DW:シャルア移行期政権内の外国人戦闘員の現況についてレポート記事を掲載:その数は推計で1,500~6,000人(2025年5月22日)

DWは、ダーイシュ(イスラーム国)がドナルド・トランプ米大統領によるシリアへの制裁解除宣言と、アフマド・シャルア暫定大統領との会談を受けて、外国人戦闘員に決起を呼びかけたことを受けて、シャルア移行期政権内の外国人戦闘員の現況についてレポート記事を掲載した。

それによると、シャルア移行期政権の中核をなすシャーム解放機構(1月に解体)とともに戦った外国人戦闘員の正確な人数を把握するのは困難だが、推計では1,500人から6,000人の間とされており、多くの専門家は中間の3,000~4,000人程度が妥当と見ている。

最大勢力は、中国新疆ウイグル自治区、中央アジア、東アジア出身のウイグル人(出身者など)であり、彼らの多くはトルキスタン・イスラーム党に所属している。。

そのほかにも、ロシアおよび旧ソ連構成国、バルカン諸国、フランス、イギリス、トルコ、アラブ諸国の出身者がいる。

2024年12月のシャーム解放機構主導のアサド政権打倒作戦において、ウイグル人やチェチェン人を含む複数の外国人戦闘員グループは作戦成功の鍵を握っていたとされ、その論功行賞として、複数の外国人戦闘員が幹部士官に任命されるなどしていた。

シャーム解放機構について詳しいワシントン研究所のアーロン・ゼリン上級研究員は、DWに対し、「外国人戦闘員が現在のシリア治安部隊にとってどれほど重要かを判断するのは難しい…。なぜなら、明らかにシリア人の方が圧倒的に多いからだ」と述べた。

だが、ゼリン上級研究員によると、外国人全員が等しく扱われているわけではなく、たとえば、ウイグル人戦闘員は、現在ではシャルア暫定大統領の「親衛隊」的役割を果たしているという。

ゼリン上級研究員は「彼ら(ウイグル人)は事実上、シャルア暫定大統領を守っている存在だ。彼は彼らを信頼しており、アサド政権との戦いをともにした「戦友と見なしている」と述べた。

一方、現在ドイツに住むシリア難民で元戦闘員の匿名男性は、DWに対して次のように語った。

アレッポでアサド体制軍と戦っていたとき、何人もの外国人戦闘員に出会った。
良い者もいれば、そうでない者もいた。彼らは戦うことに非常に集中しており、多くはサラフィー的な思想を持っていた。
彼らは戦いのある場所を求めて移動していた。

しかし、彼は次のようにも付け加えた。

今、残っている彼らの多くはすでにシリアで家庭を築いている。だから、個人的には彼らにチャンスを与えるべきだと思う。
追放すれば、女性や子どもまで一緒に追い出すことになるからだ。
それに、忘れてはならないのは、シリア人のなかにも、彼らの宗教的思想をある程度共有している人は多いということだ。

一方、米フィラデルフィアを拠点とするシンクタンクの外交政策研究所(FPRI)のムハンマド・サーレフ上級研究員氏は、2025年1月に次のように警告していた。

シャーム解放機構が、女性にヒジャーブを着用しないことを容認したり、アルコール販売を黙認したり、西洋型の政治プロセスへの参加を受け入れたりするなど、これまで通りの「穏健化路線」を継続するなら、組織内過激派、特に外国人ジハーディストたちは、ダーイシュ(イスラーム国)やアルカーイダへ離反、合流、協力する可能性がある。
シャーム解放機構が「過激派として不十分」と感じた者の多くは、すでに離脱している可能性が高い。
残っている外国人戦闘員の多くは、むしろ比較的穏健で、規律ある者たちである。
個々の外国人戦闘員が事件を起こす可能性は残る。

シャルア移行期政権の複数の関係者は、外国人戦闘員が他国にとって脅威ではなく、その規模は新生シリア軍全体に大きな影響を及ぼすほど多くはなく、しかも、彼らは移行期政権に忠誠を誓っていると指摘している。

