アレッポ県で活動する「穏健な反体制派」の第1連隊は「外国の命令」によって任命された新司令官を拒否(2015年12月6日)

アレッポ県で活動する反体制武装集団の第1連隊(いわゆる「穏健な反体制派」)の主要な司令官は共同声明を出し、カーリド・ハンジュー司令官の任命に関して「外国の命令によってなされた」と非難、これを認めないと発表した。

Kull-na Shuraka', December 7, 2015
Kull-na Shuraka’, December 7, 2015

AFP, December 7, 2015、AP, December 7, 2015、ARA News, December 7, 2015、Champress, December 7, 2015、al-Hayat, December 8, 2015、Iraqi News, December 7, 2015、Kull-na Shuraka’, December 7, 2015、al-Mada Press, December 7, 2015、Naharnet, December 7, 2015、NNA, December 7, 2015、Reuters, December 7, 2015、SANA, December 7, 2015、UPI, December 7, 2015などをもとに作成。

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米軍主導の有志連合がシリア領内で9回の爆撃を実施(2015年12月6日)

米中央軍(CENTCOM)は、12月6日にシリア、イラク領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して20回の空爆を行ったと発表した。

このうちシリア領内での空爆は9回、フール町近郊(4回)、ダイル・ザウル市近郊(4回)、マーリア市近郊(1回)のダーイシュに対して攻撃が行われた。

CENTCOM, December 7, 2015などをもとに作成。

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アサド大統領が『サンデー・タイムズ』の単独インタビューに応じる「有志連合にはテロと戦う意思はなく、テロを根絶するためのヴィジョンもない」(2015年12月6日)

アサド大統領は英紙『サンデー・タイムズ』の単独インタビューに応じた。

インタビュー映像は大統領府がYoutube(https://youtu.be/Wb7Kmoe4MUg)を通じて公開、また英文全文およびアラビア語全訳はSANA(http://sana.sy/en/?p=63558http://www.sana.sy/?p=308127)が配信した。

インタビューにおけるアサド大統領の主な発言は以下の通り:

SANA, December 6, 2015
SANA, December 6, 2015

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「我々は紛争当初から、英国とフランスがシリアのテロ組織を支援する急先鋒であるとういことを知っている。我々はこれらの国にそうした意思(テロと戦う意思)がないことを知っている…。(軍事介入は)包括的でなければならない。空、そして地上から行われねばならず、地上部隊、すなわち国軍と連携せねばならず、干渉や(軍事作戦への)参加は合法的でなければならない。シリアの正統な政府と協力して初めて合法的になる。だから、これらの国には(テロと戦う)意思はなく、どのようにテロを打ち負かすのかというヴィジョンを持ち合わせていないと見ている」。

「(有志連合の軍事介入を)評価したいのであれば、現実を評価しよう…。有志連合は1年以上も前に作戦を開始したが、その成果とは何か? ダーイシュ(イスラーム国)、シャームの民のヌスラ戦線、そしてどうようの組織が自由に勢力を伸ばしていた。しかしロシアがテロとの戦いに直接参加して以降どうなったか? ダーイシュもヌスラ戦線も縮小している。つまり、まず、有志連合は何の成果も上げられないと言いたい。そのうえで、それは有害、違法であり、テロを支援していると言いたい…。なぜならテロはガンのような存在だからだ。ガンは切りとるだけでは駄目で、摘出しなければならない」。

「ダーイシュが国家を名乗り公に活動を始めたのは2006年、イラクにおいてだ…。英国もフランスも当時からダーイシュ(の原型)が存在することを知っていたし、それがシリアでの紛争の当初に混乱に乗じてシリアに入ってきたことを知っていた…。英国の高官、とくにトニー・ブレア前首相はそう告白している」。

「二つの組織(ダーイシュとヌスラ戦線)、その違いを評価するのであれば、双方とも同じイデオロギー(ワッハーブ主義から派生したイデオロギー)を擁している点で違いはない…。またその値、支持者、メンバーについて言うのなら、その違いを見つけることはできない。なぜならそのメンバーは次から次へと所属する組織を変えているからだ。時に争い合うのはそのためだ…。だが、彼は実際には、すべてのレベルで協力し合っている。どちらがより危険だということは言えない。なぜなら、彼らのメンタリティは一つだからだ」。

