シャルア暫定大統領はワシントンDCでシーザー法の撤廃に反対する共和党のマスト下院議員と会談(2025年11月9日)


イナブ・バラディーが10日に伝えたところによると、シーザー・シリア市民保護法(シーザー法)の撤廃に反対する共和党のブライアン・マスト下院議員(フロリダ州選出、外交委員会委員長)が9日夜、ワシントンDCでアフマド・シャルア暫定大統領と会談した。

マスト議員は会談後の10日、米国下院外交委員会(公式サイト)を通じて以下の通り発表した。

「昨夜、シリアの新大統領アフマド・シャルア氏と私は、同じ食卓を囲み、シリア国民が戦争、ダーイシュ(イスラーム国)、そして過激主義から解放された未来をいかに築くかについて、長く真剣な議論を交わした。
彼と私は、ともに元兵士であり、かつては敵同士であった。私は彼に率直に尋ねた。「なぜ、今や我々は敵ではないのか?」と。
彼の答えはこうだった。
「過去から解放され、自国民と祖国のために高貴な目標を追求し、米国の偉大な同盟国となりたい」と。
本日、彼はトランプ大統領と会談し、正式にダーイシュ壊滅のための有志連合に加盟する予定である。

会談には、シリア系米国人実業家のターリク・ナウムー氏とその妻のヤースミーン・ナウムー氏が同席し、在米シリア人コミュニティのメンバーであるアブドゥルハフィーズ・シャラフ氏がフェイスブックを通じて明らかにしたところによると、マスト議員はシャルア暫定大統領の話に耳を傾け、手帳に熱心にメモを取っていたという。

また、マスト議員は「シャルア暫定大統領の言葉は非常に重要で、記録に残す価値がある」と述べたという。

シャルア暫定大統領はマストに対し、「シリアは自国民と地域の平和を望み、過激主義と戦い、経済を通じて国を再建したい。経済こそが安定への道だ」、「米企業がシリアで投資し、活動してほしい。安定が訪れれば過激主義は消える」と述べたという。
によると、

ミドル・イースト・アイが米政府関係者2人の話として伝えたところによると、マスト議員の対シリア強硬姿勢の背景には、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相の顧問ロン・デルマー氏によるロビー活動があったという。

マスト議員はアフガニスタンで地雷により両脚を失った元米陸軍軍人で、その後イスラエル軍に志願して従軍した経歴を持つ。

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シャルア移行期政権の内務治安部隊はダウル・ザウル県、ダマスカス県で、総合諜報機関とともにダーイシュに対する大規模治安作戦を継続(2025年11月9日)

ダイル・ザウル県では、内務省(フェイスブック)によると、前日に続いて、アフマド・シャルア移行期政権の内務治安部隊が総合諜報機関とともにダーイシュ(イスラーム国)に対する大規模治安作戦を行った。

シリア人権監視団によると、内務治安部隊と総合諜報機関は、県西部のハリータ村、ブガイリーヤ村、タリーフ村を強襲し、ダーイシュ(イスラーム国)のスリーパーセル・メンバーと見られる複数人を逮捕した。

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内務省(フェイスブック)によると、作戦はダマスカス県でも行われた。

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シリア人権監視団:2024年12月8日のアサド政権崩壊から11ヵ月間の死者・殉教者数は11,226人(2025年11月9日)

シリア人権監視団は、フェイスブックを通じて、2024年12月8日のアサド政権崩壊から11ヵ月の間に全国で3,059件の即決処刑を確認したと発表した。

月ごとの内訳は以下の通り。

・2024年12月8日〜同年末:141件
・2025年1月:74件
・2025年2月:60件
・2025年3月:1,726件
・2025年4月:75件
・2025年5月:41件
・2025年6月:46件
・2025年7月:300件
・2025年8月:547件
・2025年9月:39件
・2025年10月:10件
・2025年11月8日現在:0件

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シリア人権監視団は、公式フェイスブックを通じて、2024年12月8日のアサド政権崩壊から11ヵ月の間に全国で死者・殉教者が11,226人に達していることを確認したと発表した。

11,226人のうち、民間人は8,654人(男性7,510人、女性657人、子供487人)、非民間人2,572人。

月別の内訳は以下の通り:

・2024年12月8日~同年末:141件
・2025年1月:1,122件
・2025年2月:603件
・2025年3月:2,644件
・2025年4月:452件
・2025年5月:428件
・2025年6月:391件
・2025年7月:1,733件
・2025年8月:874件
・2025年9月:315件
・2025年10月:260件
・2025年11月(8日現在):50件

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サイイダ・ザイナブ町でザフラー・フセイニーヤ(シーア派礼拝施設)の修復・再開に抗議するデモが発生(2025年11月9日)


ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団ムラースィルーンによると、シーア派が多く住むサイイダ・ザイナブ町で、1週間前にザフラー・フセイニーヤ(シーア派礼拝施設)が修復・再開されたことを受け、修復工事を主導したアドハム・ハティーブ師(シーア派の穏健派宗教指導者ムハンマド・フサイン・ファドルッラー師の代理人)に対する抗議デモが発生した。

修復工事は、ゴラン高原出身者や他県からの移住者を含む一部住民が、フセイニーヤの存在が宗派的緊張を招くとして反対した。

シリア人権監視団が10日に発表したところによると、このデモは、モスクのイマームが「彼ら(シーア派)を地域から追放せよ」などと連呼し、扇動するなかでエスカレートした。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団、また、ムラースィルーンによると、国防省と契約し、保健省で勤務する研修医や勤務医ら多数が、ダマスカスの大統領府(共和国大統領府事務総局)前でデモを行い、約11ヵ月にわたって給与および手当が支払われていないことに抗議した。

