アサド政権に対する猶予をめぐって米国とトルコがコンセンサスに立つなか、シリア人権連盟のリーハーウィー所長が逮捕される(2011年8月11日)

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反体制デモ

シリアの活動家はフェイスブックの「シリア革命2011」で「我々はアッラー以外にはひれ伏さない金曜日」とデモを呼びかけた。ラマダーン月に入って、反体制勢力がデモを呼びかけるのは先週金曜日の「我々はアッラーとともにある金曜日」に次いで2度目。ラマダーン月に入って、反体制勢力は「アッラー」、「ひれ伏す」(ラカア)といったイスラーム教への信仰心を連想させる用語を用いるようになっているが、こうした稚拙なシンボルの使用が「宗派主義的内乱を助長する」といった非難を(バッシャール・アサド政権側から)招くことは必至であろう。

複数の活動家によると、軍・治安部隊は早朝、イドリブ県サラーキブ市、ヒムス県クサイル市、ダマスカス郊外県のザマルカー、アルバイン、ハムーリーヤに進入。

シリア人権監視団によると、クサイル市では少なくとも18人が殺害、数十人が負傷、数百人が逮捕され、住民の多くが避難した。また攻撃に先立って通信などが遮断された。

サラーキブ市では、シリア人権監視団監視団によると、複数の戦車など軍用車輌が進入、子供35人を含む数百人が逮捕された。同市では連日、反体制デモが行われていた。治安部隊は商店の扉を壊し家宅捜索を行い、電気も遮断されているという。

一方、ダイル・ザウル市でも3人が殺害されたという。

シリア人権監視団によると、ダマスカスのヒジャーズ駅近くの老舗喫茶店ハバナで、シリア人権連盟のアブドゥルカリーム・リーハーウィー所長が逮捕された。リーハーウィー所長は3月のデモ開始以来、シリア国内からBBCなどに情報を提供していた人権活動家。

スワイダー県の技師らが、技師組合スワイダー支部ビル前で軍・治安部隊による弾圧に抗議するための座り込みを呼びかけた。

シリア人権監視団によると、ヒムス市のバーブ・アムル地区などで激しい銃声が聞こえた。

アサド政権による弾圧に荷担しているとの一部報道に対して、シリア民主統一党が否定する声明を出す。

シリア人権機構のアンマール・カルビー所長はCNNのインタビューに対して、これまでの死者数が民間人だけで2100人にのぼり、26000人が逮捕されたと述べる。

アサド政権内の動き

バッシャール・アサド大統領は、ジャースィム・フライジュ中将をダーウード・ラージハ国防大臣の後任の参謀長に任命した。Al Watan Online(11日付)によると、フライジュ中将はハマー出身で、副参謀長を務めてきた。フライジュ中将のほかには、アースィフ・シャウカト副参謀長(中将)、ムニール・アドヌーフ中将が参謀長候補だった。なかでもシャウカト中将の処遇に注目が集まっていたが、デモ弾圧を行う現状において、宗派主義的緊張を高める可能性を配慮し、参謀長への就任は見送られたと見られる。

Akhbar al-Sharq, August 11, 2011
Akhbar al-Sharq, August 11, 2011

ダルアー県のナビール・ウムラーン知事は、息子が留学中のカナダの入国ビザの取得申請を行ったが、カナダ当局が却下。ダルアー県でのデモ発生の責任をとるかたちで解任されたファイサル・クルスーム前知事の後任として県知事となったウムラーン氏は汚職の噂が絶えず、追求を免れるためカナダに逃れようとしたとの見方が濃厚。

親政府系の通信社‘Aks al-Sayr(11日付)やDamaspost(11日付)が複数の信頼できる消息筋の話として伝えたところによると、総合情報究局長のアリー・マムルーク少将が8月10日にイドリブを訪問し、住民と会見。遺族、ウラマーなどと会見したマムルーク少将は市民を傷つけた者の処罰を約束した。

Kull-na Shuraka’(11日付)が複数の消息筋から得た情報として、リフアト・アサド前副大統領が、今月初めからシリアに帰国し、作戦本部付となっていると報じた。同消息筋によると、リフアト・アサド前副大統領が3月のデモ開始以来、政治の表舞台に姿を現すことを避けていたことは、シリアへの帰国の準備だったと見られる。数日前に国民民主イニシアチブを立ち上げたムハンマド・サルマーン元情報大臣の活動の活発化との関係は明らかではない。(なおリフアト・アサド前副大統領の帰国の事実は今のところ確認されていない)。

シリアでのデモの影響で食糧品などの不足が指摘されるなか、Kull-na Shuraka’(11日付)は、砂糖の供給不足が、生活必需品の販売取引を独占する「マフィア」のタリーフ・アフラス氏が配給制限していることに起因すると報道。アフラス家はアレッポ、ハマー、ヒムスの名望家でアスマー・アフラス氏はバッシャール・アサド大統領の夫人。

Kull-na Shuraka', August 11, 2011
Kull-na Shuraka’, August 11, 2011

ヒムス市の住民らが、ヒムス市住民連帯委員会発足を宣言し、ヒムス市の様々な社会集団、階級、階層に和解と改革のための対話を呼びかけた。バアス大学理学部のザカリヤー・ズィラール教授らが署名・参加。

レバノン

レバノン民主党のタラール・アルスラーン党首がシリアを訪問し、ムハンマド・ナースィーフ副大統領と会談。最近のシリア・レバノン情勢について協議。

ベイルート県中心に位置するハムラー地区のシリア大使館前でレバノン・イスラーム集団の支持者によるシリア国民支持デモとアサド大統領支持者が衝突。

ベカーア県のマジュダル・アンジャル、カーミド・ルーズ、ジュッブ・ジャニーンなどシリア国民との連帯を求めるデモが夜の礼拝後に発生。

アラブ・レバノン青年党が声明を出し、「シリアに対する陰謀の拠点、通過地とならないという憲法の規定に対する明確な態度」を示すようナジーブ・ミーカーティー内閣に求めた。

そのほか

バラク・オバマ米大統領は昨日、トルコのタイイップ・レジェップ・エルドアン首相との電話会談で、「民主制への移行」の必要、「今後数日間の両国による情勢監視の強化」を行うことで合意した。これにより、アサド政権にアンカラが猶予を与えたことをめぐって、米国とトルコがコンセンサスに立ったことになる。しかし米高官によると、オバマ政権は近く、国内でのデモ弾圧を停止させるべく、制裁強化とともに、アサド大統領に退任を求める模様。

トルコのジャーナリスト取材チームが、トルコからシリアへ派遣された。ハマー情勢の取材を継続することが目的と考えられる。

エジプト、ヨルダンの若者たちがフェイスブック上で、両国に駐在するシリア大使を追放する署名を呼びかける運動を始めた。

カナダ首相がアサド政権によるデモ弾圧を、「蛮行」と非難。

シリア人権筋によると、サウジ人諜報員約100人がシリアのサイドナーヤー刑務所に収監されている。サウジの日刊紙『ワタン』(11日付)に対して明らかにした。かつては200人もの諜報員が身柄拘束されていたという。在リヤド・シリア大使館はサウジ人の逮捕を否定。サウジ人権協会によると、身柄拘束されている諜報員は3月半ばのデモ開始以前に身柄拘束されていた。

イラク国民議会のウサーマ・ヌジャイフィー議長は、ヌーリー・マーリキー首相およびクルディスタン自治政府の指導者たちに、シリアでのデモ弾圧を非難し、シリア政府に暴力停止を求めるよう呼びかけた。

AFP, August 12, 2011、Akhbar al-Sharq, August 11, 2011, August 12, 2011、Alarabia.net,
August 12, 2011、‘Aks al-Sayr, August 11, 2011、CNN, August 12, 2011、Damaspost,
August 11, 2011、al-Hayat, August 12, 2011, August 13, 2011、Kull-na Shuraka’, August 11, 2011, August 12, 2011、Naharnet.com, August 12, 2011、NNA, August 12, 2011、UPI, August 11, 2011、al-Watan (Riyad), August 11, 2011、Al Watan Online, August 11, 2011などをもとに作成。

(C)青山弘之All rights reserved.

治安部隊がダイル・ザウル市およびイドリブ市の制圧を完了、対シリア非難安保理議長声明に基づく事務総長報告を審議するため国連安保理非公式会合が開催(2011年8月10日)

ハマー市、ヒムス市に続き、シリア軍・治安部隊はダイル・ザウル市、イドリブ市および郊外を制圧した模様。西側諸国のシリアへの圧力にもかかわらず、バッシャール・アサド政権は着実に戦果を上げている。一方、ダーウード・ラージハ国防大臣就任に伴い、副参謀長という「閑職」に追いやられてきた大統領の義理の兄、アースィフ・シャウカト中将の動静がにわかに着目されている。シャウカト中将が参謀長の職を代行しているとの見方が浮上するなか、彼が「弾圧の顔」としての「復権」を果たすか否か今後の動きが見逃せない。

弾圧

AFPがシリア人権監視団の話として伝えたところによると、ダイル・ザウル市はシリア軍に制圧された。これまで60人が逮捕されたという(ダイル・ザウル市攻撃の資料映像)。

Akhbar al-Sharq, August 10, 2011
Akhbar al-Sharq, August 10, 2011

地元調整委員会などヒムス市の複数の活動家によると、18人が同市で軍治安部隊の銃撃でイフタール前に殺害された。うち11人がバーブ・アムル地区で、7人がインシャーアート地区でそれぞれ殺害された。AFPによると、軍治安部隊は市民に無差別発砲を行ったという。また目撃者によると、デモが行われていなかったにもかかわらず、突如銃撃が始まった。

アラブ人権監視団のラーミー・アブドゥッラフマーン所長は、ダマスカス郊外県のザマルカー町、アルバイン市、ハムーリーヤ市で軍が突入、多数が逮捕された。逮捕の直前、通信が完全に遮断されたという(ダマスカス郊外アルバインでの弾圧の資料映像1、資料映像2)。

シリア人権監視団によると、イドリブ県では、トルコ国境近くのタフタナーズ市に軍・治安部隊の戦車など12輌が進入し、女性1人を殺害。またサルミーン市でも女性1人が殺害され、3人が負傷。

軍・治安部隊による治安回復作戦が振興するなか、外国の新聞・テレビ37機関の記者、特派員合計72人がシリア当局に伴われ、ハマー市を訪問した。AFP特派員によると、朝、軍の車輌数十両がハマーを撤退するのが目撃された。撤退する兵士は「魂と血を貴方に捧げる、バッシャールよ」「アッラー、シリア、バッシャールのみ」と連呼し、「勝利」をアピールしていた、という。

SANA, August 10, 2011
SANA, August 10, 2011

アサド政権の動き

SANAによると、シリア軍部隊がハマー市から10日早朝撤退を開始。また同日昼、イドリブ市および郊外からも撤退を開始。外国記者団へのハマー市開放(上述)は、こうしたなかで行われた。

SANAによると、ダマスカス県サブウ・バハラート広場、アレッポ市サアドゥッラー・ジャービリー、ラタキア市、ジャブラ市、タルトゥース市など、各地でバッシャール・アサド大統領の改革、外国による干渉反対を求める集会が行われる。

ワリード・ムアッリム外務大臣は南アフリカ、ブラジル、インドの使節団と会談。シリアの各都市での状況が「武装テロ集団」の破壊活動によるものだとしたうえで、政府が国民対話と改革を計画していることを改めて明言した。

『アフバール』(10日付)によると、ダーウード・ラージハ参謀長の国防大臣就任に伴う新参謀長人事に関して、アースィフ・シャウカト副参謀長(治安担当)が参謀長になり、デモ弾圧の「顔」にすげられる可能性が濃厚、と指摘。シャウカト副参謀長はヒズブッラーのイマード・ムグニーヤ暗殺やイスラエルによるキバルの核疑惑施設空爆の責任をとるかたちで軍事情報局長を解任され、副参謀長という閑職に追いやられていた。

SANA, August 10, 2011
SANA, August 10, 2011

レバノンへの影響

野党3月14日勢力事務局は、アドナーン・マンスール外務大臣のシリア訪問を非難するとともに、ミシェル・スライマーン大統領に対して、駐ダマスカス・レバノン大使を召還し、対応を協議すべきだと述べる。サウジアラビアなどによる大使召還に迎合しようとする動き。

進歩社会主義党のワリード・ジュンブラート党首がシリアを訪問。ムハンマド・ナースィーフ副大統領補と会談し、最近の情勢について協議。会談後、シリアの体制の運命について心配はしていない、と述べた。

『サフィール』(10日付)によると、ベイルート港のソリデール社のマリーナからバーニヤースへの武器密輸事件に関して、すでに逮捕された3人に対する調査が進んだ。治安筋によると、主犯格のM.A.の消息不明。M.A.はレバノン北部に住むとされる。「彼は北部県の3月14日勢力の指導者たちときわめて近い人物だ」。

ビカーア県のマジュダル・アンジャル、サアドナーイル、タアルバーヤーでシリア国民との連帯を求める夜間デモが行われ、それぞれ数十人の若者が参加。

そのほか諸外国の動きなど

対シリア非難安保理議長声明に基づく事務総長報告(現地での民間人への暴力行使、トルコ、レバノンへの避難民を憂慮)をめぐる審議を行うための国連安保理非公式会合が開かれる。

西側諸国は事務総長に来週再度報告を提出するよう求めた。また英仏独ポルトガルの代表は、来週の会合までにシリア情勢に改善が見られない場合、安保理は追加措置をとる必要があるとの立場を示した。米国もまた、スーザン・ライス大使が欧州諸国とともにアサド政権への追加制裁を行う意思を示した。

しかしロシアは、「我々は自制、改革、対話を呼びかけている」と述べ、反体制勢力がアサド政権との対話を拒否し続けることを批判した。

これに対してシリアのバッシャール・ジャアファリー国連代表は、シリア情勢と英国での暴動を比較し、「英国首相が、暴徒について言及し、彼らをギャングと呼ぶことに耳を傾けることは有用である…。我々には我が国の武装テロ集団について言及する際、同じ言葉を用いることが許されていない。これは偽善であり、傲慢だ」と反論した。

国連のスーザン・ライス米大使は、国連安保理会合前に、アサド政権が「正統性を失った」、「彼がいない方が状況はシリア国民にとってよくなる」と述べた。また米国が現在、国連人権委員会や、国際刑事裁判所への人道に対する罪、戦争犯罪での起訴を検討していることを明らかにした。

一方、米財務省はシリア国営のシリア商業銀行、同行のレバノン支店であるシリア・レバノン商業銀行、携帯電話会社シリアテル(ラーミー・マフルーフのシャーム・ホールディングスが筆頭株主)を制裁対象に追加。

フランス外務省副報道官は、国連安保理でのシリア非難議長声明に基づき潘基文国連事務総長が安保理に提出したシリア情勢に関する報告について、シリアは「国連安保理のメッセージを無視し続けることはできない」と述べ、アサド政権による弾圧を改めて非難。

トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン首相はAKP党員との会合で、10日に駐ダマスカス・トルコ大使がハマー市を訪問したと述べ、同市からシリア軍が撤退を始めたことを明らかにした。首相はこの動きをトルコのイニシアチブの結果と自賛。また火曜日のダウトオール外相の訪問に関して、「我々は昨日、アサド大統領に、これらの都市を外交官やメディアに開放することが重要だと述べた」とし、報道の自由が国際社会や国民に政権のパフォーマンスを評価させることを可能にするとの見方を示した。

また、駐ダマスカス・トルコ大使がハマー市訪問・視察。

アルジェリア外務省報道官は、シリアでのデモに関して、暴力の応酬への遺憾の意を表明する一方、すべての当事者に自制を求め、危機回避のための包括的国民対話と政治改革の実行を呼びかける。

モロッコ外務省は声明を出し、シリアでの暴力激化への懸念を表明。

ヒューマン・ライツ・ウォッチ、アムネスティ・インターナショナルは国連安保理にさらなる圧力を求める。

al-Akhbar, Augusut 10, 2011、Akhbar al-Sharq, August 10, 2011, August 12, 2011、AFP,
August 10, 2011、BBC, August 10, 2011、DamasPost, August 10, 2011、al-Hayat, August 11, 2011, August 12, 2011、Kull-na Shuraka’, August 10,
2011、Naharnet, August 10, 2011、Reuters, August 10, 2011、al-Safir, August 12, 2011、SANA, August 11, 2011、UPI, August 10, 2011などをもとに作成。

(C)青山弘之All rights reserved.

トルコのダウトオール外相がアサド大統領と会談、反体制派に対する軍事作戦の停止をめぐって「最後の警告」を伝える(2011年8月9日)

トルコのアフメット・ダウトオールがシリアを訪問し、暴力停止を求めてバッシャール・アサド大統領に「最後の警告」を発するなか、シリア国内では軍治安部隊がダイル・ザウル市、ハマー市郊外、イドリブ県、ダマスカス郊外県などで治安回復作戦を継続し、多数の市民を殺害した。

一方、トルコとの関係が悪化するなか、アサド政権がPKKの残党を利用して、シリア国内の反体制活動家を脅迫しているとの見方も浮上した。

さらにサウジアラビアのアブドゥッラー国王がアサド政権による暴力行使を非難したのを受けるかたちで、レバノン国内では、アサド政権との関係をめぐって、ナジーブ・ミーカーティー内閣を構成する3月8日勢力と野党の3月14日勢力との対立が表面化している。

シリア国内情勢

シリア人権監視団によると、ダイル・ザウル市では、早朝から、ハウィーカ地区、クスール地区、ジュバイラ地区で激しい銃声。また捜索・逮捕がハウィーカ地区で重点的に行われ、17人が殺害。複数の活動家によると、ダイル・ザウル市の市街地には遺体が散乱しているという。

シリア革命調整連合によると、ハマー市郊外のタイバト・イマーム市にも軍・治安部隊が突入。同村のジャウワーシュ病院から5遺体が搬出され、そのなかには子供2人(6歳と12歳)の遺体も含まれていた、という。また数十人が負傷した。同地の弁護士によると、「ハラファーヤー市、タイバト・イマーム市周辺に戦車50輌が展開している」。またシリア人権連盟のアブドゥルカリーム・リーハーウィー所長によると、タイバト・イマーム市で4人が殺害された。

シリア人権国民機構によると、ハマー市北部のスーラーン市に軍・治安部隊が戦車などで進入、26人が殺害、数十人が負傷。

シリア人権連盟のアブドゥルカリーム・リーハーウィー所長によると、軍・治安部隊はイドリブ県のビンニシュ市、サルミーン市にも攻撃。シリア人権国民機構によると、イドリブ県ビンニシュ市では4人が殺害。シリア人権監視団によると、軍・治安部隊がビンニシュ市、サルミーン市に突入し、2人を殺害。

シリア人権監視団によると、ヒムス市では一昨日夜、15000人がマルアブ街道でデモを行った。また、ヒムス市で逮捕された市民3人が拷問を受け死亡。遺体は9日に家族に引き渡された。

シリア人権監視団によると、ダマスカス郊外のザマルカー町、アルバイン市では車の往来が禁止されている。またザマルカー町では通信が朝から遮断されている。

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こうしたなか、反体制活動家による声明発表が相次いだ。

アラウィー派宗徒が声明を発表。反体制デモを支持するとともに、バッシャール・アサド政権がアラウィー派を代表してないと強調し、賛同者に同声明の署名を求めた。声明発表時の署名者人数は4人。

シリアの反体制有識者、活動家ら数十人が共同声明を発表し、「シリアでの民間人に対する集団虐殺」を非難。声明に署名した主な有識者は、イブラーヒーム・マーフース氏、イブラーヒーム・ダルウィーシュ氏(シリア・クルド国民行動ユニット)、ハビーブ・ハッダード氏、ズハイル・サーリム(シリア・ムスリム同胞団報道官)、アリー・サドルッディーン・バヤーヌーニー(シリア・ムスリム同胞団前最高監督者)、ムハンマド・リヤード・シャカファ(シリア・ムスリム同胞団最高監督者)、ハイサム・マーリフ(シリア人権協会)、ハイサム・ラフマ(シリア革命支援国民連立)、ワリード・サフール(シリア人権委員会)などそのほとんどが在外活動家。

シリア共産主義者統一国民委員会が声明を出し、シャビーハの弾圧は、同集団が宗派的な性格を持っているために、事態をさらに複雑化すると指摘。治安部隊などによる弾圧の停止を求めた。

シリア反体制政党国民調整委員会を名乗る政治同盟のハーズィム・ナハール報道官は、「シリア人は今日、心理的な支援を必要としており…、リヤードが表明した立場は、内政干渉にはあたらない」と述べ、サウジアラビアのアブドゥッラー国王の8日の声明への支持を表明。

シリア・ムスリム同胞団のズハイル・サーリムが声明を出し、民間人への弾圧を非難し、大使を召還したサウジアラビアのアブドゥッラー国王やGCC諸国の対応を評価。

シリア・クルド人権一般的自由擁護機構(DAD)、シリア人権国民機構、シリア人権機構(Maf)、シリア・アラブ人権機構、シリア・クルド人権委員会(監視団)、シリア民主的自由人権擁護諸委員会(CDF)が共同声明。弾圧継続を非難。各地での死者の氏名を公開。

シリアとトルコの関係が悪化するなか、ハーフィズ・アサド前政権がPKKを対トルコ政策、対クルド政策に利用したのと同様、バッシャール・アサド政権が国内のクルド民族主義勢力を利用している、とトゥルキー・ジスル氏がKull-na Shuraka Suriya(9日付)の論説で主張。同氏によると、シリア国内のPKK残党や支持者はシリア民主統一党(PYD)を結成し活動を継続。3月にシリアでデモが始まって以降、シリア民主統一党はデモを指導する調整委員会を脅迫し続け、活動家を誘拐、暴行している、という。

アサド政権の動き

トルコのダウトオール外務大臣はダマスカスでアサド大統領と会談した。

Kull-na Shuraka’(9日付)などによると、ダウトオール外務大臣は民間人弾圧を目的とした軍事作戦の停止を求めるとともに、自らの訪問が、シリア政府に対する「最後の警告」だと告げる。これに対してアサド大統領は、「我々は妥協しない。もし戦線布告を受けたら、地域戦争も辞さないだろう」と述べ、内政干渉を改めて拒否。