「(デヴィッド・キャメロン首相が英下院で7万人の「穏健な反体制派」と連携できると証言したことに関して)「彼が行っている7万人の穏健派はどこにいるのか? 彼らはいつも「シリアの穏健派」について云々しているが、これは事実ではなく、「疑似事実」を大衆に示すだけの茶番だ…。ロシアも2ヶ月前から…穏健派はどこにいるのかと(米国などに)尋ねている。しかし誰も答えようとはしない。実際のところ、紛争当初から、シリアには「穏健な武装集団」などいなかった。彼らはみな過激派だ…。パリでの最近の攻撃、シャルリー・エブドーでの攻撃、10年前に起きた英国やスペインで起きたテロ、ニューヨークでの9・11事件を行ったテロリストを「穏健な反体制派」だと言うようなものだ。そんなことは世界のどこでも認められない」。

「クルド人はシリア軍と同じ場所でテロリストと戦っている…。(米国から支援を受けているが)主にシリア軍から支援を受けている。そのことを示す文書もある。彼らはシリア人であり、テロと戦う意思があるので、我々は武器を供与している。我々はシリアの多くの組織に対しても同じことをしている。なぜなら、シリア全土にシリア軍を派遣できないからだ。クルド人だけではない。それ以外のシリア人も同じだ」。

(ウィーン・プロセスで欧米諸国が求めている大統領選挙の前倒しに関して)「選挙の前倒しは紛争が終わることとは無関係だ。紛争終結はテロとの戦いを通じて、そして西側諸国、地域諸国がテロリストの支援を停止することで起こるものだ。早期大統領選挙の実施が行われるとすれば、それはシリアの政治勢力、市民社会が行う未来に向けた包括的な対話の一部分としてだ。つまりそれは大統領の意思に関わるものではなく、シリア国民の意思に関わる問題だ。つまり政治プロセスに関わる問題だ。このプロセスで合意がなされれば、私はほかのシリア市民と同様に出馬する権利を得る。その際の私の決断は…シリア国民から支持を得られるかどうかによる」。

「地上部隊と連携せずに、空爆だけでは、ダーイシュを打ち負かすことはできない…。有志連合は見せ掛けのもので…、現地でのテロとの戦いで何の成果も上げていない…。しかし、我々は現実主義的だ…。もし欧米諸国が真剣にテロと戦う用意があるのであれば、我々はいかなる国、政府、そしていかなる政治的努力であってもそれを関係する。この点に関して、我々はプラグマティックだ。我々は究極的にはシリアの情勢を改善し、さらなる流血を止めたいと考えている。これが我々の任務だ。それは愛だの憎しみだの、認めるだの認めないだのという問題ではない。現実に関わる問題だ…。テロ組織が地域諸国や西側から得ている支援を排除できれば、我々の任務完了には数ヶ月と要さないだろう」。

「すべての戦争で常に多くの無実の人々が犠牲になる。これを回避するには戦争を終わらせるしかない…。しかし西側で繰り返されているレトリックにおいては、テロリストが無実の人を殺しているという事実が無視されている。また殺害された多くの人々がシリア政府を支持していたという事実が無視されている」。

「ロシアの役割は極めて重要だ…。しかし、ロシアの支援がなければ、シリア政府、国家が崩壊していただろうというのは仮説に過ぎない」。

「(ラタキア県フマイミーム航空基地に設置された)航空基地の軍事要員や航空機とともに派遣された人員以外にロシアの地上部隊は存在しない…。(ロシア軍地上部隊の展開は)まだ議論されていないが、現時点でその必要はないと考えている」。

「いかなる戦闘機であれ、我が国の領空を侵犯することを阻止することが…我々の権利で…、それは完全に合法的である。我々は自国の領空を守るためのあらゆる手段を用いるだろう…。しかし現在のところ、そうした手段を用いるには至っていない…。現時点での我々の最優先事項は地上でテロリストと戦うことだ」。

「もし彼ら(サウジアラビア)が、自らの政策、とりわけ対シリア政策を変更する用意があるのであれば、彼らと会うことに何の問題もない」。

「我々は、シリア国内で(反体制派との)会合が行われ、それに彼らが出席したいというのであれば、彼らが逮捕拘束されないことを保証すると述べてきた。何度も言ってきた」。

「サウジアラビアで予定されている(反体制派の全体)会合に関して、サウジアラビアはこれまでテロを直接、明確、そして公然と支援してきた。こうした会合は国内の状況を変化させることはないであろう。会合が行われる前も後も、サウジアラビアはテロリストを支援し、今後も支援続けるだろう」。

