米中央軍(CENTCOM)は、1月12日にシリア、イラク領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して24回の空爆を行ったと発表した。
このうちシリア領内での空爆は8回で、ハサカ市近郊(2回)、アイン・イーサー市近郊(2回)、ダイル・ザウル市近郊(2回)、マンジジュ市近郊(1回)、タッル・アブヤド市近郊(1回)のダーイシュの施設に対して攻撃が行われた。
CENTCOM, January 12, 2016などをもとに作成。
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Detail Report on the Arab Spring in Syria: Latest Situation in Syria / アラビア語の新聞、通信社、ウェブサイトなどを通じて収集した情報をもとに、シリア情勢をより網羅的に把握・紹介することをめざします。
アレッポ県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍と思われる戦闘機がダーイシュ(イスラーム国)の拠点都市の一つマンビジュ市を15回以上にわたり空爆し、子供3人を含む50人が死傷した。
一方、SANA(1月12日付)によると、シリア軍がダーイシュ(イスラーム国)の拠点都市の一つバーブ市、ターディフ市でダーイシュ拠点を集中的に空爆し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
他方、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍総司令部によると、米軍主導の有志連合が、ユーフラテス河畔のティシュリーン・ダム一帯のダーイシュ(イスラーム国)拠点を空爆し、戦闘員34人を殺害したと発表した。
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ヒムス県では、SANA(1月12日付)によると、シリア軍がタドムル市西部郊外の柑橘園一帯でダーイシュ(イスラーム国)の車輌2台を攻撃・破壊した。
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ダイル・ザウル県では、クッルナー・シュラカー(1月13日付)によると、有志連合がブーカマール市郊外の砂漠地帯でダーイシュの車列を空爆し、車輌5輌を破壊した。
AFP, January 12, 2016、AP, January 12, 2016、ARA News, January 12, 2016、Champress, January 12, 2016、al-Hayat, January 13, 2016、Iraqi News, January 12, 2016、Kull-na Shuraka’, January 12, 2016、January 13, 2016、al-Mada Press, January 12, 2016、Naharnet, January 12, 2016、NNA, January 12, 2016、Reuters, January 12, 2016、SANA, January 12, 2016、UPI, January 12, 2016などをもとに作成。
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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シリア軍、国防隊、バアス大隊、ヒズブッラー戦闘員、外国人戦闘員が、クルド山地方の中心都市サルマー町内で第1沿岸師団、シャーム自由人イスラーム運動、アンサール・シャーム、第2沿岸師団、トルキスターン・イスラーム党、シャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団と交戦、同町の複数カ所を制圧した。
またシリア軍のサルマー町への進軍に先立って、ロシア軍は過去48時間で120回以上の空爆を実施、シリア軍も数百回の砲撃を行った。
サルマー町は2012年半ばに反体制武装集団に制圧されていた。

一方、SANA(1月12日付)によると、シリア軍が人民防衛諸集団とともにラタキア県北部の主要都市の一つサルマー町およびその周辺の丘陵地帯を完全制圧した。
軍武装部隊総司令部が声明を通じて明らかにした。
またこれに先立ち、シリア軍はシャームの民のヌスラ戦線、海岸自由人旅団などとの戦闘の末、タルティヤーフ村、ダーヒヤト・サルマー村、ジャラン・カルア丘、ルワイサト・カルア丘、シーシュ・カーディー丘、ダフラ・アドラ丘、スワイサト・トゥユール丘、カラーキフィー山を制圧した。
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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍と思われる戦闘機がアレッポ市北部のマアッルスィッタ・ハーン村を空爆し、少なくとも25人が死傷した。
またアレッポ市南部郊外一帯では、シリア軍、ヒズブッラー戦闘員らがジハード主義武装集団と交戦し、シリア軍側に数十人の死者が出た。
一方、SANA(1月12日付)によると、シリア軍がアレッポ市バニー・ザイド地区、ライラムーン地区、バーブ・ハディード地区、ラーシディーン地区、科学技術センター施設一帯、記者協会施設一帯(アレッポ市西部)、マンスーラ村でシャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がヒムス県との県境(ラスタン湖近郊)に位置するジャルジーサ村を制圧した。
また、SANA(1月12日付)によると、シリア軍が人民防衛諸集団とともにラスタン湖北部のジャルジーサ村を制圧した。
シリア軍はまた、アトシャーン村、ラターミナ町、ラハーヤー村でジュンド・アクサー機構などのジハード主義武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍と思われる戦闘機がシャイフ・マスキーン市を12回以上にわたり空爆、その後同市をシリア軍が「樽爆弾」で空爆した。
一方、SANA(1月12日付)によると、シリア軍がダルアー市マハッタ地区、マンシヤ地区、アトマーン村でシャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
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ヒムス県では、SANA(1月12日付)によると、シリア軍が、ヒムス市北部のハルムーズ村、ウンム・シャルシューフ村、キースィーン村でシャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
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イドリブ県では、SANA(1月12日付)によると、シリア軍がナビー・アイユーブ峰、タマーニア町、マアッラト・ヌウマーン市、サルマダー市、サラーキブ市でジュンド・アクサー機構、シャームの民のヌスラ戦線、シャーム自由人イスラーム運動に対して空爆などの攻撃を加え、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
