米国のオバマ大統領が国連総会で演説「ロシア、イランを含むあらゆる国と紛争を解決するために協力する用意があるが、戦争前の現状に立ち返ることはできないということを理解しなければならない」(2015年9月28日)

米国のバラク・オバマ大統領は28日、国連総会で一般討論演説を行った。

シリア情勢に関して、オバマ大統領は以下のように述べた。

「独裁者が、数十万という自国民を殺害するとき、それはもはや一国の内政問題ではない…。またテロ組織が人質の首をはね、無実の人々や奴隷扱いされた女性を殺害するときも、一国の安全保障問題ではない。それは全人類に対する攻撃だ」。

「ISILのような破壊的なカルトとの妥協の余地はない。我々の軍…を駆使して、彼らを追い詰めることに米国は何の釈明もしない」。

「しかし軍事力が必要とは言え、シリアの状況を解決するにはそれだけでは不十分だ。持続的な安定は、シリア国民が平和に共存することを合意したときにのみ実現する。米国は、ロシア、イランを含むあらゆる国と紛争を解決するために協力する用意がある。しかし、我々は、これほどの流血と虐殺があったなかで、戦争前の現状に立ち返ることはできないということを理解しなければならない」。

「この紛争がどのように始まったか思い出してみよう。アサドが平和的デモに過剰な抑圧を加え、殺害したことが、現下の対立の環境を創り出した。だから、アサドとその同盟者は、化学兵器や無差別爆撃の被害を受けてきた大多数の国民をなだめることはできない。リアリズムは、戦いを終わらせ、ISILを撲滅するために妥協が求められていると言っている。しかし、リアリズムはまた、アサドを遠ざけ、新たな指導者、そして新たな包括的な政府に移行することも求めている」。


AFP, September 28, 2015、AP, September 28, 2015、ARA News, September 28, 2015、Champress, September 28, 2015、al-Hayat, September 28, 2015、Iraqi News, September 28, 2015、Kull-na Shuraka’, September 28, 2015、al-Mada Press, September 28, 2015、Naharnet, September 28, 2015、NNA, September 28, 2015、Reuters, September 28, 2015、SANA, September 28, 2015、UPI, September 28, 2015などをもとに作成。

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イランのロウハーニー大統領が国連総会で演説「違法な武力行使への脅迫や、実際の武力行使は暴力と危機をさらに悪化させるだけ」(2015年9月28日)

イランのハサン・ロウハーニー大統領は28日、国連総会で一般討論演説を行った。

シリア情勢に関して、ロウハーニー大統領は以下のように述べた。

「シリアにおける人道危機は、我々の地域における暴力と過激主義の拡散を示す痛ましい一例だ。危機の当初から、そして一部の地域および国際社会のアクターが、シリアに武器や諜報を注ぎ込み、過激派を積極的に支援することで、事態の軍事化に寄与している間、我々は、シリア危機には軍事的解決策はないと強調してきた。拡張主義的な戦略や目的の追求や、地域のバランスを代理人を通じて変化させようとする試みは、人道的なレトリックではカムフラージュできない。無実の人々の殺戮を早急に終わらせることを国際社会の共通の目標とすべきだ。あらゆる化学兵器の使用を非難するとともに、我々は、シリアが化学兵器禁止条約を受諾したことを歓迎している。また過激派がこうした武器を入手することが、地域をさらなる危険へと陥れることは、あらゆる武器不拡散にかかる計画において考慮されるべきだと考えている。同時に、違法で効果のない武力行使への脅迫や、実際に武力行使を行うことが、地域における暴力と危機をさらに悪化させるだけだと点を強調したい」。

AFP, September 28, 2015、AP, September 28, 2015、ARA News, September 28, 2015、Champress, September 28, 2015、al-Hayat, September 28, 2015、Iraqi News, September 28, 2015、Kull-na Shuraka’, September 28, 2015、al-Mada Press, September 28, 2015、Naharnet, September 28, 2015、NNA, September 28, 2015、Reuters, September 28, 2015、SANA, September 28, 2015、UPI, September 28, 2015などをもとに作成。

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ロシアのプーチン大統領が国連総会で演説「テロに真正面から果敢に戦いを挑んでいるシリア政府やその軍との協力を拒否することは大きな間違い…アサド大統領の軍、そしてクルド人の部隊以外にシリアでダーイシュなどのテロ組織と真に戦っている者はいないということを認めるべき」(2015年9月28日)

ロシアのヴラジミール・プーチン大統領は28日、国連総会で一般討論演説を行った。

シリア情勢に関して、プーチン大統領は以下のように述べた。

「いわゆるイスラーム国の旗のもとで、数十万の民兵が戦っている。そのなかには、2003年のイラク侵攻で路頭に放り出された元イラク兵も含まれている。多くの兵士がリビアからやって来ているが、この国は国連安保理決議第1973号への深刻な違反によって破壊されたと理解し得る国だ。そして今度は、過激派集団に、西側諸国の支援を受けているシリアのいわゆる「穏健な反体制派」のメンバーが加わっている」。

「彼らはまず武装し、教練を受け、そしていわゆるイスラーム国に鞍替えしている。さらにイスラーム国そのものが、どこからともなく表れたのではない。彼らはそもそもは、望ましくない世俗的体制を倒すための道具として登場したのだ」。

「ロシアは常に一貫して、あらゆるテロと戦ってきた。今日、我々は、テロ組織と戦っているイラク、シリアといった地域諸国に軍事・技術支援を行っている」。

「我々は、テロに真正面から果敢に戦いを挑んでいるシリア政府やその軍との協力を拒否することは大きな間違いだと考えている。我々は、アサド大統領の軍、そしてクルド人の部隊以外にシリアでイスラーム国などのテロ組織と真に戦っている者はいないということを認めるべきだ」。

「ロシアは近く…、中東における脅威を包括的に分析するための閣僚会合を(国連で)招集するつもりだ。我々は何よりもまず、イスラーム国をはじめとするテロ組織と対決するすべての勢力の活動を調整するための決議に合意できるかを議論することを提案する…。この調整は、国連憲章の原則に基づくべきだ」。

「そのうえで、新たな難民キャンプを設置する必要がある…。しかし、この問題(難民・移民問題)を根本的に解決する方法とは、破壊されたかれらの彼らの国を建て直し、政府機関を強化し…、包括的な軍事、経済、物的支援を行うことにある…。主権国家に対するいかなる支援も、国連憲章に沿ってのみ行われ得るし、そうでなければならない」。

AFP, September 28, 2015、AP, September 28, 2015、ARA News, September 28, 2015、Champress, September 28, 2015、al-Hayat, September 28, 2015、Iraqi News, September 28, 2015、Kull-na Shuraka’, September 28, 2015、al-Mada Press, September 28, 2015、Naharnet, September 28, 2015、NNA, September 28, 2015、Reuters, September 28, 2015、SANA, September 28, 2015、UPI, September 28, 2015などをもとに作成。

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潘事務総長が国連総会演説で、ロシア外務副外相の提唱した「連絡グループ会合」に同調(2015年9月28日)

国連の潘基文事務総長は、各国首脳らによる一般教書演説に先立って国連総会で演説した。

シリア情勢に関して、潘事務総長は以下のように述べ、ロシアのミハイル・ボグダノフ外務副大臣が提唱した米、ロシア、サウジアラビア、トルコ、エジプトの5カ国による連絡グループ設置への支持を表明した。

「シリア人は、抑圧、過激主義、破壊、恐怖ゆえに、自分たちの国、そして家を離れようとしている。安保理などでの4年にわたる外交麻痺は、シリアの危機を制御不能にすることを許してしまった」。