しかし、ダウトオール外務大臣は会談後の記者会見で、近日中に重要な改革措置がとられることを期待している、と述べた。複数の消息筋によると、4時間にわたる会談では、当初緊張に包まれていたが、会談を終えたダウトオール外務大臣には笑顔も見られた、という。

ダウトオール外務大臣によると、会談では、シリア情勢をめぐって詳細に議論、トルコ側の見解、シリアへの要求を伝える一方、シリア政府による改革措置についても議論。また信頼できる消息筋によると、議題のなかには、改革の一環として、トルコによる政権と反体制勢力の仲介もあったが、アサド大統領は「武装テロ集団」への断固たる対応をとるとの意思を示した。

この点に関して、SANAは「祖国の安定と国民の安全を守るため、武装テロ集団追跡に妥協しない」という点を確認するとともに、「包括的改革措置を完了するための立案も行われている」点が会談において強調されたと伝えた。

フェイスブックの「シリア革命2011」によると、ダウトオール外務大臣は、ダマスカスのマイダーン地区のモスクを訪問し、イフタール後の礼拝を行うとともに、抗議行動を行う市民の要求に耳を傾けた。

トルコ高官筋が『ハヤート』(11日付)に明らかにしたところによると、ダウトオール外務大臣はアサド大統領との会談で、暴力停止がなされなかった場合、トルコがとるであろう一連の措置について伝えたという。トルコで記者団に対して、アサドとシリアでの流血停止と民主的改革実行の方途について議論した、と述べる。

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アリー・ハビーブ前国防大臣がシリア・アラブ・テレビに出演し、退任の挨拶。退任の理由が健康状態の悪化にあると述べる。しかし『シャルク・アウサト』(9日付)が西側外交筋の話として伝えたところによると、ハビーブ前国防大臣はハマーでの弾圧に再三にわたって反対したために国防大臣を解任された、という。

SANAによると、ダイル・ザウル市で武装テロ集団の発砲により、市民1人が死亡、3人負傷した。

ナーディル・ハサン・カッターンを名のるハマーの武装集団メンバーの1人がシリア・アラブ・テレビで、警察署を襲撃し、武器を強奪、警官を殺害したと証言した。

サウジアラビアのアブドゥッラー国王の8日の声明発表を受け、シリアの主要各紙がその姿勢を強く批判。『ワタン』(9日付)は、武装テロ集団の存在、改革政策を無視している、と非難。『サウラ』(9日付)は「米国の要請に応えた声」と非難。

SANA, August 9, 2011
SANA, August 9, 2011

 

レバノンの動き

ナジーブ・ミーカーティー内閣は閣議で、シリアへの武器密輸を阻止することで合意。これは進歩社会主義党/国民党争ブロックの閣僚が問題提起し、閣内で合意した。

自由国民潮流のミシェル・アウン代表はシリア情勢に関して、「殺人や虐殺ではなく、投票に訴えるべき」と述べ、改革を求める一方、「テロを行っているのは武装集団であり、彼らが言うように、国家ではない」、「シリアがトルコ国境はアラブ諸国の国境で害を与えているとは思わない」とアサド政権の弾圧に一定の理解を示した。そのうえで、国際社会の動きが、「改革ではなく、イラン、ヒズブッラー、ハマースとの関係を絶たせシリアと交渉するための圧力」と非難した。

SANA, August 9, 2011
SANA, August 9, 2011

『リワー』(9日付)によると、進歩社会主義党のワリード・ジュンブラート党首はシリア情勢を悲観。ジュンブラート党首はシリア情勢に対して中立の姿勢を維持しようとしているが、「改革以外に逃げ道はない、時間やチャンスを無駄にしてはならない。これはシリアの将来への賭け」と述べたという。サウジアラビアでサアド・ハリーリー前首相と会談するといった情報も流れている。

ムスタクバル潮流はアドナーン・マンスール外務大臣のシリア訪問を「忌まわしい」シリア実効支配を思い起こさせると非難。

ベカーア県内の複数の村の住民数十人が国境のマスナアに行進。アサド政権による弾圧に抗議。

『リワー』(9日付)、ヒムス県内対レバノン国境通行所でシリア当局がレバノンのトラックに積まれたライフル銃約250丁を押収。トラックはシリア経由でイラクに向かう途中だったとされるが、シリア当局は反体制デモへの武器を供与しようとしていたと断じた。なおレバノン司法当局筋によると、これ例外にも、3人のレバノン人がベイルートで、バーニヤースへの武器密輸を試みて逮捕されたという。『ハヤート』(9日付)によると、この3人の車からカラシニコフ銃6丁が押収された。

各国の動き

ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣は、ワリード・ムアッリム外務大臣と電話会談し、暴力行為の停止が最優先事項とのロシアの立場を伝える。

エジプトのムハンマド・アムル外務大臣はシリアが「戻れないところに向かっている」と述べ、暴力停止に向けて早急な措置を講じるよう呼びかける。

イラク国民議会のウサーマ・ヌジャイフィー議長は、シリア政府に対して「流血を停止するための大胆な対応」を行うよう呼びかける。

国連安保理は今日、潘基文事務総長からシリア情勢に関する報告を受ける。ニューヨークの複数の消息筋によると、インド、ブラジル、南アフリカの国連代表は、シリア高官に今日、「国際社会の立場は、暴力の拒否と即時改革要求という点で統一されている」ことを伝えるとのこと。

AFP, August 9, 2011、Akhbar al-Sharq, August 9, 2011, August 10, 2011、AKI, August 9, 2011、facebook、al-Hayat, August 9, 2011、August 10, 2011, August 11, 2011、Kull-na Shuraka’,
August 9, 2011, August 10, 2011、al-Liwa’, August 9, 2011、Naharnet.com, August 9, 2011、Reuters, August 9, 2011、SANA,
August 10, 2011、al-Sharq al-Awsat, August 9, 2011、al-Thawra, August 9, 2011、UPI, August 9, 2011, August 10, 2011、al-Watan, August 9, 2011をもとに作成。

(C)青山弘之All rights reserved.

ヒムス市に軍部隊が重点的に展開、市内の人権状況は「劣悪」に(2011年7月24日)

シリア政府の動き

SANA(7月24日付)によると、シリア大統領は、ダイル・ザウル県のフサイン・アルヌース県知事をクナイトラ知事に異動し、サミール・ウスマーン・シャイフ氏をダイル・ザウル県新知事に任命した。

SANA, July 24, 2011
SANA, July 24, 2011

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シリア・アラブ・テレビ(7月24日付)は、22日のダイル・ザウルでの反体制デモに関して、「55万人以上」が参加したとのシリア人権監視団の発表を否定、「デモにはせいぜい2,000人が参加しただけだ」と伝えた。

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SANA(7月17日付)によると、イドリブ県ジスル・シュグール市の住民273人が避難先のトルコから自宅に帰宅した。

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SANA(7月25日付)によると、アレッポ市、タルトゥース市などで、アサド大統領の包括的改革プログラム支持、外国の干渉拒否を訴える集会が開かれ、多数の市民が参加した。

国内の暴力

アレッポ県では、アフバール・シャルク(7月25日付)によると、タッル・リフアト市で早朝、25人が逮捕された。

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ヒムス県では、シリア人権連盟によると、ヒムス市ファーフーラ地区、ナーズィヒーン地区周辺に軍部隊が重点的に展開し、軍事・治安作戦の準備を進めた。

また複数の人権活動からによると、戦車9輌が空軍情報部交差点方面からヒムス市内に進入し、ハーリディーヤ地区とクスール地区間に結集した。

シリア人権監視団によると、医療物資、食糧物資、人道支援を包囲された住民に提供することが困難ななか、市内の多くの地区、とりわけバーブ・スィバーア地区、ハーリディーヤ地区の人権状況は「劣悪」となっている。複数の住民によると、ヒムス市は実質的に「孤立地域」に分断され、治安部隊が大規模に展開し、逮捕が続けられるなかで市内に入ることは困難となっているという。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、数百人がルクン・ディーン区、カーブーン区で逮捕された。

またマイダーン地区で未明に三つの夜間デモが発生した。

デモが行われたのは、マージド・モスク、ダカーク・モスク、マンスール・モスク近くで数千人が参加した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、サラーキブ市の入り口で住民がデモを行い、国際幹線道路を閉鎖しようとしたが、軍部隊が発砲、強制排除した。

その後、治安部隊が家宅捜索を行い、15人以上を逮捕した。

シリア人権監視団によると、サラーキブ市では連日反体制デモが行われてるという。

レバノンの動き

ナハールネット(7月24日付)によると、ベイルート県のクウェート大使館前で、アサド政権を支持するシリア人と、反体制運動を支持するシリア人がデモを行い、衝突した。

AFP, July 24, 2011、Akhbar al-Sharq, July 24, 2011、July 25, 2011、July 25, 2011、al-Hayat, July 25, 2011、Kull-na Shuraka’, July 24, 2011、Naharnet, July 24, 2011、Reuters,
July 24, 2011、SANA, July 24, 2011などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ヒムス県内の混乱が継続、ワタン紙は「ヒムス市は悪夢のなかにいる」と報じる(2011年7月19日)

国内の暴力

ヒムス県では、『ハヤート』(7月20日付)によると、ヒムス市で18日以降、軍・治安部隊によって、少なくとも17人の民間人が殺害された。

これに関して、シリア革命調整連合に属するヒムス国内調整委員会のアブドゥッラーを名乗る活動家は、被害者のうち7人は、17日の犠牲者の葬儀の参列者だったと発表した。治安部隊によって一昨日殺害された10人の葬儀(ハーリディーヤ地区)に参列している会葬者だったと述べた。

複数の活動家らによると、市内のほぼすべての地区で電気が不通となっており、市民を無差別に狙撃する「暗殺師団」が展開、ヘリコプターが旋回しているという。

シリア人権国民機構のアンマール・カルビー代表は「ヒムス市住民は、宗派主義的対立が発生しているとの親体制勢力側の噂を非難している。実際のところ、治安機関、民間人の服装をした軍部隊が市民を攻撃している」と綴った。

これに対し、『ワタン』(7月19日付)は「ヒムス市は悪夢のなかにいる」と題した記事を掲載、「ヒムス市は日々、地区どうしが数分にわたって衝突を繰り広げている。その被害は甚大で、理由もなく血が流され、恐ろしい光景を目の当たりにしている」と報じた。

レバノンの動き

AFP(7月19日付)によると、ヒムス県から北部県アッカール郡ワーディー・ハーリド地方にシリア人約300人が避難した。

イラクの動き

アンバル県のイラク治安筋は、シリアのダイル・ザウル県ブーカマール市とイラクのカーイム市国境を結ぶタナフ国境通行所を閉鎖したと発表した。

諸外国の動き

アラブ連盟のナビール・アラビー事務総長は、アサド大統領との会談に関して、「訪問の目的は、対話、変革・改革実施の重要性の明示にあり、この重要性は会談を通じて明示された」と述べた。

AFP, July 19, 2011、Akhbar al-Sharq, July 19, 2011、al-Hayat, July 20, 2011、Kull-na Shuraka’, July 19, 2011、Naharnet, July 19, 2011、Reuters, July 19, 2011、SANA, July 19, 2011などをもとに作成。

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ダマスカス県で「第1回世俗主義大会」が開催、ダマスカス県ではアサド大統領を支持する数十万の市民が広場に集結(2011年7月17日)

反体制勢力の動き

『ハヤート』(7月18日付)によると、ダマスカス県で「第1回世俗主義大会」が開催され、「共生」のスローガンのもと約100人が参加した。

SANA, July 17, 2011
SANA, July 17, 2011

シリア人権ネットワークと世俗主義青年運動が主催したこの大会は「世俗主義国家(建設)を今後の段階を指導するための唯一の解決策として提示することでシリア社会の各層の結束を強化する」ことをめざしている。

シリア民主党のムスタファー・カルアジー書記長は「世俗主義は社会的要請であり、政治的なお飾りなどではない」と述べ、「世俗主義は、政治と宗教の関係を調整する手段であり、民主国家は世俗主義なしには存在し得ない」と強調した。

一方、大会主催者の一人でシリア人権ネットワークのイリヤース・フルヤーニー氏は「世俗国家はすべての宗教と思想を擁護することを保障するのに対し、宗教国家は他者を認めず、宗教的統治のもとで多元主義を敵視する」と述べ、「民主主義は世俗国家のもとでなければ実現しない」と力説した。

世俗主義青年運動を指導するリーン・ミールーさんは「イラクの多元主義がそうであったように、シリアの多元主義を擁護できるものは世俗主義以外にない」と述べた。

大会閉幕声明では、人権最高会議の結成、言論犯・政治犯、裁判を受けていないすべての逮捕者の即時釈放が確認された。

また避難民の強制帰還、職を失った人々への任意の補償を呼びかけた。

現下の危機的状況に関して、閉幕声明は、祖国救済のための対話のテーブルにつき、危機を脱却することを各団体に呼びかけるとともに、人権を口実とした外国の干渉を拒否した。

また寛容の文化、意見の相違の受容、あらゆる排他的・優越主義的な行為の停止の必要を強調し、変化を国民的ニーズとみなし、民主主義を政治体制とする必要を確認した。

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トルコのイスタンブールで反体制活動家が開催していた「国民救済大会」が閉幕声明を発表して、閉幕した。

『ハヤート』(7月18日付)によると、閉幕声明では、「政権が犯した殺戮…により、政権は正統性を失った」としたうえで、「体制打倒に向けた平和的闘争の強化」、「公正な民主国家建設のための国民的オルターナティブの提示」を行うことで合意した。

声明ではまた、移行期政府「国民救済委員会」を設置し、権力の平和的移譲を行うとのヴィジョンを明示した。

国民救済委員会は、シリアのすべての階層を代表する75人のメンバーからなり、このうち50人が国内の代表者、25人が在外活動家から構成され、治安機関の解体、立憲制の確立、民主的多元的市民国家の建設をめざすという。

しかし、変革青年運動政治局のワーイル・ハーフィズ氏によると、閉幕声明に至る議事は難航したという。

ハーフィズ氏によると、シリア・ムスリム同胞団の主導のもとで進められ、参加者は在外活動家25人の国民救済委員会代表メンバーを選出したが、その権能をめぐって議論が紛糾、一部の活動家はイスラーム主義者が大会を牛耳ろうとしていると批判、これを受け国内の代表者50人も代表メンバーにすることが取り決められたのだという。

またクルド人活動家らは、体制転換後の国号を「シリア・アラブ共和国」から「シリア共和国」に変更するよう主張し、他の参加者と対立、シリア・クルド・ムスタクバル潮流が大会を脱会した。

シリア政府の動き

ダマスカス県ウマウィーイーン広場に面するオペラ・ハウスで、アサド大統領就任宣誓演説(2000年7月17日)11周年の祝典が催され、同広場周辺に数十万の市民が集まり、包括的改革プログラム支持、外国の干渉拒否が訴えられた。

また同様の集会、祝典はダマスカス県以外の各地でも行われ、各会場には数百人から数万人が参加、全長1キロを超える巨大なシリア国旗が広げられ、改革支持が訴えられた。

SANA, July 17, 2011
SANA, July 17, 2011
SANA, July 17, 2011
SANA, July 17, 2011

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SANA(7月17日付)などシリアの国営メディアは、イスタンブールでの反体制勢力による「国民救済大会」を「祖国に対する煽動」と批判した。

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SANA(7月17日付)によると、イドリブ県ジスル・シュグール市の住民162人が避難先から自宅に帰宅した。

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SANA(7月17日付)によると、ヒムス県、ダイル・ザウル県で「武装テロ集団」に殺害された軍兵士、治安部隊隊員3人の葬儀が両県の軍事病院で行われた。

国内の暴力

ダイル・ザウル県では、複数の住民によると、1,000人以上の兵力、戦車、ヘリコプターからなる軍部隊(第4機甲師団)がブーカマール市を包囲し、進入の準備を進めているという。

al-Hayat, July 18, 2011
al-Hayat, July 18, 2011

またこれに先だって、住民数万人が前日の抗議デモに対する軍・治安弾圧に抗議し、治安部隊に離反を呼びかける行動を行い、数千人が街頭で「軍、民衆は手を携えて」とシュプレヒコールを連呼した。

『ハヤート』(7月18日付)によると、この呼びかけに呼応して少なくとも100人の空軍情報部員と装甲車4輌の両乗組員が離反し、デモ参加者に加わったという。

活動家の一人はロイター通信(7月17日付)に対して「デモ参加者は善意を示し、軍の兵員輸送車輌を退却させた。政権は、ブーカマール市を攻撃すれば激しい抵抗に遭い、イラクの部族が住民を支援するために国境の向こう側に控えていることを知っている」と語った。

別の活動家は「ブーカマール市すべてが殺戮行為後、街頭に出た。装甲車両が街の中心に入り、彼らを阻止しようとしたが、人の波に飲み込まれて、ことは終わった」と述べた。

一方、SANA(7月17日付)によると、「武装テロ集団」がブーカマール市で土曜日夜、治安要員3人を殺害した。

また『ワタン』(7月17日付)は、「武装テロ集団」がイラク国境地域で混乱を煽り、一色触発の状態に陥ったブーカマール市を攻撃する準備を行っている、と報じた。

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ダマスカス郊外県では、ザバダーニー市で住民が『ハヤート』(7月18日付)に明らかにしたところによると、軍・治安部隊が家々を家宅捜索し、数十人を逮捕した。

ザバダーニー市内の医師はロイター通信(7月17日付)に電話で「治安部隊が住民を輸送車輌に押し込んでいった。逮捕は無差別で、その多くがデモとは無関係だった。障害者の男性や15歳になるその息子も逮捕された」と述べた。

一方、シリア人権連盟によると、作家で反体制活動家のアリー・アブドゥッラー氏がダマスカス南部のカタナー市での治安維持活動のなかで逮捕された。

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ヒムス県では、複数の目撃者によると、ヒムス市に戦車4輌と兵員輸送車輌が進入し、市内中心部のハーリディーヤ交差点に集結しているという。

またシリア人権監視団によると、体制支持派と反体制派がヒムス市内街区で衝突した。

この衝突は、体制支持者3人が先週、何者かに誘拐され、一昨日、家族が彼らの遺体を引き取ったことを受けて発生した。

『ハヤート』(7月18日付)によると、この衝突で少なくとも30人が死亡した。

これに関して、人権活動家は、親体制派と反体制派が市内中心部のハダーラ通りで始まり、その後周辺地区で対立が拡大したとしたうえで、犠牲者のほとんどが「狙撃兵の銃弾」で死亡したと断じた。

レバノンの動き

SANA, July 17, 2011
SANA, July 17, 2011
SANA, July 17, 2011
SANA, July 17, 2011

レバノン人女性400人以上が8台のバスに分乗し、シリアを訪問した。

これは「レバノンのマリアム夫人」キャンペーンの一環で、「国家、国民、そして愛国的立場が立ち向かっている混乱と国際社会の陰謀に直面するシリアを支援する」ことをめざしているという。

AFP, July 17, 2011、Akhbar al-Sharq, July 17, 2011、al-Hayat, July 18, 2011, July 19, 2011、Kull-na Shuraka’, July 17, 2011、Naharnet,
July 17, 2011、Reuters, July 17, 2011、SANA, July 17, 2011などをもとに作成。

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反体制活動家らが「国民救済大会」の開催を宣言するも、シリア革命調整連合がボイコットを表明(2011年7月15日)

反体制勢力の動き

「影の内閣」発足をめざすハイサム・マーリフ弁護士ら「国内外のシリア愛国主義者たち」を名乗る反体制活動家が声明を出し、「国民救済大会」を7月16日土曜日にダマスカス(カーブーン区)とイスタンブールで同時開催し、国を専制状態から民主制へと脱却させるための行程表を案出し、体制打倒というシリア世論の明確な要求に応える仕組みを検討する」と発表した。

同声明はまた、「国民救済発足委員会が大会で設置され、民主制への移行と、シリア世論が闘っている問題に対処するための行程表を策定する」と明言するとともに、同委員会が「反体制勢力の代表と革命を行う若者たち」から構成されるだろうと述べた。

『ハヤート』(7月16日付)によると、「国民救済大会」には500人以上が出席予定だという。

大会準備委員委員長兼報道担当者のハイサム・マーリフ弁護士は国内の反体制勢力代表としてイスタンブールを訪問することが決まっている。

大会には、さまざまな反体制勢力の代表が出席する予定で、そのなかには共産主義者、シリア・ムスリム同胞団、リベラル勢力、人権活動家、青年活動家などが含まれている。

出席する主な反体制活動家、活動家、作家は以下の通り:ラドワーン・ズィヤーダ、ウバイダ・ナッハース、ナジーブ・ガドバーン、イマード・ラシード、フィダー・マジュズーブ、ムハンマド・アブドゥッラー、イサーム・アッタール(元シリア・ムスリム同胞団最高監督者)。

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シリア革命調整連合はフェイスブックで声明を出し、国民救済大会が「体制に利するものであり、体制によいイメージを与えようとするものである」と非難し、大会をボイコットすると宣言した。

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市民社会再生諸委員会のファーイズ・サーラ氏はダマスカスでの国民救済大会に参加しないと述べ、委員会の他のメンバーも、参加するかしないかを自身で決める権利があると述べた。

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ダマスカス宣言執行部のサミール・ナッシャール委員長は、執行部会合で国民救済大会に参加しないことを決定したと述べた。

ナッシャール委員長は「我々は参加できないと謝罪しつつ、大会の成功を望む旨伝えた。我々は彼らに状況は現実的でなく、影の内閣構想は現実にそぐわないと伝えた。だが我々はダマスカスではなく、イスタンブールの大会にオブザーバーを1名派遣する予定である」と述べた。

国内の暴力

複数の活動家によると、各地で合わせて100万人以上が街頭に出て、政治犯の即時釈放を当局に求めた。

シリア人権監視団によると、デモ参加者数はハマー市およびその近郊で50万人を超え、ダイル・ザウル県では45万から50万人に達したという。

またダマスカス県ではカーブーン区のデモに約2万人が参加したという。

これに対し、治安部隊はデモ参加者を排除するために発砲し、少なくとも27人が死亡、数十人が負傷した。

主な犠牲者はダマスカス県カーブーン区で14人、ルクン・ディーン区で3人、ダマスカス郊外県ドゥーマー市で3人、イドリブ市で3人、ダルアー市で2人など。

レバノンの動き

『ハヤート』(7月16日付)によると、北部県トリポリ市クッバ地区のハムザ・モスク前でアサド政権退陣を求めるデモが行われ、数十人が参加した。

諸外国の動き

ヒラリー・クリントン国務長官はシリアの情勢が「依然として未決のまま」と強調した。

イスタンブールでのリビア情勢連絡グループ会合に出席したクリントン国務長官は、「シリアの体制とシリア国民の最終的な運命は国民次第だ」と述べ、「シリアは後戻りできない」と改めて明言した。

