ダマスカス郊外県ムウダミーヤト・シャーム市でシリア軍が有毒ガスを使用か?(2015年12月22日)

ダマスカス郊外県では、ザマーン・ワスル(12月23日付)によると、ムウダミーヤト・シャーム市に対するシリア軍の攻撃で、12歳の子供1人を含む10人が搬送先の野戦病院で死亡、また30人以上が有毒ガスによると思われる「鼻血、呼吸困難、縮瞳」などの症状を訴えた。

また、有毒ガスによる症状を発症した負傷者と思われる映像(https://youtu.be/uBipzVHTIEghttps://youtu.be/LIUrcfIXpDgなど)がインターネット上で公開された。

ザマーン・ワスルは、地元の複数の住民の話として、22日午後9時、ダマスカス県マッザ区にあるマッザ航空基地から発射されたロケット弾2発がムウダミーヤト・シャーム市に着弾し、有毒ガスが放出されたと思われると伝えた。

一方、シリア人権監視団によると、シリア軍がムウダミーヤト・シャーム市を「樽爆弾」で攻撃し、少なくとも28人が死傷した。

同監視団によると、ムウダミーヤト・シャーム市南部一帯では、シリア軍、国防隊がジハード主義武装集団と交戦しており、「樽爆弾」での攻撃は、ジハード主義武装集団の攻勢によってシリア軍が同地から後退した後に行われたという。

なお、シリア軍ヘリコプターでの「樽爆弾」攻撃での犠牲者のなかには、ジハード主義武装集団戦闘員4人も含まれるという。

しかし、AFPによると、シリア治安筋は、攻撃において使用された兵器が「伝統的」兵器のみだと述べ、化学兵器使用疑惑を否定した。

AFP, December 23, 2015、AP, December 23, 2015、ARA News, December 23, 2015、Champress, December 23, 2015、al-Hayat, December 24, 2015、Iraqi News, December 23, 2015、Kull-na Shuraka’, December 23, 2015、al-Mada Press, December 23, 2015、Naharnet, December 23, 2015、NNA, December 23, 2015、Reuters, December 23, 2015、SANA, December 23, 2015、UPI, December 23, 2015、Zaman al-Wasl, December 23, 2015などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

米軍主導の有志連合がシリア領内で8回の爆撃を実施(2015年12月22日)

米中央軍(CENTCOM)は、12月22日にシリア、イラク領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して32回の空爆を行ったと発表した。

このうちシリア領内での空爆は8回で、フール町近郊(2回)、ハサカ市近郊(1回)、マンビジュ市近郊(2回)、マーリア市近郊(2回)、ラッカ市近郊(1回)のダーイシュに対して攻撃が行われた。

CENTCOM, December 23, 2015などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア軍がアレッポ県東部、ヒムス県中部でダーイシュ(イスラーム国)との戦闘を続ける(2015年12月22日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、戦闘機(所属不明)がダーイシュ(イスラーム国)の拠点都市の一つバーブ市、マスカナ市を空爆し、住民1人が死亡した。

一方、SANA(12月22日付)によると、シリア軍がバーブ市、アイシャ村、アイン・バイダー村、ナッジャーラ村、タッル・ハッターバート村、ジュルーフ村、シャルバア村、アイン・ジャフシュ村、タッル・アイユーブ村、ダイル・ハーフィル市、アルド・マッラーフ地区、タッル・ムサイビーン村、ビージャーン丘、スースィヤーン丘でダーイシュ(イスラーム国)の拠点を攻撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

他方、ARA News(12月22日付)によると、シャーム戦線がダーイシュ(イスラーム国)と交戦の末、米トルコが設置合意した「安全地帯」内のカッラ・マズラア町を制圧した。

**

ヒムス県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がタドムル市一帯でダーイシュ(イスラーム国)と交戦した。

一方、SANA(12月22日付)によると、シリア軍がマヒーン町、ハドス村、ハズム村、フーシュ・アブー・ファラジュ村、ウンム・カッドゥーム丘、ダフラト・ドゥカーン丘、ドゥフール・フザイミーヤ村、ラスム・タウィール村、サワーナ町、タイバ村・スフナ市街道、タドムル市でダーイシュ(イスラーム国)の拠点を空爆し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダイル・ザウル県では、SANA(12月22日付)によると、ダイル・ザウル市ハラービシュ地区の学校校庭に迫撃砲弾複数発が着弾し、女子生徒9人が死亡、15人が負傷した。

AFP, December 22, 2015、AP, December 22, 2015、ARA News, December 22, 2015、Champress, December 22, 2015、al-Hayat, December 23, 2015、Iraqi News, December 22, 2015、Kull-na Shuraka’, December 22, 2015、al-Mada Press, December 22, 2015、Naharnet, December 22, 2015、NNA, December 22, 2015、Reuters, December 22, 2015、SANA, December 22, 2015、UPI, December 22, 2015などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシア軍、シリア軍がアレッポ県、ダマスカス郊外県、イドリブ県、ラタキア県での爆撃を続ける(2015年12月22日)

