米中央軍(CENTCOM)は、12月1日にシリア、イラク領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して17回の空爆を行ったと発表した。
このうちシリア領内での空爆は2回、アイン・イーサイ市近郊のダーイシュに対して攻撃が行われた。
CENTCOM, December 2, 2015などをもとに作成。
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Detail Report on the Arab Spring in Syria: Latest Situation in Syria / アラビア語の新聞、通信社、ウェブサイトなどを通じて収集した情報をもとに、シリア情勢をより網羅的に把握・紹介することをめざします。
ヨルダンのアブドゥッラー2世国王は『デイリー・テレグラフ』(12月1日付)に対して、ダーイシュ(イスラーム国)との戦いに関して「我々はハワーリジュ派という無法者と戦っていると述べてきたが…、こうしたテロリスト、無法者が世界全体を脅かすようになっている」としたうえで、「イラクに焦点を当てるだけでは不十分だ。なぜならシリア彼ら(ダーイシュ)はシリアの広範な地域を制圧し、アジアやアフリカといった地域への足がかりにしようとしているからだ」と述べ、シリアへの介入の必要を強調した。
アブドゥッラー2世国王はまた「我々はシリアでの政治的解決を追求する一方、この国(シリア)、そしてあらゆる場所で彼ら(ダーイシュ)と戦わなければならない」と強調、「我々はシリア国内にいるシリアの反体制派とともに活動し、ハワーリジュ派を打ち負かす必要がある。シリアの反体制派、とりわけ南部にいる反体制派は戦う能力と意志があり、我々が支援するに値する」と述べた。
AFP, December 2, 2015、AP, December 2, 2015、ARA News, December 2, 2015、Champress, December 2, 2015、Daily Telegraph, December 1, 2015、al-Hayat, December 3, 2015、Iraqi News, December 2, 2015、Kull-na Shuraka’, December 2, 2015、al-Mada Press, December 2, 2015、Naharnet, December 2, 2015、NNA, December 2, 2015、Reuters, December 2, 2015、SANA, December 2, 2015、UPI, December 2, 2015などをもとに作成。
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アサド大統領はチェコのテレビ局の単独インタビューに応じた。
インタビューは英語で行われ、映像は大統領府がYoutube(https://youtu.be/XHsCn_q69LI)で、また英文、アラビア語訳文はSANA(http://sana.sy/en/?p=63209、http://www.sana.sy/?p=306139)が公開した。
インタビューでのアサド大統領の主な発言は以下の通り:

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「この職(眼科医としての職)ないしはそれ以外の外科医とシリアの現状を結びつけるとするのなら、それは意思に関わっているということだろう…。我々はの仕事は命を助けることだ。流血があれば、国を守ろうとすべきだ。軍を用いて国を守るべきだ…。これ(25万人あまりとされる犠牲)は、地域諸国、そして西側が支援する多くのテロリストがもたらした結果だ」。
「ロシアの(空爆)参加、あるいはテロとの戦いの最前線に立つと宣言したことこそ、もっとも重要なことだ。それはテロに対する実質的な取り組みだ。一方、パリでは、フランスはさまざまなかたちでダーイシュを攻撃するなどという発言で、政治的なレベルでフランス人の感情をなだめようとしているだけだ…。フランスはパリでの攻撃以前には真剣に取り組んでいなかったということか?… これに対して、ロシアはテロと真剣に戦っており、シリア軍との間には連携がなされている」。
「有志連合の空爆当初から…、ダーイシュは拡大し、世界中でのメンバー獲得は増大していった。一方、ロシアがいわゆるテロとの戦いに参加して以降、ダーイシュ、シャームの民のヌスラ戦線、そしてそれ以外のテロ組織も縮小している…。なぜなら(シリア軍との)連携がなされているからだ…。シリアにおける主要な(軍事)勢力とはシリア・アラブ軍、そしてもちろん政府なのだ」
(フランスによる「テロとの戦い」に関して懐疑的かとの問いに対して)「懐疑的だ…。テロリストに直接支援し、世界におけるテロのもっとも熱狂的な支持者であるサウジアラビアと同盟を結びながら、テロと戦うことなどできない…。彼ら(フランス)は、サウジアラビア、カタール、そしておそらくそれ以外の国を通じて武器売却が行われていることを当然知っている」。
(トルコ軍によるロシア軍戦闘機撃墜事件はフランスの「テロとの戦い」に悪影響を及ぼすかとの問いに対して)「そうは思わない…。ロシアの介入が現地のバランスを変化させたために、エルドアンは正気を失い、容赦ない行動に出たのだ。すまり、エルドアンの挫折、すなわち彼のテロ組織の挫折は、彼の政策の終焉を意味している」。
