米中央軍(CENTCOM)は、1月6日にシリア、イラク領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して36回の空爆を行ったと発表した。
このうちシリア領内での空爆は14回で、マンビジュ市近郊のダーイシュの施設に対して攻撃が行われた。
CENTCOM, January 7, 2016などをもとに作成。
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Detail Report on the Arab Spring in Syria: Latest Situation in Syria / アラビア語の新聞、通信社、ウェブサイトなどを通じて収集した情報をもとに、シリア情勢をより網羅的に把握・紹介することをめざします。
ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がダーライヤー市に対して過去24時間で20回にわたり「樽爆弾」で空爆、またザブディーン村、ドゥーマー市、ハッザ町・ザマルカー町間などに対して地対地ミサイルなどで攻撃し、少なくとも4人が死亡、多数が負傷した。
さらにロシア軍と思われる戦闘機がマルジュ・スルターン村一帯、ミスラーバー市を空爆し、子供1人、女性1人を含む12人が死亡した。
マルジュ・スルターン村一帯ではまた、シリア軍、国防隊が、ジハード主義武装集団と交戦を続けた。
このほか、治安機関の拘置所で4年前から拘留されていたザバダーニー市出身の男性が、拷問を受け死亡した。
一方、SANA(1月6日付)によると、シリア軍がマルジュ・スルターン村北房部一帯、ナシャービーヤ町一帯、ドゥーマー市一帯、ミスラーバー市、ハラスター市郊外農場地帯でシャームの民のヌスラ戦線、イスラーム軍などからなる反体制武装集団と交戦し、ナシャービーヤ町周辺の複数の農場と建物群を制圧した。
これに対して、ダーライヤー市を支配下に置く反体制武装集団は、ムウダミーヤト・シャーム市北部を砲撃し、4人が負傷した。
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ダマスカス県では、SANA(1月6日付)によると、ダマスカス郊外県東グータ地方で活動する反体制武装集団が撃った迫撃砲弾複数発が住宅地に着弾し、8人が死亡、25人が負傷した。
これに関して、シリア人権監視団は、中心街のバグダード通り一帯などに迫撃砲弾が着弾し、複数人が死傷したと発表した。
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アレッポ県では、SANA(1月6日付)によると、シリア軍がハイヤーン町、アレッポ市ラーシディーン地区、バニー・ザイド地区、バアナーイー公園、ライラムーン地区、アシュラフィーヤ地区でシャームの民のヌスラ戦線などからなる反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
これに対し、アレッポ市バニー・ザイド地区を支配下に置く反体制武装集団が、ナイル通り地区を砲撃し、4人が負傷した。
一方、ARA News(1月6日付)によると、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊がアレッポ市シャイフ・マクスード地区で、シャームの民のヌスラ戦線と交戦し、戦闘員3人を殺害した。
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ダルアー県では、SANA(1月6日付)によると、シリア軍がシャイフ・マスキーン市北部一帯でイスラーム・ムサンナー運動などからなるジハード主義武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
AFP, January 6, 2016、AP, January 6, 2016、ARA News, January 6, 2016、Champress, January 6, 2016、al-Hayat, January 7, 2016、Iraqi News, January 6, 2016、Kull-na Shuraka’, January 6, 2016、al-Mada Press, January 6, 2016、Naharnet, January 6, 2016、NNA, January 6, 2016、Reuters, January 6, 2016、SANA, January 6, 2016、UPI, January 6, 2016などをもとに作成。
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ダマスカス郊外県では、クッルナー・シュラカー(1月6日付)によると、シャーム自由人イスラーム運動が、東カラムーン地方のジャイルード市を、ダーイシュ(イスラーム国)と交戦の末に制圧したと発表した。
またこれと時を同じくして、東カラムーン地方で活動を続けてきたジャイルード殉教者大隊がビデオ声明を発表し、大隊を解体し、ハーニー・ジャーウール准将が率いる第2歩兵師団がこれを編入・統合すると発表した。
第2歩兵師団は2015年11月に、シャームの民旅団、スィッディーク旅団、カラムーンの兵旅団、カラムーンの火山が統合して、結成した組織。