これに関して、クッルナー・シュラカー(1月12日付)は、ロシア軍がサルマダー市、マアッラト・ヌウマーン市を空爆し、ナースィル旅団メンバー1人と住民30人以上が死亡したと伝えた。
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LBCI(1月12日付)によると、停戦合意履行中のダマスカス郊外県ザバダーニー市一帯地域で、シャーム自由人イスラーム運動などからなる反体制武装集団と、シリア軍、ヒズブッラー戦闘員の捕虜の交換が行われた。
同報道によると、シャーム自由人イスラーム運動は、シリア軍兵士とヒズブッラー戦闘員の遺体2体を引き渡し、これに対してシリア政府側は、シャーム自由人イスラーム運動メンバーの遺体7体を返還した。
AFP, January 12, 2016、AP, January 12, 2016、ARA News, January 12, 2016、Champress, January 12, 2016、al-Hayat, January 13, 2016、Iraqi News, January 12, 2016、Kull-na Shuraka’, January 12, 2016、LBCI, January 12, 2016、al-Mada Press, January 12, 2016、Naharnet, January 12, 2016、NNA, January 12, 2016、Reuters, January 12, 2016、SANA, January 12, 2016、UPI, January 12, 2016などをもとに作成。
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ハサカ県では、シリア人権監視団によると、カーミシュリー市内のキリスト教居住区に、アッシリア教徒の武装部隊「ストロ」やアラブ人部族の武装部隊「ジャズィーラ防衛部隊」が設置した検問所を、西クルディスタン移行期民政局の治安部隊「アサーイシュ」が撤去しようとして衝突が発生し、ストロの隊員1人が死亡した。
衝突が発生したのはキリスト教徒居住区内にストロが設置した検問所で、この検問所は12月のカーミシュリー市でのダーイシュ(イスラーム国)による連続自爆テロを受けて設置されていた。
ストロはシリア語で「防衛」を意味する。
ストロは、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊、女性防衛部隊、革命家軍、ユーフラテス火山作戦司令室、サナーディード軍、ジャズィーラ旅団連合などとともにシリア民主軍に所属している。
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ハサカ県では、ARA News(1月12日付)によると、ハサカ市グワイラーン地区の穀物会社にシリア軍が設置している検問所で、シリア軍と西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊が交戦した。
目撃者らによると、人民防衛隊の車輌が検問所を通過しようとして、シリア軍を挑発したことが衝突の原因だという。
AFP, January 12, 2016、AP, January 12, 2016、ARA News, January 12, 2016、Champress, January 12, 2016、al-Hayat, January 13, 2016、Iraqi News, January 12, 2016、Kull-na Shuraka’, January 12, 2016、al-Mada Press, January 12, 2016、Naharnet, January 12, 2016、NNA, January 12, 2016、Reuters, January 12, 2016、SANA, January 12, 2016、UPI, January 12, 2016などをもとに作成。
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ロシアのヴラジミール・プーチン大統領は独紙『ディ・ヴェルト』(1月12日付)のインタビューに応じ、シリア国民が自らの将来を民主的に決することができれば、アサド大統領がシリア国外に去る必要はないだろうと述べた。
プーチン大統領は、ロシアがアサド大統領の身柄を受け入れるとの問いに対して「この問題を検討するのは時期尚早だと思う」としたうえで、「我々はスノーデン氏の亡命を受け入れたが、それは、アサド氏の亡命を受け入れることを想定することよりも困難だった」と述べた。
プーチン大統領はまた「何よりもまず、シリア国民に自分たちで自分たちの行く末を決める機会を与えなければならない」と付言、「もし民主的にそれが実現すれば、彼が大統領であったとしても、そうでなかったとしても、どこかに行くことを余儀なくされることもないだろう」と述べた。
プーチン大統領はさらに、シリア国内での武力紛争の激化に関しては「危機が始まった当初から、外国が大量の資金、武器、戦闘員を投入していなかったら、急速にエスカレートすることはなかったはずだ」と述べた。
そのうえで「アサド氏は国民を抹殺しようとはしていない。武器を持つ者と戦っているだけだ…。民間人がそのために苦しんでいるのなら、責任があるのは、基本的には武器をもって戦っている者、そして武装集団を支援している者たちだ」と強調した。
一方、ダーイシュ(イスラーム国)と戦う反体制派については、プーチン大統領は「我々は、ダーイシュと戦う戦闘員数百人、数千人と話をしている…。我々は、アサド氏の軍、反体制武装組織を同等に支援している。彼らの一部はそのことを公言しているが、沈黙を選んでいる者もいる」と主張した。
Die Welt, January 12, 2016をもとに作成。
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シリアを訪問中のイランのアブドゥッレザー・ラフマーニー・ファズリー内務大臣はダマスカスでアサド大統領と会談し、二国間の戦略的関係、とりわけ「テロとの戦い」をめぐる協力関係について意見を交わした。
SANA(1月12日付)によると、アサド大統領は会談で、「テロとの戦い」においてシリアを支援するイランの姿勢を高く評価、イラン、そしてロシアを筆頭とする友好国が「タクフィール主義テロ」に対するシリアでの戦争においてシリア国民に勝利をもたらす重要な役割を果たしているとの見方を示した。

AFP, January 12, 2016、AP, January 12, 2016、ARA News, January 12, 2016、Champress, January 12, 2016、al-Hayat, January 13, 2016、Iraqi News, January 12, 2016、Kull-na Shuraka’, January 12, 2016、al-Mada Press, January 12, 2016、Naharnet, January 12, 2016、NNA, January 12, 2016、Reuters, January 12, 2016、SANA, January 12, 2016、UPI, January 12, 2016などをもとに作成。
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