シリア・イスラーム抵抗戦線(ウーリー・バアス)は、テレグラムを通じて声明を出し、イスラエル軍によるダマスカス郊外県バイト・ジン村に対する大規模地上作戦を強く非難、「シリア国民には自衛し、イスラエル占領に抵抗する権利がある」としたうえで、「この侵略を、我々が何の報復もなく終わらせることは決してない。近いうちに必ず応える」と報復を約束した。
(C)青山弘之 All rights reserved.
Detail Report on the Arab Spring in Syria: Latest Situation in Syria / アラビア語の新聞、通信社、ウェブサイトなどを通じて収集した情報をもとに、シリア情勢をより網羅的に把握・紹介することをめざします。

シリア・ディアスポラ・アラウィー派イスラーム最高評議会の議長を務めるガザール・ガザール師は、『ナハール』のインタビューに応じた。
インタビューのなかでのガザール師の発言は以下の通り:
我々にとって転換点となった日は、2025年3月7日以外にはない。暫定政権がアラウィー派地域で重大な侵害を犯し、数千人の民間人が殺害された日だ。
(25日の抗議デモの)参加規模は誰の目にも明らかであり、アラウィー派コミュニティが日々受けている侵害と殺害の深刻さを示す明白なメッセージである。これは、我々を軽視または排除できると考える者への警告でもある。
確かに我々はシリアのさまざまなコミュニティや指導者と連絡を取っている。我々を結ぶ目的は一つ、人道という大義である。仮に連絡を取らなかったとしても、この呼びかけは、不正を受ける者から不正を取り除き、あらゆる排除を拒否するための人道的呼びかけであり、正当な要求である。
最近の出来事は、連邦制への要求を後退させるどころか、むしろそれを強固にした。連邦制は支配される側の権利を守り、権力の横暴を防ぐ基本的要求である。これは「より大きな害を避けるために小さな害を取る」という法学の原則にも合致する。
我々が真実を語り、彼らの虚偽に対抗してから、脅迫は始まった。彼らは脅迫に加えて、私がバーニヤース市での虐殺事件に関与しており、また軍服を着ていたなどと非難した。それは、彼ら自身の口から初めて聞いたことであり、虚偽であり中傷だ。私は2004年からラタキア県のムフティーであり、宗教分野で働いてきた。
彼らが宗派間の対立を煽り、スンナ派コミュニティを利用して紛争を作り出そうとしていることを警告してきた。これが続けば、国は内戦へと進む危険がある。
この声を変えたり、沈黙させたりできる力は世界のどこにもない。もちろん、人民の権利とその要求を支持する国や外国勢力はある。その中には連邦制要求を支持する国々も含まれている。
一般的に理解される意味での権力は存在しない。あなた方がそれ(アフマド・シャルア移行期政権)を権力とみなすのであれば、それは既成事実として存在するだけの権力だ。この構成体は我々に接触を試みたが、それは協力のためではなく、アラウィー派コニュミティに屈従を強いるためだった。それは受け入れられない。
将来いかなる対話がなされるとしても、それはすべての要求が実現した後であり、最優先は連邦制と政治的分権化、そして拘束者の釈放である。また、この対話はすべてのシリアのコミュニティが参加する包括的なものでなければならず、その中心にはアラウィー派、ドゥルーズ派、クルド人がいるべきだ。
(C)青山弘之 All rights reserved.
国民防衛部隊は、フェイスブックを通じて声明を発表し、ダマスカスの「テロ政権」に属する武装グループが複数の戦線で挑発行為を行い、ドゥルーズ派住民の抵抗を弱めようと企てていると非難した。
声明によると、アフマド・シャルア移行期政権の支配下にあるマズラア町方面から朝、マジュダル村に向けて迫撃砲と重機関銃による攻撃が行われ、住民の財産に被害が発生した。
また、マジャーディル村・スマイド村間の農地で羊を放牧していた若者が狙撃を受けて負傷した。
さらに、午後には無人航空機がダマスカス郊外県カナーキル村にいたる交差点付近で、住民が所有する車が攻撃を受けた。
(C)青山弘之 All rights reserved.
外務在外居住者省は、フェイスブックを通じて声明を発表し、イスラエル軍によるダマスカス郊外県バイト・ジン村への攻撃をもっとも強い言葉で非難し、戦争犯罪だと断じた。
また、国連安保理やアラブ連盟に対し、イスラエルがシリア国民に対して繰り返し行っている侵略行為と違反を阻止し、国際法、国連憲章、シリアの主権と領土の一体性を尊重させるための抑止措置を早急に講じることを改めて求めた。
**
ナジャート・ルシュディー・シリア問題担当国連特別副代表は、声明を発表し、攻撃を強く非難、1974年の兵力引き離し協定の完全な遵守を呼びかけた。
**
また、カタール、アラブ連盟、トルコ、クウェート、サウジアラビア、イエメン、UAE(11月29日)、イスラーム協力機構(OIC)(11月29日)も相次いで声明を出し、イスラエル軍の攻撃を非難した。
(C)青山弘之 All rights reserved.