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『ハヤート』(7月16日付)は、イスタンブールの西側外交筋の話として、西側の治安機関は、イラン政府がシリア政府によるデモ弾圧に全面支援している証拠を持っていると伝えた。

これに関連して、フランスの経済紙『Les Echos』は、イランの最高指導者アリー・ハーメネイー師が58億米ドルの資金援助を支援し、シリア経済を支えようとしているとの報告書をイラン指導部と関係があるイランのシンクタンクがまとめたと報じた。

同紙によると、ダマスカスが直面する困難な状況のなかで、イラン指導部は58億ドルの資金援助を検討、このなかには、ただちに利用可能な15億米ドル分の3ヶ月融資なども含まれているという。

AFP, July 15, 2011、Akhbar al-Sharq, July 15, 2011、al-Hayat, July 16, 2011、Kull-na Shuraka’, July 15, 2011、Naharnet, July 15, 2011、Reuters, July 15, 2011、SANA, July 15, 2011などをもとに作成。

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アムネスティ・インターナショナル会長がアラブ連盟に対し、シリアに対する措置を講じるよう求める(2011年6月25日)

反体制勢力の動き

反体制作家・出版者のルアイユ・フサイン氏は、27日にダマスカス県で「民主的市民国家のもと、シリアはみんなのもの」と銘打って反体制活動家・有識者の会合を開催すると発表した。

フサイン氏は「月曜日に、無所属の公開国民対話がダマスカスのホテルで開催され、国情や民主的市民国家への移行方法について審議する」と述べ、「招待されているのはいかなる政党、政党ブロックにも所属していない個人だ」と強調した。

また反体制作家で参加者の一人ファーイズ・サーラ氏は「会合という発想は危機の所在を特定し、その解決策を案出するのにいかに貢献できるかということにつながる」と述べた。

シリア政府の動き

SANA(6月25日付)によると、イドリブ県ジスル・シュグール市への避難民の帰国が続き、トルコ領内に批難していた約730人が帰宅した。

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SANA(6月25日付)によると、ダマスカス県カダム区で24日に武装テロ集団に殺害された治安部隊隊員の葬儀がティシュリーン軍事病院で行われた。

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SANA(6月25日付)によると、イドリブ県マルアンド村、ダルクーシュ町で、アサド大統領による包括的改革プログラムを支持するデモが行われ、住民が参加した。

国内の暴力

アナトリア通信(6月25日付)によると、シリア赤新月社のアブドゥッラフマーン・アッタール会長は、「シリア人避難民が帰国を決心した際、その安全は保障する」と発表した。

アッタール会長はまた「赤新月社の名において、我々はシリア政府が彼らを処罰せず、また治安部隊の処罰に曝されないことを保障する」と伝えた。

アッタール会長はさらに、トルコ当局に対してトルコ領内の避難民キャンプへの訪問を許可することを期待していると述べたうえで、シリアへの帰国を望んでいる人たちが圧力に曝されないようにして欲しいと付言した。

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『ハヤート』(6月26日付)は、人権活動家の話として、戦車や兵員輸送車輌に支援された軍部隊が早朝、イドリブ県ナージヤ村に進入・展開したと報じた。

ナージヤ村は、イドリブ県ジスル・シュグール市とラタキア市を結ぶ要衝に位置する。

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『ハヤート』(6月26日付)によると、各地で24日のデモの犠牲者約20人の葬儀が行われる一方、治安当局による摘発活動が続き、100人以上が未明までに逮捕された。

逮捕者のうち80人はアレッポ市マーリア市で拘束されたという。

また複数の活動家がAFP(6月26日付)に述べたところによると、治安部隊がキスワ市での葬儀に発砲し、2人が死亡した。

レバノンの動き

『フィガロ』(6月25日付)は、イラン・シリア関係を研究する専門家が西側諜報機関から得た情報として、ヒズブッラーが、イラン製のロケット弾ズィルザール、ファジュル3、ファジュル4をシリア国内からベカーア県に移送している、と報じた。

諸外国の動き

アムネスティ・インターナショナル会長はアラブ連盟に対して、リビアと同様、シリアに対しても措置を講じるよう求めた。

同会長は、シリア情勢について行動しようとしないその対応を「ダブル・スタンダード」を非難、「シリアの状況は、さらに悪化している」と述べ、対応を求めた。

AFP, June 25, 2011, June 26, 2011、Akhbar al-Sharq, June 25, 2011、Le Figaro, June 25, 2011、al-Hayat, June 26, 2011, June 27, 2011、Kull-na Shuraka’, June 25, 2011、Naharnet,
June 25, 2011、Reuters, June 25, 2011、SANA, June 25, 2011などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

各地で抗議行動開始以来「最大規模」の反体制デモが発生し、「数万人が参加」(2011年6月24日)

反体制勢力の動き

複数の目撃者によると、大佐2人を含むシリア軍の士官4人が離反し、イドリブ県ヒルバト・ジャウズ村からトルコへと越境した。

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シリア政府の動き

シリア軍当局は、ダマスカス郊外県キスワ市郊外に駐留する第1師団内で将兵が離反し、師団が分裂したとの「度重なる報道」を「根拠がない」と否定した。

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SANA(6月24日付)は、軍がイドリブ県ジスル・シュグール市周辺地域への展開を完了、住民の歓迎を受けたと報じた。

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SANA, June 24, 2011
SANA, June 24, 2011

SANA(6月24日付)によると、ダマスカス県バーブ・トゥーマー地区、ダマスカス郊外県ジュダイダト・アルトゥーズ町、ダイル・ザウル市で、アサド大統領による包括的改革プログラムを支持する集会が開かれ、市民数万人が参加した。

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シリア・アラブ・テレビ(6月24日付)は、「武装テロ集団のメンバー3人がジスル・シュグール市(イドリブ県)で殺戮・脅迫行為を行い、治安本部を攻撃したと自供したと報じ、証言ビデオを放映した。

メンバーの一人は「治安本部のスタッフを殺害し、彼らの遺体を傷つけ、検問所を設置し、市民を脅迫した」と自供した。

治安拠点を攻撃した武装集団の数は700人と推計されるという。

国内の暴力

『ハヤート』(6月25日付)によると、ダマスカス県(バルザ区、カーブーン区、マイダーン地区)、ダマスカス郊外県(キスワ市、ザバダーニー市など)、アレッポ県(アレッポ市)、イドリブ県(カフルナブル市、ジャルジャナーズ町、サラーキブ市、ビンニシュ市など)、ヒムス県(ヒムス市、ラスタン市)、ハマー県、ダイル・ザウル県(ダイル・ザウル市、マヤーディーン市など)などの各所に、シリア軍が展開し、治安当局が検問所を設け、幹線道路が封鎖されるなか、金曜礼拝後に反体制デモを行い、当局による暴力行使や対トルコ国境地帯での治安維持活動に反対を表明した。

al-Hayat, June 25, 2011
al-Hayat, June 25, 2011

シリア人権監視団によると、デモは抗議行動開始以来「最大規模」で「数万人が参加した」という。

同監視団によると、ダイル・ザウル市では3万人以上、ハマー市では数万人、マヤーディーン市では数千人、イドリブ県カフルナブル市、ジャルジャナーズ町、サラーキブ市、ビンニシュ市では約1万人、ヒムス県ラスタン市では約5,000人、ダマスカス郊外県のザバダーニー市では約700人、ドゥーマー市では1,500人、ダマスカス県カーブーン区では約1万2,000人がデモに参加した。

また活動家のアブドゥッラー・ハリール氏によると、ラッカ県のラッカ市とタブカ市で数百人規模のデモがあった。

さらにハサカ県の活動家ハサン・バッルー氏はAFP(6月24日付)に対して、カーミシュリー市で5,000人以上、アームーダー市で3,000人以上、ラアス・アイン市で訳1,500人がデモを行ったと述べた。

彼らは体制打倒を求めるスローガンを叫んでいたが、治安部隊との衝突はなく、ラアス・アイン市ではアサド大統領を支持するデモも行われたという。

しかし、複数の活動家と目撃者によると、治安部隊が実弾などを使用し、デモの強制排除を試み、子供2人(ダマスカス郊外県とヒムス県で1人ずつ)を含む15人以上が死亡した。

またシリア人権機構のムハンマド・イナード・スライマーン氏はAFP(6月24日付)に対して「治安部隊がデモ参加者に発砲し、キスワ市では5人が死亡、6人が負傷した」と述べた。

さらに、ダマスカス県バルザ区の人権活動家の一人は「治安部隊がデモ参加者に発砲し、3人が死亡、25人が負傷した」と指摘した。

ロイター通信(6月24日付)によると、バルザ区の住民の話として「治安部隊は最初、催涙ガスを使っていたが、その後、シュプレヒコールが続くなかで、屋上から発砲を始めた…。3人の若者が殺害され、頭と胸を撃たれた遺体2体を見た」と伝えた。

ヒムス市の別の人権活動家も「同市で3人のデモ参加者が殺害された」としたうえで、「20人以上が負傷した」と述べた。

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これに対して、シリア・アラブ・テレビ(6月24日付)は、体制を支持する行進の映像を放映する一方、ダマスカス県バルザ区で武装集団が治安部隊に発砲し、市民3人が死亡、士官1人と複数の治安要員が負傷したと報じた。

レバノンの動き

ナハールネット(6月24日付)によると、北部県トリポリ市でアサド政権の支持者と反対者の双方が座り込みデモを行い、軍・治安当局が厳戒態勢を敷いた。

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AFP(6月24日付)によると、北部県アッカール郡に負傷したシリア人8人が不法入国、その後病院に搬送された。

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ヒズブッラーのハサン・ナスルッラー書記長はテレビ演説を行い、アサド政権に関して「地域唯一のレジスタンス体制」だと位置づけたうえで、「アサド大統領は、武装した反乱分子がいるにもかかわらず、二度にわたって恩赦を実施し、改革を開始した。しかし彼ら(欧米諸国)は満足していない。一方、バーレーンに目を向けると、反体制派の指導者たちはナイフ1本も持っていなかったにもかかわらず、禁固刑を受けている」と述べた。

諸外国の動き

トルコのアフメット・ダウトオール外務大臣は、アサド大統領の22日の演説が「改革に向けた積極的な要素を含んでいるが、重要なのは具体的な措置をどこで実施するかであり、我々はこうした考え方のもとで(シリアとの)連絡を継続している」と述べた。

そのうえで「我々はシリアが改革実施を通じて、現状から全力で脱却することを望んでいる」と続けた。

アナトリア通信(6月24日付)が伝えた。

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『ハヤート』(6月25日付)は、トルコ当局が過去24時間で1,500人以上のシリア人がトルコ領内に避難し、これによりシリア人避難民の数が1万2,000人に達したと発表した、と報じた。

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EU首脳は共同声明を出し、「アサド政権は…自らが示した大規模改革の約束を履行せず、弾圧を選んだことで、正統性を失った」と厳しく非難した。

また「シリア政府が国民に対して行う弾圧を決して受け入れることはできず、嫌悪感をもたらす暴力行使を非難する」と続けるとともに、「トルコ国境のヒルバト・ジャウズ村でのシリア軍の作戦に大いなる懸念」を表明した。

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米『タイムズ』(6月24日付)は、軍・治安部隊によるイドリブ県ジスル・シュグール市制圧を受けてトルコに避難した住民らが、軍・治安部隊による「集団レイプ」が行われたと証言していると報じた。

AFP, June 24, 2011、Akhbar al-Sharq, June 24, 2011、al-Hayat, June 25, 2011、Kull-na Shuraka’, June 24, 2011、Naharnet, June 24, 2011、Reuters,
June 24, 2011、SANA, June 24, 2011、The Times, June 24, 2011などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ヒムス県、ハマー県、ダイル・ザウル県を含む各都市で大規模反体制デモが発生、レバノン・トリポリ市では住民どうしが衝突し死傷者が発生(2011年6月17日)

シリア政府の動き

SANA(6月17日付)は、サーリフ・アリーの子孫らが声明を出し、「サーリフ・アリーの金曜日」と銘打って反体制活動家が抗議デモを呼びかけたことに関して、「祖国の象徴を傷づける」と非難した。

SANA, June 17, 2011
SANA, June 17, 2011

またタルトゥース県シャイフ・バドル市一帯の住民も、「サーリフ・アリーの金曜日」と銘打って反体制活動家が抗議デモを呼びかけたことに抗議、ムライキブ村のサーリフ・アリー廟広場でデモを行った。

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SANA(6月17日付)によると、ハマー県サラミーヤ市で、国民統合支持を目指すデモが行われ、アサド政権支持者多数が参加した。

国内の暴力

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複数の活動家・目撃者によると、ヒムス県、ハマー県、ダイル・ザウル県、バーニヤース市(タルトゥース県)、ダルアー県、ドゥーマー市(ダマスカス郊外県)、カーミシュリー市(ハサカ県)、タルビーサ市(ヒムス県)、ラスタン市(ヒムス県)、ラタキア県などで大規模なデモが発生した。

人権活動家によると、「ハマー、ヒムスは一丸となって街頭行動を行い、ヒムスでは約10万人、ハマーでは数万人が街に出た」という。

反体制活動家はインターネットを通じて「殉教者サーリフ・アリーの金曜日」と銘打ったデモを呼びかけていた。

これに関して、地元調整委員会は、治安部隊の弾圧により少なくとも16人を殺害したと発表した。

また同委員会によると、犠牲者の1人はアレッポ市でのデモ参加者で、アレッポ市で犠牲者が出たのは2011年3月以降これが初めてだという。

なお地域別の犠牲者の内訳は、ヒムス県が9人、ダマスカス郊外県が3人、ダイル・ザウル県が2人、そしてアレッポ県が1人など。

一方、別の活動家らによると、ダルアー県ダーイル町でも2人が殺害されたという。

また『ハヤート』(6月18日付)によると、「数千人が負傷した」。

しかし、SANA(6月17日付)は、各地での抗議デモで、武装集団が警官、治安部隊隊員、住民多数を襲撃し、民間人と警官合わせて9人が死亡、70人以上が負傷したと報じた。

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アレッポ県では、シリア人権国民機構のアンマール・カルビー代表によると、アレッポ市サイフ・ダウラ地区で金曜礼拝後に発生した反体制デモの参加者数百人に向けて、治安部隊が発砲し、少年1人が死亡した。

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タルトゥース県では、シリア人権監視団によると、治安部隊はバーニヤース市で発生した反体制デモを強制排除するために発砲し、複数のデモ参加者が負傷した。

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イドリブ県では、『ハヤート』(6月18日付)によると、軍がマアッラト・ヌウマーン市を完全制圧し、同市とアレッポを結ぶ街道を閉鎖した。

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ダマスカス郊外県では、『ハヤート』(6月18日付)によると、アルバイン市でのデモでは、国連でのロシアの対応に抗議するかたちで、ロシア国旗が焼かれた。

al-Hayat, June 18, 2011
al-Hayat, June 18, 2011

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ハサカ県では、クッルナー・シュラカー(6月17日付)によると、カーミシュリー市、アームーダー市、ラアス・アイン市で反体制デモが行われ、カーミシュリー市では4,000人、アームーダー市では3,000人、ラアス・アイン市では1,000人が参加した。

Kull-na Shuraka', June 17, 2011
Kull-na Shuraka’, June 17, 2011

レバノンの動き

北部県トリポリ市のバーブ・タッバーナ地区・ジャバル・ムフスィン地区で、住民どうしが衝突し、5人(うち兵士1人)が死亡、10人あまり(うち兵士2人)が負傷した。

衝突に先立って、トリポリ市クッバ地区、ヌール広場(アブドゥルハミード・カラーミー広場)では、「ムスリム学生連盟」とトリポリ市内の「レバノン大学在学シリア人学生」が呼びかけて金曜礼拝後に「シリア国民との団結」を訴えるデモが行われていた。

このデモにバーブ・タッバーナ地区でデモを行っていた参加者が合流、アサド政権打倒を呼びかけるシュプレヒコールを連呼する一方、ウマル・カラーミー元首相とその息子のファイサル・カラーミー青年スポーツ大臣の写真やプラカードを破るなど次第に過激化していった。

その後、バーブ・タッバーナ地区のデモ参加者は、同地区とジャバル・ムフスィン地区を隔てるシリア街道に移動し、抗議行動を継続、これに対してジャバル・ムフスィン地区の青年たちがアサド大統領の写真を掲げて対抗すると、両者の緊張が高まり、罵り合い、投石へと発展、その後突然、シリア通りのデモ参加者のただなかに手榴弾が投げ込まれ、交戦状態に入ったという。

al-Hayat, June 18, 2011
al-Hayat, June 18, 2011

複数の治安筋によると、この衝突でアラブ民主党の治安部門責任者のアリー・ファーリス氏が負傷、またバーブ・タッバーナ地区のハドル・ファーリス氏も重傷を負い、アリー・ファーリス氏は搬送先の病院で死亡した。

また休暇中だったレバノン国軍のムハンマド・アブドゥルハミード兵卒も衝突が発生した地区にある自宅近くで死亡した。

さらに一般市民のムンズィル・リファーイー氏も銃撃戦に巻き込まれ頭を打たれて死亡した。

このほか、一般市民のムハンマド・シャクラー氏も死亡したという。

その後軍が両地区に展開し、事態を収拾した。

諸外国の動き

フランスのニコラ・サルコジ大統領はベルリンでドイツのアンゲラ・メルケル首相と会談した。

会談後の記者会見で、サルコジ大統領は「フランスは、ドイツとともに、沈黙が許されず、受け入れられない弾圧行為を国民に対して行うシリア政府への制裁を強化することを呼びかけるだろう」と述べた。

またメルケル首相は、両国が安保理での対シリア避難決議支持をロシアに求めるために圧力をかける、と述べた。

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フランス外務省のベルナール・ヴァレロ報道官は、EUによる対シリア制裁対象の内容に関して「企業、銀行」などを対象にすることも検討されていると述べるとともに、既に制裁対象となっている政権高官に加えて、新たに複数の個人に制裁を科す可能性も示唆した。

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人権活動家によると、トルコに逃れたシリア人避難民が、トルコ当局による隔離政策に抗議してハンストを開始した。

同活動家は「ヤイラダーイ(ハタイ県)・キャンプで避難民たちは金曜礼拝後からハンストを始めた」と述べた。

また「彼らは(親戚・知人などへの)訪問を禁じ、アサド政権に反対するデモを禁じ、外国に連絡できないようにしており、これに抗議している」と付言、さらにトルコの警備兵が避難民に暴行を加えていると非難した。

AFP, June 17, 2011、Akhbar al-Sharq, June 17, 2011、al-Hayat, June 18, 2011、Kull-na Shuraka’, June 17, 2011、Naharnet, June 17, 2011、Reuters, June 17, 2011、SANA, June 17, 2011などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

英国とトルコが国連安保理でシリア非難決議の採択をめざすことで合意(2011年6月13日)

シリア政府の動き

暴力調査委員会(5月末にアサド大統領の指示を受け設置)は、ダルアー県でのデモ参加者への対応をめぐって、政治治安部ダルアー支部長のアーティフ・ナジーブ少将とファイサル・クルスーム前県知事に渡航制限を科した。

同委員会の委員長を務めるムハンマド・ディーブ・マクタリン判事は、ダルアー県で100人以上に聴取を行ったと発表し、同委員会支部が現在も活動を続けていると述べた。

またラタキア県の委員会支部は200件以上の事件を、タルトゥース県の支部はバーニヤース市での事件50件以上を、そして委員会本部も約60件の事件を調査していると付言した。

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SANA, June 13, 2011
SANA, June 13, 2011

シリア・アラブ・テレビ(6月13日付)やSANA(6月13日付)は、軍が完全制圧したイドリブ県ジスル・シュグール市で、武装集団によって殺害された軍・治安部隊兵士多数が遺棄されている「集団墓地」が発見されたと報じ、その映像、写真を公開した。

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また、シリア・アラブ・テレビは軍による治安回復を歓迎する市民のインタビュー映像を放映した。

国内の暴力

12日に軍が「完全制圧」したとされるイドリブ県ジスル・シュグール市および同市周辺の状況に関して、『ハヤート』(14日付)は、子供や女性を含む市民が殺害され、多数が逮捕されたとの複数の目撃者の証言を伝えた。

al-Hayat, June 14, 2011
al-Hayat, June 14, 2011

トルコ国境に逃れた避難民たちによると、シリア軍は12日、ジスル・シュグール市東部から掃討を開始し、18歳から40歳の男性数百人を逮捕したという。

またロイター通信(6月13日付)は、避難民からの情報として、軍の戦車が12日の掃討作戦で、ジスル・シュグール市内の二つのモスクを砲撃し、逃げようとした住民3人(男性1人、女性1人、子供1人)が死亡したと伝えた。

レバノンの動き

レバノン国軍のハサン・アイユーブ准将は、シリア・レバノン国境に違法な武装集団が展開しているとの情報を否定した。

『リワー』(6月13日付)が報じた。

諸外国の動き

国連のバレリー・アモス人道問題担当事務次長は、シリア人避難民10,000人以上がトルコ、レバノンへの避難を余儀なくされていると述べ、警鐘を鳴らした。

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アナトリア通信(6月13日付)は、イドリブ県ジスル・シュグール市一帯からトルコに逃れた避難民の数が6,817人に増えたと報じた。

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ジェイ・カーニー米ホワイトハウス報道官は、米国がシリアでの新たな暴力行使を「強く非難する」と発表、アサド政権に「政治的対話」を行い、シリア国民にその退陣の是非についての意見を表明させるよう求めた。

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al-Hayat, June 14, 2011
al-Hayat, June 14, 2011