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イドリブ県では、ムラースィルーンによると、イドリブ市で、教師や教育関係者らが街頭でデモを行い、給与の低さ、労働条件の悪化、当局による要求の無視に抗議した。

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シャルア移行期政権の武装無人航空機がスワイダー刑務所付近で車輛を爆撃、2人が負傷(2025年11月9日)

スワイダー県では、シリア人権監視団によると、アフマド・シャルア移行期政権の国防省部隊と同部隊の支援を受ける組織の武装無人航空機が、スワイダー刑務所付近で車輛を爆撃、2人が負傷した。

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シリア人権監視団スワイダー24によると、スワイダー市のタルシャーン広場で、女性活動家グループの「サバーヤー・サナド」による抗議デモが行われ、拘束・逮捕・誘拐された県民の釈放を求めた。

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シリア人権監視団によると、7月にシャルア移行期政権の軍・治安部隊に殺害された民間人3人の遺体が新たに発見された。

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米主導の有志連合の部隊がハサカ県、ダイル・ザウル県でパトロールを実施(2025年11月9日)

ハサカ県では、シリア人権監視団によると、カスラク村に駐留する米主導の有志連合の部隊がシリア民主軍とともに、ダルバースィーヤ市からアブー・ラースィーン(ザルカーン)町にいたる国境地帯で大規模なパトロールを実施した。

パトロールには、装甲車7台とクルド赤十字社所属の救急車2台が随行した。

また、シリア人権監視団によると、部隊はトルコ占領下の「平和の泉」地域内のアルーク村の揚水施設を視察した。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、装甲車6台からなる有志連合の部隊がシュハイル村でパトロールを実施した。

シリア人権監視団によると、有志連合の部隊はまた、県東部の複数の村や町、イラク国境地帯を巡回した。

この間、有志連合の戦闘機やヘリコプターが上空で援護にあたった。

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フール・キャンプで10歳のトルキスタン人少女が電線で首を吊られ死亡しているのが発見(2025年11月9日)

ハサカ県では、シリア人権監視団によると、フール・キャンプで10歳のトルキスタン人少女が電線で首を吊られ死亡しているのが発見された。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、スワル町近郊で若い男性の遺体が発見された。

また、シリア人権監視団によると、スーサ町では、シリア民主軍の治安拠点が、アフマド・シャルア移行期政権支配下のユーフラテス川西岸からの機関銃射撃を受け、兵士1人が死亡、2人が負傷した。

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ラッカ県では、シリア人権監視団によると、北・東シリア地域民主自治局内務治安部隊(アサーイシュ)がラッカ市で広範な治安作戦を実施し、麻薬の密売・流通に関与した容疑者およそ15人を逮捕した。

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米国の福音派諸教派の指導者がトランプ米大統領宛てに書簡を送り、シリア国内のマイノリティ宗派・エスニック集団を保護し、殺害・追放・貧困に苦しむ彼らの苦難を解決するよう要請(2025年11月9日)

ANHAによると、米国の福音派諸教派の指導者ら約100人は、ドナルド・トランプ米大統領宛てに書簡を送り、アフマド・シャルア暫定大統領の訪米を契機に、シリア国内のマイノリティ宗派・エスニック集団を保護し、殺害・追放・貧困に苦しむ彼らの苦難を解決するよう要請した。

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ヒムス県クサイル市郊外のラブラ町で、正体不明の2人組がアラウィー派の50歳男性とキリスト教徒の35歳男性に発砲して殺害(2025年11月9日)

アレッポ県では、ANHAによると、アフリーン市郊外のジンディールス町でクルド人1人が殺害された。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、ハルスター市に至る街道沿いのシロニクス社近くで、正体不明の武装グループが市民を銃撃し、殺害した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、イドリブ市で正体不明の武装グループが車輛から発砲し、1人の男性を死亡、息子に重傷を負わせた。

2人は過去にはハマー県およびイドリブ県で戦闘活動や治安報告の作成に関与していたとされる。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、クサイル市郊外のラブラ町で、正体不明の2人組がオートバイで接近し、アラウィー派の50歳男性と、キリスト教徒の35歳男性に発砲して殺害した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ナワー市で女性が射殺体で発見された。

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米国の首都ワシントンDCに到着したシャルア暫定大統領は在米シリア人の複数の団体の代表、国際通貨基金(IMF)のゲオルギエバ専務理事と会談(2025年11月9日)


大統領府(フェイスブック)によると、9日に米国の首都ワシントンDCに到着したアフマド・シャルア暫定大統領は、在米シリア人の複数の団体の代表らと会談を行った。

会談には、アスアド・ハサン・シャイバーニー外務在外居住者大臣も同席した。

シャルア暫定大統領は、彼らのシリア情勢に関する意識向上への貢献および米国社会におけるシリアの積極的な存在感の強化を称賛した。

イフバーリーヤ・チャンネルによると、シャルア暫定大統領は会談のなかで、「シリアに対する制裁は最終段階にある」と述べ、完全撤廃に向けた努力の継続を呼びかけた。

イフバーリーヤ・チャンネルによると、シャイバーニー暫定外務在外居住者大臣も「2026年はシリアの発展の年となる」と述べた。

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大統領府(フェイスブック)によると、シャルア暫定大統領はワシントンの国際通貨基金(IMF)本部でクリスタリナ・ゲオルギエバ専務理事と会談し、シリアとIMFの協力の可能性、国内の開発と経済成長を促進する方策について意見交換を交わした。

会談には、シャイバーニー暫定外務在外居住者大臣が同席した。

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