米軍主導の有志連合がシリア領内で3回の爆撃を実施(2015年12月9日)

米中央軍(CENTCOM)は、12月9日にシリア、イラク領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して23回の空爆を行ったと発表した。

このうちシリア領内での空爆は3回、ラッカ市近郊(1回)、アイン・イーサー市近郊(1回)、アイン・アラブ市近郊(1回)のダーイシュに対して攻撃が行われた。

CENTCOM, December 10, 2015などをもとに作成。

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アレッポ県北部の「安全保障地帯」、アレッポ市シャイフ・マクスード地区でYPG主体のシリア民主軍がアル=カーイダ系組織と「穏健な反体制派」と戦闘を続ける(2015年12月9日)

アレッポ県では、ARA News(12月9日付)によると、米トルコが設置合意した「安全地帯」西部(アフリーン市郊外)およびアレッポ市シャイフ・マクスード地区で、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊、革命家軍からなるシリア民主軍が、アル=カーイダ系のシャームの民のヌスラ戦線、シャーム自由人イスラーム運動、そして「穏健な反体制派」の自由シリア軍マーリア作戦司令室と交戦し、ヌスラ戦線側の戦闘員9人を殺傷した。

AFP, December 9, 2015、AP, December 9, 2015、ARA News, December 9, 2015、Champress, December 9, 2015、al-Hayat, December 10, 2015、Iraqi News, December 9, 2015、Kull-na Shuraka’, December 9, 2015、al-Mada Press, December 9, 2015、Naharnet, December 9, 2015、NNA, December 9, 2015、Reuters, December 9, 2015、SANA, December 9, 2015、UPI, December 9, 2015などをもとに作成。

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シリア軍がヒムス県中部でダーイシュ(イスラーム国)への攻勢を続ける(2015年12月9日)

ヒムス県では、SANA(12月9日付)によると、シリア軍がヒヤール山北部、ハワーディード村、ウンク・ハワー村、カルヤタイン市、タドムル市郊外柑橘農園一帯などでダーイシュ(イスラーム国)を攻撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, December 9, 2015、AP, December 9, 2015、ARA News, December 9, 2015、Champress, December 9, 2015、al-Hayat, December 10, 2015、Iraqi News, December 9, 2015、Kull-na Shuraka’, December 9, 2015、al-Mada Press, December 9, 2015、Naharnet, December 9, 2015、NNA, December 9, 2015、Reuters, December 9, 2015、SANA, December 9, 2015、UPI, December 9, 2015などをもとに作成。

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ダマスカス郊外県、ラタキア県などでシリア軍と反体制武装集団の戦闘続く(2015年12月9日)

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がマルジュ・スルターン村一帯、ハラスター市郊外のダマスカス・ヒムス街道(国際幹線道路)一帯で、イスラーム軍などからなるジハード主義武装集団と交戦した。

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イドリブ県では、クッルナー・シュラカー(12月9日付)によると、ロシア軍戦闘機がマルアンド村を4回にわたり空爆し、子供5人を含む8人が死亡した。

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ラタキア県では、SANA(12月9日付)によると、シリア軍ば県北部のバルナディー山、ラビーア山で反体制武装集団を掃討し、同地を制圧した。

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ダルアー県では、SANA(12月9日付)によると、シリア軍がジャムリーン村郊外でシャームの民のヌスラ戦線を攻撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、SANA(12月9日付)によると、シリア軍がタルビーサ市でシャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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マナール・チャンネル(12月9日付)によると、ベカーア県バアルベック郡アルサール村郊外で、ヒズブッラーがアル=カーイダ系組織のシャームの民のヌスラ戦線の車列を攻撃し、同戦線幹部の一人アブー・フィラース・ジュッバ氏らを殺害した。


AFP, December 9, 2015、AP, December 9, 2015、ARA News, December 9, 2015、Champress, December 9, 2015、al-Hayat, December 10, 2015、Iraqi News, December 9, 2015、Kull-na Shuraka’, December 9, 2015、al-Mada Press, December 9, 2015、Naharnet, December 9, 2015、NNA, December 9, 2015、Qanat al-Manar, December 9, 2015、Reuters, December 9, 2015、SANA, December 9, 2015、UPI, December 9, 2015などをもとに作成。

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ヒムス市最後の戦闘地域ワアル地区での停戦合意に基づき、反体制武装集団戦闘員がシリア政府が用意したバスで退去を開始(2015年12月9日)

『ハヤート』(12月10日付)などによると、ヒムス市における最後の戦闘地域だったワアル地区で、国連仲介によるシリア政府と反体制武装集団の停戦合意に従い、反体制武装集団戦闘員の退去が始まった。