「我々が置かれている現状を踏まえると、我々には彼ら(ダーイシュを含むテロ組織)と直接戦う以外に道はない。しかしそれだけでは不十分だ。もし彼らを打ち負かしたいのなら、サウジアラビアやカタールの支援のもと、主にトルコを経由してくる彼らの物資、兵站、資金、戦闘員を断ち切らねばならない…。現下の問題は、我々がテロリストと戦っているなか、彼らが主に地域諸国から無制限に物資を受け取ってとり、西側はそれを支援、あるいは黙認していることだ」。
「我々は武装した反体制派、軍事的反体制派、あるいは武器を持った穏健な反体制派という概念は認めない。こうした勢力は反体制派ではなく、テロリズムだ。我々にとって反体制派とは、シリア国内であれ、国外であれ、政治的な運動を意味する…。また反体制派の別の側面として、愛国的でなければならず、フランス、カタール、サウジアラビア、米国、英国といった国が作るような組織であってはらならい・シリアでシリア人が作る組織でなければならない…。テロを打ち負かすというのは、政治プロセスの道から障害を取り除くということだ…。もし政治プロセスを始めようとするのであれば、それ(テロ撲滅)から始めねばならない」。
「(ウィーン・プロセスで推し進められている)政治プロセスには2つの側面がある。一つは政治的な反体制派に対処すること、もう一つはこれらの組織(武装集団)に対処することだ。シリアで和解プロセスを呼びかけるのは、彼らが武器を捨て、通常の生活に戻り、政府が恩赦を与えてからだ…。しかしダーイシュ、ヌスラ戦線、そしてアル=カーイダの分派…とはいかなる和解も困難且つ不可能だ」。
「(現下の紛争が)宗派的な要素によると考えることは正しくない…。それは実際には、同じアジェンダを持つさまざまな地域および国際社会の勢力の支援を受けた反乱者との戦いだ。彼らは、シリアの政府と国家を転覆し、シリア国民のことを顧みずに大統領、政府、政治制度を変えたいと考えているだけだ…。実際のところ、それはシリア国民の大多数の支持を受けた政府と、これらの国の支援を受けた傭兵の戦いだ」。
「自国民を殺している人間が…、なぜ5年間も(国民の)支持を受け、(大統領の)座にとどまることができるというのか?」
(シリアからの難民流出に関して)「非常に寂しく感じている…。しかし、我々はその原因について対処しなければならない。ヨーロッパの人々はなぜ彼らが去ったのかと質問してくるが、それには幾つもの理由がある。第1に、テロリストが彼らをあらゆる場所で攻撃している…。第2に、欧州の制裁がある…。多くの人々がシリアを去ったのは、彼らがここではもはや生活できなくなり、生活の基本的ニーズを失ったからだ…。しかし私が彼らを失望させたのではない。私は彼らのインフラを破壊してはいないし、殺戮や破壊のためにテロリストに武器を供与してこともない。問題は誰がそうしたのかだ。西欧諸国、サウジアラビア、そしてカタールだ」。
「(欧州に押し寄せる)難民の多くはシリア人ではない。シリア人難民に関して言うと…、その大多数は良いシリア人で、愛国的で、普通の人々だ。彼らのなかにテロリストは紛れ込んでいるのだ」。
「(守るべきもっとも尊いものは)世俗主義だ。なぜならシリアはるつぼだからだ…。シリアの世俗主義は、宗教、宗派、エスニシティの自由と伴っている…。その次に穏健さだ…。穏健さなくして、るつぼは成り立たない」。
「私は自分の地位には関心がない。今も、そして将来もそれにはこだわっていない。大統領になる前もそうしたことは気にとめていなかった…。それはシリア人が何を望むかと関係している。戦争のただなかで、私が去るべきだとシリア国民が言わなければ、いかなる理由でも私は退任はしない。戦時下において、自分の国を守るために自分に与えられた仕事をしなければならない。そうでなければ、裏切り者だ…。選挙が行われ、彼らが私を望むと込めれば、私は彼らを喜んで代表するだろう。彼らが望まないと決めれば、私は喜んで去るだろう」。
AFP, December 1, 2015、AP, December 1, 2015、ARA News, December 1, 2015、Champress, December 1, 2015、al-Hayat, December 2, 2015、Iraqi News, December 1, 2015、Kull-na Shuraka’, December 1, 2015、al-Mada Press, December 1, 2015、Naharnet, December 1, 2015、NNA, December 1, 2015、Reuters, December 1, 2015、SANA, December 1, 2015、UPI, December 1, 2015などをもとに作成。
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ベカーア県バアルベック郡の対シリア国境地帯でダーイシュ(イスラーム国)とともに活動を続けるアル=カーイダ系組織のシャームの民のヌスラ戦線は、2014年8月2~3日のアルサール村襲撃によって拉致していた内務治安総軍の隊員16人を釈放した。
ナハールネット(12月1日付)、MTVなどによると、隊員16人の釈放に向けたレバノン政府当局とヌスラ戦線の折衝はカタール政府によって仲介され、身柄引き渡しはアルサール村郊外で行われた。
解放された16人はレバノン赤十字社の車輌でただちに首都ベイルートに移送され、家族らと再開した。
16人は、MTV(12月1日付)に対して、釈放に向けた交渉を指揮したアッバース・イブラーヒーム総合治安局長、ワーイル・アブー・ファーウール保健大臣、カタール政府らに謝意を述べた。