「紛争を終わらせる責任は何よりもまず、戦いを行っているシリアの当事者にある。彼らこそが、自分たちの国を廃墟にしようとしている者たちだ」。

「しかし、シリア国内だけで解決策を求めるだけでは不十分だ。戦いはまた、地域諸国やそこでの対立関係によって突き動かされている。武器と資金がこの国に流入していることで、火に油が注がれてしまっている」。

「私が任命した共同特別代表(スタファン・デミストゥラ氏)は、平和的解決の基礎を確立すべく可能なすべてのことを行っている。今こそ、彼以外、とりわけ安保理と重要な地域のアクターたちが踏み出す時だ。とくに5カ国がカギを握っている。ロシア、米国、サウジアラビア、イラン、トルコだ。お互いに妥協しない限りにおいて、現場での変化を期待しても無駄だ」。

「無実のシリア人がさらなる「樽爆弾」とテロの代償を払うことになる。残虐な犯罪を免れることはできない。我々は国際刑事裁判所に問題を付託すべきだ」。


AFP, September 28, 2015、AP, September 28, 2015、ARA News, September 28, 2015、Champress, September 28, 2015、al-Hayat, September 28, 2015、Iraqi News, September 28, 2015、Kull-na Shuraka’, September 28, 2015、al-Mada Press, September 28, 2015、Naharnet, September 28, 2015、NNA, September 28, 2015、Reuters, September 28, 2015、SANA, September 28, 2015、UPI, September 28, 2015などをもとに作成。

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ロシアのボグダノフ外務副大臣「シリアでの紛争解決に向け、米露、サウジ、トルコ、エジプトなどからなる連絡グループが会合を開くべき」(2015年9月28日)

ロシアのミハイル・ボグダノフ外務副大臣はスプートニク通信(9月27日付)に対し、スタファン・デミストゥラ・シリア問題担当国連アラブ連盟共同特別代表が設置に向け準備を続けている四つの作業グループと合わせて、「国連総会終了後、10月までにもっとも強い影響力を持つ諸外国からなる連絡グループが会合を開くべきだと考えている」と述べた。

この連絡グループに関して、ボグダノフ外務副大臣は「我々は、ロシア、米国、サウジアラビア、トルコ、エジプトの名を参加国として挙げてきた」と付言した。

AFP, September 28, 2015、AP, September 28, 2015、ARA News, September 28, 2015、Champress, September 28, 2015、al-Hayat, September 28, 2015、Iraqi News, September 28, 2015、Kull-na Shuraka’, September 28, 2015、al-Mada Press, September 28, 2015、Naharnet, September 28, 2015、NNA, September 28, 2015、Reuters, September 28, 2015、SANA, September 28, 2015、Sputonik, September 28, 2017、UPI, September 28, 2015などをもとに作成。

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ドイツのフォン・デア・ライエン国防大臣「アサド大統領が永遠にシリアの指導者ではない」(2015年9月28日)

ドイツのウルズラ・フォン・デア・ライエン国防大臣は、シリア情勢に関して、「アサド大統領が永遠にシリアの指導者ではない。彼は長期的に紛争解決策の一部とはなり得ない」と述べた。

ARA News(9月28日付)などが伝えた。

AFP, September 28, 2015、AP, September 28, 2015、ARA News, September 28, 2015、Champress, September 28, 2015、al-Hayat, September 28, 2015、Iraqi News, September 28, 2015、Kull-na Shuraka’, September 28, 2015、al-Mada Press, September 28, 2015、Naharnet, September 28, 2015、NNA, September 28, 2015、Reuters, September 28, 2015、SANA, September 28, 2015、UPI, September 28, 2015などをもとに作成。

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フランス議員・記者使節団がオランド大統領の強硬姿勢維持を尻目にダマスカスを訪問(2015年9月28日)

ムハンマド・ジハード・ラッハーム人民議会議長は、シリアを訪問中のフランス議員・記者使節団と会談した。

SANA(9月28日付)によると、ラッハーム人民議会議長は会談で、中東地域諸国のタクフィール主義テロへの対応に失敗したことを西側諸国が認める時が来た、としたうえで、シリアに対する西側諸国のこうした政策、路線を正す役割を国会議員が担っていると強調した。

これに対して、フランス議員・記者使節団団長でフランス・シリア友好協会代表のジャラルド・バプト議員は、使節団の訪問が政治的・外交的な性格を持つものではなく、人道状況の視察、食糧人道支援や遺跡保護のニーズの確認することが目的だとしつつ、テロによって破壊されたインフラなどの復旧をめざすシリア国民の粘り強い努力を賞賛した。

SANA, September 28, 2015
SANA, September 28, 2015

AFP, September 28, 2015、AP, September 28, 2015、ARA News, September 28, 2015、Champress, September 28, 2015、al-Hayat, September 28, 2015、Iraqi News, September 28, 2015、Kull-na Shuraka’, September 28, 2015、al-Mada Press, September 28, 2015、Naharnet, September 28, 2015、NNA, September 28, 2015、Reuters, September 28, 2015、SANA, September 28, 2015、UPI, September 28, 2015などをもとに作成。

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フランスのオランド大統領「フランスはアサドを解決策の一部として受け入れないとの姿勢において孤立していない」(2015年9月28日)

『ハヤート』(9月29日付)は、フランス消息筋の話として、国連総会出席のためにニューヨークを訪問中のフランソワ・オランド大統領が、トルコのアフメト・ダウトオール首相と会談し、シリア情勢、なかでもシリア北部における「安全地帯」設置について意見を交わしたと伝えた。

同消息筋のよると、オランド大統領は会談で、「フランスはアサドを解決策の一部として受け入れないとの姿勢において孤立していない」と述べ、この点においてトルコと違わないことを確認したという。

そのうえで、トルコ領内の避難民の状況を改善し、欧州へのさらなる移民の流入を阻止するために、トルコ政府と協力、その負担軽減をめざす意思を示したという。

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フランスのフランソワ大統領は28日、国連総会で一般討論演説を行った。

シリア情勢に関して、オランド大統領は、アサド大統領を「独裁者」と評し、国民に対して部差別空爆を行うことで、多くの難民を生み出したと指摘、難民・移民問題の原因が、テロリストによる暴力だけでなく、アサド政権による弾圧にあると非難した。

そのうえで、ジュネーブ合意(2012年)やジュネーブ2会議(2014年)に基づき、すべての反体制勢力を包摂するかたちで移行期政府を樹立することで、紛争を政治的(外交的)に解決へと導くべきだと主張し、紛争の原因であるバッシャール・アサドを移行プロセスに含めるべきではないと改めて強調した。

AFP, September 28, 2015、AP, September 28, 2015、ARA News, September 28, 2015、Champress, September 28, 2015、al-Hayat, September 28, 2015、Iraqi News, September 28, 2015、Kull-na Shuraka’, September 28, 2015、al-Mada Press, September 28, 2015、Naharnet, September 28, 2015、NNA, September 28, 2015、Reuters, September 28, 2015、SANA, September 28, 2015、UPI, September 28, 2015などをもとに作成。

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サウジアラビア、カタールは依然としてアサド政権の退陣に固執(2015年9月28日)

『ハヤート』(9月28日付)は、欧米諸国、トルコがアサド政権の進退に関して態度を軟化させるなか、サウジアラビア、カタールは依然として、「シリア政府が正統性を失っており、紛争の政治的解決におけるパートナーとして受け入れることはできない」との姿勢を崩そうとしていないと伝えた。

AFP, September 27, 2015、AP, September 27, 2015、ARA News, September 27, 2015、Champress, September 27, 2015、al-Hayat, September 28, 2015、Iraqi News, September 27, 2015、Kull-na Shuraka’, September 27, 2015、al-Mada Press, September 27, 2015、Naharnet, September 27, 2015、NNA, September 27, 2015、Reuters, September 27, 2015、SANA, September 27, 2015、UPI, September 27, 2015などをもとに作成。