スコットランド在住の米国人学生は、自らがシリア人反体制女性ブロガーでレズヴィアンのアミーナ・アブドゥッラー・アッラーフになりすましていたと発表した。

この「女性ブロガー」については、CNNなどが6月8日にダマスカスで治安当局によって誘拐されたと大々的に報じていた。

この学生は謝意を述べつつ、アミーナ・アブドゥッラー・アッラーフというシリア人女性が実在せず、自らがネット上でねつ造した架空の人物であることを認めた。

ねつ造を認めたのは、エジンバラ大学修士課程に在籍するトム・マクマスターさん(40歳、妻帯)。

マクマスターさんは今月7日(火曜日)、アミーナのいとこを名のる男性だと偽って、インターネット上に、彼女が外出中に3人の武装した男たちに誘拐されたと書き込んでいたという。

これを受け、反体制活動家らは、フェイスブック上に「アミーナ・アブドゥッラーを解放せよ」というグループを立ち上げ、約15,000人が賛同していた。

『ハヤート』(6月14日付)によると、ねつ造の事実を知った反体制活動家や賛同者は怒りを露わにしており、サーミー・ハマウィーを名のる男性は、自らが編集するgaymiddleeast.comで「恥を知れ、マクマスター…。お前がしたことは、多くの人々に迷惑をかけ、我々全員を危険にさらすことになった」と記したという。

またアミーナ釈放を求めるフェイスブック上のグループにコメントした一人は、「激しい怒りを感じる」と書き込んだ。

また別の一人は「シリア情勢は悪化しており、このような遊びの余地はない」と書き込んだ。

さらに別の一人は「シリアで起きている非常に重要な出来事に割くべき時間と努力を無駄にされた」と書き込んだ。

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アラブ連盟のアムル・ムーサー事務局長は記者団に対し、シリア情勢に関して「民間人の犠牲者が増えるなか、すべてのアラブ諸国の懸念と怒り」を高めているとしたうえで「事態がこのまま放置されることは受け入れられない」と述べた。

UPI(6月13日付)が伝えた。

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英国のデヴィッド・キャメロン首相はトルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン首相と電話会談し、国連安保理でシリア非難決議の採択をめざすことで合意した。

AFP, June 13, 2011、Akhbar al-Sharq, June 13, 2011、al-Hayat, June 14, 2011、Kull-na Shuraka’, June 13, 2011、al-Liwa’, June 13, 2011、Naharnet, June 13, 2011、Reuters, June 13, 2011、SANA, June
13, 2011、UPI, June 13, 2011などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア軍がジスル・シュグール市を「完全制圧」、同作戦を受け約10,000人の避難民がトルコ・シリア国境地帯に流入(2011年6月12日)

反体制勢力の動き

一方、シリア人権監視団は、2011年3月半ば以降の死者数が1,626人に達していると発表した。

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同監視団によると、このうち1,289人が民間人で、残りが軍、治安部隊隊員、警官だという。

またイドリブ県ジスル・シュグール市への軍の突入で、123人が死亡したと主張した。

シリア政府の動き

アナトリア通信(6月13日付)によると、ダマスカス県のラウダ地区にあるトルコ大使館前で、アサド政権支持者が、シリア国内の混乱に対するトルコ政府の姿勢に抗議してデモを行った。

一部が壁を乗り越えて大使館敷地内に入ろうとしたが、治安部隊がこれを阻止したという。

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SANA(6月12日付)によると、イドリブ県で11日に殺害された軍・治安部隊の兵士の葬儀が、ヒムス県、アレッポ県、イドリブ県の軍病院で行われた。

国内の暴力

イドリブ県では、SANA(6月12日付)によると、シリア軍がジスル・シュグール市を「完全制圧」した。

同通信社によると、軍は同市の「国立病院を武装組織から奪還し、橋や街道に武装組織が敷設した爆発物やダイナマイトを撤去したのち市内に進入した」としたうえで、市内およびその周辺で「武装集団と激しく交戦し、武装集団メンバー2人を殺害、多数を逮捕し、彼らの武器を押収された」という。

また軍は「周辺の山林で武装テロ集団残党を追跡している」という。

同通信社はさらに「武装集団によって殺害・遺棄されたジスル・シュグール市の治安機関要員の集団墓地が発見された…。集団墓地で回収された遺体から武装集団が残虐行為を行ったことが分かる」ことを明らかにするとともに、「武装テロ集団メンバーの一人は、ジスル・シュグール市で虐殺を行い、警察・治安要員を集団墓地に遺棄したことを証言した」と付言、「集団墓地から10体の遺体が回収されたが、そのほとんどが頭や四肢を刃物で切り落とされ、身体中に弾痕が残っていた」と指摘した。

これに対し、AFP(6月12日付)は、複数の活動家・住民の情報として、軍が「今朝7時前に、戦車と重火器によってジスル・シュグール市への集中砲火を開始し、その後東部および南部からも攻撃を行った」と伝えた。

これらの活動家・住民によると、「爆発音が聞こえ、機関銃を搭載したヘリコプターが同市の上空を旋回」、戦車約200輌が同市一帯に展開していたという。

またロイター通信(6月12日付)などは、ジスル・シュグール市掃討時に、複数の兵士が住民への発砲を拒否して離反し、住民側に立って戦ったと報じた。

これに関して、シリア調整委員会は、士官1人と兵士15人が治安部隊を離反し、住民側についたと発表したが、その真偽は確認できていない。

レバノンの動き

ナハールネット(6月12日付)によると、ベイルート県内のクウェート大使館前でアサド政権を支持するデモが行われ、約30人参加した。

諸外国の動き

『ハヤート』(6月13日付)によると、イドリブ県ジスル・シュグール市一帯でのシリア軍の治安維持掃討作戦を受け、トルコ・シリア国境地帯に約10,000人の避難民が流入した。

これに関連して、アナトリア通信(6月12日付)は、トルコ領内に避難したシリア人の数が5,051人に達していると伝えた。

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国連安保理で、シリア非難決議案の審議が予定されていたが、西側外交筋によると、審議の必要がないとする露中がこれをボイコットした。

ロイター通信(6月12日付)が伝えた。

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英国のウィリアム・ヘイグ外務大臣は、スカイ・ニュース(6月12日付)に対して、安保理がシリア問題をめぐって非難決議を採択することで「明確な姿勢」を示すべきだと述べた。

ヘイグ外務大臣はまた、非難決議がアサド政権に「合法的な(国民の)要求に応え、言論犯を釈放し、インターネットを解禁し、人権高等弁務官に協力する」よう求めるものでなければならないと付言した。

AFP, June 12, 2011、Akhbar al-Sharq, June 12, 2011、al-Hayat, June 13, 2011、Kull-na Shuraka’, June 12, 2011、Naharnet, June 12, 2011、Reuters, June 12, 2011、SANA, June 12, 2011などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

イドリブ県で治安作戦が継続、トルコのエルドアン首相はアサド政権が「虐殺」を行っていると断言(2011年6月10日)

シリア政府の動き

反体制活動家が呼びかけた「部族の金曜日」に対抗して、シリア・アラブ・テレビ(6月10日付)は、ハサカ県のアリー・ジャースィム・アーズィル氏ら主な部族の長や名士のインタビューを放映した。

インタビューのなかで、部族長らは、暴動に意義を唱える一方、アサド政権主導による改革への支持を表明した。

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SANA(6月10日付)は、ジスル・シュグール市を占拠していた武装犯罪集団メンバー多数を軍・治安部隊が逮捕し、同地の治安と安定を回復、住民の歓迎を受けたと報じた。

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シリア・アラブ・テレビ(6月10日付)は、イドリブ県ジスル・シュグール市などで軍・治安部隊が住民を殺害したとの外国メディアなどの報道がウソだと証言する住民らのインタビュー映像を放映した。

国内の暴力

フェイスブックの「シリア革命2011」などが「部族の金曜日」と銘打って反体制デモを呼びかけるなか、『ハヤート』(6月11日付)などによると、ダマスカス県、アレッポ県、ヒムス県、ハマー県、カーミシュリー市(ハサカ県)、ダルバースィーヤ市(ハサカ県)、ダイル・ザウル市、ブーカマール市(ダイル・ザウル県)、バーニヤース市(タルトゥース県)、ダルアー県各所で金曜礼拝後にデモが発生した。

『ハヤート』(6月11日付)は、複数の活動家や目撃者の情報として、治安部隊はデモ参加者に対して実弾で発砲し、強制排除を試み、少なくとも市民22人が死亡したとする一方、死者数が28人を越え、そのうちの11人がイドリブ県で殺害されたとする別の活動家の情報もあると報じた。

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しかし、SANA(6月10日付)は、各地での金曜礼拝後の暴動で、多くの警官、治安部隊隊員が武装集団に銃やナイフで殺害されたと報じた。

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イドリブ県では、『ハヤート』(6月11日付)が、人権活動家の情報として、治安部隊がマアッラト・ヌウマーン市での大規模デモに発砲し、少なくとも11人が死亡したと報じた。

同市で殺害されたムハンマド・ダギーム氏(30歳)の父親はAFP(6月10日付)に対して、軍はヘリコプターを投入して弾圧したと証言した。

これに関して、シリア人権監視団は、治安部部隊がマアッラト・ヌウマーン市のデモ参加者を包囲する一方、「群衆によって包囲された警官の応援に駆けつけようとした軍の増援部隊を阻止すべく、デモ参加者は道路を封鎖していた」と発表した。

同監視団はまた「ヘリコプターが町の上空を旋回していた」と指摘した。

別の活動家はAFP(6月10日付)に対して「ヘリコプターが町を空爆した」と述べた。

しかし、SANA(6月10日付)は、マアッラト・ヌウマーン市内の「武装テロ集団」が治安機関本部に集中砲火を浴びせ、警察治安部隊に複数の死傷者が出たと伝えた。

一方、ジスル・シュグール市の情勢に関して、シリア・アラブ・テレビ(6月10日付)は、軍の部隊が「ジスル・シュグール直前」まで到達し、複数の「武装テロ集団」メンバーを逮捕したと報じた。

しかし、目撃者の一人はAFP(6月10日付)に対して、治安部隊がジスル・シュグール市周辺の村々を戦車で砲撃していると証言した。

またジスル・シュグール市の南15キロに位置するズィヤーラ村では、兵士が発砲し、住民を弾圧したという。

al-Hayat, June 11, 2011
al-Hayat, June 11, 2011

さらにトルコ国境を通過した避難民の一人は「ジスル・シュグール市は事実上無人と化した」と述べた。

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ラタキア県では、『ハヤート』(6月11日付)によると、ラタキア市で、治安部隊がデモ参加者に発砲し、6人が死亡した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ブスル・ハリール市で、市民2人が軍の発砲で負傷し死亡した。

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ダマスカス県では、人権活動家が撮影・公開したビデオによると、カーブーン区で夜間デモが発生し、市民3人が治安部隊に殺害された。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ヒムス市で反体制デモが発生し、数千人が参加した。

レバノンの動き

ヒズブッラーは声明を出し、「一部のアラブ諸国とイスラエルのメディアは、ヒズブッラーがシリア一部地域で発生している武力衝突に関与しているとの噂を吹聴している」としたうえで、こうした喧伝が、「シリアとレジスタンス運動を標的とした同一の陰謀」であり「宗派間の緊張を高める」ものだと非難した。

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ナハールネット(6月10日付)によると、北部県トリポリ市で金曜の集団礼拝後にシリアのアサド政権に抗議するデモが発生し、学生ら数百人が参加した。

諸外国の動き

トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン首相はATV(6月10日付)に対し、アサド政権が「虐殺」を行っていると非難、抗議行動参加者への弾圧を「受け入れられない」と述べた。

エルドアン首相は「残念ながら、彼ら(シリア当局)は人道的に振る舞っていない」と述べた。

エルドアン首相はまた、アサド大統領の弟で共和国護衛隊の実質的司令官であるマーヒル・アサド大佐が人道的に振る舞っていないと批判した。

そのうえでエルドアン首相は、女性や子供を踏みつけるシリア軍兵士の映像を例に出し、「このような映像は解説する余地はなく、耐えられないものだ」と述べた。

一方、エルドアン首相はアサド大統領と電話会談し、トルコに逃れてきたシリア人避難民の状況をありのままに説明したが、大統領はシリア国内の現実とまったく矛盾した話を返してきたことを明らかにし、「アサド大統領と4、5日前に話したが、彼らは問題の深刻さを評価できていない」と付言、「こうした状況では、我々は国際社会においてシリアを擁護できない」と述べ、アンカラが国連安保理でのダマスカス非難決議を支持する可能性を示唆した。

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トルコのアブドゥッラー・ギュル大統領は、トルコの文民・軍指導部が「最悪のシナリオ」に対処する準備をしている、と述べた。

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国連の潘基文事務総長は、シリア国内での暴力停止を求めるためアサド大統領との電話会談を試みたが、「大統領は不在」との解答を受けたと発表した。

また潘事務総長によると、アサド大統領は事務総長からの再三にわたる電話会談の申し出に不快感を示し、最後には「あなたはなぜ私と連絡をとりたいのか」と述べたのだという。

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ロバート・ゲーツ米国防長官は「アサドの正統性に疑問の余地が生じた」と述べた。

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ジュネーブでは、赤十字国際委員会のヤコブ・ケレンベルガー総裁がシリア政府に対して、暴力が発生している地域への医療チームの「即時派遣」の申し出を行い、個人的にシリアを訪問し、当局と会見する用意があるとの意思を表明した。

AFP, June 10, 2011、Akhbar al-Sharq, June 10, 2011、al-Hayat, June 11, 2011、Kull-na Shuraka’, June 10, 2011、Naharnet, June 10, 2011、Reuters, June 10, 2011、SANA, June 10, 2011などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

英仏が露・中をけん制しつつ、アサド政権による反体制運動弾圧を非難する国連安保理決議案(修正決議案)を提出(2011年6月8日)

反体制勢力の動き

シリア・ムスリム同胞団のズハイル・サーリム報道官は『ラアユ』(6月8日付)に、イスラーム運動がシリア社会の一部をなしてているとしたうえで、立憲的、文民的、多元的国家建設をめざしていると述べた。

シリア政府の動き

SANA(6月8日付)によると、イドリブ県ジスル・シュグール市で7日に殺害された治安部隊隊員の葬儀がラタキア市の軍事病院で行われた。

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シリア・アラブ・テレビ(6月8日付)は、当局によって傍受されたイドリブ県ジスル・シュグール市での武装集団の電話での通話の内容を公開した。

公開された通話で、武装集団メンバーらは、殺害した警官や治安部隊隊員の遺体を遺棄し、集団墓地に見せかける方法などについて話し合っていた。

国内の暴力

イドリブ県では、『ハヤート』(6月9日付)によると、ジスル・シュグール市の住民数千人が、同市への進入と制圧を準備しているとされる軍(第4機甲師団)の攻撃を恐れ、周辺の村々やトルコに避難した。

また、複数の住民によると、住民は攻撃に備えて、市内各所に障害物を設置したという。

複数の活動家や目撃者がAFP(6月8日付)に述べたところによると、ジスル・シュグール市周辺の村々は、モスク、教会、学校を開放し、避難民を受け入れているという。

人権活動家のムスタファー・ウースー氏が、複数の目撃者の情報として、AFP(6月8日付)に対し、第4師団などからなる軍部隊数千人がイドリブ県に向かっていると述べた。

レバノンの動き

AFP(6月8日付)によると、負傷したシリア人3人が北部県アッカール郡ワーディー・ハーリド地方に搬送された。

うち1人は搬送先の病院で死亡したという。

諸外国の動き

英仏は、アサド政権による反体制運動弾圧を非難し、弾圧の責任者への制裁と人道支援を求める国連安保理決議案(修正決議案)を提出した。

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英仏が提出した安保理決議案に関して、デヴィッド・キャメロン英首相は議会で「この決議に反対票を投じたりする国が出た場合、事態はそのまま放置されることになってしまう」と述べ、安保理でアサド政権への非難決議に反対するロシアと中国を暗に牽制した。

キャメロン首相はまた「1000人が死亡し、10,000人以上が逮捕され、平和的なデモ参加者が暴力に曝されていることを示す信頼できる報告がある。こうした状況は決して受け入れられない…。こうした行き過ぎに沈黙していてはならず、沈黙しないだろう」と述べた。

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マーク・トナー米国務省報道官は、米国が英仏による安保理決議案を支持すると宣言し、「我々は安保理の他のメンバーに米国支持の姿勢を説得するよう試みる」と述べた。

トナー報道官は、こうした決議が「アサド政権にさらなる圧力をかけるものであり、シリア国民への暴力による弾圧を制限する国際社会の試みを促進する」との考えを示した。

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トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン首相は、シリア人避難民に対してトルコが門戸を閉ざすことが「想定され得ない」と述べた。

エルドアン首相はまた「我々の懸念は増している…。シリア政府が改革に向けて早急にステップを踏み、市民を安堵させるよう願いたい」と述べた。

一方、アフメット・ダウトオール外務大臣はシリア政府に対して「国民が妥当だと考えられるような期限を設け、広範な政治改革に向かって」進むよう呼びかけた。

ダウトオール外務大臣はまた「シリア人は危機収束を望んでいる…。ダマスカスは(人々を満足させるような)行動計画を発表せねばならない」と強調した。

AFP, June 8, 2011、Akhbar al-Sharq, June 8, 2011、al-Hayat, June 9, 2011、Kull-na Shuraka’, June 8, 2011、Naharnet, June 8, 2011、al-Ra’y,
June 8, 2011、Reuters, June 8, 2011、SANA, June 8, 2011などをもとに作成。

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反体制活動家約200人がブリュッセルで「シリア革命支援国民連立大会」を開催、アサド大統領はクルド民族主義諸政党の幹部らと面会(2011年6月4日)

反体制勢力の動き

ベルギーをはじめとする欧州諸国から集まった反体制活動家約200人がブリュッセル市内のホテルで「シリア革命」を支持する大会(シリア革命支援国民連立大会)を開催し、アサド大統領に退任要求を行うデモへの血塗られた弾圧を停止するよう求めた。

アフバール・シャルク(6月4日付)によると、シリア・ムスリム同胞団前最高監督者のアリー・サドルッディーン・バヤーヌーニー氏、ラドワーン・ズィヤード氏、中道党、シリア自由団結運動、シリア革命青年らが大会に参加した。

大会は2日間の予定で、主催者の一人で活動家のバースィム・ハターヒト氏はAFP(6月4日付)に対して「我々の目的は、アサドにメッセージを送ることであり、その内容とは「彼が本当の首領なら、自らの犯罪を止めねばならない。彼の軍隊がデモ参加者を捕らえ、拷問し続けるのなら、体制転換が不可避である」というものだ」と述べた。

また「国内のシリアの青年たちによる革命を支持すべく、反体制活動家たちは日曜日にトルコのアンタルヤ市で大会を開き、今日はブリュッセルで会合を開いている。そして明日は別の場所で革命を支持すべく集まる」と付言した。

シリア政府の動き

DP-News(6月4日付)は、複数の消息筋の話として、アサド大統領がクルド民族主義諸政党12団体の幹部と4日に会談し、国内情勢について協議することを決断したと報じた。

これに関して、シリア・クルド・イェキーティー党のフアード・アリークー氏はUPI(6月3日付)に、ハサカ県知事から、アサド大統領がクルド民族主義団体の代表らと4日に会談すると知らされたことを明らかにしていた。

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SANA(6月4日付)によると、内務省は声明を出し、4日に各地で行われた反体制デモで、市民と治安要員合わせて20人が武装集団の射殺されたと発表した。

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SANA(6月4日付)によると、「国民対話委員会」が、シャルア副大統領を議長として会合を開き、「(委員会の)門戸は国内外のあらゆる個人、国民諸組織に対して開かれている」、そして国内外のいかなる個人に対しても、対話への参加に「拒否権」は発動されないこと確認した。

委員会会合ではまた対話のしくみを活性化する方途、現下の課題への政治的解決策案出などが健闘されたという。

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SANA(6月4日付)によると、3日にダマスカス県バルザ区の自宅に帰宅する途中に武装集団に殺害された治安部隊隊員の葬儀が、ティシュリーン軍事病院で行われた。

国内の暴力

ハマー県では、『ハヤート』(6月5日付)によると、ハマー市での前日のデモで死亡した市民の合同葬儀が行われ、約10万人(シリア人権監視団発表、別の市民によると参列者は15万人)が参列した。

al-Hayat, June 6, 2011
al-Hayat, June 6, 2011

住民らによると、「治安部隊は市内にはおらず」、「交通警官もどこかに撤退してしまった」という。

また住民の1人はインターネット・サービスが再びハマー市で不通となっていると指摘した。

シリア人権監視団によると、3日の反体制デモによる犠牲者73人で、うちハマー市では48人が死亡したという。

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イドリブ県では、『ハヤート』(6月5日付)によると、軍ヘリコプターがジスル・シュグール市で反体制活動家らに攻撃を加え、10人を殺害した。

これに関して、SANA(6月4日付)は内務省の話として、未明から早朝にかけて「武装集団がジスル・シュグール市一帯の警察署を攻撃し、兵士1人が殉職、警察官1人が負傷、また武装犯罪集団の1人も死亡した」と伝えた。

また「複数の武装犯罪集団が、ジスル・シュグール市のズアイニーヤ公道管理センターを襲撃し、職員と交戦し、警察官のユースフ・カッスーム氏が撃たれて負傷した」という。

さらに別の集団がビダーマー町とユースフィーヤ村の警察署を襲撃し、ユースフィーヤ村では警官1人とその家族が監禁され、武器を奪われ、また別の集団がフサイニーヤ村の軍の拠点を襲撃、兵士1人と武装集団戦闘員1人が死亡したという。

レバノンの動き

ナハールネット(6月4日付)によると、ベイルート県南部郊外(ダーヒヤ)のサッルーム地区で、アサド政権支持者がデモを行い、約700人のシリア人、レバノン人が参加した。

AFP, June 4, 2011、Akhbar al-Sharq, June 4, 2011、DP-News, June 4, 2011、al-Hayat, June 5, 2011、Kull-na Shuraka’, June 4, 2011、Naharnet, June 4, 2011、Reuters,
June 4, 2011、SANA, June 4, 2011などをもとに作成。

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ハマー市、ダルアー市を含む多くの都市で「数万人」規模の反体制デモが発生、「アノニマス」は在外のシリア大使館に対するサイバー攻撃を予告(2011年6月3日)