またベイルート到着から数時間後、16人は首相官邸で解放を祝う式典に参加、その後リヤード・スルフ広場で家族とともに解放を祝った。
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ジャズィーラ・チャンネル(12月1日付)によると、16人の釈放の見返りとして、レバノン当局は週間中のイスラーム過激派およびその関係者13人を釈放、またヌスラ戦線戦闘員の遺体を引き渡した。
このうち5人は女性で、そのなかには、ダーイシュの指導者アブー・バクル・バグダーディー氏の元妻の一人とされるサジャー・ハミード・ドゥライミー氏(イラク人)、ヌスラ戦線カラムーン地方司令官(アミール)のアブー・マーリク・タッリー氏に近いサマル・ヒンディー女史も含まれていた。
ドゥライミー氏は2014年12月、「テロ容疑」でレバノン当局に逮捕されていた。
ドゥライミー氏は、バグダーディー氏と離婚して7~8年が経過しており、自身は現在の夫とともにトルコに向かう途中だったと述べている。
釈放された13人は、ヌスラ戦線に引き渡される予定だったが、うち少なくとも10人はヌスラ戦線のもとには向かわず、自らの意思で首都ベイルートにとどまっているという。
なお、ヌスラ戦線は13人の釈放のほか、シリア・レバノン国境地帯で避難生活を送る避難民への支援物資の配給を要求している。

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一方、アッバース・イブラーヒーム総合治安局長はジャディード・チャンネル(12月1日付)に対し、ヒズブッラーのハサン・ナスルッラー書記長とカタールのタミーム・ビン・ハマド・サーニー首長が連絡をとりあったことで、捕虜釈放の動きが加速したことを明らかにした。
イブラーヒーム総合治安局長は「10月に(ヒズブッラー書記長のハサン・)ナスルッラー氏のもとを訪れ、彼は私にカタールの首長に連絡をとると約束してくれた。1週間後、事件は急速な進展を遂げ始めた…。ナスルッラー氏は先週毎日のように交渉に伴うさまざまな問題に取り組むべく介入してくれ、困難を克服すべく、カタール首長に連絡をとってくれた」と強調した。
またナスルッラー書記長は、シリアのアサド大統領とも連絡をとり、アルサール村一帯(およびダマスカス郊外県カラムーン地方)のヌスラ戦線が停戦と、シリア当局が拘束中の逮捕者釈放を求めている旨、伝えてくれたとも付言した。
AFP, December 1, 2015、AP, December 1, 2015、ARA News, December 1, 2015、Champress, December 1, 2015、al-Hayat, December 2, 2015、Iraqi News, December 1, 2015、al-Jadid TV, December 1, 2015、Kull-na Shuraka’, December 1, 2015、al-Mada Press, December 1, 2015、MTV, December 1, 2015、Naharnet, December 1, 2015、NNA, December 1, 2015、Reuters, December 1, 2015、SANA, December 1, 2015、UPI, December 1, 2015などをもとに作成。
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アレッポ県では、ARA News(12月1日付)によると、西クルディスタン移行期民政局が実効支配するアレッポ市シャイフ・アフマド地区に対するシャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団の置く劇で、子供1人が死亡、住民4人が負傷した。
一方、人民防衛隊は同地区でヌスラ戦線と交戦し、戦闘員2人を殺害した。
また、アフリーン市郊外一帯では、人民防衛隊、革命家軍が、ヌスラ戦線、シャーム自由人イスラーム運動との戦闘を続けた。
AFP, December 1, 2015、AP, December 1, 2015、ARA News, December 1, 2015、Champress, December 1, 2015、al-Hayat, December 2, 2015、Iraqi News, December 1, 2015、Kull-na Shuraka’, December 1, 2015、al-Mada Press, December 1, 2015、Naharnet, December 1, 2015、NNA, December 1, 2015、Reuters, December 1, 2015、SANA, December 1, 2015、UPI, December 1, 2015などをもとに作成。
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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シリア軍、国防隊、ヒズブッラー戦闘員が、アラーフィート村一帯で、シャームの民のヌスラ戦線、トルキスターン・イスラーム党などからなるジハード主義武装集団と交戦、シリア軍側がアラーフィート村、ルワイサト・シャイフー丘、スルターン丘方面に進軍、同地を制圧した。
一方、SANA(12月1日付)によると、シリア軍が人民防衛諸集団とともに、下アラーフィート村、上アラーフィート村、ルワイサト・シャイフー丘、カタフ・サッラート丘で反体制武装集団を掃討、同地を完全制圧した。
