにこの現実に対処すべきか? 我々は米国と対決するために軍を送るだろうか…。我々にその能力はあるのか? 我々シリア人にとって、こうした言葉の意味は明白だと思う…。もし抵抗が生じれば、米国が辿る道は、イラクで起きたのと同じものとなろう。だが、抵抗という言葉は、買弁とは逆の意味の大衆的な状態を必要とする。大衆的で愛国的な状態が抵抗であり、こうした状態において国家は、占領者に対する大衆的な抵抗を全面支援するのが当然の役割となる…。だが、米国であれ、米国以外の国であれ、トルコであれ、こうした国をこの地域にもたらしたのが、シリア人の手先、裏切り者のシリア人であることを忘れてしまうというのは、非論理的ではない…。我々はこうしたシリア人に対処し…、愛国心を取り戻させねばならない…。我々は占領に対して一つになる必要があり、そうした段階にいたったとき、米国は撤退し、シリアにとどまる機会はなくなるだろう」。

「(ゲイル・)ペデルセン氏(シリア問題担当国連特別代表)が包括的な軍事作戦なしにその問題(イドリブ県の問題)を解決するツールと能力を持っているのであれば、それはすばらしい…。我々はそれを妨げはしない。問題は簡単だ。トルコに言って、トルコ人を説得して、民間人と戦闘員を分けてもらえばいい…。もっと簡単なのは、誰が戦闘員で誰が非戦闘員なのかを区別する方が手っ取り早い。だが、実際のところ、テロとの戦いは理論、演説、説教では済まされない」。

「しかし、こうした機会(政治的行動)が潰えた場合、民間人を救出するために軍事行動を実行せざるを得ない。民間人を戦闘員の支配下に留めたままでは、彼らを救出できない。西側の論理は、民間人を救出するために軍事行動を停止せよ、というものだ。だが、これは逆の論理だ。もちろん、それは意図的で小賢しいものなのだが。テロリストの支配下に民間人がいるというのが、西側にとっての民間人保護なのだ…。しかし、実際は軍が介入することが民間人を保護することになる。民間人をテロリストの支配下に留めれば、テロリストを資することになるし、民間人殺害に貢献することになる」。

(ロシアの圧力でイドリブ県への総攻撃が中止されたとの記者の言葉に対して)「圧力という言葉は正確ではない。我々はロシア、イランと一つの戦いを行っている…。我々は何度も、作戦の日程について三者で合意してきた。作戦が延期されることも何度もあった…。一方、我々はこれらの地域(イドリブ県)の民間人とコミュニケーションをとっている。事実、これらの地域の民間人を我々の支配地域に移送する余地を可能な限り設けている」。

「(ロシアの・ヴラジミール・プーチン大統領によるシリア国内での)大規模軍事作戦の終了宣言はテロとの戦いの終わりを意味しない」。

(イドリブ県の反体制武装集団を追放するかとの問いに)「トルコはそれを受け入れてない。ただ、これは我々には関係のないトルコの問題だ…。トルコに去らない者の前には二つの選択肢がある。国家の庇護のもとに復帰し、社会復帰をめざすか、戦争かだ。我々にとっても、彼らにとっても、それ以外の選択肢はない」。

(トルコ政府との接触を行っているかとの問いに対して)「こうした会談はすべてのレベルにおいて治安関連のものだ。ただし、レベルは様々だ。その一部、2、3階は両国国境に近いシリア側のカサブ市(ラタキア県)で行われた。ロシアでも何度も行われた…。ただし、真の成果は得られなかった…。会談は二国間ではなく、すべて三カ国(ロシアの仲介)によるものだ」。

(占領国であるトルコ政府の高官となぜ接触してきたのかとの問いに対して)「トルコとイスラエルの間には幾つか違いがある。我々はイスラエルの存在を法的に承認していない。イスラエル国民の存在を承認していない。イスラエルの民というのは紀元前に存在していただけだ…。一方、トルコ国民は存在する。彼らは隣人であり、彼らとの間には共通の歴史がある…。トルコは現存する国家であり、隣国だ」。

