米主導の有志連合はシリア領内で5回の爆撃を実施(2015年12月26日)

米中央軍(CENTCOM)は、12月26日にシリア、イラク領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して33回の空爆を行ったと発表した。

このうちシリア領内での空爆は5回で、マンビジュ市近郊(3回)、ラッカ市近郊(2回)のダーイシュに対して攻撃が行われた。

CENTCOM, December 27, 2015などをもとに作成。

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YPG主体のシリア民主軍がダーイシュ(イスラーム国)との戦闘の末、アレッポ県東部ティシュリーン・ダム一帯を制圧(2015年12月26日)

アレッポ県では、ARA News(12月26日付)によると、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍は、マンビジュ市南東部のユーフラテス川岸のティシュリーン・ダムおよび同地一帯(ユーフラテス川東岸)を完全制圧した。

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ARA News(12月26日付)によると、25日に引き続き、ラッカ革命家旅団の戦闘員100人が、同旅団からの「離反」とシリア民主軍への参加を表明した。

AFP, December 26, 2015、AP, December 26, 2015、ARA News, December 26, 2015、Champress, December 26, 2015、al-Hayat, December 27, 2015、Iraqi News, December 26, 2015、Kull-na Shuraka’, December 26, 2015、al-Mada Press, December 26, 2015、Naharnet, December 26, 2015、NNA, December 26, 2015、Reuters, December 26, 2015、SANA, December 26, 2015、UPI, December 26, 2015などをもとに作成。

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ダイル・ザウル市一帯でシリア軍とダーイシュ(イスラーム国)が激戦(2015年12月26日)

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、戦闘機(所属明示せず)がダイル・ザウル市ラサーファ地区、工業地区、ハウィーカ地区、フワイジャト・サクル地区、旧空港地区を26回にわたり空爆、またシリア軍がダーイシュ(イスラーム国)とラサーファ地区で交戦した。

一方、SANA(12月26日付)によると、シリア軍がダイル・ザウル市フワイジャト・サクル地区、工業地区でダーイシュ(イスラーム国)の拠点を空爆し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

他方、これに関して、ダーイシュの通信部門アアマーク通信は、シリア軍兵士53人を殲滅したと発表した。

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アレッポ県では、SANA(12月26日付)によると、シリア軍は、アレッポ市東部一帯でのダーイシュ(イスラーム国)との戦闘の末、ジュルーフ村、シャルバア丘を制圧した。

シリア軍はまた、タッル・ハッターバート村、アージューズィーヤ村、ハナースィル市北部、でダーイシュの拠点を空爆し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、SANA(12月26日付)によると、シリア軍がマヒーン・カビール山、マヒーン町、西サラム村、東サラーム村、タドムル市北部、ハドス村、ウンム・カッドゥーム丘、マヒーン・ガソリン・スタンド一帯でダーイシュ(イスラーム国)の拠点を空爆し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, December 26, 2015、AP, December 26, 2015、ARA News, December 26, 2015、Champress, December 26, 2015、al-Hayat, December 27, 2015、Iraqi News, December 26, 2015、Kull-na Shuraka’, December 26, 2015、al-Mada Press, December 26, 2015、Naharnet, December 26, 2015、NNA, December 26, 2015、Reuters, December 26, 2015、SANA, December 26, 2015、UPI, December 26, 2015などをもとに作成。

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アレッポ市北部バーシュカウィー村一帯で、シリア軍とヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団が激しく交戦(2015年12月26日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市北部のバーシュカウィー村(シリア政府支配下)でシャームの民のヌスラ戦線がシリア軍拠点に対して爆弾を仕掛けた車で自爆攻撃を行った。

この攻撃の直後、同地一帯でシリア軍、国防隊とヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団が交戦し、シリア軍側に33人、ヌスラ戦線側に38人の死者が出た。

この戦闘で、ヌスラ戦線側はバーシュカウィー村の複数カ所を制圧したという。

またアレッポ市南部のハーン・トゥーマーン村一帯でも、シリア軍がヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団と交戦した。

このほか、アレッポ市ハーリディーヤ地区、バニー・ザイド地区、ライラムーン地区でシリア軍、国防隊がアレッポ・ファトフ軍作戦司令室と交戦した。

こうしたなか、戦闘機(所属明示せず)が、ヌスラ戦線などが展開するバーシュカウィー村、ムサイビーン丘、アレッポ市ラーシディーン地区、スーク・ジャバス地区などを空爆した。

一方、SANA(12月26日付)によると、シリア軍がアレッポ市カラム・ダアダア地区、ブスターン・カスル地区、バーシュカウィー村一帯でシャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ラタキア県では、ドゥラル・シャーミーヤ(12月26日付)によると、反体制武装集団(アンサール・シャーム大隊)がシリア軍との戦闘の末、クルド山最高峰のガザール丘を制圧した。