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アレッポ県では、『ハヤート』(12月2日付)などによると、アレッポ市北部の水道処理施設がロシア軍と思われる戦闘機の空爆を受け、水道供給機能が破壊された。
一方、SANA(12月1日付)によると、シリア軍がアズィーズィーヤ村、カフルナーハー村、ハーディル村西部、ハザーザ村などアレッポ市南部・東部郊外一帯、アレッポ市アーミリーヤ地区、ライラムーン地区、ラーシディーン地区、バニー・ザイド地区、シャイフ・ハドル地区でシャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、シイラ軍がタルビーサ市一帯を砲撃、またティールマアッラ村が空爆を受けた。
またサムアリール村一帯、キースィーン村では、シリア軍、国防隊がジハード主義武装集団と交戦した。
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ハマー県では、SANA(12月1日付)によると、シリア軍がタマーニア町からムーリク市一帯の丘陵地帯に潜入したシャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団と交戦、これを撃退した。
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ダルアー県では、SANA(12月1日付)によると、シリア軍がダルアー市裁判所南部一帯、バドウ地区、ダルアー・バラド地区でシャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
AFP, December 1, 2015、AP, December 1, 2015、ARA News, December 1, 2015、Champress, December 1, 2015、al-Hayat, December 2, 2015、Iraqi News, December 1, 2015、Kull-na Shuraka’, December 1, 2015、al-Mada Press, December 1, 2015、Naharnet, December 1, 2015、NNA, December 1, 2015、Reuters, December 1, 2015、SANA, December 1, 2015、UPI, December 1, 2015などをもとに作成。
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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍と思われる戦闘機がタドムル市一帯、カルヤタイン市などダーイシュ(イスラーム国)支配地域を空爆した。
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ラッカ県では、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)が西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊が展開するフライティーヤ村(アイン・イーサー市西部)を手製の迫撃砲などで攻撃した。
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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)がマヤーディーン市にある唯一のインターネット・カフェで利用者75人を逮捕、連行した。
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アレッポ県では、SANA(12月1日付)によると、シリア軍がクワイリス航空基地南部のラスム・アブド村、穀物サイロ住宅地区、カウサル・ガソリン・スタンド(フマイマ村近く)でダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、同地域の広範囲を制圧した。
一方、ARA News(12月1日付)によると、マンビジュ市でダーイシュ(イスラーム国)アレッポ州の幹部(イスラーム法学者)の一人「ファールーク」氏が遺体で発見された。
同氏は何者かに頭を撃たれていた。
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ダーイシュ(イスラーム国)の通信部門アアマーク通信は、ハサカ県、ラッカ県での戦闘で西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊の隊員46人を殲滅したと主張した。
AFP, December 1, 2015、AP, December 1, 2015、ARA News, December 1, 2015、Champress, December 1, 2015、al-Hayat, December 2, 2015、Iraqi News, December 1, 2015、Kull-na Shuraka’, December 1, 2015、al-Mada Press, December 1, 2015、Naharnet, December 1, 2015、NNA, December 1, 2015、Reuters, December 1, 2015、SANA, December 1, 2015、UPI, December 1, 2015などをもとに作成。