「我々は当初から、我々の政策の支柱の一つにすべての紛争当事者との対話を開始するということを掲げてきた。シリア国内にいようと国外にいようとだ。我々はすでに多くのテロ組織と交渉してきた…。一部の戦闘員はシリア軍に復帰し、戦っている…。しかしこれは、我々がダーイシュ、ヌスラ戦線などといった組織と交渉することを意味しない」。

「(樽爆弾使用に関する非難について)いわゆる「樽爆弾」と高性能ミサイルの違いではなく、どのように兵器を使用するかの問題だ。どのようにこうした武器を使用するのか、どのような情報を得て、どのような意図を持っているのかにかかわる問題だ。我々に無実の人々を殺す意思があるのか? 国家が国民を守っているなかで、どうしてそのようなことが可能となるのか? そんなことをすれば、我々は国民をテロリストの側に押しやってしまう…。それは我々の国益に反している…それは現実的でも論理的でもない。そんなプロパガンダはどこでも売れはしない」。


AFP, December 6, 2015、AP, December 6, 2015、ARA News, December 6, 2015、Champress, December 6, 2015、al-Hayat, December 7, 2015、Iraqi News, December 6, 2015、Kull-na Shuraka’, December 6, 2015、al-Mada Press, December 6, 2015、Naharnet, December 6, 2015、NNA, December 6, 2015、Reuters, December 6, 2015、SANA, December 6, 2015、UPI, December 6, 2015などをもとに作成。

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米トルコが設定したアレッポ県北部の「安全保障地帯」でダーイシュ(イスラーム国)の攻勢続く(2015年12月6日)

アレッポ県では、クッルナー・シュラカー(12月6日付)によると、米トルコが設置合意した北部の「安全地帯」でダーイシュ(イスラーム国)との戦闘を続けるシャーム戦線のムハンマド・ハマーディーン中佐(アブー・リヤード)司令官がスーラーン・アアザーズ町近郊のカズル村での戦闘で負傷した。

また、ARA News(12月6日付)によると、米トルコが設置合意した「安全地帯」内のヒルバ村にあるシャーム戦線の拠点複数カ所をダーイシュ(イスラーム国)が攻撃した。

AFP, December 6, 2015、AP, December 6, 2015、ARA News, December 6, 2015、Champress, December 6, 2015、al-Hayat, December 7, 2015、Iraqi News, December 6, 2015、Kull-na Shuraka’, December 6, 2015、al-Mada Press, December 6, 2015、Naharnet, December 6, 2015、NNA, December 6, 2015、Reuters, December 6, 2015、SANA, December 6, 2015、UPI, December 6, 2015などをもとに作成。

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有志連合によるダーイシュ(イスラーム国)拠点への爆撃ではダーイシュ・メンバーが死亡、ロシア軍によるダーイシュ拠点への爆撃では民間人が死亡と報道(2015年12月6日)

ラッカ県では、シリア人権監視団によると、米主導の有志連合と思われる戦闘機が、ラッカ市の北部、東部、南東部にあるダーイシュ(イスラーム国)の拠点複数カ所を空爆し、戦闘員32人が死亡、40人以上が負傷した。

同監視団に情報を提供する活動家らによると、空爆はラッカ市郊外の第17師団基地、ラッカ市フルースィーヤ地区、ファフィーハ地区、野営キャンプ、カラーマ地区などのダーイシュ拠点に対して行われ、空爆によって少なくとも15回の爆発が発生し、多くの戦闘員がラッカ市内の病院に搬送されたという。

これに関して、ARA News(12月6日付)は、ロシア軍と思われる戦闘機がラッカ市東部、南部を6回にわたって空爆し、女性子供を含む民間人15人が死亡したと伝えた。

一方、クッルナー・シュラカー(12月6日付)は、ロシア軍戦闘機がダーイシュの支配下にあるラッカ市西部のカフターニーヤ地区、ヒッティーン農場交差点一帯を空爆し、女性子供を含む15人が死亡、25人以上が負傷したと伝えた。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍と思われる戦闘機がダーイシュ(イスラーム国)の拠点都市の一つバーブ市各所を空爆した。