また、シリア軍と反体制武装集団の戦闘は、ナビー・ユーヌス峰一帯などでも行われ、ロシア軍が同地を空爆した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、戦闘機(所属明示せず)がジャルジャナーズ町を空爆し、子供2人を含む5人が死亡した。

戦闘機はまた、マアッルバリート村一帯を空爆したほか、ロシア軍と思われる戦闘機はタマーニア町、アービディーン村を空爆した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、戦闘機(所属明示せず)がシャイフ・マスキーン市各所を空爆、またシリア軍が同地を砲撃するなどして、反体制武装集団と交戦し、少なくとも2人が死亡した。

またシリア軍はナワー市を「樽爆弾」で空爆し、女性1人、子供1人を含む4人が死亡した。

このほか、ダルアー市の治安厳戒地区に、ジハード主義武装集団が砲撃した。

一方、SANA(12月26日付)によると、シリア軍がラハム村、東ムライハ町、カラク村でジハード主義武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス県では、ザフラーン・アッルーシュ司令官を失ったイスラーム軍が、ジャウバル区でシリア軍の拠点複数カ所への爆破攻撃を行い、兵士28人を殺害したと発表した。

シリア人権監視団によると、ジャウバル区では、シリア軍、国防隊、ヒズブッラー戦闘員が、シャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団と交戦した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がダーライヤー市、ムウダミーヤト・シャーム市を「樽爆弾」で空爆し、ジハード主義武装集団戦闘員3人が死亡した。

またロシア軍と思われる戦闘機が、マルジュ・スルターン村一帯を空爆、またシリア軍、国防隊が同地一帯でヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団と交戦した。

このほか、シリア軍、国防隊は、タッル・クルディー町一帯で、ジハード主義武装集団と交戦し、ダイル・ムクリン町・イフラ村間の街道一帯、キスワ市一帯を砲撃した。

一方、SANA(12月26日付)によると、シリア軍がドゥーマー市郊外で、ジハード主義武装集団が掘削した全長200メートルの地下トンネルを発見、これを破壊した。

他方、クッルナー・シュラカー(12月27日付)によると、クドスィーヤー市軍事評議会司令官のハムディー・マストゥー氏(アブー・ザイド)が同市にあるビール工場近くで何者かに暗殺された。

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ハマー県では、SANA(12月26日付)によると、シリア軍がアトシャーン村、ラターミナ町、マアルカバ村、サルマーニーヤ村、タマーニア町でシャーム自由人イスラーム運動、シャームの民のヌスラ戦線、ジュンド・アクサー機構の拠点を空爆し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、SANA(12月26日付)によると、シリア軍がティールマアッラ村、タルビーサ市、クナイトラート村、イッズッディーン村でシャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, December 26, 2015、AP, December 26, 2015、ARA News, December 26, 2015、Champress, December 26, 2015、al-Durar al-Shamiya, December 26, 2015、al-Hayat, December 27, 2015、Iraqi News, December 26, 2015、Kull-na Shuraka’, December 26, 2015、December 27, 2015、al-Mada Press, December 26, 2015、Naharnet, December 26, 2015、NNA, December 26, 2015、Reuters, December 26, 2015、SANA, December 26, 2015、UPI, December 26, 2015などをもとに作成。

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ヌスラ戦線とシリア国民連合がイスラーム軍ザフラーン・アッルーシュ司令官殺害を「ロシアの爆撃」と断じ非難(2015年12月26日)

ダマスカス県東グータ地方での戦闘でイスラーム軍と共闘するアル=カーイダ系組織のシャームの民のヌスラ戦線は声明を出し、イスラーム軍のザフラーン・アッルーシュ司令官が「ロシアの空爆」によって殺害されたと断じ、遺族に弔意を示した。

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シリア革命反体制勢力国民連立は声明を出し、イスラーム軍のザフラーン・アッルーシュ司令官死亡が「ロシアの空爆」によるものだと断じたうえで、「ダーイシュ(イスラーム国)を利するもので、国連がシリアで推し進める政治プロセスを反故にしようとする試み」と批判した。

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ヌスラ戦線、シリア革命反体制勢力国民連立以外にも、中部師団、ファーティヒーン軍、第24歩兵師団が声明を出し、アッルーシュ司令官殺害を非難した。

AFP, December 26, 2015、AP, December 26, 2015、ARA News, December 26, 2015、Champress, December 26, 2015、al-Hayat, December 27, 2015、Iraqi News, December 26, 2015、Kull-na Shuraka’, December 26, 2015、al-Mada Press, December 26, 2015、Naharnet, December 26, 2015、NNA, December 26, 2015、Reuters, December 26, 2015、SANA, December 26, 2015、UPI, December 26, 2015などをもとに作成。

