イドリブ県では、シリア人権監視団、ドゥラル・シャーミーヤ(6月9日付)などによると、ダーライヤー中隊連合、アフラール軍、ウズベク人戦闘員、トルキスタン人戦闘員など(『ハヤート』(6月11日付)によるとシャーム解放機構)が9日深夜、シリア政府支配下にあるフーア市、カファルヤー町にあるシリア軍および親政権民兵の拠点複数カ所を襲撃した。
これに対する報復として、シリア軍戦闘機が、シャーム解放機構などの反体制武装集団が支配する県北部のビンニシュ市、ラーム・ハムダーン村トゥウーム村、マアッラト・ミスリーン市を爆撃し、女児1人を含む3人が死亡した。
シリア軍はまた、県南部のタフタナーズ市、カニーサト・バニー・イッズ村、アリーハー市、を砲撃し、タフタナーズ市では子供3人を含む9人が死亡、タフタナーズ市内の病院が利用不能となった。
またこれらの爆撃・砲撃で29人が負傷した(ドゥラル・シャーミーヤによると、爆撃・砲撃による死者は子供3人を含む11人)。
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ハマー県では、ドゥラル・シャーミーヤ(6月10日付)によると、シリア軍が県西部のガーブ平原のアンカーウィー村とクライディーン村を結ぶ街道一帯で活動する第一沿岸師団の車輌をコルネット・ミサイルで攻撃し、戦闘員12人を殺害した。
第一沿岸師団は、トルコが後援するシャーム軍団、シャーム解放機構と共闘するナスル軍、自由イドリブ軍などからなる国民解放戦線に参加している。
またシリア軍も、ハークーラ村にはる武装集団拠点を砲撃した。
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クナイトラ県では、SANA(6月10日付)によると、反体制武装集団が、カルーム・ハムリーヤ地区、ジャッバー村の農地数十ドゥーナムを焼き討った。
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ダルアー県では、『ハヤート』(6月11日付)によると、フラーク市で爆弾が爆発し、1人が負傷した。
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『ハヤート』(6月11日付)は、シリアのパレスチナ人のための行動グループなど複数の市民団体の情報として、シリアの治安当局が、ヒムス市内で医療スタッフ多数を拘束したと伝えた。
拘束の理由は明らかではないが、治安当局は、ヒムス市近郊のアーイディーン・パレスチナ難民キャンプのビーサーン病院などに対して強制捜査を行い、医療スタッフを拘束したという。
AFP, June 10, 2018、ANHA, June 10, 2018、AP, June 10, 2018、al-Durar al-Shamiya, June 10, 2018、al-Hayat, June 11, 2018、Reuters, June 10, 2018、SANA, June 10, 2018、UPI, June 10, 2018などをもとに作成。
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