一方、SANA(12月6日付)によると、シリア軍がビージャーン村、ラスム・カビール村、ラスム・ハルマル村、大フマイマ村、ラスム・アブド村、ラスム・カマー村、フワイジーナ村、シャルバア村、クサイル・ワルド村、アイン・バイダー村、ラスム・アラム村、ジュッブ・サファー村、タッル・アイユーブ村、ダイル・ハーフィル市、ラスム・キバール村、アイン・ジャハシュ村、ナッジャール村、ナスルッラー村北部、アブー・ジャッバール村一帯でダーイシュ(イスラーム国)の拠点を空爆・攻撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、戦闘機(所属不明)がダイル・ザウル市ジュバイル地区、マリーイーヤ村でダーイシュ(イスラーム国)の拠点を空爆した。

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ハマー県では、SANA(12月6日付)によると、シリア軍が県北部のイスリヤー村・ジュッブ・ラービア村間でダーイシュ(イスラーム国)拠点を空爆し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、SANA(12月6日付)によると、シリア軍がカルヤタイン市でダーイシュ(イスラーム国)の拠点を空爆し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, December 6, 2015、AP, December 6, 2015、ARA News, December 6, 2015、Champress, December 6, 2015、al-Hayat, December 7, 2015、Iraqi News, December 6, 2015、Kull-na Shuraka’, December 6, 2015、al-Mada Press, December 6, 2015、Naharnet, December 6, 2015、NNA, December 6, 2015、Reuters, December 6, 2015、SANA, December 6, 2015、UPI, December 6, 2015などをもとに作成。

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シリア軍、ロシア軍が、ダマスカス郊外県、イドリブ県、ハマー県でアル=カーイダ系のヌスラ戦線などの拠点への爆撃を続け、住民13人、戦闘員約50人が死亡(2015年12月6日)

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がドゥーマー市、ダーライヤー市を「樽爆弾」などで空爆、砲撃し1人が死亡、またロシア軍と思われる戦闘機がザマルカー町を空爆し、子供2人を含む13人が死亡した。

クッルナー・シュラカー(12月6日付)によると、ロシア軍がザマルカー町、ドゥーマー市を空爆し、住民16人が死亡したという。

一方、SANA(12月6日付)によると、シリア軍がマルジュ・スルターン村一帯ジスリーン町、カフルバトナー町、ドゥーマー市、アルバイン市で、イスラーム軍、シャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団の拠点を空爆し、マルジュ・スルターン航空基地周辺地域で支配地域を拡大した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍、国防隊、ヒズブッラー戦闘員、アラブ系・アジア系戦闘員が、アレッポ市南部郊外のバルナ村一帯でジュンド・アクサー機構、トルキスターン・イスラーム党などからなるジハード主義武装集団が交戦し、シリア軍が同地一帯およびアレッポ市北部一帯を空爆した。

これに対して、反体制武装集団は、アレッポ市ティシュリーン通り一帯(シリア政府支配地域)を砲撃した。

一方、SANA(12月6日付)によると、シリア軍がラスム・サフリージュ村、ジャルーフ村、カフルハッダード村、ザトヤーン村、マクハラ村、ズィルバ村、マンスーラ村、ナイラブ航空基地周辺、アレッポ市ライラムーン地区、ラーシディーン地区、バニー・ザイド地区、ハナーヌー地区、ハラク地区、シャイフ・サイード地区でシャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団の拠点を攻撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、ヌーバ山、ブルジュ・カスブなど県北部一帯で、シリア軍、国防隊、ヒズブッラー戦闘員、アラブ系・アジア系戦闘員が、シャームの民のヌスラ戦線、トルキスターン・イスラーム党などからなるジハード主義武装集団と交戦、シリア軍がクルド山、トルクメン山一帯を砲撃した。

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ヒムス県では、タラーブ・バラーズィー県知事がAFP(12月6日付)に明らかにしたところによると、ヒムス県ワアル地区で、国連仲介によるシリア政府と反体制武装集団の停戦合意に従い、支援物資の搬入作業が5日から開始された。

これに関して、シリア人権監視団も、国連のUNHCRとUNICEF、シリア赤新月社が6輌の貨物トラックでワアル地区に人道支援の搬入を行ったことを認めた。

『ハヤート』(12月7日付)によると、停戦合意を受け、200~300人の反体制武装集団戦闘員とその家族が第1陣としてワアル地区を退去するとともに、重火器、中火器の引き渡し、武装解除を望む戦闘員の投降と放免が近く予定されているという。

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ハマー県では、SANA(12月6日付)によると、シリア軍およびロシア軍がカフルズィーター市でファトフ軍の拠点を空爆し、司令部を破壊、戦闘員17人を殲滅した。

