シリア・ムスリム同胞団系の武装集団シャーム軍団はアレッポでの戦闘に専念するとの理由でアル=カーイダ系のファトフ軍から脱会(2016年1月2日)

シリア・ムスリム同胞団系の武装集団シャーム軍団は声明を出し、イドリブ県のほぼ全域を支配下に置くアル=カーイダ系組織の連合組織「ファトフ軍」からの脱会を宣言した。

ファトフ軍は、シャームの民のヌスラ戦線、シャーム自由人イスラーム運動などが主導する連合組織で、脱会は2015年10月のジュンド・アクサー機構脱会に次ぐ動き。

シャーム軍団は声明で「政権、そのシャッビーハ、シーア派、ロシアといった内外の敵がアレッポ陥落への努力を集中させているなか、我々はアレッポ地域の革命家支援を最優先とする」と主張し、ファトフ軍としての活動を終了すると表明した。

なおシャーム軍団は、12月にサウジアラビアのリヤドで開催された反体制派合同会合に参加し、反体制派統一代表団の人選を担当する最高交渉委員会にもメンバー1人を送り込んでいる。

Kull-na Shuraka', January 2, 2016
Kull-na Shuraka’, January 2, 2016

AFP, January 3, 2016、AP, January 3, 2016、ARA News, January 3, 2016、Champress, January 3, 2016、al-Hayat, January 4, 2016、Iraqi News, January 3, 2016、Kull-na Shuraka’, January 3, 2016、al-Mada Press, January 3, 2016、Naharnet, January 3, 2016、NNA, January 3, 2016、Reuters, January 3, 2016、SANA, January 3, 2016、UPI, January 3, 2016などをもとに作成。

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ダイル・ザウル県で活動していたダーイシュ(イスラーム国)の幹部23人が過去6ヶ月間でトルコ、ドイツに相次いで逃亡(2016年1月2日)

クッルナー・シュラカー(1月2日付)は、ダイル・ザウル県で活動していたダーイシュ(イスラーム国)の幹部23人が2015年6月から12月の半年間のうちに離反し、その多くがトルコとドイツに逃亡(避難)したと伝えた。

離反した幹部23人は以下の通り:
1. アブー・アミーン・ダイリー(ダイル・ザウル市出身):ドイツに逃亡したと見られる
2. ワイス・アブー・ハムザ(ダイル・ザウル市出身):ドイツに逃亡
3. アブー・バーズ(ダイル・ザウル市出身):ドイツに逃亡
4. ムハンマド・アシュカル(ダイル・ザウル市出身):トルコに逃亡後、ドイツに避難
5. ムハンマド・ハラフ(マヤーディーン市出身):トルコのシャンウルファに逃亡
6. アブドゥルカーディル・アブー・アドナーン(ダイル・ザウル市出身)
7. アブー・アブドゥッラー・ムンタスィル・ビッラー(マヤーディーン市出身):トルコに逃亡
8. アブー・アブドゥッラー・ミスリー(エジプト人)
9. アブー・バッラー・トゥーニースィー(チュニジア人)
10. イマード・ウンマール(ダイル・ザウル市出身)
11. アフアド・サッラーウィー(ダイル・ザウル市出身)
12. アッブード・アブー・アブドゥッラー・アンサーリー(ダイル・ザウル市出身):トルコに逃亡
13. アブー・アリー・ダイリー(ダイル・ザウル市出身)
14. アブー・ウマル・アンサーリー(ダイル・ザウル市出身)
15. サーリフ・アブー・ムハンマド・ダイリー(ダイル・ザウル市出身)
16. アブー・アムジャド・マカッル(ダイル・ザウル市出身)
17. アブドゥッラー・アンサーリー(ダイル・ザウル市出身):イドリブ県に逃亡
18. アブドゥルカディール・アブー・ハビーブ(ダイル・ザウル市出身):トルコに逃亡
19. アブドゥルイラーフ・タンスィーム・カッスーラ(ダイル・ザウル市出身):ドイツに逃亡
20. アブー・バッラー・ダイリー(ダイル・ザウル市出身):トルコに逃亡
21. アブー・ミクダード・アンサーリー(ハトラ村出身)
22. アブー・ムハンマド・アンサーリー(ダイル・ザウル市出身)
23. アブー・ウマル・ダイリー(ダイル・ザウル市出身):トルコに逃亡