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YPGが、アル=カーイダ系組織のヌスラ戦線、シャーム自由人イスラーム運動と「穏健な反体制派」のシャーム戦線を放逐し、アレッポ市シャイフ・マクスード地区を完全制圧(2015年9月27日)

アレッポ県では、ARA News(9月27日付)によると、26日に再び激化したアレッポ市シャイフ・マクスード地区でのアル=カーイダ系組織のシャームの民のヌスラ戦線、シャーム自由人イスラーム運動などからなるジハード主義武装集団と西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊の戦闘で、ヌスラ戦線などが撤退し、人民防衛隊がシャイフ・マクスード地区を完全制圧した。

シャーム戦線の戦闘員の一人が、ARA Newsに対して、27日にシャーム戦線の戦闘員が撤退しことを明らかにした。

なお、シャーム戦線は、米国が「穏健な反体制派」とみなしている反体制武装集団だが、シャイフ・マクスード地区での人民防衛隊が戦ったシャーム戦線は、アル=カーイダ系のヌスラ戦線、シャーム自由人イスラーム運動からなっていたと思われる。

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ARA Newsによると、シャイフ・マクスード地区の人民防衛隊は、アレッポ市北部と市内東部の反体制武装集団支配地域を結ぶカースティールー地区・シヤーフ地区間の街道を封鎖し、ヌスラ戦線、シャーム自由人イスラーム運動の兵站路を遮断したという。

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ARA News(9月30日付)によると、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊は、アレッポ市シャイフ・マクスード地区一帯からのシャーム戦線、シャーム自由人イスラーム運動、シャームの民のヌスラ戦線撤退を受けて、シリア政府支配地域との間に位置するジャズィーラ通行所を開放した。

AFP, September 27, 2015、AP, September 27, 2015、ARA News, September 27, 2015、September 30, 2015、Champress, September 27, 2015、al-Hayat, September 28, 2015、Iraqi News, September 27, 2015、Kull-na Shuraka’, September 27, 2015、al-Mada Press, September 27, 2015、Naharnet, September 27, 2015、NNA, September 27, 2015、Reuters, September 27, 2015、SANA, September 27, 2015、UPI, September 27, 2015などをもとに作成。

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「シャームの土地のコーカサス首長国」を名乗る外国人戦闘員の一団が、アル=カーイダ系組織のヌスラ戦線に忠誠を誓ったばかりの「ムハージリーン・ワ・アンサール軍」から離反していたと発表(2015年9月27日)

「シャームの土地のコーカサス首長国」を名乗る外国人戦闘員の一団は、22日にアル=カーイダ系組織のシャームの民のヌスラ戦線に忠誠を誓ったばかりの外国人武装集団「ムハージリーン・ワ・アンサール軍」から離反していたと発表した。

ユーチューブを通じて発表されたロシア語の声明(https://www.youtube.com/watch?v=LT9wI0jRJx4)において、サラーフッディーン・シーシャーニー氏は以下のように述べた。

「我ら、シャームの土地にいるコーカサス首長国のムジャーヒディーンは、あなた方に短い声明を発する。我々は3ヶ月前にムハーリジーン・ワ・アンサール軍を離反した…。我々は自らのジハードに忠誠を誓うコーカサス首長国のムジャーヒディーンである…。我々はこの地でアッラーの言葉を高めるべくジハードを行う…。また、イスラーム主義組織間の戦闘において中立を維持しつつ戦う」。

は、ムハージリーン・ワ・アンサール軍を離反し、「シャームの民救済(ヌスラ)コーカサス・イスラーム首長国」の結成すると宣言した。

Youtube, September 27, 2015
Youtube, September 27, 2015

AFP, September 27, 2015、AP, September 27, 2015、ARA News, September 27, 2015、Champress, September 27, 2015、al-Hayat, September 28, 2015、Iraqi News, September 27, 2015、Kull-na Shuraka’, September 27, 2015、al-Mada Press, September 27, 2015、Naharnet, September 27, 2015、NNA, September 27, 2015、Reuters, September 27, 2015、SANA, September 27, 2015、UPI, September 27, 2015などをもとに作成。

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ハサカ県、ダイル・ザウル県への有志連合の爆撃でダーイシュ(イスラーム国)の広報責任者と司令官が死亡(2015年9月27日)

ハサカ県では、ARA News(9月27日付)によると、タッル・ブラーク町南部に対する有志連合の空爆で、ダーイシュ(イスラーム国)の広報責任者の一人アブー・バッラー・アンサーリー氏が死亡した。

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ダイル・ザウル県では、クッルナー・シュラカー(9月27日付)は、ダーイシュ(イスラーム国)メンバーで、ダイル・ザウル航空基地制圧を指揮していたサウジアラビア人司令官アブー・カースィム・ジャズラーウィ氏が、数日前に有志連合が行った空爆で死亡していた、と伝えた。

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アレッポ県では、SANA(9月27日付)によると、アレッポ市東部の航空士官学校一帯にあるダーイシュ(イスラーム国)拠点を空爆し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、SANA(9月27日付)によると、シリア軍がダーイシュ(イスラーム国)の支配下にあるタドムル市を空爆し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、サフム・ジャウラーン・ダム一帯、ナーフィア村郊外などで、ダーイシュ(イスラーム国)に忠誠を誓うヤルムーク殉教者旅団が、アル=カーイダ系のシャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団と交戦した。

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米中央軍(CENTCOM)は、9月27日にシリア、イラク領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して23回の空爆を行ったと発表した。

このうちシリア領内での空爆は1回で、ブーカマール市近郊(1回)、ラッカ市近郊(1回)、マーリア市近郊(1回)のダーイシュに対して攻撃が行われたという。

AFP, September 27, 2015、AP, September 27, 2015、ARA News, September 27, 2015、Champress, September 27, 2015、al-Hayat, September 28, 2015、Iraqi News, September 27, 2015、Kull-na Shuraka’, September 27, 2015、al-Mada Press, September 27, 2015、Naharnet, September 27, 2015、NNA, September 27, 2015、Reuters, September 27, 2015、SANA, September 27, 2015、UPI, September 27, 2015などをもとに作成。

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イドリブ県内の一時停戦対象地域内のタフタナーズ市をシリア軍が爆撃、反体制派もフーア市を砲撃、ヒムス市ワアル地区をシリア軍が攻撃し17人が死亡(2015年9月27日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、反体制武装集団が、一時停戦合意に違反して、フーア市を砲撃した。

この砲撃の直前まで、シリア軍がフーア市に近いタフタナーズ市を「樽爆弾」などで空爆していたという。

Elaph.com(9月21日付)によると、タフタナーズ市も一時停戦合意対象地域に含まれている(https://syriaarabspring.info/?p=22815)。

これに関して、スマート・ニュース(9月27日付)は、タフタナーズ市へのシリア軍の空爆で、女性1人とスマート・ニュース特派員1人(イバーダ・ガザール氏)を含む5人が死亡したと伝えた。

シャーム自由人イスラーム運動の幹部は、タフタナーズ市への空爆に関して、シリア軍による停戦合意違反だと非難した。

シリア軍はまた、ヒーシュ村、マアッラト・ハルマ村、シャイフ・ムスタファー村を空爆し、4人が死亡した。

一方、SANA(9月27日付)によると、シリア軍がヒーシュ村、マアッラト・ハルマ村、シャイフ・ムスタファー村、タルマラ村、アービディーン村にあるファトフ軍拠点を空爆し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ヒムス市ワアル地区の反体制武装集団拠点をシリア軍が地対地ミサイルで攻撃し、子供4人、女性4人を含む17人が死亡した。