それゆえ、彼らを新しい治安部隊に統合することこそ、最も現実的な対処策だとする専門家の見解も出ている。

ワシントン研究所のゼリン上席研究員は以下の通り述べている。

米国から出された要求のなかでも、外国人戦闘員の追放は、シリアにとってもっとも困難なものの一つだと思う。
彼ら(移行期政権)は、おそらく外国人戦闘員を手放したくはない。
ただし、彼らが法に反するような行動を取るならば、話は別だろう。

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インディペンデント・アラビーヤ:フォード元在シリア米国大使がシャルア暫定大統領(ジャウラーニー)を「政治的更生」させるために参加していた英国のNGOはインター・ミディエイト(2025年5月22日)

インディペンデント・アラビーヤは、ロバート・フォード元在シリア米国大使が、アフマド・シャルア暫定大統領(アブー・ムハンマド・ジャウラーニー)を「政治的更生」させるために参加していた英国のNGOについて、インター・ミディエイトだったと伝えた。

インター・ミディエイトは2011年にトニー・ブレア元英国首相の首席補佐官を務めたジョナサン・パウエル氏(2024年12月に離職)によって設立された。

また共同設立者には英国の元外交官で、国連イエメン特使、さらに2024年7月まで国連人道問題担当事務次長兼緊急援助調整官を務めたマーティン・グリフィス氏も名を連ねている。

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地元武装勢力がスワイダー市の刑事治安課前に展開(2025年5月22日)

スワイダー県では、スワイダー24によると、地元武装勢力がスワイダー市の刑事治安課前に展開した。

21日にムワッヒド・ドゥルーズ・ムスリム精神指導部、尊厳の男たち運動、山地旅団が、スワイダー県の住民からなる民兵・地域部隊に、治安司法機関および警察・司法機関の任務支援を行う権限が委譲されたと発表したのを受けた動き。

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フマイミーム航空基地への攻撃を受け、アフマド・シャルア移行期政権の内務省総合治安局の増援部隊がラタキア市とジャブラ市に展開:ヒムス県サーリジャ村を内務省総合治安局が強襲、住民数十人を逮捕、民家に放火(2025年5月22日)

ラタキア県では、シリア人権監視団によると、スィヤーヌー村で若者らが正体不明の武装グループによって銃で撃たれ、1人が死亡、1人が負傷した。

また、マザール・カトリーヤ村では若い男性が覆面をした武装グループによって銃で撃たれて死亡した。

一方、シリア駐留ロシア軍の司令部が設置されているフマイミーム航空基地への攻撃を受け、アフマド・シャルア移行期政権の内務省総合治安局の増援部隊がラタキア市とジャブラ市に展開した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、アフマド・シャルア移行期政権の国防省と内務省に所属する部隊の要因がカフルサジュナ村とマダーヤー村を結ぶ街道で前日に発生した内務省総合治安局の隊員殺害の容疑者とされる市民2人を即決処刑した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、アイン・マニーン町で住民1人が強盗に襲われて死亡した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、内務省総合治安局の部隊がクサイル市近郊のサーリジャ村で治安作戦を実施し、若い住民ら数十人を逮捕し、民家複数棟に放火したほか、住民らに罵倒を浴びせた。

一方、内務省総合治安局は、旧シリア軍によるハウラ地方での虐殺事件に関与しているとされる元兵士ら5人を逮捕した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ジャバーブ橋(ジャバーブ村)近くで「シャッビーハ」とされる男性が遺体で発見された。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市のハーリディーヤ地区で男性1人が正体不明の武装グループによって銃で撃たれて死亡した。

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シリア民主軍の広報センターは、各地で7人の兵士が死亡したと新たに発表(2025年5月22日)

ANHAによると、シリア民主軍の広報センターは、各地で7人の兵士が死亡したと新たに発表した。

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ハサカ県では、シリア人権監視団によると、マルカダ町で正体不明の武装グループが若い男性1人を銃で撃ち殺害した。

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シリア北西部から国内避難民(IDPs)19世帯がヒムス市の自宅に帰還:ハサカ県南に位置するアリーシャ・キャンプから52世帯のIDPsがダイル・ザウル県に帰還(2025年5月22日)