アレッポ県では、ドゥラル・シャーミーヤ(12月22日付)によると、アル=カーイダ系組織のシャーム自由人イスラーム運動などからなるファトフ軍は、アレッポ市南部郊外のズィルバ村への進攻を試みたシリア軍と交戦、これを撃退、またバッカーラ丘、バーニス村を奪還した。

シリア人権監視団によると、シリア軍の進攻と前後してロシア軍はズィルバ村、バーニス村、タッル・ハディーヤ村、ラスム・サフリージュ村を空爆した。

一方、 SANA(12月22日付)によると、シリア軍がアレッポ市シャイフ・サイード地区、シャイフ・ハドル地区、バニー・ザイド地区でシリア軍がジハード主義武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダマスカス郊外県では、クッルナー・シュラカー(12月22日付)によると、ロシア軍がマルジュ・スルターン村に近いブズィーナ村を空爆し、住民少なくとも30人が死亡した。

**

ラタキア県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍と思われる戦闘機がサルマー町、クルド山およびトルクメン山一帯を20回以上にわたる空爆、また同地各所で、シリア軍、国防隊、ヒズブッラー戦闘員、外国人戦闘員がシャームの民のヌスラ戦線、トルキスターン・イスラーム党などからなるジハード主義武装集団と交戦した。

**

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、戦闘機(所属不明)がビターマー町、ナージヤ村を空爆し、女性3人が死亡した。

またシリア軍がタマーニア町を砲撃した。

一方、SANA(12月22日付)によると、シリア軍がハーン・シャイフーン市で特殊作戦を行い、シャームの民のヌスラ戦線のメンバー6人を殲滅した。

**

ハマー県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍と思われる戦闘機がカルアト・マディーク町を空爆した。

一方、SANA(12月22日付)によると、シリア軍がカフルズィーター市、ムーリク市、ラターミナ町、アトシャーン村でファトフ軍の拠点を空爆し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍と思われる戦闘機がラスタン市を4回にわたり空爆し、女性2人を含む3人が死亡した。

一方、SANA(12月22日付)によると、シリア軍がタルビーサ市、ティールマアッラ村、アイン・フサイン村でシャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団の拠点を空爆し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダルアー県では、クッルナー・シュラカー(12月22日付)が、ヤアラブ・アドナーン特派員からの情報として、UNESCO世界文化遺産に指定されているブスラー・シャーム市のローマ劇場に対して、シリア軍が「樽爆弾」2発を投下したと伝えた。

AFP, December 22, 2015、AP, December 22, 2015、ARA News, December 22, 2015、Champress, December 22, 2015、al-Durar al-Shamiya, December 22, 2015、al-Hayat, December 23, 2015、Iraqi News, December 22, 2015、Kull-na Shuraka’, December 22, 2015、al-Mada Press, December 22, 2015、Naharnet, December 22, 2015、NNA, December 22, 2015、Reuters, December 22, 2015、SANA, December 22, 2015、UPI, December 22, 2015などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

アル=カーイダ系組織のヌスラ戦線が共闘を続けてきた「自由シリア軍」所属組織の「粛清」を決定(2015年12月22日)

ARA News(12月22日付)は、シリア北部で活動する複数のイスラーム主義組織筋の話として、アル=カーイダ系組織のシャームの民のヌスラ戦線が21日、シリア北部で活動するすべての自由シリア軍所属部隊を「粛清」する非公式決定を下したと伝えた。

この決定は、サウジアラビアの首都リヤドで8日から10日にかけて開催された反体制派合同会合に、シリア北部および南部から複数の反体制武装集団が参加したことを受けた措置だという。

これに関して、「穏健な反体制派」と目される第13師団の複数の消息筋は、ヌスラ戦線が2日前に、アレッポ県バーブ・ハワー国境通行所に近い自由シリア軍中部師団の拠点複数カ所を急襲したが、ヌスラ戦線と連携するシャーム自由人イスラーム運動が介入し、両者の衝突を回避したと語った。

第13師団は、リヤドの合同会合に代表者を送っており、ヌスラ戦線の司令官(アミール)の一人から脅迫を受けていたが、シャーム自由人イスラーム運動に近い中部師団は、ヌスラ戦線と共闘していたという。

AFP, December 22, 2015、AP, December 22, 2015、ARA News, December 22, 2015、Champress, December 22, 2015、al-Hayat, December 23, 2015、Iraqi News, December 22, 2015、Kull-na Shuraka’, December 22, 2015、al-Mada Press, December 22, 2015、Naharnet, December 22, 2015、NNA, December 22, 2015、Reuters, December 22, 2015、SANA, December 22, 2015、UPI, December 22, 2015などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ダーイシュ(イスラーム国)支配下のハサカ県シャッダーディー市の奪還をめざすシリア軍とYPG主体のシリア民主軍が交戦し、シリア軍が後退(2015年12月22日)

ハサカ県では、ARA News(12月22日付)によると、ハサカ市に駐留するシリア軍部隊がダーイシュ(イスラーム国)と戦闘するため、同市南部のアリーシャ町近郊に進軍したが、同地に集結する西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍がこのシリア軍部隊を攻撃、2時間以上にわたる戦闘の末、シリア軍部隊は撤退した。