国内の暴力

『ハヤート』(6月4日付)によると、ハマー市、ダルアー市、ダイル・ザウル市、イドリブ市、カーミシュリー市(ハサカ県)、アームーダー市(ハサカ県)、ヒムス市、ダマスカス県・ダマスカス郊外県、バーニヤース市(タルトゥース市)などで、金曜礼拝後に反体制デモが発生し、「数万人」が参加した。

al-Hayat, June 4, 2011
al-Hayat, June 4, 2011

『ハヤート』(6月5日付)によると、複数の活動家がインターネットを通じて、デモの様子を撮影したビデオ映像を公開した。

映像のなかには、参加者がヒズブッラーのハサン・ナスルッラー書記長の写真を掲げて、アサド大統領と同盟関係にある同書記長に厳しい言葉を浴びせるものなどもあったという。

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反体制デモに対して、治安部隊が催涙弾だけでなく、実弾で強制排除を試み、民間人数十人が死亡、数百人が負傷した。

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ハマー県では、シリア人権監視団やロイター通信(6月3日付)などによると、ハマー市での大規模デモに対する治安部隊の弾圧で、少なくとも34人が死亡、数百人が負傷した。死者はさらに増える見込みだという。

また活動家らによると、市内の複数の病院で負傷者に輸血するための血液提供を呼びかけているという。

ハマー市の住民らによると、治安部隊と狙撃手は旧市街およびその近くのアースィー広場でデモ参加者数千人に自動小銃で発砲し、これを受けてデモ参加者数は「5万人」に再び膨れあがったという。

複数の市民はまた、狙撃手を含む治安部隊が、で数千人のデモ参加者に発砲したと述べた。活動家の一人は「彼らはデモ参加者に直接発砲した。催涙弾ではデモ参加者を排除できなかった。最初に催涙弾を使用し、その後発砲してきた」と述べた。この活動家はまたデモ参加者が「平和的に」自由を求めるシュプレヒコールを連呼し、体制打倒を求めていたことを明らかにした。別の活動家は、死者数が「50人以上になるだろう」と述べた。

一方、シリア・アラブ・テレビ(6月3日付)はデモ参加者が「約10,000人」に上ったとしたうえで、「暴徒がハマー市の政府施設を襲撃・放火し、警察部隊に反抗した破壊分子3人を殺害した」と報じた。

また、SANA(6月3日付)によると、ハマー市で数百人が反対デモを行った。

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イドリブ県では、『ハヤート』(6月4日付)によると、マアッラト・ヌウマーン市で反体制デモが行われ、周辺地域から数千人が集まった。

一方、SANA(6月3日付)によると、県内複数でデモ集会が行われた。

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ハサカ県では、『ハヤート』(6月4日付)によると、カーミシュリー市、ラアス・アイン市、アームーダー市で反体制デモが発生し、5,000人以上が参加した。

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タルトゥース県では、『ハヤート』(6月4日付)によると、バーニヤース市で反体制デモが発生し、5,000人以上が参加した。

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ダルアー県では、『ハヤート』(6月4日付)によると、ジャースィム市で、治安部隊がデモを排除するため空砲を発射した。

レバノンの動き

NNA(6月3日付)によると、ベイルート県ダウンタウンのウマリー・モスク内でアサド政権に反対するデモが行われ、イスラーム解放党支持者ら約200人が参加する一方、モスクの外ではアサド政権を支持する活動家ら約200人が集まり、デモを行った。

諸外国の動き

フランス外務省は声明を出し、「シリアの複数の都市の住民、とりわけラスタン市、タルビーサ市、ダルアー市の住民が、現在、非人道的な状況に直面している。彼らは水、生活物資、電気、医療サービスを奪われ、殺戮行為と無差別逮捕に曝され、それは病院内でも行われている」と非難、アサド政権に「野蛮な暴力行為の停止」を求めた。

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ニューヨークでは、国連報道官によると、潘国連事務総長がシリア当局によるデモ参加者への暴力行為激化に「深い懸念」を表明した。

国連報道官は「事務総長は、先週だけで70人以上が死亡したとされるシリアでの暴力の激化を深く懸念しており、犠牲者総数は…1,000人以上に達し、負傷者はさらに多数にのぼり、数千人が逮捕されている」と述べた。

国連がデモの死者数を発表するのはこれが初めて。

また潘事務総長は「拷問、実弾、砲撃による児童の殺害なども報告されている深刻な人権侵害状況に対して懸念」を表明し、「すべての殺戮行為に対する完全で独立した透明性のある調査の実施が行われなければならない」と述べたという。

また治安部隊と軍が行っている弾圧を即時停止する必要を強調、それによって、「すべての人々を包摂する真の対話を実現し、シリア国民が求める包括的な改革と変革を行うべき」との考えを示した。

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ハッカー集団「アノニマス」はPastebin.com(6月3日付)に書き込みを行い、在外のシリア大使館のウェブサイトに対してサイバー攻撃を行うと宣言した。

「暴君にして人権侵害者のバッシャール・アサドが…シリア国内のインターネットを遮断した」ことが攻撃の理由だという。

AFP, June 3, 2011、Akhbar al-Sharq, June 3, 2011、al-Hayat, June 4, 2011, June 5, 2011、Kull-na Shuraka’, June 3, 2011、Naharnet, June
3, 2011、NNA, June 3, 2011、Pastebin.com, June 3, 2011、Reuters, June 3, 2011、SANA,
June 3, 2011などをもとに作成。

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シリア・ムスリム同胞団を含む反体制勢力はアンタルヤ市で開催中の「シリア変革大会」で改めて「体制打倒」を呼びかける(2011年6月1日)

反体制勢力の動き

シリアの反体制勢力はトルコのアンタルヤ市で今日閉幕予定の「シリア変革大会」で、アサド大統領による恩赦など、政権が発表した諸措置を黙殺し、「体制打倒」を呼びかけた。

al-Hayat, June 2, 2011
al-Hayat, June 2, 2011

シリア・ムスリム同胞団指導部メンバーのムルヒム・ダルービー氏は演説で、「疑いの目をもって…政令第61号(大統領恩赦)を見たが…、それは遅きに失しており、しかも不十分である。実際に恩赦を必要としているのは、自由を求めるシリア国民なのか、国民を殺害したものなのか、と問いたい」と述べるとともに、「(恩赦の)目的はアンタルヤ大会を妨害することにある。アサドはこの決定が同胞団などへの賄賂になると考えていたのだろう」と疑義を呈した。

そのうえでダルービー氏は、「シリア解放の行程表作成」と自由、民主主義のための革命支援を主唱した。

シリア政府の動き

アサド大統領は、国民対話の基礎を作るための委員会の設置し、委員会メンバーとの会談で、シリアの政治、経済、社会生活の将来に関して「すべての国民諸勢力が自らの考えを表現する」にふさわしい雰囲気を提供するための一般的基礎を確立し、「参加拡大に寄与するような広範な変革を実現する」ことが同委員会の役割となると明言した。

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アサド大統領は決定第19号を発し、ムハンマド・ナージー・アトリー前首相に代えて、アーディル・サファル首相を進歩国民戦線中央指導部メンバーに任命した。

『イクティサーディー』(6月1日付)が伝えた。

国内の暴力

ダルアー県では、『ハヤート』(6月2日付)によると、フラーク市を軍の装甲車・戦車が砲撃し、11歳の児童マリク・ムニール・カッダーフくんを含む市民8人が死亡し、数十人が逮捕された。

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ヒムス県では、AFP(6月1日付)によると、5月31日にラスタン市で銃殺された市民の遺体数十体がヒムス市の病院に搬送された。

ラスタン市、タルビーサ市、ティールマアッラ村での4日間での死者数は36人に達するという。

一方、SANA(6月1日付)は、軍高官筋の話として、ラスタン市で、軍・治安部隊が武装テロ集団メンバー多数を摘発したと報じた。

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アレッポ県では、シリア言論犯容疑機構によると、アレッポ中央刑務所の収監者約7,000人が、「シリア国民と団結すべく反乱を起こし、監房を破壊し、複数の看守を人質にとった」が、治安部隊と兵士によって弾圧された。

同機構によると、「兵士・治安部隊千人が刑務所を包囲し、殴打や催涙ガスを使用し、総長に刑務所を制圧した」という。

レバノンの動き

ヒズブッラーのハサン・ナスルッラー書記長がテレビ演説を行い、シリア情勢に関して「シリアで起きているのは分割だ。米国の陰謀が…成功してしまえば、この動きはサウジアラビアにさえも及ぶだろう…。しかし、シリア政府とシリア国民の意志ゆえに、この試練は乗り越えられるだろう」と述べた。

諸外国の動き

『ハヤート』(6月2日付)によると、UNICEFはシリアでの当局によるデモ弾圧で少なくとも30人が殺害されたと発表し、負傷、拘束、避難を余儀なくされているだけでなく殺害された児童たちの報告が増えていると警鐘をならした。

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『ハヤート』(6月2日付)によると、ヒューマン・ライツ・ウォッチはダルアー県でのデモ弾圧時にシリア当局が「人道に対する犯罪」を犯したと非難した。

同組織は「これほどの残虐行為をかつて見たことがない」と題した57ページからなる報告書で、治安部隊が殺害目的で発砲し、ダルアー市だけで少なくとも418人が殺害されたことを明らかにした。

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ハマースの政治局(ハーリド・ミシュアル政治局長)が5月31日、6月1日の2日間にわたり会合を開き、組織内部の対立への対応、シリア情勢などへの対応を協議した。

『ハヤート』(6月3日付)が、パレスチナの複数の消息筋から得た情報によると、会合には、ミシュアル政治局長のほか、マフムード・ズッハール氏を除く政治局メンバー(ガザ地区、西岸地区などの代表)が出席した。

シリア情勢をめぐっては、ダマスカスからの本部の移転を行わない旨、確認したという。

AFP, June 1, 2011、Akhbar al-Sharq, June 2, 2011、al-Hayat, June 2, 2011、June 3, 2011、al-Iqtisadi, June 1, 2011、Kull-na Shuraka’,
June 1, 2011、al-Manar, June 1, 2011、Naharnet, June 1, 2011、NNA, June 1,
2011、Reuters, June 1, 2011、SANA, June 1, 2011などをもとに作成。

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反体制デモに参加し逮捕された少年の遺体画像がSNSやメディアを通じて拡散される、反体制活動家らはさらなるデモを呼びかけ(2011年5月28日)

反体制勢力の動き

ダルアー市に対する軍・治安部隊の包囲解除を求めて4月29日に各地で行われた「怒りの金曜日」と銘打たれた反体制デモに参加して逮捕された少年ハムザ・ハティーブ君(13歳、ダルアー県ジーザ町出身)の遺体を写した動画がフェイスブック、メディアなどで公開され、反体制活動家らが、逮捕後の拷問で殺害されたと非難、抗議のデモを呼びかけた。

シリア当局は、ハムザ君とともにデモ参加者複数名を逮捕していた。

『ハヤート』(5月29日付)によると、ハムザ君の家族は5月25日に当局から遺体を引き取ったが、拷問によると見られる傷が残っていたという。

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シリア人権機構のラーミー・アブドゥッラフマーン代表はAFP(5月28日付)に対して「ダルアーなどでの拷問に沈黙することはできない」と述べ、当局に「ハムザ君らに拷問を行った犯罪者の裁判」を要求した。また拷問に関する厳正な調査の開始と、犯罪者の即時起訴を求めた。

al-Hayat, May 29, 2011
al-Hayat, May 29, 2011
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さらに、「政治犯が拷問を受けて死亡したのはこれが初めてではない」と強調し、「ダルアー国立病院では、拷問によって死亡した犠牲者の遺体が7体安置されている」と述べた。

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シリア言論犯・政治犯擁護センター所長のハリール・マアトゥーク所長は、5月11日に逮捕された反体制指導者のマーズィン・ウダイ氏が、「秘密結社への加入」「国家の威信に対する中傷」といった容疑をかけられ、起訴されたと発表した。

『ハヤート』(5月29日付)が報じた。

シリア政府の動き

SANA(5月28日付)によると、27日のダマスカス郊外県ザバダーニー市での暴動で武装テロ集団によって射殺された警官2人の葬儀が、ラタキア県で行われた。

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シリア・アラブ・テレビ(5月28日付)は、ダルアー県ヤードゥーダ村の住民クサイ・ヤフヤー・シャルア氏を名乗る男性が、「軍が住民に発砲が発砲した」とするアラビーヤ・チャンネルの報道はウソだと証言する映像を放映した。

国内の暴力

『ハヤート』(5月29日付)は、反体制活動家の話として、ハムザ・ハティーブ君の父親が治安当局によって逮捕されたと報じた。

アフバール・シャルク(5月30日付)によると、この逮捕は「父親にウソの証言を強要するため」のものだという。

レバノンの動き

北部県トリポリ市バーブ・タッバーナ地区のモスク前で約500人がデモを行い、レバノン軍がシリアでの弾圧を逃れてレバノンに避難してきたにもかかわらず拘束したシリア人を釈放するよう内閣に求めた。

デモ参加者は「あなたに血と魂を捧げる、ダルアーよ」、「あなたに血と魂を捧げる、バーニヤースよ」、「シリアの体制を転覆しよう」と連呼した。

デモにはレバノンに逃れてきたシリア人避難民数十人も参加していたという。

デモ主催者の一人であるシャイフ・マーズィン・ムハンマド氏はモスク前で『ハヤート』(5月29日付)に「我々はバッシャール・アサドの体制に反対し、シリアの反体制活動家と与する…。金曜日までに逮捕したシリア人全員を釈放せよ。さもなければより大規模なデモを行う」と述べた。

諸外国の動き

『ハヤート』(5月29日付)は、複数の外交筋の話として、イスラーム諸国会議機構が国連安保理に提出されたシリア非難決議に批判的で、決議に関与したくないと考えていると報じた。

AFP, May 28, 2011、Akhbar al-Sharq, May 28, 2011、May 30, 2011、al-Hayat, May 29, 2011 、Kull-na Shuraka’, May 28, 2011、Naharnet, May 28, 2011、Reuters, May 28, 2011、SANA, May 28, 2011などをもとに作成。

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ヒズブッラーのナスルッラー書記長が演説、シリア国民に対し「衝突ではなく対話の道を選ぶよう」呼びかける(2011年5月25日)

国内の暴力

ヒムス県では、SANA(5月25日付)によると、ガジャル村で武装テロ集団が治安部隊を要撃し、隊員3人が死亡した。

レバノンの動き

ハサン・ナスルッラー書記長は、2000年のレバノン南部からのイスラエル撤退11周年にあたる「解放・抵抗記念日」にベカーア県バアルベック郡ナビー・シート村で演説を行った。

al-Hayat, May 26, 2011
al-Hayat, May 26, 2011

演説のなかで、ナスルッラー書記長は、ヒズブッラーが暗殺や車爆弾に関与しているとのバラク・オバマ米大統領の非難が「シオニストたちへの忠誠を証であり、いかなる証拠にも基づいていない、これまで我々が言ってきた通り、(ダニエル・)ベルマール・レバノン特別法廷裁判長や(ダニエル・)フランセン(予審判事)が待っていることを踏まえると、米国こそが検事であり、判事であり、死刑執行人なのだ」と述べた。

ヒズブッラーのロケット弾に関するネタニヤフ首相の発言に関して、ナスルッラー書記長は「我々のロケット弾は地域の均衡のもとに存在し、誰もそれを奪うことなどできない。(イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相が)レバノンやガザ地区のロケット弾について云々している間も、私は彼の目に恐怖が溢れていることが見えた」と述べた。

さらにナスルッラー書記長はアラブ諸国政府とアラブ連盟にアラブ和平イニシアチブの審議を止めるよう求め、「レジスタンス以外に選択肢はなく、アラブ民族は交渉の余地はなく、イスラエルの存在はなく、聖地のユダヤ化はない、と言っている」と明言した。

一方、ナスルッラー書記長は、シリア情勢に関して「我々はシリアの政府と国民に関することに関して、率直にコメントする…。レバノン、とりわけヒズブッラーにおいて、我々は、シリア、その指導部、バッシャール・アサド大統領、そしてシリア国民の抵抗とレジスタンスを高く評価できる…。シリアの指導部は国民とともに、必ずや改革を実施し、シリアの政治生活の新たな地平を切り開く。私個人は…バッシャール・アサド大統領が改革を信じている…。大統領には大いなる新たな改革のステップを静かにそして慎重に踏み出す用意があると思う」と述べた。

そのうえでシリア国民に「彼らの国、レジスタンス体制を維持し、求められている改革実施のため、全国民と協力する機会を指導部に与え、衝突ではなく対話の道を選ぶよう」呼びかけた。

さらにレバノン国民に対して、シリアに科せられているいかなる制裁をも拒否するよう呼びかけた。

AFP, May 25, 2011、Akhbar al-Sharq, May 25, 2011、al-Hayat, May 26, 2011 、Kull-na Shuraka’, May 25, 2011、Naharnet, May 25, 2011、Reuters, May 25, 2011、SANA, May 25, 2011などをもとに作成。

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EU外相理事会がアサド大統領を含む10人の高官に制裁を拡大することを決定・発表、政府はただちにこれを非難(2011年5月23日)

シリア政府の動き

SANA(5月23日付)は、EUによる追加制裁の決定に関して、公式筋が「シリア・アラブ共和国の名のもとに」、「目に余る内政干渉…、その治安を乱し、現在および未来における人民の決定に覇権を及ぼそうとしている」と非難した。

al-Hayat, May 24, 2011
al-Hayat, May 24, 2011

またこの決定がサイクス・ピコ合意後にイスラエル国家を建設した「古びた植民地主義」が果たした約束を想起させるとしたうえで、シリアに対する「計略」、「イスラエルのユダヤ性を強化する前提」と断じた。

そのうえで「改革プログラムの貫徹の意思」と「国民的決定の独自性、完全なる主権、国民の治安および人民の未来への熱意を確固として」守る姿勢を強調、制裁への対抗措置が「犠牲のいかんにかかわらず、シリアを国民的・民族的方法から逸脱するものではない」と主張した。

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ワリード・ムアッリム外務大臣兼在外居住者担当大臣は、シリア・アラブ・テレビ(5月23日付)とのインタビューで、「EUによる追加制裁の決定が、シリアの国益を損ねるだけでなく、欧州の国益を損ねるだろう」と述べた。

また「今日シリアが(欧州を)必要としているのと同様、欧州がシリアを必要としている」と付言、欧州が「経済制裁を通じて、自らをシリア国民と対立させている」と非難した。

さらに「煽動を目的としているような制裁発動は間違っている」と指弾し、EUの決定が「古びた植民地主義国であるフランスと英国の積極的努力の末になされ、バルフォア宣言以来これらの国が果たしてきた植民地主義的役割を思い起こさせる」と述べた。

そのうえで「現在起きていることで得をするのはイスラエルではないのか?」と問いかけ、「イスラエルが和平実現を求める気運から身を引き、入植政策を継続し、パレスチナの土地を侵略しているのに、世界では誰もイスラエルを非難していない」と主張した。

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クッルナー・シュラカー(5月23日付)は、23日に予定されていた「シリア殉教者追悼支持」組織委員会による追悼デモは、内務省の開催許可を得たが、安全上の理由で中止を通達されたと報じた。

レバノンの動き

アフバール・シャルク(5月23日付)によると、ベイルート県ハムラー地区で「シリア革命殉教者追悼支持」を求めるレバノン人とシリア人のデモ行進に、アサド大統領を支持するシリア人、レバノン人が対抗、小競り合いとなった。

いずれのグループも数十人の若者からなっていた。

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ワリード・ジュンブラート進歩社会主義党党首は、党機関紙『アンバー』(5月23日付)で、「シリアは自国だけでなく、レバノンや地域全体に影響をもたらすような歴史的段階に来ている」と述べ、アサド大統領に改革実施を呼びかけた。

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北部県トリポリ市のサラフィー主義シャイフ、イスラーム・シャッハール氏がシリア国民との連帯を宣言した。

アフバール・シャルク(5月23日付)が伝えた。

諸外国の動き

EU外相理事会はブリュッセルの会合で、アサド大統領を含む10人の高官に制裁(資産の凍結、入国査証取得の禁止)を拡大することを決定・発表、またEU投資銀行に対して「現段階でシリアへの投資事業に合意しないよう」求めた。

声明で外相理事会は「最上層部における高官(アサド大統領)をさらなる対象とすることで、この制裁措置を強化する決定を下した」と述べた。

そのうえで「EUは、シリアの指導部が現状路線の転換を選択しない現下において、さらなる措置を延滞なく実施することを決定した」と続けた。

制裁対象となるアサド大統領とシリアの高官9人の24日にEUの官報で発表される。

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EU外相理事会はまた別に声明で、アサド政権に、国連の人権調査団や人権団体の入国許可、政治犯の即時釈放、すべての分野を包摂する国民対話の実施、真の政治改革の実施を「具体的な行程に基づき延滞なく」行うよう呼びかけた。

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英国のウィリアム・ヘイグ外務大臣は、アサド大統領らへの制裁拡大が「正しい判断」だと述べ、「シリアでの弾圧は続いており、重要なのは平和的に行動する権利、政治犯釈放、弾圧によらない改革路線が見られるようになることだ」との見解を示した。

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ヒラリー・クリントン米国務長官は、国外相との共同記者会見で約千人がシリアで殺害されたと主張、「この蛮行は停止されねばならず、シリア国民の合法的な希望は尊重されねばならない」と述べた。

また「ヘイグ外務大臣と私は、アサド政権に宛てた書簡に関して、完全に意見の一致を見ている…。殺戮、拷問、逮捕を止め、すべての政治犯と抗議行動参加者を釈放せよ。包括的で信頼できる民主的変革プロセスのため、対応すべき要求に応えることから始めよ」と付け加えた。

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キャサリン・アシュトンEU外務・安全保障政策上級代表は、外相理事会に先立って、シリアの体制が「真の包括的政治改革」を実施する望みがあるとの見方を示し、「(シリア)政府は今行動せねばならない」と述べた。

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ドイツのギド・ヴェスターヴェレ外務大臣は「改革の道を進めば」、アサド大統領がこの制裁を回避できると述べた。

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オランダのウリ・ローゼンタール外務大臣は、シリアで「抜本的変革」が行われるため、圧力を継続することが重要と述べた。

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ヨルダン国王のアブドゥッラー2世は、NBC(5月23日付)のインタビューに応じ、そのなかでアサド大統領に国民との対話を行うよう呼びかけた。

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ヨルダンの首都アンマンにあるシリア大使館前で、ヨルダン人青年組織のメンバーら数十人がデモを行い、抗議デモに対するシリア政府の対応を非難した。