AFP, January 6, 2016、AP, January 6, 2016、ARA News, January 6, 2016、Champress, January 6, 2016、al-Hayat, January 7, 2016、Iraqi News, January 6, 2016、Kull-na Shuraka’, January 6, 2016、al-Mada Press, January 6, 2016、Naharnet, January 6, 2016、NNA, January 6, 2016、Reuters, January 6, 2016、SANA, January 6, 2016、UPI, January 6, 2016などをもとに作成。
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アレッポ県では、ARA News(1月6日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)は、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍によって制圧されたユーフラテス川のティシュリーン・ダム一帯をマンビジュ市西方から攻撃、これに対して有志連合がダム一帯を空爆し、ダーイシュの車輌などを破壊した。
また、県北部のいわゆる「安全地帯」内の主要都市マーリア市に隣接するハルバル村、タラーリーン村でも、ダーイシュが進軍を試み、シャーム戦線やマーリア作戦司令室と交戦した。
このほか、SANA(1月6日付)によると、シリア軍がタッル・ハッターバート村でダーイシュ(イスラーム国)の拠点を攻撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
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ヒムス県では、SANA(1月6日付)によると、シリア軍がタドムル市西部ドゥーワ地区、果樹園一帯、カルヤタイン市郊外、ジュッブ・ジャッラーフ村でダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
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ラッカ県では、『ハヤート』(1月8日付)によると、トルコ軍が、西クルディスタン移行期民政局の支配下にある国境の町タッル・アブヤド市を砲撃した。
AFP, January 6, 2016、AP, January 6, 2016、ARA News, January 6, 2016、Champress, January 6, 2016、al-Hayat, January 7, 2016、January 8, 2016、Iraqi News, January 6, 2016、Kull-na Shuraka’, January 6, 2016、al-Mada Press, January 6, 2016、Naharnet, January 6, 2016、NNA, January 6, 2016、Reuters, January 6, 2016、SANA, January 6, 2016、UPI, January 6, 2016などをもとに作成。
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AP(1月6日付)は、独自に入手した米政府内部文書の内容として、バラク・オバマ米政権が、シリア紛争解決に向けた政治移行プロセスにおいて、バラク大統領の任期終了の2ヶ月後の2017年3月まで、アサド大統領の残留を容認する構えであると伝えた(http://bigstory.ap.org/article/7e7e7d7bbebf460dafc2ec8e997a2271/apnewsbreak-us-sees-assad-staying-syria-until-march-2017)。
国務省のジョン・カービー報道官によると、この内部文書は、ジョン・ケリー米国務長官およびシリア情勢に携わる外交官らの指導のもとに作成されたもので「公式な決定ではなく…、スタッフ・レベルのたたき台、準備段階、決定前段階の文書」だという。
なお、国連安保理決議第2254号において確認されたシリアの政治移行プロセスにおいては、1月を目処にシリア政府と反体制派統一代表団の交渉を開始したうえで、交渉開始から6ヶ月(2016年6月)を目処に移行政府(移行期委任統治機関)を設置、18ヶ月(2018年6月)を目処に新憲法制定に向けた選挙を実施するなどして移行期を完了するという行程を確認している。
AFP, January 6, 2016、AP, January 6, 2016、ARA News, January 6, 2016、Champress, January 6, 2016、al-Hayat, January 7, 2016、Iraqi News, January 6, 2016、Kull-na Shuraka’, January 6, 2016、al-Mada Press, January 6, 2016、Naharnet, January 6, 2016、NNA, January 6, 2016、Reuters, January 6, 2016、SANA, January 6, 2016、UPI, January 6, 2016などをもとに作成。
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