スマート・ニュース(9月27日付)によると、シリア軍による攻撃は、ワアル地区内の遊園地に対しても行われ、犠牲者のほとんどが子供だという。

ヒムス市ワアル地区は、反体制武装集団が支配下に置く市内唯一の地区で、住民約15万人が現在も居住、シリア軍がこれを包囲しているという。

Kull-na Shuraka', September 27, 2015
Kull-na Shuraka’, September 27, 2015

シリア軍はまた、ダイル・フール村を「樽爆弾」などで空爆した。

一方、SANA(9月27日付)によると、サアン・アスワド村、ザアフラーナ村、ガントゥー市、ウンム・シャルシューフ村、ダイル・フール村、タルビーサ市、カンヌ山一帯、トゥワイナーン村などにあるシャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団の拠点をシリア軍が空爆し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がハウワーシュ村、アムキーヤ町を空爆した。

一方、SANA(9月27日付)によると、ムーリク市北部、マンスーラ村にあるファトフ軍拠点をシリア軍が空爆し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、トルクメン山(ラビーア町一帯の山岳地帯)をシリア軍が空爆・砲撃する一方、ジハード主義武装集団もドゥーリーン山一帯を砲撃した。

一方、SANA(9月27日付)によると、ラウダ村、マリージュ村にあるシャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団の拠点に対して特殊作戦を行い、戦闘員38人を殲滅した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が、反体制武装集団の支配下にあるダーライヤー市を「樽爆弾」14発を投下するなどして、攻撃した。

シリア軍による砲撃は、ダーライヤー市・ムウダミーヤト・シャーム市間にも及んだという。

またイスラーム軍の進撃を受けたダーヒヤト・アサド町一帯でも、シリア軍とジハード主義武装集団の交戦が続いた。

このほか、バイト・ジン村各所、ハーン・シャイフ・キャンプ一帯をシリア軍が「樽爆弾」などで空爆した。

一方、シリア人権監視団のラーミー・アブドゥッラフマーン代表は、ザバダーニー市一帯およびフーア市一帯での一時停戦合意に従い、ザバダーニー市に籠城していたジハード主義武装集団戦闘員の重傷者2人を国連がレバノン領内に搬送した、と発表した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がハーッラ市東部平原、インヒル市、サムリーン村を「樽爆弾」で空爆した。

一方、SANA(9月27日付)によると、マール丘、ダルアー市電力会社一帯、スーラ町で、シリア軍がシャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、SANA(9月27日付)によると、アレッポ市カルム・マイサル地区、シャイフ・ルトフィー地区、アーミリーヤ地区、ラーシディーン地区、バニー・ザイド地区、サーフール地区、アンサーリー地区、ブスターン・カスル地区、サラーフッディーン地区、バーブ・ナスル地区、スッカリー地区、カーディー・アスカル地区、ハーン・アサル村で、シリア軍がシャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

シリア軍はまた、アレッポ市各所、ハーン・アサル村の反体制武装集団拠点を空爆し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, September 27, 2015、AP, September 27, 2015、ARA News, September 27, 2015、Champress, September 27, 2015、Elaph.com, September 21, 2015、al-Hayat, September 28, 2015、Iraqi News, September 27, 2015、Kull-na Shuraka’, September 27, 2015、al-Mada Press, September 27, 2015、Naharnet, September 27, 2015、NNA, September 27, 2015、Reuters, September 27, 2015、SANA, September 27, 2015、SMART News, September 27, 2015、UPI, September 27, 2015などをもとに作成。

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イスラエル軍が占領下ゴラン高原(シリア領)からクナイトラ県のシリア軍拠点を攻撃(2015年9月27日)

ナハールネット(9月27日付)などによると、クナイトラ県でのジハード主義武装集団との戦闘でシリア軍が発射したロケット砲弾1発が、イスラエル占領下のゴラン高原(シリア領)に着弾、イスラエル軍がただちにシリア軍拠点複数カ所に対して迫撃砲などで、報復攻撃を行った。

シリア人権監視団によると、イスラエル軍は、クナイトラ県の県庁所在地であるバアス市近郊のサーリヤ村一帯のシリア軍拠点に対し、3~4回にわたって報復攻撃を行った。

シリア軍の迫撃砲弾による死傷者はなく、またイスラエルの報復攻撃による被害は不明だという。

なお26日にもシリア軍のロケット弾がイスラエル占領下のゴラン高原に着弾していたという。

クナイトラ県では25日、イスラーム軍などの反体制武装集団が「堪え忍ぶ者たちに吉報をもたらせ」と銘打ってシリア軍に対する攻勢を強め、戦闘が激化していた。

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クナイトラ県では、シリア人権監視団によると、シリア政府の支配下にあるハーン・アルナバ市をジハード主義武装集団が砲撃する一方、ムシャイリファ村各所をシリア軍が「樽爆弾」で空爆した。

一方、SANA(9月27日付)によると、ジュャバーター・ハシャブ村一帯のシャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団の拠点に対してシリア軍が特殊作戦を行い、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

シリア軍はまた、ハミーディーヤ村でも反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。


AFP, September 27, 2015、AP, September 27, 2015、ARA News, September 27, 2015、Champress, September 27, 2015、al-Hayat, September 28, 2015、Iraqi News, September 27, 2015、Kull-na Shuraka’, September 27, 2015、al-Mada Press, September 27, 2015、Naharnet, September 27, 2015、NNA, September 27, 2015、Reuters, September 27, 2015、SANA, September 27, 2015、UPI, September 27, 2015などをもとに作成。

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フランスがシリア国内でダーイシュ(イスラーム国)に対する爆撃を開始(2015年9月27日)

フランスのフランソワ・オランド大統領は国連総会に出席するために訪問中の米ニューヨークで記者団に対し、「フランスは今朝、シリアで、我が国の安全保障を脅かすダーイシュ(イスラーム国)の訓練キャンプを攻撃した」と述べた。

オランド大統領によると、空爆に参加したのはジェット戦闘機6機で、ダイル・ザウル市近郊の標的を破壊、また引き続き、フランスとシリアの市民を守るための作戦が継続される予定だという。

AFP, September 27, 2015、AP, September 27, 2015、ARA News, September 27, 2015、Champress, September 27, 2015、al-Hayat, September 28, 2015、Iraqi News, September 27, 2015、Kull-na Shuraka’, September 27, 2015、al-Mada Press, September 27, 2015、Naharnet, September 27, 2015、NNA, September 27, 2015、Reuters, September 27, 2015、SANA, September 27, 2015、UPI, September 27, 2015などをもとに作成。

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ロシアのプーチン大統領「トルコ、ヨルダン、サウジ、米国にダーイシュ(イスラーム国)とのテロとの戦いのための調整の枠組み作りを提案している」(2015年9月27日)

ロシアのヴラジミール・プーチン大統領は、28日に予定されているバラク・オバマ米大統領との会談に先立って、CBS(9月27日付)のインタビュー(http://www.cbsnews.com/news/preview-president-putin/)に応じた(全文はロシア大統領府(http://en.kremlin.ru/events/president/news/50380)に掲載)。

インタビューにおけるプーチン大統領の主な発言は以下の通り:

「シリアにおける我々の駐留は…今日、シリア政府への武器供与、教練、そしてシリア国民への人道支援というかたちを取っている…。我々は国連憲章に基づいて行動している…。我々はシリア政府の要請に基づき、軍事・技術支援を行っている」。