SANAによると、イスラエル軍地上部隊は28日未明、ダマスカス郊外県バイト・ジン村に侵入、同村を攻撃、3人を拘束した後、撤退した。
この侵入に対して、住民が抵抗、イスラエル軍との間で激しい銃撃戦となった。
地上部隊の侵入と同時に、イスラエル軍航空機が村の上空に飛来し旋回、多くの住民が近隣の村などへの避難を余儀なくされた。
ダマスカス郊外県保健局のタウフィーク・イスマーイール・ハサーバー局長によると、攻撃による犠牲者は現時点で13人に上り、負傷者は24人に達している。
また、民間防衛機構(ホワイト・ヘルメット)のダマスカス郊外局のシャーディー・ハサン局長は、救急隊が攻撃直後にベイト・ジン村へ向かったものの、イスラエル軍航空機が同地で動くものすべてを標的にしていたため、進入できなかったと述べた。
同局長によれば、救助隊は午前10時に村への進入に成功し、爆撃を受けた道路、家屋、モスクなどへ向かい、負傷者に応急処置を行い、彼らを病院へ搬送した。










**
一方、シリア人権監視団によると、イスラエル軍は、2つの軍事部隊をベイト・ジン村一帯に侵入させ、拘束作戦を実施、村の外延部に対して砲撃を行い、これに応戦しようとした若者たちとの間で戦闘となった。
シリア人権監視団によると、一連の攻撃と戦闘で、民間人7人(うち女性・子供は4人)を含む少なくとも15人が死亡、20人が負傷した。
また砲撃で家屋が一棟崩壊、多くの住民が瓦礫の下敷きとなり、行方不明となっているほか、複数人がイスラエルに拘束された。
イスラエル軍側も予備役兵6人が負傷した。
6人は、イスラエル軍部隊が若者を拘束した際、約200m離れた地点から銃撃を受けて負傷した。
シリア人権監視団によると、攻撃と戦闘を受けて、数十世帯が隣接地域に避難した。
**
イスラエル軍は、テレグラムを通じて以下の通り声明を発表した。
イスラエル国防軍:逮捕作戦中に至近距離で交戦する第55旅団の部隊
シリア・バイト・ジン地域での交戦時のボディカメラの映像
昨夜、第210師団の指揮下にある55旅団部隊は、シリア南部においてイスラーム集団に所属する3人のテロリストに対する逮捕作戦を完了した。
作戦中、部隊はテロリストらと至近距離での戦闘に突入した。
この作戦中に兵士3人が重傷を負い、さらに3人が程度の異なる負傷を負った。
部隊は地域での任務を完了し、複数のテロリストを殺害、容疑者らを逮捕した。
以下は、シリア南部バイト・ジン地域での逮捕の瞬間の写真:
https://IDFANC.activetrail.biz/ANC28112025684653以下は、シリア南部バイト・ジン地域での逮捕の瞬間の映像:
https://bit.ly/488t2XH以下は、兵士のボディカメラによる至近距離の交戦映像:
https://bit.ly/4ooxPsW



**
ムラースィルーンはフェイスブックにイスラエル軍が公開した動画を転載した。
(C)青山弘之 All rights reserved.

SANAによると、アフマド・シャルア暫定大統領は、イドリブ県のビンニシュ市で開催された「ビンニシュ、あなたのために」(ビンニシュ・カルマー・リ・ウユーナク)キャンペーンに参加している住民らと電話で話し、そのなかで以下の通り述べた。
ビンニシュは革命の先駆けであり、新生シリアの再建においても先駆けとなるでしょう。我々は常に諸君らに寄り添い続け、諸君らに身を捧げる覚悟だ。諸君らは多くを犠牲にし、殉教者を捧げた。そのなかには英雄的指導者である兄弟アブー・ジャミール・クトゥブ、アブー・ユースフもいる。革命における諸君らの犠牲は大きく、決して責務を怠らなかった。我々は諸君らが新生シリアの再建においても非常に大きな役割を果たすことを期待している。
イドリブの建設は、ビンニシュの人々、商人、専門的な人材に大きく依存してきた。この偉大な働きがシリア全土に広がることを願っている。本日は参加できず申し訳ない。次の機会には皆さんのそばにいられるようにしたい。諸君らの成功と、喜びがいつまでも続くことを祈っている。
(C)青山弘之 All rights reserved.

SANAによると、前日のアフマド・シャルア暫定大統領のビデオ演説での呼びかけに応じるかたちで、移行期政権支配地域各所で、「攻撃抑止」の戦い開始1周年を祝うデモが開催され、多くの支持者らが参加した。
デモ参加者は、シリア分割の試みを拒否、シリアの国民、国土の統合を訴える一方、未明にイスラエル軍がダマスカス郊外県のバイト・ジン村を攻撃したことを受け、イスラエルによる侵略行為を非難した。
SANAによると、デモが行われた主要な市町村は以下の通り:
ダマスカス県
ダマスカス郊外県ドゥーマー市
アレッポ県アレッポ市
アレッポ県カブターン・ジャバル村
ラタキア県ラタキア市
ラタキア県ジャブラ市
ラタキア県ハッファ市
イドリブ県イドリブ市
イドリブ県アリーハー市
イドリブ県ガッサーニーヤ村
イドリブ県マアッラト・ヌウマーン市
イドリブ県ジスル・シュグール市
ヒムス県ヒムス市
ヒムス県ファーヒル村
ハマー県ハマー市
タルトゥース県タルトゥース市
ダルアー県ダルアー市
タルアー県タファス市
ダルアー県ダルアー市
ダルアー県ブスラー・シャーム市
タルトゥース県バーニヤース市
ダルアー県サナマイン市
ダイル・ザウル県ダイル・ザウル市
また、ムハンマド・アブドゥッラフマーン・トゥルクー教育養育大臣、アナス・ハッターブ内務大臣、ニダール・シャッアール経済産業大臣が記念日を祝してSNSにメッセージを綴った。
(C)青山弘之 All rights reserved.