「彼ら(制憲委員会の反体制派代表)の一部は…いわゆる「穏健な反体制派」を装っている…。しかし、かれらはヌスラ戦線(シャーム解放機構)と直接つながりがある(組織の)名前を挙げることを余儀なくされてきた。我々はそれらがヌスラ戦線だという理由で拒否してきた…。彼らはテロリストだ。だが、結局のところ、我々はこうした人物に同意した。それがおそらくサプライズ(妥協)に見えたのだろう。なぜなら、我々は、結果、背景、所属、メンバーが同じだと言ってきたからだ…。操り人形そのものだ」。

「制憲委員会は、テロリストが残留したままでは、問題を解決しない?!… 問題解決はテロ撲滅から始められる。問題解決は外国の干渉を停止することから始められる。シリア人どうしの対話はこれを保管し、これに貢献するものだが、これら二つにとって代わるものではない…。選挙は徹頭徹尾、(国連の監視下ではなく)国家の監督のもとに行われるだろう」。

「我々は憲法を改正するのか、新憲法を前にするのか? 我々が憲法の条項を改正し、投票にかけたことで、それは新憲法となった。改正と新憲法の間には違いはない…。我々にとっての関心は、この委員会(制憲委員会)の会合で何がもたらされ、それが国益と合致すると考えられるかということだ。(国益に合致するなら)新しい憲法になったとしても、我々は同意する。たとえ、1項目だけであったとしても、それが国益に反するのであれば、我々はこれに反対するだろう」。

(国内で複数のビジネスマンが汚職で逮捕されていることに関して)「汚職撲滅の一環というのは正しいが、それはキャンペーンではない。なぜなら、キャンペーンという言葉は、我々がそれを今始めたかのような印象を与える。キャンペーンとは、始まりと終わりがあり、一時的なものだ」。

AFP, October 31, 2019、ANHA, October 31, 2019、AP, October 31, 2019、al-Durar al-Shamiya, October 31, 2019、Reuters, October 31, 2019、SANA, October 31, 2019、SOHR, October 31, 2019、UPI, October 31, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ダーイシュはバグダーディー指導者とアブー・ハサン報道官の死亡を認め、アブー・イブラーヒーム・クラシーなる人物を新カリフに任命したと発表(2019年10月31日)

ダーイシュ(イスラーム国)のアブー・ハムザ・ムハージル報道官は、広報部門の一つフルカーン広報制作機構を通じて音声声明を出し、アブー・バクル・バグダーディー指導者とアブー・ハサン・ムハージル報道官が死亡したことを認めた。

7分強の音声声明のなかで「我々はあなた方に…信者の長にしてイスラーム教徒のカリフであるシャイフ・ムジャーヒド・アブー・バクル・バグダーディーの悲報を伝える…。我々はイスラーム国の公式報道官であるシャイフ・ムジャーヒド・アブー・ハサン・ムジャーヒルの悲報を伝える。両名は数日前に殺害された」と発表されたが、殺害の経緯については明らかにされなかった。

アブー・ハムザ・ムハージル氏はまた、バグダーディー指導者の死亡を確認したことを受けて、ダーイシュの諮問評議会が緊急会合を開き、アブー・イブラーヒーム・クラシー氏をバグダーディー指導者の後任の「カリフ」に任命したと発表、諮問委員会がクラシー氏に忠誠(バイア)を誓ったと付言した。

合わせて、自身がアブー・ハサン・ムハージル氏の死を受けて新たな報道官に就任したと発表した。

そのうえで、アブー・ハムザ・ムハージル報道官は、新たにカリフとなったクラシー氏がバグダーディー前指導者の時よりもさらに激しい攻撃を米国に対して行うと強調、メンバーに対して、バグダーディー前指導者殺害への復讐を行うよう呼びかけた。

アブー・イブラーヒーム・クラシー氏が何者なのかは不明。

AFP, October 31, 2019、ANHA, October 31, 2019、AP, October 31, 2019、al-Durar al-Shamiya, October 31, 2019、Reuters, October 31, 2019、SANA, October 31, 2019、SOHR, October 31, 2019、UPI, October 31, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

制憲委員会(憲法委員会)が非公式会合を開催(2019年10月31日)

制憲委員会(憲法委員会)は、30日の開幕会合に続いて、31日に第1回会合を開いた。

会合は非公式のかたちで行われた。

SANA(10月31日付)が伝えた。

AFP, October 31, 2019、ANHA, October 31, 2019、AP, October 31, 2019、al-Durar al-Shamiya, October 31, 2019、Reuters, October 31, 2019、SANA, October 31, 2019、SOHR, October 31, 2019、UPI, October 31, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

