ロシア国防省報道官「ハーン・シャイフーン市での化学兵器による犠牲者の画像はねつ造、化学兵器の被害は反体制派の毒ガス貯蔵施設をシリア軍が攻撃した結果」(2017年4月5日)

ロシア国防省のイゴール・コナシェンコフ報道官は、イドリブ県ハーン・シャイフーン市で化学兵器が使用されたとされる4日の事件に関して、シリア軍戦闘機がイラクから搬入された化学兵器が保管されていた同市内の巨大な武器弾薬庫と有毒ガスを爆弾に装填する工場を空爆した」としたうえで、「我々が持つ信頼できる客観的情報は、これらの兵器が過去にアレッポで使用されたことを確認するものだ」と述べた。

また「SNS上のビデオ映像に映っているハーン・シャイフーン市の民間人の中毒症状は、アレッポで昨年秋にテロリストの攻撃で民間人が被ったものと酷似している」と付言した。

なお、コナシェンコフ報道官によると、シリア軍の戦闘機は4日午前11時半から12時半にかけて、ハーン・シャイフーン市一帯で空爆を実施し、反体制武装集団の化学兵器貯蔵庫を爆撃し破壊、その直後に有毒ガスが飛散し、民間人ら多数が死亡、中毒症状を訴えたという。

しかし、クッルナー・シュラカー(4月4日付)などは、ホワイト・メルメットの隊員らの証言として、化学兵器が使用されたとされる空爆は午前6時半頃に行われたと伝えていた。

AFP, April 5, 2017、AP, April 5, 2017、ARA News, April 5, 2017、Champress, April 5, 2017、al-Hayat, April 6, 2017、Iraqi News, April 5, 2017、Kull-na Shuraka’, April 5, 2017、al-Mada Press, April 5, 2017、Naharnet, April 5, 2017、NNA, April 5, 2017、Reuters, April 5, 2017、SANA, April 5, 2017、UPI, April 5, 2017などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.