反体制武装集団戦闘員は、シリア政府が用意した大型旅客バス約15台に分乗し、シリア軍が包囲するワアル地区から退去した。

AFP(12月9日付)によると、15台のバスのうち10台は白色で、女性、子供など戦闘員の家族が、各自カバン1つを携帯することを認められて分乗し、残りの5台は緑色で、戦闘員が軽

・中火器を携帯したまま分乗したという。

また退去者のなかには、負傷者15人も含まれており、彼らは救急車両に乗って退去したという。

15台のバスには、シリア赤新月社と国連の車輌約10輌が護衛として随行、またシリア軍車輌も車列に同行した。

ヒムス県のタラール・バラーズィー県知事は記者団に対して、ワアル地区から退去する戦闘員の数が約300人にのぼり、また戦闘員の家族約100世帯(400人)も退去を予定しており、その第1陣の退去は今週終わりに完了するという。

退去者は、ハマー県カルアト・マディーク町に向かったあと、アル=カーイダ系組織のシャームの民のヌスラ戦線、シャーム自由人イスラーム運動などからなるファトフ軍の支配地域であるイドリブ県に入るという。

また、反体制武装集団戦闘員第1陣の退去完了を受け、投降希望者が武装解除と関係当局への投降を開始する予定だという。

地元調整委員会が公表したビデオによると、ワアル地区から退去した戦闘員は、シリア政府との交渉を拒否する者たちだという。

なお、バラーズィー県知事によると、ワアル地区の人口は紛争前には30万人いたが、現在は7万5,000人に減少しているという。

シリア人権監視団によると、ワアル地区には、アル=カーイダ系のシャーム自由人イスラーム運動、シャームの民のヌスラ戦線をはじめとする45の武装集団が籠城を続けてきた。

Kull-na Shuraka', December 9, 2015
Kull-na Shuraka’, December 9, 2015
Kull-na Shuraka', December 9, 2015
Kull-na Shuraka’, December 9, 2015
Kull-na Shuraka', December 9, 2015
Kull-na Shuraka’, December 9, 2015
Kull-na Shuraka', December 9, 2015
Kull-na Shuraka’, December 9, 2015

 

AFP, December 9, 2015、AP, December 9, 2015、ARA News, December 9, 2015、Champress, December 9, 2015、al-Hayat, December 10, 2015、Iraqi News, December 9, 2015、Kull-na Shuraka’, December 9, 2015、al-Mada Press, December 9, 2015、Naharnet, December 9, 2015、NNA, December 9, 2015、Reuters, December 9, 2015、SANA, December 9, 2015、UPI, December 9, 2015などをもとに作成。

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ロシア軍は8日、シリア各所を82回にわたって爆撃、また潜水艦ロストフナドヌーから巡航ミサイルで「テロ組織」拠点を初めて攻撃・破壊(2015年12月9日)

ロシア国防省は過去24時間(8日)に、ラタキア県フマイミーム航空基地に駐留するロシア軍戦闘機32機が82回の出撃を行い、アレッポ県、イドリブ県、ラタキア県、ハマー県、ヒムス県のテロ組織の標的204カ所を攻撃・破壊した、と発表した。

空爆では、バンカー・バスターBETAB-500などが使用されたという。

またロシア海軍が最近になって地中海のシリア沖に配備した潜水艦ロストフナドヌー(Rostov-on-Don)から、カリブル(Calibre)巡航ミサイルを発射し、シリア領内のテロ組織の拠点を攻撃・破壊したと発表し、その映像(https://youtu.be/fwja7sogNs4)を公開した。

mil.ru, December 9, 2015
mil.ru, December 9, 2015
mil.ru, December 9, 2015
mil.ru, December 9, 2015

 

AFP, December 9, 2015、AP, December 9, 2015、ARA News, December 9, 2015、Champress, December 9, 2015、al-Hayat, December 10, 2015、Iraqi News, December 9, 2015、Kull-na Shuraka’, December 9, 2015、al-Mada Press, December 9, 2015、Naharnet, December 9, 2015、NNA, December 9, 2015、Reuters, December 9, 2015、SANA, December 9, 2015、UPI, December 9, 2015などをもとに作成。

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リヤドでの反体制派の合同会合で基本方針を確認:アサド大統領の進退、テロ組織の定義は曖昧に(2015年12月9日)

サウジアラビアの首都リヤドで8日に開会したシリアの反体制派の合同会合は、2日の審議を行い、閉幕声明の文言やシリア政府との交渉にあたる統一代表団の構成などについて意見を交わし、『ハヤート』(12月10日付)によると、2日目の会合では、7項目からなる反体制派の基本方針が確認された。