米軍部隊がシリア軍の検問所前を悠然と通過してアレッポ県スィッリーン町の基地から撤退(2019年10月31日)

シリア人権監視団によると、アレッポ県スィッリーン町の基地に駐留していた米軍部隊が、車輌150輌からなる車列を編成し、ラッカ県のアイン・イーサー市を経由して、ハサカ県、そしてイラクに向かった。

SNSなどでは、米軍装甲車がハサカ県タッル・タムル町近郊に設置されているシリア軍の検問所前を悠然と通過する写真が拡散された。

撤退に際して、米軍の航空機が上空を旋回、また、米軍装甲車5輌からなる偵察部隊が、ハサカ県北東部のカフターニーヤ市一帯でパトロール活動を行った。

**

一方、有志連合のマイルズ・コギンズ(Myles Caggins)報道官(米軍大佐)は、M2 ブラッドレー歩兵戦闘車からなる最初の部隊がダイル・ザウル県に派遣されたと発表した。

AFP, October 31, 2019、ANHA, October 31, 2019、AP, October 31, 2019、al-Durar al-Shamiya, October 31, 2019、Reuters, October 31, 2019、SANA, October 31, 2019、SOHR, October 31, 2019、UPI, October 31, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

国民軍が29日に捕捉したシリア軍兵士18人の身柄をトルコがシリア軍に引き渡す一方、トルコ・ロシア軍が国境地帯での合同パトロールに向けて初会合(2019年10月31日)

ハサカ県では、シリア人権監視団によると、29日にトルコの支援を受ける国民軍がアブー・ラースィーン町一帯での戦闘で捕捉したシリア軍将兵18人の身柄を、トルコ軍がダルバースィーヤ市の国境通行所でシリア軍に引き渡した。

https://www.facebook.com/syriahro/posts/10158234292963115

また、ロシア軍とトルコ軍がダルバースィーヤ市の国境通行所で初会合を開き、合同パトロールの仕組みを調整するために協議した。

このほか、シリア軍と人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の増援部隊がタッル・タムル町に到着、展開した。

AFP, October 31, 2019、ANHA, October 31, 2019、AP, October 31, 2019、al-Durar al-Shamiya, October 31, 2019、Reuters, October 31, 2019、SANA, October 31, 2019、SOHR, October 31, 2019、UPI, October 31, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア政府、北・東シリア自治局支配下のハサカ市、ダイル・ザウル県シュハイル村でも爆発が発生(2019年10月31日)

ハサカ県では、SANA(10月31日付)によると、シリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるハサカ市のサーリヒーヤ地区で車に仕掛けられていた爆弾が爆発し、住民4人が負傷した。

**

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、北・東シリア自治局支配下のシュハイル村で車に仕掛けられていた爆弾が爆発し、住民複数人が負傷した。

AFP, October 31, 2019、ANHA, October 31, 2019、AP, October 31, 2019、al-Durar al-Shamiya, October 31, 2019、Reuters, October 31, 2019、SANA, October 31, 2019、SOHR, October 31, 2019、UPI, October 31, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

トルコ占領下のアレッポ県北部各所で相次いで爆発が発生し、少なくとも10人が死亡(2019年10月31日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、トルコの占領下にあるアフリーン市の野菜市場で車に仕掛けられた爆弾が仕掛けられていた車が爆発し、10人が死亡した(ANHA(10月31日付)によると死者は9人)。

また、アアザーズ市近郊のサジュー村でシャーム戦線の車輌に仕掛けられていた爆弾が爆発し、複数人が死傷した。

このほか、ラーイー村近郊のタッル・ハワー村にあるスルターン・ムラード師団の拠点近く、アフリーン市近郊のシャッラーン町でも爆弾が仕掛けられた車やオートバイが爆発した。

**

ラッカ県では、ANHA(10月31日付)によると、ハマーム・トゥルクマーン村で爆弾が仕掛けられたオートバイが爆発した。

AFP, October 31, 2019、ANHA, October 31, 2019、AP, October 31, 2019、al-Durar al-Shamiya, October 31, 2019、Reuters, October 31, 2019、SANA, October 31, 2019、SOHR, October 31, 2019、UPI, October 31, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア駐留ロシア軍司令部が設置されているフマイミーム航空基地が無人航空機(ドローン)を撃破する一方、ロシア軍がシャーム解放機構支配下のイドリブ県各所を爆撃(2019年10月31日)

ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シリア駐留ロシア軍司令部が設置されているフマイミーム航空基地(バースィル・アサド空港)近くで少なくとも4回にわたり爆発が発生した。

爆発は、ロシア軍の防空部隊が所属不明の無人航空機(ドローン)を迎撃したことによるもの。

これに対して、ロシア軍戦闘機がシャーム解放機構などの支配下にあるカッバーナ村一帯を爆撃した。

シリア軍も地上部隊が同地を砲撃し、シャーム解放機構などからなる反体制武装集団と交戦した。

一方、ドゥラル・シャーミーヤ(10月31日付)によると、トルコの支援を受ける国民軍がトルコマン山のワーディー・サルールにあるシリア軍拠点を襲撃した。

**

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機がシャーム解放機構などの支配下にあるスフーフン村、カフルナブル市、ハーッス村、ファッティーラ村、ラッファ村、ブライサ村、ラカーヤー村、ハザーリーン村を爆撃した。

ドゥラル・シャーミーヤ(10月31日付)によると、カフルナブル市に対する爆撃では、子ども2人を含む3人が死亡した。

また、シリア軍も地上部隊が、マアッラト・ハルマ村、カフルサジュナ村、シャイフ・ムスタファー村、ウライニバ村、マウカ村、タフターヤー村、ウンム・ジャラール村を砲撃した。

一方、シャーム解放機構が管理するダルクーシュ町の武器弾薬庫で爆発が発生した。

爆発の原因は、何者かがダルクーシュ町西のドゥワイサート村に近郊にあるトルキスタン・イスターム党の拠点を狙ったことによって生じたもので、子ども2人を含む住民4人が巻き添えとなって死亡した。

**

ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍地上部隊がジスル・バイト・ラース村、マナーラ村を砲撃した。

**

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍地上部隊がマアーッラト・アルティーク村を砲撃した。

**

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を16件(イドリブ県4件、ラタキア県7件、アレッポ県4件、ハマー県1件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を34件(イドリブ県17件、ラタキア県9件、アレッポ県4件、ハマー県4件)確認した。

AFP, October 31, 2019、ANHA, October 31, 2019、AP, October 31, 2019、al-Durar al-Shamiya, October 31, 2019、Ministry of Defence of the Russian Federation, October 31, 2019、Reuters, October 31, 2019、SANA, October 31, 2019、SOHR, October 31, 2019、UPI, October 31, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

AFP, October 31, 2019、ANHA, October 31, 2019、AP, October 31, 2019、al-Durar al-Shamiya, October 31, 2019、Reuters, October 31, 2019、SANA, October 31, 2019、SOHR, October 31, 2019、UPI, October 31, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシア難民受入移送居住センター:レバノンから185人、ヨルダンから679人の難民が帰国、避難民1人(うちルクバーン・キャンプからの帰還者0人)が帰宅(2019年10月31日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(10月31日付)を公開し、10月30日に難民864人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは185人(うち女性55人、子供95人)、ヨルダンから帰国したのは679人(うち女性204人、子供346人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は452,320人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者144,477人(うち女性43,725人、子ども73,982人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者307,843人(うち女性92,392人、子ども156,989人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

45カ国で難民登録したシリア人の数は6,657,484人(うち女性1,997,245人、子供3,395,317人)。

また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は 681,600人(うち女性204,775人、子供347,893人)となった。

**

一方、国内避難民1人が新たに帰宅した。

うち東グータ地方に帰宅したのは0人、ダイル・ザウル県サーリヒーヤ村の通行所を経由してダマスカス郊外県、ヒムス県などに帰宅したのは0人、ヒムス県南東グラーブ山のジュライギム通行所を経由して帰還したのは1人、イドリブ県アブー・ズフール町郊外の通行所およびハマー県スーラーン町の通行所を経由して帰宅したのは0人だった。

グラーブ山通行所を経由して帰還した1人のうち、米主導の有志連合が占領するヒムス県タンフ国境通行所一帯地域(55キロ地帯)に面するヨルダン北東部のルクバーン・キャンプから帰国した難民は0人だった。

これにより、2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は36,292人(うち女性11,218人、子供16,491人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,304,900人(うち女性393,777人、子供660,257人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, October 31, 2019をもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.