シリア政府に近い消息筋によると、この戦闘に先立って、東部地区(ダイル・ザウル県一帯)でのダーイシュとの戦闘の指揮をとるシリア軍ムハンマド・ハドゥール少将は、ハサカ県のアラブ系部族と会談し、ダーイシュの拠点都市の一つであるシャッダーディー市解放に向けて子息をシリア軍に従属させるよう要請し、従軍した若者には月額で700米ドルを、また部族長には1,000米ドルを支給すると約束していたという。

しかし、米軍の後援を受けて、シリア民主軍を主導する人民防衛隊は単独でのシャッダーディー市攻略をめざしているという。

 

AFP, December 22, 2015、AP, December 22, 2015、ARA News, December 22, 2015、Champress, December 22, 2015、al-Hayat, December 23, 2015、Iraqi News, December 22, 2015、Kull-na Shuraka’, December 22, 2015、al-Mada Press, December 22, 2015、Naharnet, December 22, 2015、NNA, December 22, 2015、Reuters, December 22, 2015、SANA, December 22, 2015、UPI, December 22, 2015などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

アサド大統領がダマスカスで預言者聖誕祭の礼拝に参列(2015年12月22日)

アサド大統領は、ダマスカス県ムハージリーン区のアクラム・モスクで預言者聖誕祭を祝うための集団礼拝に参列した。

集団礼拝は、ダマスカス県・同郊外県ムフティーのシャイフ、アドナーン・アフユーニー師によって先導され、ムハンマド・ムハンマド・アブドゥッサッタール・サイイド宗教関係大臣ら閣僚、政府要人らも参加した。

SANA(12月22日付)が伝えた。

SANA, December 22, 2015
SANA, December 22, 2015

AFP, December 22, 2015、AP, December 22, 2015、ARA News, December 22, 2015、Champress, December 22, 2015、al-Hayat, December 23, 2015、Iraqi News, December 22, 2015、Kull-na Shuraka’, December 22, 2015、al-Mada Press, December 22, 2015、Naharnet, December 22, 2015、NNA, December 22, 2015、Reuters, December 22, 2015、SANA, December 22, 2015、UPI, December 22, 2015などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

パワー米国連代表大使は「シリア政府とロシアは民間人を砲撃しないよう慎重に行動すべき」と警告(2015年12月22日)

国連安保理でシリアでの人道支援策に関する会合が行われ、サマンサ・パワー米国連代表大使が、「アサド政権と複数の国は、地上からテロリストを狙う一方で、空から民間人を空爆している…。シリア政府とロシアは民間人を砲撃しないよう慎重に行動すべきだ」と述べ、ロシア軍によるシリア空爆を批判した。

『ハヤート』(12月23日付)が伝えた。

AFP, December 22, 2015、AP, December 22, 2015、ARA News, December 22, 2015、Champress, December 22, 2015、al-Hayat, December 23, 2015、Iraqi News, December 22, 2015、Kull-na Shuraka’, December 22, 2015、al-Mada Press, December 22, 2015、Naharnet, December 22, 2015、NNA, December 22, 2015、Reuters, December 22, 2015、SANA, December 22, 2015、UPI, December 22, 2015などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシア大統領府は、ヒズブッラー幹部サミール・クンタール氏殺害へのイスラエルの関与への明言を避け、「テロとの戦い」におけるロシア・イスラエルの連携を強調(2015年12月22日)

ロシア大統領府によると、ヴラジミール・プーチン大統領はイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相と電話会談を行い、シリアでの危機解決への方途や「テロとの戦い」における協力態勢について意見を交わした。

会談において、プーチン大統領は、国際社会の監督のもとでシリア人どうしの交渉を行う以外にシリアでの紛争を終息させる方途はないと述べる一方、ダーイシュ(イスラーム国)を初めとする過激派のシリア国内での活動に対して「断固として立ち向かう」必要があると強調した。

両首脳は、テロ対策における連携など、さまざまな側面で両国が対話を継続することで意見が一致したという。

一方、20日のダマスカス郊外県のジャルマーナー市でのヒズブッラー幹部サミール・クンタール氏の殺害に関して、ロシア大統領府のドミトリー・ペスコフ報道官は、「ロシア、イスラエル両国軍参謀本部間での情報交換のしくみが確立しており、イスラエルが提示するデータは(ロシアの)国防省に送られている」としたうえで、同氏殺害のデータをロシア側が受け取っていないと述べ、イスラエルの関与の有無に対しての明言を避けた。

AFP, December 22, 2015、AP, December 22, 2015、ARA News, December 22, 2015、Champress, December 22, 2015、al-Hayat, December 23, 2015、Iraqi News, December 22, 2015、Kull-na Shuraka’, December 22, 2015、al-Mada Press, December 22, 2015、Naharnet, December 22, 2015、NNA, December 22, 2015、Reuters, December 22, 2015、SANA, December 22, 2015、UPI, December 22, 2015などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.