AFP, January 2, 2016、AP, January 2, 2016、ARA News, January 2, 2016、Champress, January 2, 2016、al-Hayat, January 3, 2016、Iraqi News, January 2, 2016、Kull-na Shuraka’, January 2, 2016、al-Mada Press, January 2, 2016、Naharnet, January 2, 2016、NNA, January 2, 2016、Reuters, January 2, 2016、SANA, January 2, 2016、UPI, January 2, 2016などをもとに作成。

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YPG主体のシリア民主軍がラッカ県アイン・イーサー市一帯でダーイシュ(イスラーム国)との戦闘を続ける(2016年1月2日)

ラッカ県では、クッルナー・シュラカー(1月2日付)によると、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍がダーイシュ(イスラーム国)との戦闘の末、アイン・イーサー市郊外のムスタヒーヤ村を制圧した。

また、ARA News(1月2日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)はアイン・イーサー市一帯での戦闘で捕捉したラッカ革命家旅団の戦闘員複数名を処刑した。

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アレッポ県では、ARA News(1月2日付)によると、トルコ国境に近いヒルバ村一帯で、ダーイシュ(イスラーム国)がシャーム戦線(スルターン・ムラード旅団など)と交戦し、同村を制圧した。

一方、シリア人権監視団によると、ジハード主義武装集団が西クルディスタン移行期民政局アフリーン地区の中心都市アフリーン市を砲撃した。

他方、SANA(1月2日付)によると、シリア軍がタッル・ハッターバート村でダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

このほか、クッルナー・シュラカー(1月3日付)によると、シリア民主軍によるアアザーズ市郊外などへの攻撃を受け、同地の「民間人」が北部軍の名で新たな武装集団を結成した。

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クッルナー・シュラカー(1月2日付)は、ダーイシュ(イスラーム国)におけるもっとも「著名な従軍記者」のアブー・ビラール・ヒムスィー氏がタドムル市に対する空爆で12月31日に死亡していた、と伝えた。

ヒムスィー氏は、2014年2月までヒムス市内に潜伏し、シリア軍の包囲下の同市で取材・宣伝活動を行っていたが、同年半ばにダーイシュがカリフ制の樹立を宣言すると、これに忠誠を誓い、ダーイシュ・メンバーとして活動していた。

Kull-na Shuraka', January 2, 2016
Kull-na Shuraka’, January 2, 2016

AFP, January 2, 2016、AP, January 2, 2016、ARA News, January 2, 2016、Champress, January 2, 2016、al-Hayat, January 3, 2016、Iraqi News, January 2, 2016、Kull-na Shuraka’, January 2, 2016、January 3, 2016、al-Mada Press, January 2, 2016、Naharnet, January 2, 2016、NNA, January 2, 2016、Reuters, January 2, 2016、SANA, January 2, 2016、UPI, January 2, 2016などをもとに作成。

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シリア軍、ロシア軍がダルアー県シャイフ・マスキーン市一帯、アレッポ県でヌスラ戦線などからなる反体制武装集団への攻勢を続ける(2016年1月2日)

SANA, January 2, 2016
SANA, January 2, 2016

ダルアー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍、国防隊がシャイフ・マスキーン市一帯でシャームの民のヌスラ戦線などからなる反体制武装集団と交戦し、シリア軍が同地を砲撃、またロシア軍と思われる戦闘機が8回にわたり空爆を行った。

一方、SANA(1月2日付)によると、シリア軍がダルアー市国立病院東部、ビラール・ハバシー・モスク一帯、アッバースィーヤ地区でシャームの民のヌスラ戦線などからなる反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

他方、イスラーム軍が声明を出し、ダルアー市マンシヤ地区でほかの武装集団とともにシリア軍との戦闘の末、建物1棟を制圧、またシリア軍が拠点として使用していた建物1棟を破壊したと発表した。

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イドリブ県では、『ハヤート』(1月3日付)によると、ジャルジャナーズ町でシャーム自由人イスラーム運動のアブドゥルカーディル・ダブアーン氏(アブー・タミーム)が乗る車に仕掛けられた爆弾が爆発し、ダブアーン氏が死亡した。

一方、SANA(1月2日付)によると、シリア軍がマアッルティーク村、サルマーン村、ジューズィーフ村などでシャーム自由人イスラーム運動などからなる反体制武装集団を攻撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍と思われる戦闘機がマアーッラト・アルティーク村各所を2回にわたり空爆し、「ホワイト・ヘルメット」の隊員1人と女性1人の2人が死亡した。

一方、SANA(1月2日付)によると、シリア軍がハナースィル市一帯、マンスーラ村、アレッポ市ライラムーン地区、ザフラー協会地区、サラーフッディーン地区、ラーシディーン地区、バニー・ザイド地区、サーフール地区で、シャームの民のヌスラ戦線、イスラーム戦線、シャーム自由人イスラーム運動などからなる反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