この基本方針とは、①シリアの領土および国民の統合維持、②民主的文民国家の樹立、③国家による武器保有および使用の独占、④「国家テロ」を含むあらゆる形態のテロの拒否、⑤すべての外国人戦闘員の拒否と撤退要求、⑥民主主義、人権、トランスパレンシー、アカウンタビリティ、法治、国家機関の維持、軍・治安機関の再編、の7項目。

なお基本方針の確認に先だって、反体制武装集団の代表(参加者は15人から18人に増加)は8日に、5項目からなる基本方針案を示していたが、確認された基本方針は、アサド政権の退陣や外国人戦闘員の組織名の言及を避けるなど曖昧な内容となっている。

その内容は、①アサド大統領および政権幹部全員の退任と裁判の実施、②軍・諜報機関といった抑圧装置の解体、③愛国的で汚職とは無縁の軍・治安機関の新設、軍・治安機関以外の国家機関の維持、④イラン・イスラーム革命防衛隊、ヒズブッラー、アブー・ファドル・アッバース旅団、ダーイシュ(イスラーム国)に代表される外国の宗派的テロ勢力のシリアからの撤退、⑤シリアの国土、国民の統合と独立、主権、国民意識の維持、政治的・宗派主義的な分割の拒否。

基本方針確認後、参加者は、紛争の政治解決に向けた反体制派の統一ヴィジョン、シリア政府の対話の原則・しくみ・期間などについての審議に移り、以下の点を確認した。

①ジュネーブ合意(2012年6月)、国連安保理決議第2118号における移行期統治機関に関する文言の遵守。

②ジュネーブ2会議(2014年2月)でのシリア政府との交渉内容を踏まえたかたちでの交渉再開。

③シリア領内での戦闘停止。

しかし、②については民主的変革諸勢力国民調整委員会のハサン・アブドゥルアズィーム代表が「ジュネーブ2会議は何も達成していない」と反論、また③についてはイスラーム軍のムハンマド・ビールクダール氏が「シリア政府を信頼できない」と疑義を呈した。

さらに2日目の会合では、国連の役割、閉幕声明の文言、シリア政府との交渉にあたる統一代表団の構成についての審議も行われた。

統一代表団の構成については、シリア革命反体制勢力国民連立がメンバー数を15人とし、これを、治安や停戦問題を担当するグループ、政治プロセスと移行プロセスを担当するグループ、代表団への政治支援・諮問を担当するグループの三つに分けるべきだと主張した。

これに対して、民主的変革諸勢力国民調整委員会はメンバー数を20人とし、「合同会合に参加していない武装集団の代表を含めるべき」と主張し、民主統一党が主導する西クルディスタン移行期民政局の参加組織も統一代表団に加えるべきだと暗に主張した。

al-Hayat, December 10, 2015
al-Hayat, December 10, 2015

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2日目の会合に先立って、会合にオブザーバー参加している「シリアの友連絡グループ」(ロンドン11)と呼ばれてきた米国、英国、トルコ、UAEの各国代表がシリア情勢への対応について協議した。

『ハヤート』(12月10日付)によると、各国代表協議では、米国とトルコの対立が改めて浮き彫りとなった。

すなわち、米国は、アサド大統領の進退を停戦プロセスや和解プロセスの前提条件とせず、シリア政府と反体制派との間で予定されている交渉の場で決する方針に傾斜する一方、トルコは、移行期を開始する前にあらかじめアサド大統領の役割を限定するよう改めて主張したという。

なお、米国の姿勢は、ロシア、イラン、ドイツの方針に準じており、トルコの姿勢は、英国、フランスなどの支持を受けているという。

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『ハヤート』(12月10日付)は、12月半ばに開催が予定されているウィーン4会議で協議が予定されている反体制派の「テロ組織」と「合法的な反反体制派」への峻別に関して、西側高官筋の話として、ロシア政府がヨルダンに対し、「自由シリア軍」を名乗る武装集団を含む22組織を「テロ組織」として認定する案を提示した、と伝えた。

同消息筋によると、これに対して、トルコは、PKK(クルディスタン労働者党)とつながりのある民主統一党が主導する西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊を「テロ組織」に指定することを主張、アラブ諸国は、イラン・イスラーム革命防衛隊、ヒズブッラーなど、イラン人、イラク人、レバノン人の民兵18組織を「テロ組織」に認定するよう求めているという。

AFP, December 9, 2015、AP, December 9, 2015、ARA News, December 9, 2015、Champress, December 9, 2015、al-Hayat, December 10, 2015、Iraqi News, December 9, 2015、Kull-na Shuraka’, December 9, 2015、al-Mada Press, December 9, 2015、Naharnet, December 9, 2015、NNA, December 9, 2015、Reuters, December 9, 2015、SANA, December 9, 2015、UPI, December 9, 2015などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.