「シリアには正規軍は一つしかない。シリアのアサド大統領の軍だ…。アサド大統領の軍が実際に、テロ組織と戦っている…。米国が反体制武装勢力の一部に対して行った軍事教練に関する上院報告書では…、当初の目的は5,000~6,000人の戦闘員、その後1万2,000人を教練するはずだったが、きちんと教練を受けたのはたった60人で、4~5人しか実際に武器を持っておらず、それ以外の者は武器を放棄してダーイシュ(イスラーム国)に参加してしまったということが判明している。これが第1点だ。第2に、非合法組織への軍事支援は…国際法と国連憲章に反している。これに対して、我々は合法的な政府のみを支援している」。

「これと合わせて、我々は、地域諸国の協力を提案してきた。我々は調整のための枠組みを確立しようとしている。個人的には、このことを、トルコの大統領、ヨルダン国王、そしてサウジアラビアに伝えた。また米国にも伝えた」。

「私はシリア政府を支援している。そうせずに、合法的な権力主体を破壊するような行為を行えば、この地域の外の国…、例えば、リビアなどで起きているような状況を就くってしまうことになろう…。不運なことに、我々は同様の状況をイラクでも目の当たりにしている。実効的政府機関を強化し、そによってテロとの戦いを支える以外にシリアの危機の解決策はない。しかし同時に、彼ら(シリア政府)に、道理をわきまえた反体制派との積極的対話と改革実施を促す必要がある」。

「アサド政権を倒すためだけに反体制武装勢力、とりわけテロ組織を支援し、その後に何が待ち構えているのかを考えない者が正しいことをしていると思えるか?… あなた方はシリア軍が国民と戦っていると言うが、シリアの国土の60%を誰が支配しているのかを見るべきだ。市民からなる反体制派はどこにいるのか? 国土の60%はダーイシュ、シャームの民のヌスラ戦線などのテロ組織によって支配されている。これらの組織は米国をはじめとする国々、そして国連においてテロリストだと認定されている」。

「ロシアはシリア領内のいかなる作戦にも参加していない…。また我々は今のところ、そうする計画もない…。しかし、我々は、アサド大統領とシリア以外の国のパートナーたちとともに集中的に行動することを検討している」。

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国連総会出席のため、米ニューヨークを訪問中のロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣は、ジョン・ケリー米国務長官と会談し、シリア情勢への対応について協議した。

RT(9月27日付)によると、ラブロフ外務大臣は会談後、ダーイシュ(イスラーム国)に対する「テロとの戦い」をめぐるロシアと米国の姿勢が「充分な接近」を遂げているとしたうえで、「ケリー国務長官は、ダーイシュに対する同盟の結成を米国が何よりも目指していると明言した。これはロシアもめざしているものだ。こうした姿勢の接近のなかで、実質的な成果だけが実現していない」と述べた。

AFP, September 27, 2015、AP, September 27, 2015、ARA News, September 27, 2015、CBS, September 27, 2015、Champress, September 27, 2015、al-Hayat, September 28, 2015、Iraqi News, September 27, 2015、Kull-na Shuraka’, September 27, 2015、al-Mada Press, September 27, 2015、Naharnet, September 27, 2015、NNA, September 27, 2015、Reuters, September 27, 2015、RT, September 27, 2015、SANA, September 27, 2015、UPI, September 27, 2015などをもとに作成。

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イランのロウハーニー大統領「シリアの体制転換ではなく「テロとの戦い」を優先事項に掲げる国とのみ協力する」(2015年9月27日)

イランのハサン・ロウハーニー大統領は、シリア情勢に関して、シリアの体制転換ではなく「テロとの戦い」を優先事項に掲げる国とのみ協力する意思があると述べた。

ロウハーニー大統領は「このことは、シリア政府に改革の必要がないという意味ではない…。しかし、もしある政府が、テロとの戦いとダマスカスの政府交代を同時に行いたいと言うのなら、それは無駄な努力となるだろう」と述べた。

『ガーディアン』(9月28日付)が伝えた。

AFP, September 27, 2015、AP, September 27, 2015、ARA News, September 27, 2015、Champress, September 27, 2015、The Guardian, September 28, 2015、al-Hayat, September 28, 2015、Iraqi News, September 27, 2015、Kull-na Shuraka’, September 27, 2015、al-Mada Press, September 27, 2015、Naharnet, September 27, 2015、NNA, September 27, 2015、Reuters, September 27, 2015、SANA, September 27, 2015、UPI, September 27, 2015などをもとに作成。

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オーストラリアのビショップ外務大臣も態度を軟化「アサド大統領がシリアにいるのが現実だ…ロシアの関与は前向きなもの」(2015年9月27日)

オーストラリアのジュリー・ビショップ外務大臣は、国連総会出席のために訪問中の米ニューヨークで、シリア情勢に関して、シリア政府の正統性を否定してきたこれまでの姿勢を軟化させ、アサド政権を支援するロシアの関与に積極的に対処すべきだとの姿勢を示した。

ビショップ外務大臣は以下のように述べた。

「多くの国は、アサド政権が崩壊した場合、真空が生じ、アサド政権よりも極悪非道な存在によってシリアが満たされるかもしれないという恐怖を抱いている…。私は現時点でも、(アサド)政権に正統性はないという過去のコメントを取り下げることはしない…。なぜならアサド大統領は、自国民に化学兵器を使い、シリアでの殺戮と破壊は驚愕すべきものとなっている…。アサド政権はシリアにとって有害だが、我々は現実に対処すべきだ。我々は政治的解決を必要としているというのが事実だ…。アサド大統領が依然としてシリアにいるのが現実であり、ロシアがアサド大統領を支援しているのが事実だ…。我々はシリアに平和、安全、統一をもたらすための創造的な方法を見つけねばならない…。もし、(イラン核開発協議をめぐるロシアの姿勢を)、問題の一部ではなく、解決作の一部になろうとするロシアの姿勢の一例とするのなら、我々はロシアの関与が前向きなものだと楽観できる…。私はロシアの関与が自国の利益だけのためになされているとは考えていない」。

ラジオ・オーストラリア(9月27日付)などが伝えた。

AFP, September 27, 2015、AP, September 27, 2015、ARA News, September 27, 2015、Champress, September 27, 2015、al-Hayat, September 28, 2015、Iraqi News, September 27, 2015、Kull-na Shuraka’, September 27, 2015、al-Mada Press, September 27, 2015、Naharnet, September 27, 2015、NNA, September 27, 2015、Radio Australia, September 27, 2015、Reuters, September 27, 2015、SANA, September 27, 2015、UPI, September 27, 2015などをもとに作成。

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アレッポ市シャイフ・マクスード地区でYPGとアル=カーイダ系のヌスラ戦線、シャーム自由人イスラーム運動の戦闘が再開(2015年9月26日)

アレッポ県では、ARA News(9月26日付)によると、アレッポ市シャイフ・マクスード地区一帯で、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊と、アル=カーイダ系組織のシャームの民のヌスラ戦線、シャーム自由人イスラーム運動との間で戦闘が再開した。

戦闘は21日に、西クルディスタン移行期民政局がシリア政府支配地域と反体制武装集団支配地域の間に位置するジャズィーラ通行所を数日前に開放しようとしたことをきっかけとして起きていた。

人民防衛隊に対抗する反体制派は、当初「シャーム戦線」、「シャーム自由人イスラーム運動」とされていたが、26日の報道では、「ヌスラ戦線とシャーム自由人イスラーム運動」と伝えられた。

AFP, September 26, 2015、AP, September 26, 2015、ARA News, September 26, 2015、Champress, September 26, 2015、al-Hayat, September 27, 2015、Iraqi News, September 26, 2015、Kull-na Shuraka’, September 26, 2015、al-Mada Press, September 26, 2015、Naharnet, September 26, 2015、NNA, September 26, 2015、Reuters, September 26, 2015、SANA, September 26, 2015、UPI, September 26, 2015などをもとに作成。

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ロシアは過去2週間に貨物機15機でシリアに軍事・技術支援強化(2015年9月26日)