ヒムス県では、SANAによると、尊厳ある安全な帰還プロジェクトの一環として、シリア北西部で避難生活を送っていた国内避難民(IDPs)19世帯がヒムス市の自宅に帰還した。

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ハサカ県では、ANHAによると、北・東シリア地域民主自治局支配下のハサカ市南に位置するアリーシャ・キャンプに収容されていた国内避難民(IDPs)52世帯274人が、ダイル・ザウル県のダイル・ザウル市、アシャーラ市、ズィーバーン町の自宅に帰宅した。

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陸路海路出入国管理総局は中国のFidi Contracting社と覚書を締結、自由貿易地域内の100万平方メートルへの投資を認める(2025年5月22日)

SANAによると、陸路海路出入国管理総局は、中国企業と覚書を締結、同企業に20年間、ダマスカス郊外県アドラー市の自由貿易地域内の30万平方メートルの投資権、ヒムス県ハスヤー町の自由貿易地域内の85万平方メートルへの投資権、合計で100万平方メートルの地域への投資を認めた。

陸路海路出入国管理総局がテレグラムで発表したところによると、覚書を締結したのは、中国のFidi Contracting社。

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トルコのバイラクタル・エネルギー天然資源大臣がシリアを訪れ、バシール・エネルギー大臣と会談、エネルギー分野での協力強化発展にかかる共同協力協定に調印(2025年5月22日)

SANAによると、ムハンマド・バシール・エネルギー大臣はシリアを訪れたトルコのアルパルスラン・バイラクタル・エネルギー天然資源大臣と会談し、二国間協力関係強化の方途について協議し、エネルギー分野での協力強化発展にかかる共同協力協定に調印した。

調印後、両大臣は共同記者会見を開き、バシール・エネルギー大臣は、トルコとシリアを結ぶ400キロボルト送電線の接続手続きの完了に向けて作業を進め、両国間の電力網が年末までに稼働を開始する見込ると述べた。

一方、バイラクタル・エネルギー天然資源大臣は、トルコがシリアに対して1日あたり600万立方メートルのガスと1000メガワットの電力を供給する予定であると述べた。

SANAによると、大統領府は声明を出し、アフマド・シャルア暫定大統領がヨルダン国王アブドゥッラー2世と電話会談を行い、二国間関係について協議し、両国の高等連携評議会の設置の重要性を確認したと発表した。

協定調印後、バイラクタル・エネルギー天然資源大臣は、首都ダマスカスの人民宮殿でアフマド・シャルア暫定大統領と会談し、エネルギー、天然資源分野での二国間協力強化の方途について協議した。

会談には、ムハンマド・バシール・エネルギー大臣も同席した。

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SANAによると、マスアブ・アリー保健大臣は第78回世界保健総会(5月19~27日)に出席するために訪問中のスイスのジュネーブでスーダンのハーリド・アブドゥルガッファール保健大臣、ドイツのニーナ・ヴァルケン保健大臣、パキスタンのシェイク・ムスタファ・カマル保健サービス規制調整大臣と個別会談し、医療分野での協力強化の方途について協議した。



アリー保健大臣はまた、世界銀行の高官と会談、パンデミック基金の助成金の取得の仕組みについて協議した。

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SANAによると、ムハンマド・ヤサル・バルニーヤ財務大臣は首都ダマスカスで、リビアのハーリド・マブルーク財務大臣と会談し、両国の協力強化、合弁企業発展の方途について協議した。

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SANAによると、アスアド・ハサン・シャイバーニー外務在外居住者大臣は、首都ダマスカスで各県知事と会談し、地方開発にかかる諸問題や早期復旧プロジェクト実施における協力強化の方途について協議した。

一方、外務在外居住者省は声明を出し、シャイバーニー暫定外務在外居住者大臣が世界銀行の使節団と、春季会合の成果に基づき、エネルギー分野などでのより広範な長期的協力関係構築に向けたフォローアップ会議を開催した。

シャイバーニー暫定外務在外居住者大臣はさらに、欧州連合(EU)のステファノ・サニーノ中東担当局長と会談し、早期復旧、安定化に向けた協力強化の方途について協議した。

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