『ハヤート』(5月23日付)によると、デモはヨルダン人のみによって行われたという。

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ヨルダン・イスラーム行動戦線は声明を出し、シリアでのアサド政権によるデモ弾圧を「犯罪」と非難した。

AFP, May 23, 2011、Akhbar, al-Sharq, May 23, 2011、May 25, 2011、al-Hayat, May 24, 2011 、Kull-na Shuraka’, May 23, 2011、Naharnet, May 23, 2011、Reuters, May 23, 2011、SANA, May 23, 2011などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

厳戒態勢のなか、ヒムス市、イドリブ市、バーニヤース市、ダルアー市、カーミシュリー市などで再び「数千人」規模のデモが発生(2011年5月20日)

反体制勢力の動き

シリア・ニュース(5月20日付)によると「ビラード・シャームの読誦者」のシャイフ、カリーム・ラージフ師(ダマスカス県マイダーン地区のハサン・モスクの説教師)が、治安部隊によるモスク内での礼拝者の取り締まりに抗議して、読誦者たちとともに辞職すると発表した。

 

シリア政府の動き

クッルナー・シュラカー(5月20日付)によると、アサド大統領は、ダルアー市バハール地区の「集団墓地」でアブドゥッラッザーク・アバーズィード氏と4人の息子が遺体で発見されたこと(15日)を受け、アバーズィード氏の未亡人に電話で弔意を示した。

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内務省高官は「ジスル・シュグール市・ラタキア市街道で水曜日(18日)晩、警察官のガーズィー・アフマド・ハッラーク氏が武装犯罪集団に打たれ、殉職した」と発表した。

SANA(5月20日付)が伝えた。

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『ナハール』(5月20日付)は、西側の複数の消息筋の話として、アサド政権がフランスと米国の駐シリア大使に、複数候補者による大統領選挙の実施などを骨子とする改革プログラム案を文書で回付した、と報じた。

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シリア・アラブ・テレビ(5月20日付)、ドゥマイル市で摘発された武装テロ集団メンバーが破壊活動を行ったことを自供する証言映像を放映した。

国内の暴力

フェイスブックなどでの「アーザーディーの金曜日」の呼びかけに呼応するかたちで、複数の都市で反体制デモが発生し、民主的改革に加えて、クルド人の政治的権利拡大やクルド語を母語として使用する権利保障などが要求された。

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『ハヤート』(5月21日付)によると、治安部隊が厳戒態勢を敷き、活動家の逮捕摘発活動を続けるなかで、デモには「数千人」が参加した。

複数の活動家や目撃者によると、大規模なデモが発生したのは、ヒムス市、イドリブ市、バーニヤース市、ダルアー市、カーミシュリー市など。

治安部隊の発砲により、少なくとも34人が死亡、数十人が負傷した。

活動家らによると、犠牲者の内訳は、ヒムス市が子供1人、マアッラト・ヌウマーン市(イドリブ県)が10人、ダルアー県(サナマイン市、ハーッラ市)が2人、ダーライヤー市(ダマスカス郊外県)が1人、ラタキア市が1人、ダイル・ザウル市が2人などだという。

しかし、SANA(5月20日付)は、内務省高官筋の話として昨日伝えたところによると、「民間人、警察官、治安要員合わせて17人が武装集団の銃弾によって殺害され…、公共機関が放火・破壊された」と報じた。

Kull-na Shuraka’, May 20, 2011
Kull-na Shuraka’, May 20, 2011
SANA, May 20, 2011
SANA, May 20, 2011

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シリア人権監視団によると「数千人のデモ参加者がバーニヤース市で街頭に出た。そのなかには、子供や女性も含まれていた」という。

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シリア・クルド人権委員会(ラースィド)のラディーフ・ムスタファー代表は「数百人がアイン・アラブ市(アレッポ県)で街頭に出た。同市の住民のほとんどがクルド人で「アーザーディー、アーザーディー」(自由、自由)と連呼した」と述べた。

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シリア・クルド民主統一党(イェキーティー)のザルダシュト・ムハンマド報道官は「治安当局のパトロール隊がカーミシュリー市(ハサカ県)のアッシリア民主機構の事務所に突入し、12人を逮捕した。治安部隊はPC、文書、テープなど事務所のすべての備品を押収した」と述べた。

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『ハヤート』(5月21日付)によると、ハサカ県のダルバースィーヤ市でもデモが発生し3,500人が参加、またアームーダー市でもデモが発生し、いずれも参加者のほとんどがクルド人で、「自分の母語で話すことを望む」と書かれた旗を掲げていたと報じた。

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これに対して、シリア・アラブ・テレビ(5月20日付)は速報で「武装集団がイドリブ市郊外、ヒムス市内各所での市民の集会を利用し、民間人と警察部隊に発砲し、多くの死傷者が出た」と伝えた。

またアレッポ市、ハマー市、マヤーディーン市(ダイル・ザウル県)、ヒムス市、アームーダー市(ハサカ県)などでのデモが発生したと認めつつ、「参加者は限られていた」と報じた。

さらに、ブーカマール市(ダイル・ザウル県)の特派員は「数十人からなるブーカマールの破壊分子の一団が車4台に放火し、警察署を攻撃・破壊した…。破壊分子は刑務所を開放し、60人の収監者が逃走した」と報じた。

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SANA(5月20日付)も、複数の都市でデモが発生したとしつつ、参加者の数が「減少した」と報じた。

またSANAは、シリア軍消息筋の話として、軍・治安部隊がダマスカス郊外県のドゥマイル市で「テロ細胞」を摘発したと報じた。

同報道によると、軍…治安部隊は「合わせて大量の武器、弾薬、爆発物を応酬した。テロ細胞のメンバーが自供したところによると、これらは生活関連施設、政府・公的機関を標的とするために用意された」という。

レバノンの動き

ワリード・ジュンブラート進歩社会主義党党首は、『サフィール』(5月20日付)に先週のパリ訪問時のアラン・ジュペ外務大臣らとの会談内容について語った。

ガーズィー・アリーディー公共労働大臣とともにパリを訪れたジュンブラート党首は、フランス高官との会談で、「我々にとって重要なのは、強く安定したシリアがあることで、改革は安定に伴われる」と説明したという。

なおアリーディー公共労働大臣は、近くシリアを訪問し、ムハンマド・ナースィーフ副大統領補と会談する予定だという。

諸外国の動き

『ハヤート』(5月20日付)によると、ヨルダンのアンマンなど各地で、金曜礼拝後に、シリア国民との連帯を求めるデモが発生した。

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クッルナー・シュラカー(5月21日付)によると、カイロの弁護士組合がアサド政権を非難する会合を開催、在エジプト・シリア人らが参加した。

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『ハヤート』(5月21日付)によると、国連難民高等弁務官事務所報道官はジュネーブで記者団に対して、シリア国内での暴力激化から逃れるかたちで、約4,000人がトルコやレバノンなど周辺諸国に避難したとしたうえで、レバノンに逃れてきたシリア人避難民の数が1,400人に達していると述べた。

しかしヒューマン・ライツ・ウォッチによると、レバノンのシリア人避難民の数は5,000人に達するという。

またUNHCR報道官はシリアからの避難民のなかには、イラク人数百人も含まれており、その多くは「より安全」なイラクへと避難したという。

AFP, May 20, 2011、Akhbar al-Sharq, May 20, 2011、al-Hayat, May 21, 2011 、Kull-na Shuraka’, May 20, 2011、May 21, 2011、al-Nahar, May 20, 2011、Naharnet, May 20, 2011、Reuters, May 20, 2011、al-Safir, May 20, 2011、SANA, May 20, 2011、Syria News, May 20, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

カーミシュリー市でクルド系青年団体主導によるデモが発生、ヒズブッラーは米国による対シリア追加制裁を非難(2011年5月19日)

反体制勢力の動き

反体制活動家はフェイスブックなどを通じて、明日20日に「アーザーディーの金曜日」(クルド語で「自由の金曜日」を意味)と銘打った反体制デモを行うと発表、参加を呼びかけた。

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シリア・クルド・イェキーティー党のアブドゥルバーキー・ユースフ書記長は『シャクル・アウサト』(5月19日付)に、「体制が、シリア国民の要請に応えるのではなく、暴力と殺戮を駆使したことで、シリア世論は体制打倒を求めるようになった」と非難した。

シリア政府の動き

アサド大統領は、ダマスカスを訪問中のクウェート投資家からなる使節団と会談した。

SANA(5月20日付)によると、会談でアサド大統領は、経済面などでの改革を実行することを強調し、クウェートなどからの新規投資を呼び込みたいとの意思を示した。

SANA, May 19, 2011
SANA, May 19, 2011

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『ハヤート』(5月20日付)は、米国による追加制裁に関して、シリア公式筋が「シリアの将来に関する決定や国民的決定を支配しようとする米国の試みに抵抗する姿勢、そして包括的改革の実施に対して、制裁は何らの影響ももたらさなかったし、今後ももたらさない」と述べたと報じた。

また同公式筋は「シリアに対する米国の措置には、一つの解釈がなりたつ。それはシリア国内の危機を継続させようと煽動しているという解釈で、それは何よりもまずイスラエルの国益に奉仕している」と付言した。

国内の暴力

ヒムス県では、軍・治安部隊が、タッルカラフ市に対して激しい砲撃を続けた。

複数の人権活動家と目撃者によると、市内では軍・治安部隊と住民との間で激しい銃撃戦いが繰り広げられ、AP(7月19日付)によると、民間人多数と治安部隊兵士19人が死亡した。

一方、SANA(5月19日付)は、軍高官筋の話として、タッルカラフ市に展開していた軍部隊が撤退を開始したと報じた。

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イドリブ県では、SANA(5月19日付)が内務省高官筋の話として、武装犯罪集団が、ジスル・シュグール市・ラタキア市街道で、警官を射殺した。

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クッルナー・シュラカー(5月19日付)によると、ハサカ県カーミシュリー市で4つのクルド青年団体が反体制デモを呼びかけ、1,500人が参加、抗議行動に対する弾圧の停止、市街地からの軍・治安部隊の撤退、憲法改正を通じたクルド人の民族としての存在の承認を要求した。

デモを呼びかけたのは、サワー青年連合、インティファーダ青年、青年運動連立、ジャズィーラ青年連合。

デモに対して、治安当局は強制排除を行わなかった。

レバノンの動き

ヒズブッラーが声明を出し、「シリアに対する米国の制裁、そしてアサド大統領個人を貶めようとする試みはきわめて政治的な決定であり、米政権とイスラエルの政体が常にめざしている、とオバマ政権が豪語する人権擁護を強化するものではない。それはシリアと指導部と人民とのやりとりを亡きものにしようとして下された決定である。なぜならシリアは常にイスラエルの占領や米国の覇権に抵抗する路線を選び、パレスチナ人民を常に支持し、米・イスラエルの指図に従うことを拒否してきたからである」と米国の追加制裁を非難した。

諸外国の動き

『ハヤート』(5月20日付)は、国連安保理で西側諸国が中心となって進めている対シリア制裁決議採択に向けた動きに関して、アフリカ外交筋の話として、ナイジェリア、南アフリカ、ガボンといった国々は決議案提出を支持するかを「躊躇している」段階にあると報じた。

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ドイツのウェスターウェレ外務大臣は、来週初めに予定されているEU外相理事会でアサド大統領に対して、資産凍結、渡航禁止といった制裁を科すべきだと提案した。

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フランス外務省報道官は、シリアにおいて「弾圧は激化している」と非難、「軍は兵舎に戻るべきだ」、と述べた。

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シリア国内で失踪後にイランでされたジャズィーラの女性記者ドゥールースィー・バールファーズ氏は、ジャズィーラ(5月19日付)で、身柄拘束中にシリアの当局の暴行を受けたと証言した。

AP, May 19, 2011、AFP, May 19, 2011、Akhbar al-Sharq, May 19, 2011、al-Hayat, May 20, 2011 、Kull-na Shuraka’, May 19, 2011、Naharnet, May 19, 2011、Reuters, May 19, 2011、SANA, May 19, 2011, May 20, 2011、al-Sharq al-Awsat, May 19, 2011などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

当局はダルアー県の集団墓地に関する報道を「捏造である」として否定、米国務長官はシリアへの追加制裁実施の可能性を示唆(2011年5月17日)

シリア政府の動き

アサド大統領は、マンスール・アッザーム大統領府担当大臣をナクバの日の犠牲者追悼担当に任命した。

SANA(5月17日付)が伝えた。

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SANA(5月16日付)は、内務省筋の話として、各地で投降した暴動参加者の数が8,881人に達したと報じた。

彼らは恩赦に基づき、投降後ただちに釈放されたという。

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SANA(5月16日付)によると、ヒムス市で、16日にダイル・バアルバ街道で武装テロ集団に射殺された警官2人の葬儀が行わた。

国内の暴力

シリア・アラブ・テレビ(5月17日付)は、シリア内務省高官の話として、16日に一部メディアが伝えたダルアー県での集団墓地に関する報道について、「煽動ねつ造キャンペーンの一環」だと否定した。

また、SANA(5月17日付)は、15日にダルアー市バハール地区で何者かに殺害された遺体5体(アバーズィード家の子息)が発見されていたと伝えた。

これに関して、シリア人権監視機構のアンマール・カルビー代表は、ダルアー市で発見された遺体が16日に発見された集団墓地とは無関係だとしたうえで、集団墓地が2カ所に及び、遺体24体が遺棄されていたと主張した。

また、アバーズィード家の子息5人の遺体に関しては、農夫が別の場所で発見した遺体7体のうちの身元が判明した5体であると付言した。

しかし、シリア人権監視団のラーミー・アブドゥッラフマーン代表は、アバーズィード家の子息5人が遺棄されていた集団墓地以外に発見された集団墓地はないとカルビー代表の主張を否定した。

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ダルアー県では、『ハヤート』(5月18日付)によると、ハウラーン地方に軍の戦車が進軍した。

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タルトゥース県では、『ハヤート』(5月18日付)によると、治安当局がバーニヤース市の反体制デモの主導者たち逮捕に向けて追跡活動を続けた。

またシリア人権監視団は声明を出し、バーニヤース市で抗議行動を指導してきたアナス・シャグリー氏が当局によって12日に逮捕されたことを確認したと発表した。

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ダマスカス郊外県では、『ハヤート』(5月18日付)によると、サクバー市で未明に夜間デモが行われ、数千人が参加、体制打倒を訴えた。

デモは4月にデモ参加中に死亡したアフマド・アティーヤ氏(26歳)の葬儀がエスカレートして発生したという。

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ヒムス県では、住民らによると、タッルカラフ市で軍が包囲を続け、活動家の逮捕摘発活動・弾圧を大なった。

一方、SANA(5月17日付)は、内務省高官筋によると、タッルカラフ市で治安部隊のパトロール隊が武装テロ集団の襲撃を受け、士官1人と兵士4人が死亡したと報じた。

また、タッルカラフ市、ダルアー県郊外での武装テロ集団の追撃で、軍・治安部隊の兵士8人が死亡したという。

レバノンの動き

『ナハール』(5月17日付)は、レバノン当局が、ヒムス県タッルカラフ市からレバノン領内に逃走したシリア軍兵士3人の身柄をシリア当局に引き渡した。

うち1人は、負傷し、既に死亡しているという。

諸外国の動き

ヒラリー・クリントン米国務長官は、ワシントンでキャサリン・アシュトンEU外務・安全保障政策上級代表と会談した。

会談後、クリントン国務長官は「シリアでの抗議行動弾圧に対して近く追加措置がとられるだろう」と述べた。

またシリアが「同盟国であるイランのもっとも悪しき戦術を採用している」と非難、アサド大統領が「改革について言及したもの、野蛮な弾圧は彼の真意を示している」と述べた。

一方、ジェイ・カーニー米ホワイトハウス報道官は「シリア政府にとって、路線を変え、弾圧を停止し、シリア国民の要求を採用するための余地は限られている」と述べ、「追加措置」を科すことを示唆した。

他方、アシュトン上級代表は、国際社会が「あらゆる選択肢を検討している」としたうえで、「シリア政府の行動は急務である」と弾圧停止を求めた。「近々に追加措置をとる」と述べた。

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フランスのアラン・ジュペ外務大臣は、安保理においてシリア非難を支持する多数派が「形成されている」が、ロシアと中国の拒否権発動の恐れが依然としてある、と批判した。

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外交筋によると、EU加盟17カ国の大使がブリュッセルで会合を開き、アサド大統領本人などへの制裁の可能性などを検討した。

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イスラエル警察は声明を出し、15日の越境デモで領内(占領地内)に侵入していたパレスチナ人4人を逮捕したと発表した。

AFP, May 17, 2011、Akhbar al-Sharq, May 17, 2011、al-Hayat, May 18, 2011 、Kull-na Shuraka’, May 17, 2011、Naharnet, May 17, 2011、Reuters, May 17, 2011、SANA, May 17, 2011などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ダルアー県内で「虐殺」による犠牲者の集団墓地が発見される、ヒムス県の大規模治安作戦は継続(2011年5月16日)

反体制勢力の動き

シリアのクルド民族主義諸政党は声明を発表し、危機解決に向けてイニシアチブを発揮すると宣言、「包括的かつ真剣な国民対話」を国内のすべての勢力に呼びかけた。

同声明は「平和的な民衆の発展」が「専制の終了、一党支配の終了、権力独占の終了、権利と義務をめぐる公正と平等を保障する近代文民国家の建設、すべての国民の国家運営への真の参加実現」をめざすものであると位置づけた。

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シリア・ムスリム同胞団のズハイル・サリーム報道官は声明を出し、アサド政権による国民対話の呼びかけを「情報操作の一種」と批判した。

シリア政府の動き

アサド大統領は、ダルアー市民の使節団と会見、大統領府声明によると「同市で発生した事件、住民と軍の協力の結果もたらされた現下の前向きな雰囲気、国内で実施されている改革措置とその展望」について意見が交わされた、という。

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SANA, May 16, 2011
SANA, May 16, 2011

SANA(5月16日付)によると、15日の越境デモに参加してイスラエルに射殺されたシリア人のうち3人の葬儀がクナイトラ県アイン・ティーナ村、マジュダル・シャムス村で行われ、数千人が参列した。

国内の暴力

ダルアー県では、シリア人権国民機構のアンマール・カルビー代表がAFP(5月16日付)に明らかにしたところによると、「ダルアー住民が月曜日(16日)に市内で集団墓地を発見した」。

al-Hayat, May 17, 2011
al-Hayat, May 17, 2011

カルビー代表によると、これを受けシリア当局が「ただちに同地を包囲し、遺体回収を禁じ、後日遺体を引き渡すことを約束した」という。

また、シリア人権国民機構は声明を出し、ダルアー市に隣接するインヒル市ジャースィム市の一部の住民の話として「シリアの当局は同地の住民に対して恐るべき虐殺を実行した」と発表した。

同声明によると、ジャースィム市で13人が、またインヒル市で21人が「過去5日間で」殺害されたという。

さらに「これ以外にも数十人が殺害されており、その遺体は弾圧現場や森林に放置されたままである。同地域は治安部隊が包囲し、狙撃兵が展開しているため、住民は今もなお、そこに近づけない」という。

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ヒムス県では、AFP(5月16日付)によると、タッルカラフ市で緊張が続き、戦車が市内各所に展開し、砲撃を続け、軍・治安部隊が逮捕摘発活動を行い、住民数百人がレバノン領内に避難した。

目撃者によると「誰も外出できず、負傷者を治療することもできない」という。

また「3日前から病院内の遺体安置所には遺体が保管されたままで、住民は埋葬することもできずにいる」という。

さらに「軍はタッルカラフ市を包囲し、突入をかけて逮捕を行っている」という。

ある匿名の人権活動家によると、日曜日(15日)以降のタッルカラフ市の死者数は10人にのぼるという。

一方、SANA(5月16日付)によると、軍がタッルカラフ市を襲撃した武装犯罪集団の追撃を続け、彼らが保持していた武器、弾薬を押収した。

レバノンの動き

レバノンの声(5月16日付)によると、シリア国内での暴力を逃れ、シリア人約300人が北部県アッカール郡に不法入国、避難した。

諸外国の動き

イスラエル外務省報道官は、15日に発生したシリア、レバノンからの越境デモに関して、国連事務総長と安保理議長宛に抗議文を提出したと発表した。

またUPI(5月16日付)によると、イスラエルは15日のゴラン高原マジュダル・シャムス村での越境デモで殺害した10人の遺体をシリア側に返還した。

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米ホワイトハウスは、レバノン、シリアでのデモ参加者がナクバに合わせて、イスラエルへの越境を試みたことに関して「イスラエルは領内への違法な進入を禁じる権利がある」と表明、また「隣国がこうした活動を禁じる責任を果たさねばならない」としたうえで、「ゴラン高原でのデモ煽動を通じたシリア政府の介入を強く非難し…、事態は国民への激しい弾圧から目をそらそうとするシリア政府の試みに関係していることは我々にとっては自明である」と主張した。

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フランス外務省は声明を出し、15日に発生した越境デモに関して「深い懸念」を表明し、自制を呼びかけた。

AFP, May 16, 2011、Akhbar al-Sharq, May 16, 2011、al-Hayat, May 17, 2011 、Kull-na Shuraka’, May 16, 2011、Naharnet, May 16, 2011、Reuters, May 16, 2011、Naharnet, May 16, 2011、SANA, May 16, 2011、UPI, May 16, 2011などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ナクバ63周年に際して各地で越境デモが実施され、イスラエル軍の発砲による死傷者が発生(2011年5月15日)

SANA, May 15, 2011
SANA, May 15, 2011

ナクバ63周年の越境デモ

ナクバ63周年に合わせるかたちで、西岸、ガザ地区各所でイスラエルの占領に反対するデモ行進が行われるなか、ゴラン高原のマジュダル・シャムス村でのデモ参加者数百人が国境のフェンスを越え、イスラエル領内に入ろうとした。これに対して、イスラエル軍が発砲し、2人が死亡、170人が負傷した。

またレバノン南部のマールーン・ラース村でも、数百人のデモ参加者がレバノン・イスラエル間の有刺鉄線に近づき、越境を試みたが、イスラエル兵の発砲によって10人が殺害され、122人が負傷した。