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『ハヤート』(12月2日付)は、ヒムス市最後の戦闘地域であるワアル地区での停戦合意がシリア政府と反体制武装集団の代表との間で交わされた、と伝えた。
ヒムス県のタラール・バラーズィー県知事は、停戦合意について、AFP(12月1日付)に「我々は、複数の段階からなる合意の第1段階である戦闘員約200~300人の退去を土曜日に実行に移すだろう」と述べた。
シリア人権監視団によると、ワアル地区の停戦合意は、①シリア軍とジハード主義武装集団の戦闘停止、②シリア政府側による逮捕者の釈放、③同地区におけるシリア政府の行政機能の復活、④医療食糧支援物資の搬入、⑤戦闘員約3,200人のヒムス県北部およびハマー県北部への退去、を骨子とするという。
『ハヤート』によると、ワアル地区には、アル=カーイダ系組織のシャームの民のヌスラ戦線、シャーム自由人イスラーム運動など45以上の武装集団が籠城を続けていたが、同地区からの退去には、国連が監視にあたるという。
一方、シリア人権監視団によると、停戦合意が実現したヒムス市ワアル地区内では、ジハード主義武装集団と別の反体制武装集団の司令官どうしが口論の末に乱闘、撃ち合いとなり、戦闘員1人が死亡、住民1人が負傷した。
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ダマスカス郊外県では、アフバール・アーン(12月1日付)によると、ハーマ町、クドスィーヤー市一帯で活動を続けてきた武装集団戦闘員136人が、国民対話委員会(シリア政府)との交渉の末、停戦とイドリブ県への退去に応じた。
この交渉は、シリア赤新月社、国連の仲介との連携のもとに行われ、戦闘員は、彼らが捕捉中の捕虜とともに5台の旅客バスに分乗し、アル=カーイダ系組織のシャームの民のヌスラ戦線、シャーム自由人イスラーム運動などからなるファトフ軍の支配地域であるイドリブ県に向かった。
ハーマ地元評議会の広報活動家を名乗るアブー・バースィル・ディマシュキーなる人物によると、戦闘員の退去はシリア政府が反体制武装集団占拠地域を封鎖するなどして、地元住民への圧力を強めていたことを受けた動きだという。
AFP, December 1, 2015、Akhbar al-An, December 1, 2015、AP, December 1, 2015、ARA News, December 1, 2015、Champress, December 1, 2015、al-Hayat, December 2, 2015、Iraqi News, December 1, 2015、Kull-na Shuraka’, December 1, 2015、al-Mada Press, December 1, 2015、Naharnet, December 1, 2015、NNA, December 1, 2015、Reuters, December 1, 2015、SANA, December 1, 2015、UPI, December 1, 2015などをもとに作成。
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バラク・オマバ米大統領は、COP21に出席するために訪問中のフランスの首都パリで、ロシアのヴラジミール・プーチン大統領、トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領らと相次いで会談した。
プーチン大統領との会談で、オバマ大統領はロシア軍戦闘機撃墜事件に関して「遺憾の意」を示したという。
会談後、オバマ大統領は記者団に対し「ロシアの対シリア政策が数週間で180度変わることはないと見ている。彼らは4年前からアサド政権を支援するために投資してきた…。それゆえ、彼らがシリア問題をめぐる考え方を変えるのには時間がかかるだろう…。我々はロシアがダーイシュに対してだけ空爆を始めるとは期待していない。そのようなことは現在起こってはいないし、これまでにも起こっていない。また今後数週間は起こらないだろう。しかし、ジョン・ケリー米国務長官がセルゲイ・ラブロフ外務大臣と連携して進めている政治プロセスが進展すれば、シリアで停戦地域が見えてくるだろう…。そうすれば、シリアの反体制派の一部はロシアやシリア政府の空爆の対象外に自らを置くことができるだろう」と述べた。
また、トルコ軍によるロシア軍戦闘機撃墜事件に関しては、「米国はトルコの領空、領土での自衛権を支持する」と述べる一方、「我々はトルコとロシアがどのように緊張緩和に向けて行動できるかを模索している」と付言した。
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NATOのイェンス・ストルテンベルグ事務総長は、トルコ軍によるロシア軍戦闘機撃墜事件に関して記者団に対して、領空侵犯があったとするトルコ側の主張を支持するとしたうえで「事故を回避するため、透明性の向上やリスク削減に取り組む」と述べた。
また「トルコの安全を守る手段を強化する」と付言した。
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トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領は、COP21に出席するために訪問中のフランスの首都パリで、ロシア軍戦闘機撃墜事件に関して「我々は常に…、緊張を回避したいと考えている」と述べた。
