米主導の有志連合はシリア領内で18回の爆撃を実施(2016年1月31日)

米中央軍(CENTCOM)は、1月31日にシリア、イラク領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して18回の空爆を行ったと発表した。

このうちシリア領内での空爆は15回で、フール町近郊(1回)、ダイル・ザウル市近郊(1回)、マンビジュ市近郊(3回)のダーイシュの施設に対して攻撃が行われた。

CENTCOM, February 1, 2016などをもとに作成。

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アレッポ市などでシリア軍と反体制武装集団の戦闘が続く(2016年1月31日)

アレッポ県では、SANA(1月31日付)によると、シリア軍がアレッポ市ラーシディーン地区、ブアイディーン地区、アシュラフィーヤ地区、アンサーリー地区、カッラーサ地区、シュカイイフ地区でシャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

シリア軍はまた、アレッポ市西部のラスム・アラム村、サルジャト・カビール村で反体制武装集団の拠点を空爆した。

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ラタキア県では、SANA(1月31日付)によると、シリア軍が県北部のトゥウーマー村で反体制武装集団の掃討を完了し、同地を制圧、治安と安定を回復した。

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ヒムス県では、SANA(1月31日付)によると、シリア軍がウンム・シャルシューフ村、タッル・アブー・サナースィル丘、カフルラーハー市、タイバ村でシャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス郊外県では、SANA(1月31日付)によると、シリア軍が東グータ地方のハラーブー地区でジハード主義武装集団と交戦、戦闘員12人を殲滅した。

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ダルアー県では、SANA(1月31日付)によると、シリア軍がダルアー市ダルアー・バラド地区各所、ウンム・ワラド村でシャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, January 31, 2016、AP, January 31, 2016、ARA News, January 31, 2016、Champress, January 31, 2016、al-Hayat, February 1, 2016、Iraqi News, January 31, 2016、Kull-na Shuraka’, January 31, 2016、al-Mada Press, January 31, 2016、Naharnet, January 31, 2016、NNA, January 31, 2016、Reuters, January 31, 2016、SANA, January 31, 2016、UPI, January 31, 2016などをもとに作成。

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ダーイシュ(イスラーム国)はダイル・ザウル市ラシュディーヤ地区内の文学部などを制圧する一方、シリア軍はアレッポ市東部のタッル・マクスール村を制圧(2016年1月31日)

ダイル・ザウル県では、クッルナー・シュラカー(1月31日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)がダイル・ザウル市ラシュディーヤ地区にある文学部、アナス・ブン・マーリク・モスクを制圧した。

一方、SANA(1月31日付)によると、シリア軍がダイル・ザウル市ラシュディーヤ地区、ハウィーカ地区、ブガイリーヤ村、ジャフラ村、ジュナイナ村でダーイシュ(イスラーム国)の拠点を空爆などで攻撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、SANA(1月31日付)によると、シリア軍が人民防衛諸集団とともに、タッル・マクスール村でダーイシュ(イスラーム国)の掃討を完了し、同村を制圧、治安と安定を回復した。

シリア軍はまた、同地に近いアファシュ村、アブー・ダンナ村、アーミリーヤ村でダーイシュの拠点を攻撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、SANA(1月31日付)によると、シリア軍がカルヤタイン市、シャーイル・ガス採掘所一帯、タドムル市郊外柑橘園一帯、ウンム・サフリージュ村でダーイシュ(イスラーム国)の拠点を空爆などで攻撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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スワイダー県では、SANA(1月31日付)によると、シリア軍がシャアフ村東部を移動中のダーイシュ(イスラーム国)の石油密輸トレーラーを空爆した。

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ダマスカス郊外県では、ARA News(1月31日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)を名乗る武装集団がタッル市で反体制武装集団と交戦、複数人が死傷した。

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ハサカ県では、ARA News(1月31日付)によると、有志連合戦闘機がシャッダーディー市南部のダーイシュ(イスラーム国)拠点を空爆した。

AFP, January 31, 2016、AP, January 31, 2016、ARA News, January 31, 2016、Champress, January 31, 2016、al-Hayat, February 1, 2016、Iraqi News, January 31, 2016、Kull-na Shuraka’, January 31, 2016、al-Mada Press, January 31, 2016、Naharnet, January 31, 2016、NNA, January 31, 2016、Reuters, January 31, 2016、SANA, January 31, 2016、UPI, January 31, 2016などをもとに作成。

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ダマスカス郊外県の12イマーム派の巡礼地で連続自爆テロが発生し、ダーイシュ(イスラーム国)が犯行を認める(2016年1月31日)

ダマスカス郊外県では、SANA(1月31日付)などによると、サイイダ・ザイナブ町内クーア・スーダーン地区にある旅客バス発着場で連続爆破テロが発生し、50人以上が死亡、110人あまりが重軽傷を負った。