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外務在外居住者省は声明を出し、イスラエルへの越境を試みたデモ参加者へのイスラエル軍の発砲に関して「多くの殉教者と負傷者をもたらしたゴラン高原、パレスチナ、レバノン南部の我らが人民に対するイスラエルの犯罪行為」と非難した。

al-Hayat, May 16, 2011
al-Hayat, May 16, 2011

そのうえで国際社会に対して、イスラエルの行為の責任を追及するよう求めた。

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イスラエル軍報道官は、ゴラン高原での事件が「非常に危険な暴力行為であり、イスラエル住民の治安を脅かし、その領土を侵害している」と述べた。

そのうえで「イスラエル軍が事態を収拾、各地区からのイスラエルへの侵入を阻止するために行動する」と付言、「事件の責任はシリア、レバノン両政府にある」と非難した。

Naharnet, May 15, 2011
Naharnet, May 15, 2011

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国連のマーティン・ニルスキー報道官は、シリアとレバノンでの越境デモに関して、潘基文事務総長が、多数の死傷者が出たことに深い遺憾の意を示していると発表した。

シリア政府の動き

治安当局は、リヤード・サイフ元人民議会議員、弁護士のカーティリーン・タッリー女史、マリク・シャナワーニー女史ら複数の反体制活動家・指導者を釈放した。

なお、『ハヤート』(5月16日付)によると、これに先立ち、作家のアンマール・ドゥユーブ氏、医師のジャラール・ヌーファル氏、活動家のアンマール・アイルート氏が保釈されていたという。

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内務省は声明を出し、各県で「暴動」に参加したとして投降した市民の数が6,163人に達したと発表、こうした行為を繰り返さないと誓約し、全員がただちに釈放されたと発表した。

また内務省は、2011年政令第54号(平和的デモ調整法、2011年4月22日)の実施細則を発効した。

さらに内務省は、暴動参加者らに対する出頭・恩赦の猶予期間を5月22日までに延期することを決定した。

同省によると、これまで各地で出頭したデモ参加者の数は6,710人にのぼるという。

SANA(5月16日付)が伝えた。

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シリア・アラブ・テレビ(5月14日付)は、ダマスカス郊外県各所での暴動に参加したという男性(ラーミー・ムワッファク・ラドワーン氏)が、破壊行為を行ったと自供する証言映像を放映した。

ラドワーン氏はその後、治安機関に投降し、ほかの投降者と同様、恩赦により釈放されたという。

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SANA(5月15日付)によると、ダマスカス県アブー・ルンマーナ地区にあるEU代表部前で、EUの内政干渉に反対するデモが行われ、市民数百人が参加した。

国内の暴力

ヒムス県では、複数の目撃者や人権感動家によると、対レバノン国境に面するタッルカラフ市で軍・治安部隊が大規模な逮捕摘発活動を行い、ブルジュ地区、ガルユーン地区、市場、駅周辺で戦車などが発砲、女性2人を含む市民7人が殺害された。

犠牲者のうち3人は、市民数十人が抗議活動を行っていたウスマーン・ブン・アッファーン・モスクから出てきたところを射殺されたという。

また軍・治安部隊はタッルカラフ市から多くのシリア人が避難しているレバノンの北部県アッカール郡ワーディー・ハーリド地方に向かって発砲し、シリア人女性1人が死亡し、レバノン人とレバノン人4人(うちレバノン軍兵士1人)が負傷した。

これに関して、レバノン軍司令部は声明を出し、タッルカラフ地方から機関銃に「無差別発砲」により兵士1人が負傷したと発表した。

一方、SANA(5月15日付)によると、タッルカラフ市で、武装犯罪集団が住民や国境警備隊を襲撃、軍・治安部隊兵士11人が死傷した。

軍・治安部隊はタッルカラフ市を襲撃した武装集団を撃退・追撃し、多数の犯罪者を殺傷、逮捕したという。

また複数のレバノン治安消息筋は『ハヤート』(5月16日付)に対して、ワーディー・ハーリド地方からシリア領に向けて発砲があったとの一部情報を否定し、シリア側からの発砲が一方的だったと述べた。

なお同治安消息筋によると、シリアからの避難者のなかには、負傷した国境警備隊兵士2人がおり、もおり、うち1人はレバノンに入国後まもなく死亡し、もう1人は搬送先の病院で死亡した。

AFP(5月15日付)が報じた。

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『ハヤート』(5月16日付)によると、ダマスカス郊外県、ヒムス県ヒムス市、タルトゥース県バーニヤース市、ダルアー県各所では、軍・治安部隊が厳戒態勢を敷くなか、デモは発生せず、平静を保った。

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SANA(5月14日付)によると、ダルアー県での暴動弾圧で殺害された兵士の遺体がハサカ県に搬送され、地元で葬儀が行われた。

レバノンの動き

AFP(5月15日付)によると、北部県アッカール郡ワーディー・ハーリド地方で、シリア人避難民を追撃するシリア軍が、レバノン領内に向けて発砲し、レバノン兵士1人が負傷した。

AFP, May 15, 2011、Akhbar al-Sharq, May 15, 2011、al-Hayat, May 16, 2011 、Reuters, May 15, 2011、Naharnet, May 16, 2011、Kull-na Shuraka’, May 15, 2011、SANA, May 15, 2011などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ダマスカス郊外県などで反体制デモが発生するなか、ラブロフ露外相は「反体制勢力が外国勢力を呼び込み、支援を受けようとしている」と断言(2011年5月13日)

反体制勢力の動き

反体制活動家ルワイユ・フサイン氏は10日のブサイナ・シャアバーン大統領府政治情報補佐官との会談に関して、AFP(5月13日付)に「シャアバーン報道官は…アサド大統領がデモ参加者に発砲しないよう断固たる命令を出し…、発砲した者がその行為を処罰されるだろうと述べた」ことを明らかにした。

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フサイン氏によると、シャアバーン報道官との会談は、「国民対話ではなく、意見交換のための会合」であり、「治安的解決から政治的解決への移行方法が取り上げられ、街の治安、暴力の停止に議題は集中した」という。

また「弾圧が行われているなか、そのことについて話す必要がなかったため、改革に話題はいたらなかった。また我々は街頭で政治活動する当事者ではないがゆえに、行動に訴えたり、街頭で平静を保ったりすることはできない」と付け加えた。

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al-Hayat, May 14, 2011
al-Hayat, May 14, 2011

反体制活動家のミシェル・キールー氏は、10日のブサイナ・シャアバーン大統領府政治情報補佐官との会談に関して、AKI(5月13日付)に「対話ではなく、単なる意見交換だった」としたうえで「すべての政治、経済、社会勢力が参加する国民対話大会」を呼びかけることが真の解決策につながる、との見方を示した。

シリア政府の動き

アドナーン・マフムード情報大臣は、軍がバーニヤース市および周辺地区から「段階的に撤退を開始」したと述べる一方、「治安、平静、安定の回復が確実となった」ダルアー市および同郊外からの軍の撤退を完了したと発表した。

SANA, May 13, 2011
SANA, May 13, 2011

また政府が「政治、社会、経済に関する包括的改革計画をシリア社会のために実行しようとしている」と述べ、「改革とともに治安と安定が不可欠」だと強調した。

そのうえで危機解決に向けて、「通日中に包括的国民対話」が行われると述べた。

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SANA(5月13日付)によると、ダルアー県での暴動弾圧時に「過激派テロ集団」に殺害された軍兵士の葬儀がダマスカス県のティシュリーン軍事病院で行われた。

国内の暴力

『ハヤート』(5月14日付)によると、インターネットなどで「シリア女性解放者の金曜日」と銘打った反体制デモの実施が呼びかけられ、各地で平和的な抗議デモが発生、軍・治安機関の発砲により、ヒムス市で2人が、ダマスカス県で3人が死亡した。

反体制デモが起きたのは、ダマスカス郊外県のドゥーマー市、カタナー市、ダーライヤー市、サクバー市、タッル市、ハサカ県のダルバースィーヤ市、アームーダー市、ラッカ県のタブカ市、ダイル・ザウル県のブーカマール市、マヤーディーン市、ヒムス県ヒムス市、ハマー県ハマー市など。

軍・治安部隊は各都市で街区を完全に封鎖、検問所を設置して、デモを阻止しようとしたが失敗した。

『ハヤート』(5月15日付)は、13日の反体制デモに関して、西欧の外交筋が「発砲は(これまでに比べて)少なかった…。国際社会の圧力を受けて、アサド大統領が対応を変化させたことが窺い知れることができる」との評価を下したと報じた。

なお目撃者の一人がロイター通信(5月13日付)に述べたところによると、「数千人の市民がハマー市の広場で民主主義を求めるデモに参加するために集まった」。

これに関して、ザマーン・ワスル(5月13日付)は、ハマー市ではタキーヤ・モスク、マナーフ・モスク、アブー・バクル・モスク、シャルキー・モスク、ハミーディーヤ・モスク、カビール・モスク、サルジャーウィー・モスク、アブドゥッラー・マスウード・モスクなど10のモスク前で金曜礼拝後に反体制デモが行われたと報じた。

また、クッルナー・シュラカー(5月13日付)は、ハマー県サラミーヤ市で、サウラ通りに市民数百人が集まり、反体制デモを行ったと報じた。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団ラーミー・アブドゥッラフマーン所長によると、バルザ区で、女性弁護士カーティリーン・タッリー氏が逮捕された。

レバノンの動き

ナハールネット(5月14日付)は、北部県アッカール郡ワーディー・ハーリド地方にシリア領内から負傷者4人を含む多数のシリア人が避難してきたと伝えた。

負傷したシリア人のうち2人は女性で、重傷を負っていた30代の男性はレバノン国内の病院に搬送後に死亡したという。

ヒムス県からの避難民の数は過去数週間で5,000人に達するという。

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AFP(5月13日付)によると、ヒムス市バーブ・スィバーア地区、タッルカラフ市などの住民約50世帯が、国境を越えてレバノンの北部県アッカール郡・ワーディー・ハーリド地方に避難した。

諸外国の動き

トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン首相は、米国のブルームバーグTV(5月13日付)とのインタビューで、アサド大統領を「友人」と評したうえで、シリアで抗議行動が発生する前に大統領に改革実施を忠告していたと述べた。

エルドアン首相は「(改革は)遅れた。(アサド大統領がこれまでと)同様の(改革)措置を実施し、国民と一つになることを望んでいる。なぜなら、シリアを訪れるたび、アサド大統領に対する国民の大いなる情熱を見てきたからだ」と述べた。

またアサド大統領が退任すべきかとの質問に対して、「決断するには時期尚早だ。なぜなら最終決定はシリア国民がするものだからだ…。シリアの統合と領土保全が維持されねばならない」と答えた。

また昨年、戒厳令解除、政治犯釈放、選挙制度改革、複数政党制などの必要性についてアサド大統領と「長時間にわたる対話を繰り返した」ことを明らかにした。

そのうえで「必要であれば、我々のもとに人を派遣して欲しい。そうすれば政党組織の方法と、国民とそれがどのように結びついているかを見せましょう」と私は彼に伝えた…。我々はこの問題で合意した。しかし事態は急転を遂げ、ドミノの影響がシリアにも波及した」と付け加えた。

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フランスのアラン・ジュペ外務大臣は『ハヤート』(5月13日付)のインタビューに応じ、「シリア政府は、政治方針を変えなければ、壁に突き当たるだろう」と述べた。

またジュペ外務大臣は、EUの制裁リストにアサド大統領が含まれなかったことに関して、「多くの同盟国が忍耐を示さねばならないと考えていたが…、これはフランスの立場ではない。なぜなら、我々は数百人が死亡した弾圧の責任が彼(アサド大統領)にあると考えているからだ」と強調した。

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米国務省高官は『ハヤート』(5月14日付)に、米国がアサド政権に「デモ参加者への発砲の即時停止、平和的デモの認可、逮捕の停止、政治犯の釈放、改革を求める国民の要求への対応、真の民主的変革の開始」を呼びかけていると述べた。

また米国が、現地での状況に応じてその立場を修正し続け、「野蛮で不正に満ちた弾圧を行うシリア指導部を制裁するため、国際社会と行動し続ける」との意思を示した。

さらに「確かなことが一つある。それはシリアでの事件はもとに戻すことができないということで、政治変動が生じているということである。民主主義、シリア国民の人権尊重へと至らねばならず、これこそが「シリア安定の唯一の方途だ」と強調した。

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英国外務省は声明を出し、「シリアの現下の情勢に対する英国の激しい懸念を表明するため、駐シリア大使を召還する」と発表、デモ弾圧が続く場合は、EUとともに「新たな制裁」を科すと警告した。

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ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣は、シリア国内での危機解決に向けた対話プロセスが進まないことに懸念を示す一方、「反体制勢力が外国勢力を呼び込み、支援を受けようとしている」と非難した。

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国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)報道官は、2011年3月半ばに始まったシリア国内でのデモに伴う混乱により、この2ヶ月で約850人が死亡し、デモ参加者数千人が逮捕されたとの試算を発表した。

報道官はそのうえで、シリア政府に対して自制と暴力停止を呼びかけた。

ロイター通信(5月13日付)が伝えた。

AFP, May 13, 2011, May 14, 2011、Akhbar al-Sharq, May 13, 2011、AKI, May 13, 2011、AP, May 13, 2011、al-Hayat, May 14, 2011 , May 15, 2011、Kull-na Shuraka’, May 13, 2011、Naharnet, May 13, 2011、Reuters, May 13, 2011、SANA, May 13, 2011、Zaman al-Wasl, May 13, 2011などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

EUがシリアの高官13人に対する制裁を発効、エルドアン首相は「(暴力的)治安対策が継続されることは正当化できない」と明言(2011年5月10日)

反体制勢力の動き

クッルナー・シュラカー(5月10日付)によると、反体制活動家のファーイズ・サーラ氏(4月11日逮捕)、ジョルジュ・サブラー氏(4月10日逮捕)、カマール・シャイフー氏(3月16日逮捕)が保釈金を支払い釈放された。

またアフバール・シャルク(5月10日付)によると、ハサン・アブドゥルアズィーム氏、ハーズィム・ナハール氏も不起訴処分となり釈放、ナハール・マウルード氏は審理を終え釈放された。

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『ハヤート』(5月11日付)によると、ルワイユ・フサイン、アーリフ・ダリーラ、ミシェル・キールーら複数の反体制活動家がダマスカスでブサイナ・シャアバーン大統領府政治情報補佐官と会談し、反体制抗議運動への対応などについて協議した。

会談に関して、フサイン氏は「当局が平和的デモ、平和的座り込みを許可することで、抗議行動を行う人々が政治プログラムについてコンセンサスに達し、当局と対話を行う代表者を選べるようにしなければならない、と彼らに伝えた」ことを明らかにした。

そのうえで「(こうした要請に対して、シャアバーン補佐官から)回答を得た。我々は実行されるのを待っている。彼らは人々の釈放を始めた…。つまり、我々は彼らと接触を続け、政治的解決に達することができる」と強調した。

フサイン氏によると、会談の直後、シリア司法当局が、作家のファーイズ・サーラ氏、活動家のカマール・シャイフー氏、反体制組織(シリア民主人民党)指導者のジョルジュ・サブラー氏を釈放した。

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Elaph.com(5月10日付)によると、シリア・ムスリム同胞団のファールーク・タイフール副最高監督者がエジプトを非公式訪問し、ムハンマド・バディーア最高導師ら宗教関係者と会談、シリア情勢などについて協議した。

同報道によると、タイフール副最高監督者は、バディーア最高導師に、アサド政権や「シリア革命」に対するエジプトのムスリム同胞団の対応を変化させるよう求めたという。

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「ヌールッディーン・ザンギー」を名のる人物がフェイスブックで、アレッポ県で「シャッビーハ」を支援する部族長の運営するバス、レストラン、製品などをボイコットするよう呼びかけた。

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フェイスブックのページ「シリア革命2011」は、5月10日を「救済(ヌスラ)の火曜日」と銘打って、言論犯釈放を求めるデモを行うよう呼びかけた。

また「シリア革命2011」は「挑戦週間」と銘打って、毎日正午に各地で「抑圧、不正、包囲」に抗議するためのデモを行うよう呼びかけた。

シリア政府の動き

アサド大統領は、ダマスカス郊外県の使節団22人、ハマー県の宗教関係者18人と会談し、挙国一致、汚職撲滅の必要などを確認した。

SANA(5月11日付)が伝えた。

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アサド大統領のいとこでビジネスマンのラーミー・マフルーフ氏は、『ニューヨーク・タイムズ』(5月10日付)に、シリアにおける変革が「おそらく遅れ、限定的になるだろう」としつつ「たとえ遅れが生じようと、それで世界が終わるわけではない」と強調したうえで、現体制が崩壊すれば、「おそらくサラフィー主義者(が為政者)になるだろう、そのことは国内外での戦争を意味する」と警告した。

そして「こうした状況を我々は受け入れない。人々は彼ら(サラフィー主義者)に反抗するだろう…。このようなことが起きたらそれこそ大災害だ」と付言した。

al-Hayat, May 11, 2011
al-Hayat, May 11, 2011

マフルーフ氏はさらに「シリアに安定がなければ、イスラエルにも安定はない…。もし現政権に何か起きれば、これから起こることを保障する方法も個人もいなくなってしまう。アッラーはそのようなことを許しはしない」と述べ、「私が言っているのは、我々を苦しめるな、大統領に圧力をかけるな、シリアにやりたくないことをやらせるな、ということだ」と明言した。

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SANA(5月10日付)によると、ダマスカス県アブー・ルンマーナ地区のEU代表部前、ジスル・アブヤド地区のフランス大使館前で内政干渉と制裁に反対する抗議デモが発生し、EU代表部前ではシリア共産党の女性党員数十人が、フランス大使館前では学生など市民数百人が集まった。

国内の暴力

反体制活動家がインターネットなどを通じて、数千人に達するとされる逮捕者の釈放を求めるため、「勝利の火曜日」と銘打った反体制デモを呼びかけるなか、各地で抗議行動が発生し、軍・治安部隊が強制排除を試みて介入した。

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al-Hayat, May 11, 2011
al-Hayat, May 11, 2011

ダルアー県では、複数の目撃者と活動家によると、軍・治安部隊がジャースィム市、サナマイン市、ナワー市、ダーイル町などに突入、活動家を逮捕摘発した。

また県内各所で「夜間デモ」行われた。

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タルトゥース県では、複数の目撃者と活動家によると、軍・治安部隊がバーニヤース市内を「完全」に掌握、同市、バイダー町、マルカブ村で大規模な逮捕摘発活動を続けた。

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ダマスカス郊外県では、複数の目撃者によると、ムウダミーヤト・シャーム市で、軍・治安部隊が活動家の逮捕摘発活動を続け、以内では集中砲火の銃声が聞こえた。

またクッルナー・シュラカー(5月10日付)によると、治安当局がシリア人民民主党のジョルジュ・サブラー(1ヶ月前に逮捕)の自宅(ダマスカス郊外県カタナー市)を家宅捜索し、息子のアイハム氏を逮捕した。

また治安当局は、潜伏中のスハイル・アタースィー氏の自宅も家宅捜索したという。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、アルヌース広場に約200人がデモを行い、シリア各地での軍・治安部隊による包囲の解除を求めた。

同監視団によると、逮捕者のなかには作家でジャーナリストのアンマール・ドゥユーブ氏、医師のジャラール・ヌーファル氏、マリク・シャンヌーニー氏、アンマール・アイルータ氏が含まれている、という。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、サラミーヤ市で、治安当局が活動家50人を逮捕した。

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ヒムス県郊外では、SANA(5月10日付)が軍消息筋の話として、軍・治安部隊が県郊外各所で「武装テロ集団」残党の追撃を行い、指名手配者数十人を逮捕し、乗っていた車、オートバイなどを押収したと報じた。

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このほか、複数の活動家によると、ダイル・ザウル県、ハサカ県でも、各所で「夜間デモ」行われ、またラタキア県、イドリブ県でも治安機関による逮捕摘発活動が行われた。

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SANA(5月10日付)は、内務省筋の話として、各地で投降した暴動参加者の数が2,684人に達したと報じた。

投降者は投降後ただちに釈放されているという。

レバノンの動き

ナハールネット(5月10日付)によると、ミシェル・スライマーン大統領がアリー・アブドゥルカリーム駐レバノン・シリア大使と会談、シリアの安定を支持する旨伝えた。

諸外国の動き

EUは、大統領の弟のマーヒル・アサド准将、ムハンマド・イブラーヒーム・シャッアール内務大臣らシリアの高官13人の資産凍結、EU領内への渡航禁止の対象とするとともに、武器禁輸措置などを定めた制裁を10日付官報に掲載し、発効した。

制裁対象者13人は以下の通り:マーヒル・アサド、アリー・マムルーク(総合情報部長)、ムハンマド・イブラーヒーム・シャッアール内相、ムハンマド・ディーブ・ザイトゥーン(政治治安部長)、アブドゥルファッターフ・クドスィーヤ(軍事情報局長?)、ジャミール・ハサン(空軍情報部長)、ハーフィズ・マフルーフ、ラーミー・マフルーフ、アーティフ・ナジーブ(政治治安部ダルアー支部前長)、アムジャド・アッバース(バーニヤースの政治治安部長)、ルストゥム・ガザーラ(軍事情報局南部支部長)、ファウワーズ・アサド、ムンズィル・アサド。

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Shamna.net(5月10日付)は、シリア消息筋の話として、バーニヤース市でイスラエルのモサドのエージェントが逮捕されたと伝えた。

逮捕されたエージェントは欧州の偽造バスポートでシリアに潜入し、サラフィー主義集団への教練を任務としていたという。

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トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン首相は、トルコ第7チャンネルとのインタビューで、シリア政府との密接に連絡をとり、アサド大統領にデモ参加者への発砲を停止する必要があると忠告したことを明らかにした。

そのうえでエルドアン首相は「シリア指導部は7人の治安部隊高官が殺害されたと述べているが、トルコが得ている情報によると、この事件での民間人の死者数は1,000人に上っている」と述べた。

エルドアン首相は「両国(シリアとトルコ)は長大な国境を共有しており、社会的な交流が盛んだからだ」と述べ、トルコ政府がシリア情勢の推移に関心を寄せていることを明らかにした。

またアサド大統領に戒厳令解除を求めていたと述べ、シリアでこれまでと同様の治安対策が継続されることは正当化できないと付言、「かつてハマーとヒムスでの惨事を経験しているが、我々はこのような惨事が繰り返されることを望んでいない」と強調した。