AFP(9月26日付)は、ロシアが26日までの過去2週間で、ラタキア県に少なくとも貨物機15機を派遣し、軍事・技術支援強化を行ったと伝えた。

これらの貨物機は、ロシア軍が滑走路を整備したとされるラタキア県ジャブラ市郊外のフマイミーム航空基地(バースィル・アサド国際空港内)に着陸し、軍備品、人員などを搬出したのち、ロシア軍戦闘機の護衛を受け帰還したという。

また、AFP(9月26日付)は、ロシアがシリアに対して行った軍事・技術支援の内容に関して、Su-24戦闘爆撃機(12機)、Su-25戦闘機(12機)、Su-30SM多用途戦闘機(4機)、Ka-29ヘリコプター無人航空機、T-90戦車などが含まれていると伝えた。

AFP, September 26, 2015、AP, September 26, 2015、ARA News, September 26, 2015、Champress, September 26, 2015、al-Hayat, September 27, 2015、Iraqi News, September 26, 2015、Kull-na Shuraka’, September 26, 2015、al-Mada Press, September 26, 2015、Naharnet, September 26, 2015、NNA, September 26, 2015、Reuters, September 26, 2015、SANA, September 26, 2015、UPI, September 26, 2015などをもとに作成。

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ザバダーニー市、フーア市・カファルヤー町での停戦合意実施に向けた準備が進むなか、サラーキブ市一帯(イドリブ県)で停戦合意に反対するデモ(2015年9月26日)

シリア人権監視団によると、ザバダーニー市(ダマスカス郊外県)一帯およびフーア市・カファルヤー町一帯の一時停戦合意に従い、フーア市、カファルヤー町からの重傷者を受け入れるための病院の準備、女性、子供からなる住民の避難に向けた準備が開始された。

またザバダーニー市一帯でも、反体制武装集団(シャーム自由人イスラーム運動)の戦闘員、負傷者、およびその家族の退去に向けて、シリア政府がイドリブ県への経路の整備を開始したという。

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ARA News(9月26日付)によると、一時停戦合意の対象地域から除外されたサラーキブ市および周辺の村々で、停戦合意に抗議するデモが発生し、住民らはイドリブ市とアレッポ市を結ぶ街道を封鎖した。

デモは、一時停戦合意の発効を受け、対象地域外のサラーキブ市一帯へのシリア軍の空爆が激化したのを受けたもの。

ARA News, September 26, 2015
ARA News, September 26, 2015

 

AFP, September 26, 2015、AP, September 26, 2015、ARA News, September 26, 2015、Champress, September 26, 2015、al-Hayat, September 27, 2015、Iraqi News, September 26, 2015、Kull-na Shuraka’, September 26, 2015、al-Mada Press, September 26, 2015、Naharnet, September 26, 2015、NNA, September 26, 2015、Reuters, September 26, 2015、SANA, September 26, 2015、UPI, September 26, 2015などをもとに作成。

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駐トルコの反体制活動家(シリア国民連合、シリア民主主義者連合)がロシアによるシリアへの軍事・技術支援を批判、これを支援する国内の反体制派を牽制(2015年9月26日)

トルコのイスタンブールで活動するシリア革命反体制勢力国民連立は声明を出し、ロシアによるシリアへの軍事・技術支援強化に関して「シリアにおけるロシア軍の展開は占領に他ならず…、国を分割し、その一体性を破壊し、主権を侵害するもので、テロとの戦いではなく体制を支援するもの」と非難した。

シリア革命反体制勢力国民連立は、2012年末の発足時に欧米諸国から「シリア国民の唯一の正統な代表」として認定され、米国など有志連合によるシリア領への空爆や、トルコによる「安全地帯」(飛行禁止空域)の設定、さらにシャームの民のヌスラ戦線などによる武装闘争に対して支持の姿勢を示してきたが、2014年以降は、トルコ、サウジアラビアを除く支援国から黙殺されるようになっている。

また、2015年7月半ばにシリア革命反体制勢力国民連立からの脱会を宣言したシリア民主主義者連合も声明を出し、「一部の反体制派が我が国におけるロシア軍の駐留受け入れ、それが我々に有利な政治的解決を実現することに資すると発表したことに懸念を示している」と表明し、ロシア軍の軍事・技術支援強化を是認する民主的変革諸勢力国民調整委員会などの国内の反体制派を牽制した。

AFP, September 26, 2015、AP, September 26, 2015、ARA News, September 26, 2015、Champress, September 26, 2015、al-Hayat, September 27, 2015、Iraqi News, September 26, 2015、Kull-na Shuraka’, September 26, 2015、al-Mada Press, September 26, 2015、Naharnet, September 26, 2015、NNA, September 26, 2015、Reuters, September 26, 2015、SANA, September 26, 2015、UPI, September 26, 2015などをもとに作成。

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シリア軍が一時停戦合意対象地域外のサラーキブ市(イドリブ県)などを爆撃(2015年9月26日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が、反体制派との一時停戦合意対象地域外に位置するサラーキブ市を6回にわたって空爆した。

一方、SANA(9月26日付)によると、シリア軍がバフサ村、マウザラ村一帯を集中的に攻撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がアレッポ市スッカリー地区、ジュルーム地区、アンサーリー地区、アーミリーヤ地区、カラム・タッハーン地区、ライラムーン地区、マシャーリカ地区、裁判所一帯。ザバディーヤ地区、ブスターン・カスル地区を空爆・砲撃し、子供1人、女性1人を含む5人が死亡した。

一方、SANA(9月26日付)によると、カフルハムラ村、バヤーヌーン町、フライターン市、アーミリーヤ村、ハーン・トゥーマーン村、アレッポ市ラーシディーン地区、ブスターン・バーシャー地区、バニー・ザイド地区、カッラーサ地区で、シリア軍がシャームの民のヌスラ戦線、ヌールッディーン・ザンキー運動、バドル殉教者旅団、シャーム自由人イスラーム運動などと交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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クナイトラ県では、シリア人権監視団によると、国防隊隊員3人がクナイトラ市郊外でのジハード主義武装集団との戦闘で死亡する一方、シリア軍が同県一帯への空爆を行い、ジハード主義武装集団戦闘員4人が死亡した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ダーヒヤト・アサド町一帯で、シリア軍、国防隊がイスラーム軍などからなるジハード主義武装集団と交戦、シリア軍が同地一帯を10回にわたり空爆した。

これに対して、イスラーム軍らは、ダーヒヤト・アサド町に対して砲撃を行った。

シリア軍はまた、ハラスター市、ダイル・ハビーヤ村、ダルーシャー村農場地帯、ハーン・シャイフ・キャンプ一帯を「樽爆弾」などで空爆した。

ARA News(9月26日付)によると、シリア軍はドゥーマー市、ザブディーン村に対しても砲撃を行ったという。

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ラタキア県では、SANA(9月26日付)によると、アブー・リーシャ村、サンクーファ村、ジュッブ・アフマル村でシャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団の拠点を攻撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハマー県では、SANA(9月26日付)によると、シリア軍がマンスーラ村、ズィヤーラ町、アイドゥーン村の反体制武装集団拠点を空爆し、ファトフ軍の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、SANA(9月26日付)によると、シリア軍がガントゥー市、ジャッブーリーン村、アルサーン丘、ファースィダ村、ドゥワイズィーン村のシャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団の拠点を空爆、攻撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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スワイダー県では、SANA(9月26日付)によると、国防隊がラーヒサ村、ラディーマト・リワー村の反体制武装集団を要撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, September 26, 2015、AP, September 26, 2015、ARA News, September 26, 2015、Champress, September 26, 2015、al-Hayat, September 27, 2015、Iraqi News, September 26, 2015、Kull-na Shuraka’, September 26, 2015、al-Mada Press, September 26, 2015、Naharnet, September 26, 2015、NNA, September 26, 2015、Reuters, September 26, 2015、SANA, September 26, 2015、UPI, September 26, 2015などをもとに作成。