両軍はまた、ラターミナ町、ラハーヤー村でジュンド・アクサー機構、シャームの民のヌスラ戦線の拠点をそれぞれ空爆・砲撃し、戦闘員10人以上を殲滅した。

このほか、シリア軍は、アクラブ町、サイイド・アリー丘、ラスム・カドシーヤ村でヌスラ戦線の拠点を攻撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、SANA(12月6日付)によると、シリア軍とロシア軍は、ハーン・シャイフーン市、タマーニア町、バシーリーヤ村でシャームの民のヌスラ戦線などジハード主義武装集団の拠点を集中的に空爆し、戦闘員20人以上を殲滅し、拠点・装備を破壊した。

一方、クッルナー・シュラカー(12月6日付)によると、サラーキブ市内で、シリア・ムスリム同胞団に近い武装集団シャーム軍団メンバーが乗った車に仕掛けられていた爆弾が爆発し、メンバー3人が死亡した。

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ダルアー県では、SANA(12月6日付)によると、シリア軍がウンム・ワラド村、ダルアー市内各所、ジャディーヤ村一帯でシャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, December 6, 2015、AP, December 6, 2015、ARA News, December 6, 2015、Champress, December 6, 2015、al-Hayat, December 7, 2015、Iraqi News, December 6, 2015、Kull-na Shuraka’, December 6, 2015、al-Mada Press, December 6, 2015、Naharnet, December 6, 2015、NNA, December 6, 2015、Reuters, December 6, 2015、SANA, December 6, 2015、UPI, December 6, 2015などをもとに作成。

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米軍が支援するシリア民主軍が、ロシア、イランの後援のもと、サウジアラビア主催のリヤドでの反体制派の合同会合に対抗して総会開催を予定(2015年12月6日)

クルド・ストリート(12月6日付)は、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍が、8日にサウジアラビアのリヤドで開催予定の反体制派の合同会合に対抗するかたちで、ハサカ県ルマイラーン町で初の総会を開催する予定だと伝えた。

同サイトによると、総会にはシリア国内外の活動家約500人が参加予定で、そのなかには、シリア国内で活動する諸政党、変革解放人民戦線、民主的変革諸勢力国民調整委員会、西クルディスタン移行期民政局に参加する民主統一党などの諸政党・政治組織、シリア民主軍を攻勢する人民防衛隊、サナーディード軍、ラッカ革命家戦線、革命家軍、ユーフラテスの火山作戦司令室などが参加を予定している。

アラブ民主軍は米国が支援を行っているが、この総会は、ロシア、イランが実質的な主催者で米軍関係者らも参加するという。

なお、会場となるルマイラーン町は、西クルディスタン移行期民政局ジャズィーラ地区の主要都市で、同市郊外の農業空港は米軍による拡張工事が行われている。

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西クルディスタン移行期民政局の総合調整局は声明を出し、8日にサウジアラビアの首都リヤドで開催予定の反体制派の合同会合に関して、「シリア国民の意思に対する陰謀以外の何ものでもなく、シリア危機の政治的解決に資さない」と非難、「会合はシリア国民のすべての社会集団を代表していない」としたうえで、「李ヤード会合に関与しない」と宣言した。

西クルディスタン移行期民政局はこの合同会合に組織として招聘されていない。

AFP, December 6, 2015、AP, December 6, 2015、ARA News, December 6, 2015、Champress, December 6, 2015、al-Hayat, December 7, 2015、Iraqi News, December 6, 2015、Kull-na Shuraka’, December 6, 2015、Kurd Street, December 6, 2015、al-Mada Press, December 6, 2015、Naharnet, December 6, 2015、NNA, December 6, 2015、Reuters, December 6, 2015、SANA, December 6, 2015、UPI, December 6, 2015などをもとに作成。

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トルコ政府のプロパガンダに呼応するかたちで「アラブ・トルコマン部族同盟」なる新組織がトルコ政府のシリアへの介入を呼びかける(2015年12月6日)

クッルナー・シュラカー(12月7日付)によると、ハサカ県で活動するというアラブ人およびトルクメン人の部族が「アラブ・トルクメン部族同盟」なる新組織を結成すると発表した。