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ジャズィーラ・チャンネルは声明を出し、ジャズィーラ英語放送の女性記者で米国人のドロスィー・パルヴァズ氏が、4月29日にシリアに入国して以降、消息を絶っていると発表した。

パルヴァズ氏に関しては、『ワタン』が信頼できる消息筋の話として「取材目的であるにもかかわらず、観光ビザでシリアに入国したが…5月1日に出国した」と報じていた。

だがジャズィーラ・チャンネルは声明でこれを否定、シリア当局が彼女の消息に関して情報を開示しないと非難、釈放を要求した。

**お

イランのマフムード・アフマディーネジャード大統領は訪問先のイスタンブールでの記者会見で、シリア情勢に関して、「シリアは問題を内政干渉なしに自身で解決できる」と述べた。

AFP(5月10日付)が伝えた。

AFP, May 10, 2011、Akhbar a-Sharq, May 10, 2011、Elaph.com, May 10, 2011、al-Hayat,
May 11, 2011 、Kull-na Shuraka’, May 10, 2011、May 12, 2011、Naharnet, May 10, 2011、The New York Times, June 10, 2011、Reuters, May 10, 2011、SANA, May 10, 2011、Shamna.net, May 10, 2011をもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

Facebookページ「シリア革命2011」がアサド大統領に対し民主化の実施を求める、バーレーン外務省はシリアの安定を支持(2011年5月7日)

反体制勢力の動き

フェイスブック上のページ「シリア革命2011」は、「半年後の自由で民主的な選挙」実施をはじめとする危機打開提案を行い、アサド大統領にその実施を求めた。

同提案は「シリアを独裁体制から民主制へ転換できたら、君は近代シリアの誇りで…そうすることが可能だ」としたうえで、「デモ参加者への発砲を停止し、平和的デモを認め、大統領とその父の写真を街頭から撤去し、すべての言論犯を釈放し、国民対話を開始し、複数政党制を認め、6ヶ月以内の自由で民主的な選挙を実施する」ようアサド大統領に求めた。

また「他者を殺害することで保身し、仕事を維持しようとするあなたの側近や顧問を排除する」よう求めた。

そのうえでアサド大統領が「これらすべてを実行したら、シリアは救済され、イスラエルは恐怖に震える。しかしそうしなければ、イスラエルが勝利し、シリアは敗北するだろう」と述べ、「その場合、デモ組織者は抗議行動継続を呼びかけ続ける」と締めくくった。

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「3月15日革命殉教者委員会」が発表したところによると、3月半ばの抗議行動開始以以降、800人が死亡した。

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アフバール・シャルク(5月7日付)は、マーヒル・アサド准将の妻のきょうだいでシリア国外で暮らすマジド・ジュドアーン氏が反体制デモを支持する呼びかけをユーチューブにアップしたと報じた。

シリア政府の動き

アサド大統領はダマスカス訪問中のバーレーンのハーリド・ビン・アフマド外務大臣と会談した。

大統領声明によると、会談でハーリド外務大臣は、シリアの安定を全面支持するとのハマド・ビン・イーサー国王のメッセージを口頭で伝えた。

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SANA, May 7, 2011
SANA, May 7, 2011

アサド大統領は、若者使節団と会談し、開発、貧困、失業、汚職撲滅、メディア改革などといった問題に関して意見を交わした。

SANA(5月7日付)が伝えた。

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軍消息筋は「軍・治安部隊は、治安と安定回復のため、バーニヤース、ダルアー郊外でテロ集団追跡を継続した…。多数の指名手配者を逮捕、これらの集団が軍、市民を攻撃し、住民を脅迫するために用いた大量の武器弾薬を押収した」と発表した。

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アフバール・シャルク(5月7日付)は、複数のアラブ外交筋の話として、アスマー・アフラス大統領夫人と、アサド大統領の3人の子供(ハーフィズ、ザイン・シャーム、カリーム)が2週間前からロンドンに滞在していると主張した。

3人とも英国籍を持つという。

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SANA(5月7日付)によると、シリア・アラブ・テレビが6日、ザカリヤー・ムトラク(25歳)と名のる若い男が自供する映像を放映し、「そのなかで、変更したメディア各局に証人としてリクルートされ、ニュースをねつ造し、作り話や虚偽の事実をでっち上げ、シリアでの真実に対抗し、同国の治安部隊を貶めようとした」と伝えた。

またシリア・アラブ・テレビ(5月7日付)は、ダルアー県サイダー町を襲撃したと証言する「武装手おる集団」3人の証言映像を放映した。

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SANA(5月7日付)によると、ハマー市で、デモ排除中に武装集団に殺害された警官の葬儀が行われ、市民らが参列した。

また『ハヤート』(5月8日付)によると、6日金曜日にヒムス市で殺害された軍・警察の殉職者11人の葬儀が行われた。

国内の暴力

タルトゥース県では、人権活動家によると、治安部隊が、バーニヤース市近郊のダマスカス・ラタキア街道に集まっていたデモ参加者150人に発砲し、女性3人が死亡、5人が負傷、数十人が逮捕された。死傷者は、バーニヤース市のジャムイーヤ病院に搬送された。

al-Hayat, May 8, 2011
al-Hayat, May 8, 2011

AFP(5月7日付)によると、デモに参加した女性たちは、これまでに逮捕された人々の釈放を求めるため、マルカブ村とバーニヤース市からやって来たのだという。

またその直後、バーニヤース市を包囲していた軍・治安部隊が同市に突入し、大規模な逮捕摘発活動を行った。

また目撃者によると「多数の狙撃兵が建物の屋上に配置されていた…。軍は各街区の安全を確保し、これを受け治安部隊が進入…数十人が逮捕された」という。

軍・治安部隊の突入に合わせて、バーニヤース市の水道、電気が不通となった。

これに関して、軍消息筋は「軍・治安部隊はバーニヤース、ダルアー郊外でテロ集団の追跡を継続し、多数の指名手配者を逮捕、武器弾薬を押収した」と発表した。

複数の人権活動家・目撃者によると、「軍部隊はバーニヤース市に集中砲火を浴びせ」少なくとも6人が死亡し、複数が負傷した。

活動家の一人によると「軍部隊はバーニヤース市内の海岸地区、南側の入口、市場の入り口、マルカブ橋、ラアス・ナブア橋などに、四方から集中砲火を浴びせた…。発砲によって複数の死傷者が出た」という。

別の活動家は、シリア軍がバーニヤース市内のラアス・ナブア地区に加えて、マイダーン地区、クブヤー地区にも突入を開始、これを受け市内のモスクのミナレットからジハードの宣言が告げられ、住民が街頭に出た、と述べた。

さらに別の活動家はAFP(5月8日付)の電話取材に対して、デモ参加者の拠点があるバーニヤース市の南部の地区に軍の戦車が突入しようとしたと述べた。

しかし、これに対して、住民が「人間の鎖」を作り、戦車の進入を阻止しようとしたという。

なお、バーニヤース市南部地区沖には軍の艦艇が周回していたという。

複数の活動家によると、軍は特定宗派(イスラーム教スンナ派を暗示)が住民の大多数を占める市内の特定地区に突入したのだという。

このほか、治安部隊は早朝、マルカブ村に突入し、数十人を逮捕したほか、バイダー町などでも複数名を逮捕した。

逮捕摘発活動を行っていた治安部隊は300人の名前が書かれた容疑者リストを持って、突入を行ったという。

一方、SANA(5月7日付)は県警察幹部の話として「武装テロ集団が早朝、ラウダ村、ダフル・サフラー村の住民の財産を襲い、人的被害が出た」と報じた。

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ハマー県では、SANA(5月7日付)によると、「武装集団」メンバーを含む約400人のデモ隊がオートバイ100台などに乗ってハマー市内に進入し、県庁舎の複数の部屋に放火、破壊した。

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ヒムス県では、SANA(5月7日付)によると、タッルカラフ市で警察1人が、武装集団に撃たれて死亡した。

レバノンの動き

ナハールネット(5月7日付)は、治安筋の話として、軍事情報局担当者がベカーア県の武器販売業者にレバノン人以外の個人に武器を売却しないよう要請を出していると伝えた。

諸外国の動き

ジェイ・カーニー米ホワイトハウス報道官は、シリア情勢に関して、「シリアでの国民に対する遺憾な動きは国際社会の強い対応を必要とすると考える…。シリア政府に具体的な変化がみられければ…、米国とその同盟国はシリア政府に強い抗議の意思を示すための追加措置を講じるだろう」と述べた。

ロイター通信(5月7日付)が伝えた。

AFP, May 7, 2011、Akhbar al-Sharq, May 7, 2011、al-Hayat, May 8, 2011 、May 9, 2013、Naharnet, May 7, 2011、Reuters, May 7, 2011、SANA, May 7, 2011をもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

軍部隊がダルアー市から撤退を開始、英外務大臣は対シリア非難決議の採択をめざす姿勢を改めて示す(2011年5月5日)

反体制勢力の動き

ソルボンヌ大学のブルハーン・ガルユーン教授はAKI(5月5日付)に対し、事態の収拾にはアサド政権と反体制勢力の対話が不可欠だとしたうえで、政権によるデモ弾圧を批判、「政権には対話の意思はない」と糾弾した。

ガルユーン教授はまた、反体制デモが一潮流、一組織の運動ではなく、全国民的運動だと主張した。

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シリア人権監視団は、4月29日の金曜礼拝直前に数百人の市民が拘束され、国家侮辱罪と煽動罪を問われ起訴されていると発表した。

ロイター通信(5月5日付)が伝えた。

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クッルナー・シュラカー(5月6日付)によると、イスラーム文明協会のシャイフ、アフマド・ムアーッズ・ハティーブ氏が逮捕された。

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サワー青年連立は声明を出し、カーミシュリー市で反体制デモに参加していた若者が5月3日以降消息を絶ったと発表した。

シリア政府の動き

SANA, May 5, 2011
SANA, May 5, 2011

アサド大統領は、スワイダー県の名士からなる使節団と青年使節団と会見し、国内情勢について意見を聴取した。

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内務省は声明を出し、投降した361人を「祖国と国民の安全を害す行動を繰り返さない」と誓約させた後に釈放したと発表した。

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SANA(5月5日付)は、内務省が総合情報部内務治安課の隊員を募集、法律学などの学位を持つ青年男女を優先的に士官に任用すると発表したと伝えた。

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SANA(5月5日付)によると、ダマスカス県のフランス大使館前でフランスの対シリア政策に抗議するデモが行われ、数百人が参加した。

国内の暴力

al-Hayat, May 6, 2011
al-Hayat, May 6, 2011

ダマスカス郊外県では、複数の目撃者によると、治安部隊がサクバー市、アルバイン市、タッル市に展開し、大規模な逮捕摘発活動を断行した。

AFP(5月5日付)は、人権活動家の話として、サクバー市では早朝、2,000人以上の軍・治安要員が動員され、約300人を逮捕したと報じた。

別の活動家によると、未明にも、治安部隊が容疑者リストを持って、一軒一軒を訪問し、逮捕を行う一方、また市内各所に検問所が設置され、恣意的逮捕を行ったという。

一方、シリア人権機構(SWASIAH)は、アルバイン市、タッル市で、治安部隊が少なくとも80人の男女子供を逮捕し、タッル市では70歳以上の男性5人も逮捕された、と発表した。

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タルトゥース県では、ロイター通信(5月5日付)によると、バーニヤース市最大のスークがある地区に軍が展開、また市内各所に検問所を設けて閉鎖、10人を逮捕した。

また複数の目撃者によると、戦車・装甲車数十輌がバーニヤース市から10キロ離れたサフム・バフル村に集結した。

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ダルアー県では、軍消息筋によると、軍部隊が朝、「市民の要請に応えて…テロ集団の追跡を行ってきたダルアー市からの段階的撤退」を開始した。SANA(5月5日付)が報じた。

ロイター通信(5月5日付)は、目撃者の話として、戦車約30輌がダルアー市を撤退し、北部に向かっていったと報じた。

しかし同報道によると、装甲車に支援された軍部隊が依然としてダルアー市内の各入り口に展開しているという。

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ハサカ県では、シリア人権委員会によると、カーミシュリー市で4月22日のデモで治安部隊に撃たれて負傷していた活動家が入院中の病院で逮捕された。

レバノンの動き

ナハールネット(5月6日付)は、シリアで教練中のレバノン軍士官(アレッポ、ヒムスの士官学校に在籍する6人)がシリア側の要請で帰国したと報じた。

諸外国の動き

フランスのアラン・ジュペ外務大臣は、対シリア制裁(資産凍結、渡航禁止)に関して、「(制裁)リストに誰を含めるかに関してはいまだ合意がない」と改めて述べた。

ジュペ外務大臣はしかし、ローマでの「リビア連絡グループ」の会合後、「我々は現在、制裁が科される対象人物のリストの最終検討を行っている。フランスはアサドをリストに含めることを望んでいる」と付言した。

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イタリアのフランコ・フラティニ外務大臣は、ヒラリー・クリントン米国務長官との会談で、米国とイタリアがダマスカスに「暴力行為の停止と対話の再開」を呼びかけたと述べた。

フラティニ外務大臣はEUによる対シリア制裁に関しても、「協力合意のためのEUとの交渉停止」も含むだろうと明言した。

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英国のウィリアム・ヘイグ外務大臣は、アサド政権に圧力をかけ、弾圧停止と改革実施を求めると述べ、国連安保理での対シリア非難決議の採択をめざす姿勢を改めて示した。

ロイター通信(5月5日付)が伝えた。

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『ドゥストゥール』(5月5日付)によると、ジャマール・アブドゥンナースィル(ナセル)元大統領の息子アブドゥルハキーム市がアサド大統領に書簡を送り、ハサン・アブドゥルアズィーム弁護士ら政治犯の釈放を求めた

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フランス24(5月5日付)は、デモ参加者の頭を狙撃するよう命令されたと証言する治安部隊隊員の映像を放映した。

AFP, May 5, 2011、Akhbar al-Sharq, May 5, 2011、AKI, May 5, 2011、al-Dustur, May 5, 2011、France 24, May 5, 2011、al-Hayat, May 6, 2011 、Kull-na Shuraka’, May 5, 2011、May 6, 2011, May 7, 2011、Naharnet, May 5, 2011、Reuters, May 5, 2011、SANA, May 5, 2011をもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

アサド大統領がダイル・ザウル県の部族長らと面会、ダルアー県では「武装テロ集団追跡の任務」が継続(2011年5月2日)

反体制勢力の動き

Facebook
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フェイスブックなどで、反体制活動家らが「包囲解除週間」と銘打って、ダルアー市、ラスタン市、タルビーサ市、ドゥーマー市、ムウダミーヤト・シャーム市、バーニヤース市、ジャブラ市との連帯を訴えるデモを毎日正午に各地で行うよう呼びかけた。

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人権団体「インサーン」のウィサーム・タリーフは、「シリアで前例のない抗議行動の波が発生した3月15日以降、2,130人が逮捕されたが、この数は5,000人を超えるものと思われる」と述べるとともに、弾圧などによりこれまで607人が死亡(うち451人がダルアー県で死亡)したと発表した。

『ハヤート』(5月3日付)が報じた。

シリア政府の動き

アサド大統領は首都ダマスカスでダイル・ザウル県の部族長35人と会談し、国内情勢についての意見聴取を行った。

会談に参加した部族長の一人、ハリール・アッブード・ジュドアーンは『ハヤート』(5月3日付)に対し、参加者が「アサド大統領に対して改めて宣誓し、改革進行と祖国を支持する」との意思を伝えたと述べた。また、福祉、農業、水利、開発などに関する住民の要求を伝え、これらに応えるとの回答を大統領から得たと付言した。

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シリア大統領府は声明を出し、アサド大統領がUAEのシャイフ・アブドゥッラー・ビン・ザーイド・アール・ナヒヤーン外務大臣と「アラブ地域、とりわけ湾岸諸国による危機打開のイニシアチブが見られるイエメンの情勢」について検討したと発表した。

声明によると、ワリード・ムアッリム外務大臣兼在外居住者担当大臣が同席したこの会談ではまた、「シリアが現状を克服するためにとっている措置、改革の行程の十分な強化」なども取り上げられた。

『ナハール』(5月13日付)は後日、湾岸諸国の信頼できる政治家からの情報として、UAE外務大臣がアサド大統領に対して、シリアの安定を支持するとしつつ、デモへの厳しい弾圧の継続を容認しないとの意思を伝えたと報じた。

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SANA(5月2日付)は、軍消息筋の話として、ダルアー市で軍部隊が「武装テロ集団」の追跡を続け、1日までに10人のメンバーを殺害、499人を逮捕したと報じた。

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シリア・アラブ・テレビ(5月2日付)は、ダルアー市での殺戮・破壊行為を行ったとするイブラーヒーム・ナーイフ・ムサーラマを名のる武装集団メンバーの証言番組を放映した。

国内の暴力

1日の内務省声明を受け、反体制サイト(フェイスブックのページ)「シリア革命2011」、シリア人権監視団などによると、治安部隊が、ダマスカス県、ダルアー市、カーミシュリー市(ハサカ県)、ドゥーマー市(ダマスカス郊外県)、カフルナブル市(イドリブ県)、サラーキブ市(イドリブ県)、ラタキア市、ヒムス市、ラッカ市で反体制活動家の逮捕を続けた。

うちカフルナブル市では26人が逮捕されたという。

またシリア人権委員会は「ヒムスの軍事情報局はナーディル・フサーミー弁護士を逮捕し、同局へと連行した」、「著名な人権活動家でシリア人権協会メンバーのアブドゥッラー・ハリール弁護士も…ジャズィーラ・チャンネルでコメントしたことを受けて逮捕された」と発表した。

さらにシリア人権監視団は、サラーキブ市の治安機関が、活動家など28人を逮捕、そのなかに身柄拘束中の反体制活動家マフムード・バーリーシュ氏の2人の子息、アイハム氏とシャーディー氏が含まれていると発表した。

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ダマスカス県では、『ハヤート』(5月3日付)などによると、女性約150人が包囲中のダルアー市への支持を訴えてデモ集会を行ったが、治安部隊によって強制排除された。

またクッルナー・シュラカー(5月3日付)によると、カーブーン区で未明(朝1時から6時ごろにかけて)、1日の抗議デモに参加した数十人を逮捕した。また8日の抗議デモに備え、ダマスカス県内の複数カ所で同様の摘発活動を行った。

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ダルアー県では、SANA(5月2日付)が軍消息筋の話として伝えたところによると、ダルアー市の軍・治安機関の複数の部隊は「武装テロ集団追跡の任務」を継続し、「同集団の多くのメンバーを逮捕…、市内の複数カ所に隠されていた大量の武器、弾薬を発見・押収した」。

またAFP(5月2日付)は、ダルアー市で4月25日、ヨルダン人のアブドゥッラティーフ・ワシャーヒー氏が狙撃兵に撃たれ、死亡したと弟のアーティフ氏が証言したと報じた。

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SANA(5月2日付)は、ダルアー県で「過激テロ集団」摘発の任務中に死亡した軍・治安部隊兵士7員の葬儀デモが各地で執り行われたと報じた。

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クッルナー・シュラカー(5月2日付)は、ダルアー市での弾圧鎮圧にあたっていたハサカ県カルバーウィー村出身の兵士アフマド・ファナール・ムスタファー氏(20歳、クルド人)の葬儀への参列を遺族が拒否、ムスタファー氏がデモ弾圧の命令拒否を理由に殺害されたと疑っていると報じた。

レバノンの動き

『ハヤート』(5月3日付)によると、反体制デモ支持者がベイルートのシリア大使館周辺で抗議デモを行い、アサド政権による弾圧を非難した。

また国連ビル周辺ではシリアの体制転換を支持・要求するデモが行われた。

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自由国民潮流代表のミシェル・アウン元国軍司令官は、シリアでの抗議デモに関して、改革を求めるという局面と政権打倒を目指す局面の二つの局面からなっているとの見方を示し、前者はアサド大統領が当初から認めて、対応しようとしている一方、後者は改革に沿ったものでなく、外国の要因によって規定されていると指摘した。

諸外国の動き

フランスのアラン・ジュペ外務大臣はラジオのインタビューで、シリア国民の抗議行動に対して「治安対策による問題解決」に固執すべきでないとアサド政権を非難、デモ参加者への抑圧を続ければ「体制崩壊するだろう」と述べた。

「今日、自由と民主主義への強い要望があり、それは考慮されねばならない。デモ参加者に対する実弾発砲によってこの要望を弾圧することは、いかなる国であれ受け入れられない」と強調、そのうえでEUがダマスカスへの制裁を行おうとしていることを改めて明らかにした。

『ハヤート』(5月3日付)が報じた。

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フランス外務省は声明を出し、アサド政権の反体制デモ弾圧によって「数十人の死者をもたらした」を非難、「ダマスカスの当局がシリアのデモ参加者に行うこの弾圧は週末毎に激化している」と非難した。

また「フランスはまたシリア当局が行う一連の逮捕、とりわけハーズィム・ナハール医師、ハサン・アブドゥルアズィーム弁護士の逮捕を強く非難する」と付言、シリア当局に「現下の危機を脱するためのすべての勢力による政治的対話を開始」するようを呼びかけた。

『ハヤート』(5月3日付)が報じた。

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トルコのアブドゥッラ・ギュル大統領は、シリア政府と常に連絡を取り合っているとしたうえで、流血ではなく、改革・変革プロセスを通じて事態が収拾することを望むと述べた。アフバール・シャルク(5月2日付)が報じた。

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トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン首相は、シリア情勢に関して、シリア分割を望まないとしつつ、アサド政権に弾圧を求め、「シリアで1982年のハマーで起きたような虐殺が起きてはならない」と警鐘を鳴らした。アフバール・シャルク(5月2日付)が報じた。

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ジャズィーラ・チャンネルは声明を出し、女性特派員のドゥールースィー・バールファーズ氏が4月29日に、取材のためにカタールからシリアに空路で向かい、ダマスカス空港到着直後から行方が分からなくなっていると発表し、シリア当局に捜索を要請した。

AFP, May 2, 2011、Akbar al-Sharq, May 2, 2011、al-Hayat, May 3, 2011 、Kull-na Shuraka’, May 3, 2011、al-Nahar, May 13, 2011、Naharnet, May 2, 2011、Reuters, May 2, 2011、SANA, May 2, 2011などを参照。

(C)青山弘之 All rights reserved.