このほか、シャーム自由人イスラーム運動のムハンディス・ミスリー新司令官(ザフラーン・アッルーシュ氏の後任)は、司令部の人事を改編し、アブー・ユースフ・ムハージル氏をアレッポ市および郊外部門の司令官から解任し、ムハンマド・シャーミー氏(アブー・アブドゥッラフマーン)を後任の司令官に任命した。

『ハヤート』(1月3日付)が伝えた。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ムウダミーヤト・シャーム市一帯でシリア軍、国防隊がジハード主義武装集団と交戦、シリア軍が同地に「樽爆弾」6発を投下した。

シリア軍はまた、ダーライヤー市一帯に「樽爆弾」25発以上を投下した。

このほか、ザバダーニー市郊外のマダーヤー町(シリア軍とヒズブッラーが包囲)郊外で地雷が爆発し男性1人が死亡した。

一方、SANA(1月2日付)によると、シリア軍がドゥーマー市郊外農場地帯でイスラーム軍傘下の特殊任務旅団と交戦し、司令官らを殺害した。

シリア軍はまた、ハラスター市郊外農場地帯などでもイスラーム軍と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ラタキア県では、SANA(1月2日付)によると、シリア軍がブルジュ・カスブ村に侵攻しようとした反体制武装集団を撃退した。

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ハマー県では、SANA(1月2日付)によると、シリア軍が、サラミーヤ市西部郊外のルマイラ村、ウンム・ルカイバ村を、シャームの民のヌスラ戦線などからなる反体制武装集団と交戦の末に制圧した。

シリア軍はまた、ラターミナ町、ムーリク市、ラトミーン村でイッザ連合、ジュンド・アクサー機構と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, January 2, 2016、AP, January 2, 2016、ARA News, January 2, 2016、Champress, January 2, 2016、al-Hayat, January 3, 2016、Iraqi News, January 2, 2016、Kull-na Shuraka’, January 2, 2016、al-Mada Press, January 2, 2016、Naharnet, January 2, 2016、NNA, January 2, 2016、Reuters, January 2, 2016、SANA, January 2, 2016、UPI, January 2, 2016などをもとに作成。

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フランス国防省は1日にフランス軍がラッカ県内のダーイシュ(イスラーム国)拠点を爆撃したと発表(2016年1月2日)

フランスのジャン=イヴ・ル・ドリアン国防大臣は、フランス軍戦闘機複数機が1日、ヨルダン国内の基地を離陸し、ラッカ県内のダーイシュ(イスラーム国)の拠点を空爆したと発表した。

AFP, January 2, 2016、AP, January 2, 2016、ARA News, January 2, 2016、Champress, January 2, 2016、al-Hayat, January 3, 2016、Iraqi News, January 2, 2016、Kull-na Shuraka’, January 2, 2016、al-Mada Press, January 2, 2016、Naharnet, January 2, 2016、NNA, January 2, 2016、Reuters, January 2, 2016、SANA, January 2, 2016、UPI, January 2, 2016などをもとに作成。

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シリアのズウビー情報大臣「サウジによるシーア派高位聖職者ら48人の処刑は「「自由と人権への暗殺」(2016年1月2日)

ウムラーン・ズウビー情報大臣は、サウジアラビアがシーア派高位聖職者のニムル・ニムル師を含む市民48人を処刑したことに関して「犯罪」、「自由と人権への暗殺」と非難した。

ARA News(1月2日付)が伝えた。

AFP, January 2, 2016、AP, January 2, 2016、ARA News, January 2, 2016、Champress, January 2, 2016、al-Hayat, January 3, 2016、Iraqi News, January 2, 2016、Kull-na Shuraka’, January 2, 2016、al-Mada Press, January 2, 2016、Naharnet, January 2, 2016、NNA, January 2, 2016、Reuters, January 2, 2016、SANA, January 2, 2016、UPI, January 2, 2016などをもとに作成。

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米軍主導の有志連合はシリア領内で6回の爆撃を実施(2016年1月2日)

米中央軍(CENTCOM)は、1月2日にシリア、イラク領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して26回の空爆を行ったと発表した。

このうちシリア領内での空爆は6回で、ダイル・ザウル市近郊(3回)、マンビジュ市近郊(1回)、アイン・イーサー市近郊(1回)、ワフシーヤ村近郊(1回)のダーイシュの拠点などに対して攻撃が行われた。

CENTCOM, January 3, 2016などをもとに作成。

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