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イスラーム軍のザフラーン・アッルーシュ司令官殺害を受けて、ダマスカス県南部からのダーイシュ(イスラーム国)、ヌスラ戦線戦闘員の退去が一時延期(2015年12月26日)

シリア人権監視団によると、ダマスカス県ヤルムーク区(難民キャンプ一帯)、カダム区、ダマスカス郊外県ハジャル・アスワド市で籠城を続けてきたダーイシュ(イスラーム国)、シャームの民のヌスラ戦線などの戦闘員約3,500人の退去が、イスラーム軍のザフラーン・アッルーシュ司令官殺害を受けて一時中断された。

同監視団によると、一時中断は、①ラッカ県やアレッポ県にいたる進路(ヒムス県、ハマー県)での安全がロジスティックな理由で確保できなかったこと、②ヌスラ戦線戦闘員が退避先をアレッポ県ではなく、イドリブ県に変更するよう求めたことなどが理由で、予定されていた1,200人の退去は26日に行われるという。

AFP, December 26, 2015、AP, December 26, 2015、ARA News, December 26, 2015、Champress, December 26, 2015、al-Hayat, December 27, 2015、Iraqi News, December 26, 2015、Kull-na Shuraka’, December 26, 2015、al-Mada Press, December 26, 2015、Naharnet, December 26, 2015、NNA, December 26, 2015、Reuters, December 26, 2015、SANA, December 26, 2015、UPI, December 26, 2015などをもとに作成。

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ダーイシュ(イスラーム国)のバグダーディー指導者が声明で、イスラーム教徒に対してサウジアラビアへの反抗を呼びかける(2015年12月26日)

ダーイシュ(イスラーム国)の広報部門の一つフルカーン広報制作機構は、インターネットを通じてアブー・バクル・バグダーディー指導者の音声声明(https://www.youtube.com/watch?v=DYRNA6-Qsl4)を配信した。

「それであなたがたは待ちなさい。わたしたちもあなたがたと共に待つものである」(9:52)と題された約25分の声明でバグダーディー氏は、サウジアラビアが結成を発表したアラブ・イスラーム諸国34カ国からなる対テロ軍事同盟を指弾し、イラク、シャーム、イエメンをはじめとするすべての場所を救済するようイスラーム教徒に呼びかけた。

バグダーディー氏は「背教国家が今日のようにイスラーム教徒と戦うために同盟したことはこれまでになかった。我々に対して背教国家が同盟を作ったことは、イスラーム国(ダーイシュ)が信仰の頂点をなし、戦いの陣頭指揮を執っていることを如術に示すものだ」としたうえで、「もしこの同盟がイスラーム的なものであり、シーア派や無神論者であるクルド人と戦っていたら、共産主義の中国がこの同盟を支持してはいなかったろう。またその目的はパレスチナ解放に向けられただろう。ユダヤ人は我々がパレスチナを忘れてしまったと考えている。しかしそんなことはない。我々はいずれ、アッラーのお許しのもと、パレスチナに戻ってくる」と主張した。

そのうえで「イスラーム教徒のなかには、これがイスラーム教やイスラーム教徒に対する戦争ではないと考えている者がまだいる。しかし、このように考えている者はどれほどの過ちを犯していることか」と強調、「二大聖地の民」に対してサウジアラビアの既存の体制に立ち向かうよう呼びかけた。


AFP, December 26, 2015、AP, December 26, 2015、ARA News, December 26, 2015、Champress, December 26, 2015、al-Hayat, December 27, 2015、Iraqi News, December 26, 2015、Kull-na Shuraka’, December 26, 2015、al-Mada Press, December 26, 2015、Naharnet, December 26, 2015、NNA, December 26, 2015、Reuters, December 26, 2015、SANA, December 26, 2015、UPI, December 26, 2015などをもとに作成。

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デミストゥラ・シリア問題担当国連アラブ連盟共同特別代表「シリア政府と反体制派の和平交渉を1月25日にジュネーブで開催する」(2015年12月26日)

スタファン・デミストゥラ・シリア問題担当国連アラブ連盟共同特別代表は、国連安保理決議第2254号に基づき、シリア政府と反体制派の統一代表団による交渉を2016年1月25日にスイスのジュネーブで開催すると発表した。

SANA(12月26日付)が伝えた。

AFP, December 26, 2015、AP, December 26, 2015、ARA News, December 26, 2015、Champress, December 26, 2015、al-Hayat, December 27, 2015、Iraqi News, December 26, 2015、Kull-na Shuraka’, December 26, 2015、al-Mada Press, December 26, 2015、Naharnet, December 26, 2015、NNA, December 26, 2015、Reuters, December 26, 2015、SANA, December 26, 2015、UPI, December 26, 2015などをもとに作成。

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