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ダーイシュ(イスラーム国)はシリア政府と西クルディスタン移行期民政局が分割統治するハサカ市南部に再び進攻(2015年9月26日)

ハサカ県では、クッルナー・シュラカー(9月27日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)がハサカ市南部のパノラマ交差点近郊に再び進攻し、シリア軍、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊の拠点に対して攻撃を加え、双方に複数の死傷者が出た。

戦闘発生を受け、有志連合が同地一帯上空で偵察活動を強化したが、空爆は行わなかったという。

また、ARA News(9月26日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)がタッル・ブラーク町南部の西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊の拠点を襲撃した。

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アレッポ県では、SANA(9月26日付)によると、アレッポ市東部の航空士官学校一帯で、シリア軍がダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハマー県では、SANA(9月26日付)によると、ウカイリバート町、アドラ村、トゥルール・ハムル村のダーイシュ(イスラーム国)拠点を空爆し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、SANA(9月26日付)によると、シリア軍がカルヤタイン市のダーイシュ(イスラーム国)拠点を空爆し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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米中央軍(CENTCOM)は、9月26日にシリア、イラク領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して23回の空爆を行ったと発表した。

このうちシリア領内での空爆は3回で、ハサカ市近郊(1回)、ブーカマール市近郊(1回)、マーリア市近郊(1回)のダーイシュに対して攻撃が行われたという。

AFP, September 26, 2015、AP, September 26, 2015、ARA News, September 26, 2015、Champress, September 26, 2015、al-Hayat, September 27, 2015、Iraqi News, September 26, 2015、Kull-na Shuraka’, September 26, 2015、al-Mada Press, September 26, 2015、Naharnet, September 26, 2015、NNA, September 26, 2015、Reuters, September 26, 2015、SANA, September 26, 2015、UPI, September 26, 2015などをもとに作成。

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イスラエルは、ロシアによるシリアへの軍事・技術協力増強容認の代償として、シリア、レバノンへの「必要に応じた領空侵犯」黙認をロシア側に求める(2015年9月26日)

『ハヤート』(9月26日付)は、イスラエルの軍部・政界の話として、ベンヤミン・ネタニヤフ首相およびイスラエル軍幹部のロシア訪問(21日)で、ロシアによるシリアへの軍事・技術協力増強に伴う緊張を軽減するため、イスラエル側が、ロシア軍が展開している地域から離れたシリアおよびレバノンの領空の「必要に応じた自由な航行」を保証するようロシア側に求めた、と伝えた。

イスラエル側はまた、同国に隣接するシリア南部地域一帯に「いかなる外国軍」の展開も行わないこともロシア側を求めたという。

イスラエル側は、ロシア軍が、ダーイシュ(イスラーム国)掃討に活動を限定するだけでなく、イランとともに、シリア軍によるそれ以外の反体制武装集団の掃討に向けた作戦を航空支援などを通じて後押しすると見ている。

なお、専門家らによると、ロシア軍のシリア領内でのプレゼンス強化は、アレッポ県北部でトルコが米国とともに設置をめざしている「安全地帯」(飛行禁止空域)設定の動きを阻止する狙いもあるという。

al-Hayat, September 26, 2015をもとに作成。

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米中央司令部は、「穏健な反体制派」新規戦闘員約70人がアル=カーイダ系のヌスラ戦線に装備の25%を引き渡していたことを認める(2015年9月25日)

米中央軍は、25日午後1時頃、最近になってシリアに進入した「穏健な反体制派」新規戦闘員約70人(第30師団、新シリア軍)の司令官が、作戦実行地域内での安全な移動を確保するため、アル=カーイダ系組織のシャームの民のヌスラ戦線に、有志連合が供与した装備を引き渡していた事実を確認したと発表した。

中央司令部のパトリック・レイダー報道官(大佐)によると、9月21~22日にかけて、「新シリア軍」は、ピック・アップ・トラック6台と弾薬をヌスラ戦線に直接引き渡したという。

ヌスラ戦線に引き渡された装備、弾薬は、有志連合が供与した装備の25%にあたるという。

なお、米中央軍は23日、新規戦闘員約70人がアル=カーイダ系のシャームの民のヌスラ戦線に降伏、武器弾薬を引き渡したとの報道に関して、「そうした証拠を得ていない」と否定、有志連合が提供した武器弾薬は「新シリア軍」の管理下にある、と発表していた。

AFP, September 26, 2015、AP, September 26, 2015、ARA News, September 26, 2015、Champress, September 26, 2015、al-Hayat, September 27, 2015、Iraqi News, September 26, 2015、Kull-na Shuraka’, September 26, 2015、al-Mada Press, September 26, 2015、Naharnet, September 26, 2015、NNA, September 26, 2015、Reuters, September 26, 2015、SANA, September 26, 2015、UPI, September 26, 2015などをもとに作成。

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シリアで戦闘に参加しているロシア軍兵士とされる動画公開(2015年9月25日)

AFP(9月25日付)は、シリア国内でシリア軍とともに戦闘に参加しているというロシア軍兵士の動画(https://youtu.be/o1lCLPV4xbE)をユーチューブなどを通じて配信した。

ロシア軍兵士とされる男性は、「アサドのシリア」、「第4師団」と書かれ、アサド大統領の顔が中央にあしらわれたシリア国旗の腕章とつけ、カラシニコフ銃を撃ち、ロシア語と思われる言語で、「アッラー、シリア、バッシャールのみ」「アッラーよ軍を祝福あれ」と叫んでいる。

AFP, September 25, 2015
AFP, September 25, 2015

AFP, September 26, 2015、AP, September 26, 2015、ARA News, September 26, 2015、Champress, September 26, 2015、al-Hayat, September 27, 2015、Iraqi News, September 26, 2015、Kull-na Shuraka’, September 26, 2015、al-Mada Press, September 26, 2015、Naharnet, September 26, 2015、NNA, September 26, 2015、Reuters, September 26, 2015、SANA, September 26, 2015、UPI, September 26, 2015などをもとに作成。

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ヒズブッラーのナスルッラー書記長「一部の大国がシリア政府とその同盟者の不屈を前に従来の姿勢を転換させているようだ」(2015年9月25日)

ヒズブッラーのハサン・ナスルッラー書記長はマナール・チャンネル(9月25日付)のインタビューに応じ、そのなかでシリア情勢について、一部の大国がシリア政府とその同盟者の不屈を前に従来の姿勢を転換させつつある、との見方を示した。

ナスルッラー書記長は以下のように述べた。

「シリアに対する5年に及ぶ世界規模の戦争は、体制を転覆させ、国(シリア)を支配することが目的だった。だが、シリアとその同盟者が見せた不屈の忍耐が、我々が今日目の当たりにしている現状の背景にある最大の要因だ」。

「我々が目の当たりにしている現状とは、米国としてダーイシュ(イスラーム国)に対する有志連合の戦略が頓挫したというものだ。欧州諸国は今や新たな脅威、すなわち難民問題に直面し、彼らには二つの選択肢しかない。シリアでの戦争を止めるか、難民を受け入れるかだ」。

「米国は、シリアをめぐる交渉でイラン人を説得できると思っていた。しかし、こうした試みも終わった」。

「ロシアとイラン、イラク、トルコといった国の高官らとの間で、何度か会談が持たれ、これらの国は真の反テロ部隊を作ることについて真剣な協議を行った」。

「バッシャール・アサド大統領を支援するというロシアとイランの姿勢は断固たるものだ…。ヒズブッラーはその前線を支援するためにシリアに入るあらゆる部隊(ロシア軍)を歓迎する。なぜなら、そうした部隊は、シリアと地域が直面している最大の脅威を排除することに貢献するからだ…ロシアの動きは、前述の四カ国(イラク、イラン、トルコ、シリア)との調整のもとに行われている」。