この新組織は、結成声明のなかで、アサド政権、ダーイシュだけでなく、トルコがテロ組織と認定しているクルディスタン労働者党(PKK)、そして同党に近い民主統一党(西クルディスタン移行期民政局を主導)がシリア国民への殺戮を行っていると非難、トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領とアフメト・ダウトオール首相に対して「自由シリア国民はあなた方の手によって不正から解放されることを希望している」と呼びかけた。

Kull-na Shuraka', December 6, 2015
Kull-na Shuraka’, December 6, 2015

 

AFP, December 6, 2015、AP, December 6, 2015、ARA News, December 6, 2015、Champress, December 6, 2015、al-Hayat, December 7, 2015、Iraqi News, December 6, 2015、Kull-na Shuraka’, December 6, 2015、al-Mada Press, December 6, 2015、Naharnet, December 6, 2015、NNA, December 6, 2015、Reuters, December 6, 2015、SANA, December 6, 2015、UPI, December 6, 2015などをもとに作成。

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シリア外務在外居住者省は、モスルへのトルコ軍増援部隊派遣を批判し、イラク領からのトルコ軍の即時無条件撤退、イラク主権および統合の尊重、内政不干渉を要求(2015年12月6日)

シリア外務在外居住者省は声明を出し、トルコ軍がイラク北部のモスル市郊外の野営地に増援部隊約130人を派遣したことに関して、「イラク政府の合意なく、トルコ軍がイラク領内に進入することは、イラク主権へのあからさまな侵害であり、国連憲章に明白に違反しており、地域の現下の緊張をさらに先鋭化する」と非難した。

外務在外居住者省はまた、「こうしたトルコの敵対行為に対して、政府、国民一丸となって姉妹国イラクに連帯する」と表明、「イラク領からのトルコ軍の即時無条件撤退、イラク主権および統合の尊重、内政不干渉」を求めた。

トルコのアフメト・ダウトオール首相は5日、イラク国内のダーイシュ(イスラーム国)の主要拠点とされるモスル市北東30キロの地点にあるトルコ軍の野営地に、イラク・クルディスタン地域のペシュメルガを教練するためとして、増援部隊130人を派遣したと発表していた。

これに対して、イラクのフアード・マアスーム大統領は6日、トルコ軍がイラク領内に不法に侵入したとして、撤退を求める声明を出した。

またハイダル・アバーディー首相は、トルコ政府に対して48時間以内にイラク領内から軍を撤退させるよう通告、撤退が行われない場合は、国連安保理への提訴などあらゆる選択肢が考え得ると述べた。

AFP, December 6, 2015、AP, December 6, 2015、ARA News, December 6, 2015、Champress, December 6, 2015、al-Hayat, December 7, 2015、Iraqi News, December 6, 2015、Kull-na Shuraka’, December 6, 2015、al-Mada Press, December 6, 2015、Naharnet, December 6, 2015、NNA, December 6, 2015、Reuters, December 6, 2015、SANA, December 6, 2015、UPI, December 6, 2015などをもとに作成。

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赤十字国際委員会のダコー事務局長「ダーイシュ(イスラーム国)支配地域への人道支援のため、ダーイシュとの接触を試みている」(2015年12月6日)

赤十字国際委員会のイヴ・ダコー事務局長はAFP(12月6日付)のインタビューに応じ、そのなかで、ダーイシュ(イスラーム国)の支配地域での生活を余儀なくされているとされる人々への人道支援のために、ダーイシュとの接触を試みていることを明らかにした。

ダコー事務局長は「我々はもちろん関係を築こうとしている…。我々には明確な人道的ヴィジョンがある。まず、我々が注目しているのは、1,000万人という人々のことだ。ダーイシュの支配下には1,000人もの人々がいる…。我々はこの1,000万の人々に関心がある。彼らに何が起きているか? 彼らの問題は何なのか? こうした問題意識が我々を導いている」と述べた。

ただし、シリアの総人口約2,300万人から国外避難民約400万人(推計)を引いた1,900万のうちの半数以上にあたる1,000人がダーイシュの支配下に置かれているとは考えられない。

AFP, December 6, 2015、AP, December 6, 2015、ARA News, December 6, 2015、Champress, December 6, 2015、al-Hayat, December 7, 2015、Iraqi News, December 6, 2015、Kull-na Shuraka’, December 6, 2015、al-Mada Press, December 6, 2015、Naharnet, December 6, 2015、NNA, December 6, 2015、Reuters, December 6, 2015、SANA, December 6, 2015、UPI, December 6, 2015などをもとに作成。

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