一方、アフメト・ダウトオール首相は首都アンカラで記者会見を開き、「我々はロシアに改めて、こうした事件の再発を防ぐための軍の連絡チャンネルを開くよう呼びかけている。また外交チャンネルを開き続けることを呼びかけている」と述べた。
また「我々は根拠のない言い争いをするのではなく、共に座り、話し合うべきだ」と付言した。
AFP, December 1, 2015、AP, December 1, 2015、ARA News, December 1, 2015、Champress, December 1, 2015、al-Hayat, December 2, 2015、Iraqi News, December 1, 2015、Kull-na Shuraka’, December 1, 2015、al-Mada Press, December 1, 2015、Naharnet, December 1, 2015、NNA, December 1, 2015、Reuters, December 1, 2015、SANA, December 1, 2015、UPI, December 1, 2015などをもとに作成。
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ドイツのアンゲラ・メルケル内閣は、フランスによるシリア領内でのダーイシュ(イスラーム国)掃討作戦にドイツ連邦軍が軍事支援を行うことを承認した。
なお、ドイツ連邦軍のフォルカー・ビーカー統合幕僚長は『ビルト』(11月29日付)に、フランスがシリアで展開するダーイシュ(イスラーム国)掃討作戦を支援するため、1,200人規模のドイツ軍部隊を派遣する計画であることを明らかにしていた。
ビーカー統合幕僚長はに「軍事的観点から言えば、航空機や艦船を運用するのに約1,200人の兵士が必要となるだろう」と述べ、「命令が下り次第、非常に迅速に」任務を開始すると付け加えた。また「政府は年内の発令を目指している」という。
AFP, November 30, 2015、December 1, 2015、AP, December 1, 2015、ARA News, December 1, 2015、Champress, December 1, 2015、al-Hayat, December 2, 2015、Iraqi News, December 1, 2015、Kull-na Shuraka’, December 1, 2015、al-Mada Press, December 1, 2015、Naharnet, December 1, 2015、NNA, December 1, 2015、Reuters, December 1, 2015、SANA, December 1, 2015、UPI, December 1, 2015などをもとに作成。
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ロシア政府は、トルコ軍によるロシア軍戦闘機撃墜事件への報復としてヴラジミール・プーチン大統領が発令していた経済制裁の内容を発表した。
制裁の内容は、トルコからの主要な輸入農産品であるトマト、柑橘類、鶏肉などの輸入を2016年1月から禁止、両国政府間の合意に基づく貿易、投資、学術、文化協力に関する協議の停止など。
AFP, December 1, 2015、AP, December 1, 2015、ARA News, December 1, 2015、Champress, December 1, 2015、al-Hayat, December 2, 2015、Iraqi News, December 1, 2015、Kull-na Shuraka’, December 1, 2015、al-Mada Press, December 1, 2015、Naharnet, December 1, 2015、NNA, December 1, 2015、Reuters, December 1, 2015、SANA, December 1, 2015、UPI, December 1, 2015などをもとに作成。
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アシュトン・カーター米国防長官は、米下院軍事委員会での公聴会で、ダーイシュ(イスラーム国)掃討のためシリア北部(アレッポ県アイン・アラブ市)に派遣している米特殊部隊50人弱について、「能力を活かす機会があると判断すれば、拡大する用意がある」と述べ、増派に前向きな意向を示した。
AFP, December 1, 2015、AP, December 1, 2015、ARA News, December 1, 2015、Champress, December 1, 2015、al-Hayat, December 2, 2015、Iraqi News, December 1, 2015、Kull-na Shuraka’, December 1, 2015、al-Mada Press, December 1, 2015、Naharnet, December 1, 2015、NNA, December 1, 2015、Reuters, December 1, 2015、SANA, December 1, 2015、UPI, December 1, 2015などをもとに作成。
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