「我々はザバダーニー市での戦闘を7月1日に開始し、周辺のすべての丘陵地帯と村々を掌握した。武装集団は2週間もしないうちに、救難を求めるようになった…。彼らはその後、フーア市・カファルヤー町とザバダーニー市を結びつけるようになり、フーア市とカファルヤー町に圧力をかければザバダーニー市の戦況が改善すると考えるようになった…。彼らがザバダーニー市の問題を絡めてきたとき、我々はチャンスだと思った。我々は、ザバダーニー市の完全制圧を控えることで、フーア市とカファルヤー町を守ったのだ」。

SANA, September 25, 2015
SANA, September 25, 2015

AFP, September 25, 2015、AP, September 25, 2015、ARA News, September 25, 2015、Champress, September 25, 2015、al-Hayat, September 26, 2015、Iraqi News, September 25, 2015、Kull-na Shuraka’, September 25, 2015、al-Mada Press, September 25, 2015、Qanat al-Manar, September 25, 2015、Naharnet, September 25, 2015、NNA, September 25, 2015、Reuters, September 25, 2015、SANA, September 25, 2015、UPI, September 25, 2015などをもとに作成。

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クナイトラ県の反体制武装集団が「堪え忍ぶ者たちに吉報をもたらせ」と銘打って、シリア軍への攻撃を激化(2015年9月25日)

クナイトラ県では、クッルナー・シュラカー(9月25日付)によると、クナイトラ県で活動する反体制武装集団が、ダマスカス郊外県西グータ地方に対するシリア政府の包囲を解除するため「堪え忍ぶ者たちに吉報をもたらせ」の戦いを開始した。

「堪え忍ぶ者たちに吉報をもたらせ」合同作戦司令室に参画したシャームの剣大隊広報局のラーイド・トゥウマ氏によると、この戦いの目的は、クナイトラ県タルジャナ村北東部の丘陵地帯に展開する第4中隊、歩兵中隊などの拠点を制圧し、首都ダマスカスにいたる西グータ地方への進路を確保することにあるという。

これに関して、シリア人権監視団は、シリア軍、国防隊と反体制武装集団がハミーディーヤ村、タルジャナ村、ジュャバーター・ハシャブ村一帯で反体制武装集団と交戦したと発表した。

また、マサール・プレス(9月25日付)によると、この戦闘で、「革命家部隊」は、ダマスカス郊外県サアサア町方面で、ダマスカス県とクナイトラ市を結ぶ幹線道路の寸断に成功したという。

なお、ARA News(9月26日付)は、この戦いに関して、「イスラーム軍が行っている」と伝えた。

一方、SANA(9月25日付)によると、アイン・バイダー村、ジュャバーター・ハシャブ村、サーヒー丘北部、ウーファーニヤー村、ハミーディーヤ村一帯、アマル農場、ハドル村東部南東部、ハーン・アルナバ村一帯で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、アクラバー村をシリア軍が空爆した。

一方、SANA(9月25日付)によると、シャイフ・マスキーン市、ダルアー市・ガラズ刑務所間街道、ダルアー市Syriatelビル南部で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がドゥーマー市、バラダー渓谷一帯を「樽爆弾」などで空爆、また国防隊とともに同地の反体制武装集団と交戦した。

一方、SANA(9月25日付)によると、ザブディーン村、ザマーニーヤ村、ダイル・サルマーン町など東グータ地方各所で、シリア軍がイスラーム軍と交戦し、戦闘員14人を殲滅した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍、国防隊、ヒズブッラー戦闘員がアレッポ市アーミリーヤ地区でジハード主義武装集団と交戦した。

一方、SANA(9月25日付)によると、アレッポ市バーブ・ナスル地区、サーフール地区、ラーシディーン地区で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がアブー・ズフール航空基地、サルジャ村、アルバイーン山一帯を空爆した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍ばバルアース村を空爆した。

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ダマスカス県では、SANA(9月25日付)によると、ジャウバル地区で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

これに関して、クッルナー・シュラカー(9月26日付)は、シリア軍が毒ガスを装填した迫撃砲でジャウバル区を砲撃し、住民複数名が中毒症状を訴えたと伝えた。

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ヒムス県では、SANA(9月25日付)によると、キースィーン村、ガジャル、ラスタン市、ファルハーニーヤ村、南マシュジャル村、ジュッブ・ジャッラーフ村、ダブール丘、アブー・サナースィル丘で、シリア軍、国防隊が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, September 25, 2015、AP, September 25, 2015、ARA News, September 25, 2015、September 26, 2015、Champress, September 25, 2015、al-Hayat, September 26, 2015、Iraqi News, September 25, 2015、Kull-na Shuraka’, September 25, 2015、September 26, 2015、al-Mada Press, September 25, 2015、Masar Press Agency, September 25, 2015、Naharnet, September 25, 2015、NNA, September 25, 2015、Reuters, September 25, 2015、SANA, September 25, 2015、UPI, September 25, 2015などをもとに作成。

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アレッポ県で、有志連合、シリア軍、YPG主体のユーフラテスの火山作戦司令室がダーイシュ(イスラーム国)に爆撃・砲撃(2015年9月25日)

アレッポ県では、ARA News(9月25日付)によると、有志連合は米トルコ両政府が設置合意した「安全地帯」の反体制武装集団のハルバル村、タラーリーン村、スーラーン町、アフティムッラート村のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して空爆を行った。

また、シリア人権監視団によると、有志連合がタッル・マーリド村一帯を空爆した。

一方、SANA(9月25日付)によると、アレッポ市東部航空士官学校一帯、タッル・ファーウーリー村、タッル・イスタブル村で、シリア軍がダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

他方、ARA News(9月25日付)によると、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のユーフラテスの火山作戦司令室は、トルコ国境に位置するダーイシュ(イスラーム国)の拠点都市ジャラーブルス市に対して迫撃砲、重火器での攻撃を行った。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がシャーイル・ガス採掘所一帯でダーイシュを交戦し、戦闘員1人が死亡した。

一方、SANA(9月25日付)によると、シリア軍がウンク・ハワー村、ラッフーム村、シャーイル・ガス採掘所一帯を空爆し、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

また、クッルナー・シュラカー(9月26日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)がヒムス市・タドムル市間の街道で、車輌2台、バイク2台からなるシリア軍の車列を要撃し、兵士12人を殺害した。

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ハサカ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が、ダーイシュ(イスラーム国)の支配したにあるタッル・ブラーク町郊外のカーカー・サイード村、ラジャム・トゥファイヒー村、フワイティラ村などを空爆した。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、有志連合が、ダーイシュ(イスラーム国)の支配下にあるCONOCOガス工場を空爆した。

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米中央軍(CENTCOM)は、9月25日にシリア、イラク領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して25回の空爆を行ったと発表した。

このうちシリア領内での空爆は1回で、フール町(ハサカ県)近郊のダーイシュに対して攻撃が行われたという。

AFP, September 25, 2015、AP, September 25, 2015、ARA News, September 25, 2015、Champress, September 25, 2015、al-Hayat, September 26, 2015、Iraqi News, September 25, 2015、Kull-na Shuraka’, September 25, 2015、September 26, 2015、al-Mada Press, September 25, 2015、Naharnet, September 25, 2015、NNA, September 25, 2015、Reuters, September 25, 2015、SANA, September 25, 2015、UPI, September 25, 2015などをもとに作成。

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