シリア人権監視団の発表によると、死者は少なくとも45人、負傷者は110人。

AFP(1月31日付)によると、死者は63人。

『ハヤート』(2月2日付)によると死者数は71人で、うち29人が民間人(子供5人を含む)、42人がシリア人および外国人の戦闘員。

内務省消息筋によると、バス発着場に停車中の旅客バスに仕掛けられた爆弾が爆発、その後、負傷者らを救出しようと、警察、軍・治安部隊、住民らが集まったところに、自爆ベルトを着用した男性2人が相次いで自爆したという。

サイイダ・ザイナブ町は、12イマーム派の聖地の一つサイイダ・ザイナブ・モスク(廟)を擁し、イラン、イラク、レバノンなどからのイスラーム教12イマーム派の信徒の巡礼コースとなっている。

また、イラク戦争(2003年)後の混乱のなかで多くのイラク人が同地に難民として押し寄せた。

事件発生後、ダーイシュ(イスラーム国)の通信部門アアマーク通信が声明を出し、「ダマスカス(郊外県)のサイイダ・ザイナブ一帯(シリア政府支配地域)でのシーア派の巣窟に対して2度にわたり殉教作戦を敢行した」と発表、犯行を認めた。

SANA, January 30, 2016
SANA, January 30, 2016

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事件発生を受け、ワーイル・ハルキー内閣は声明を出し「勇敢なる我らが軍が全土て達成している偉大なる勝利に敗退するテロ組織の臆病で絶望に満ちたテロ行為」と非難する一方、「ダマスカス郊外県など各地での国民和解の道のり、テロとの戦い、そして全土解放」を継続するとの意志を表明した。


AFP, January 31, 2016、AP, January 31, 2016、ARA News, January 31, 2016、Champress, January 31, 2016、al-Hayat, February 1, 2016、February 2, 2016、Iraqi News, January 31, 2016、Kull-na Shuraka’, January 31, 2016、al-Mada Press, January 31, 2016、Naharnet, January 31, 2016、NNA, January 31, 2016、Reuters, January 31, 2016、SANA, January 31, 2016、UPI, January 31, 2016などをもとに作成。

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ヌスラ戦線はアル=カーイダへの固執し、アル=カーイダへの忠誠を拒否するアル=カーイダ系組織との統合の試みは挫折(2016年1月31日)

ロイター通信(1月31日付)は、複数の反体制派消息筋の話として、アル=カーイダ系組織のシャームの民のヌスラ戦線は、シャーム自由人イスラーム運動などそのほかの反体制武装集団との統合に向けた会合を行ったが、決裂したと伝えた。

複数の消息筋によると、会合は10日ほど前にヌスラ戦線、シャーム自由人イスラーム運動、そしてイドリブ県で活動するその他のファトフ軍構成組織などの幹部らによって開かれたという。

一部の武装集団は、統合によってダーイシュ(イスラーム国)への優位を印象づけ、軍事的支援増をもたらすと考えていた。

ヌスラ戦線の最高指導者と目されるアブー・ムハンマド・ジャウラーニー氏は、統合が実現した場合、組織の改称にも応じるとの姿勢を示したもの、アル=カーイダとの関係を絶つことを拒否し、統合の試みは頓挫したという。

なお、シャーム自由人イスラーム運動は、アル=カーイダの元メンバーらが主導して結成された組織だが、アル=カーイダへの忠誠を拒否、サウジアラビアやトルコの後押しを受けてリヤド最高交渉委員会に参加している。

イドリブ県ハーリム市、サルキーン市で25日に発生したヌスラ戦線とシャーム自由人イスラーム運動の衝突は、この交渉の決裂を受けたものだという。

AFP, January 31, 2016、AP, January 31, 2016、ARA News, January 31, 2016、Champress, January 31, 2016、al-Hayat, February 1, 2016、Iraqi News, January 31, 2016、Kull-na Shuraka’, January 31, 2016、al-Mada Press, January 31, 2016、Naharnet, January 31, 2016、NNA, January 31, 2016、Reuters, January 31, 2016、SANA, January 31, 2016、UPI, January 31, 2016などをもとに作成。

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YPGはアレッポ市シャイフ・マクスード地区でのヌスラ戦線、シャーム自由人イスラーム運動と交戦(2016年1月31日)

アレッポ県では、ARA News(1月31日付)によると、アル=カーイダ系組織のシャームの民のヌスラ戦線、シャーム自由人イスラーム運動が西クルディスタン移行期民政局の実効支配下にあるアレッポ市シャイフ・マクスード地区を攻撃、人民防衛隊がその戦闘員1人を殺害した。

AFP, January 31, 2016、AP, January 31, 2016、ARA News, January 31, 2016、Champress, January 31, 2016、al-Hayat, February 1, 2016、Iraqi News, January 31, 2016、Kull-na Shuraka’, January 31, 2016、al-Mada Press, January 31, 2016、Naharnet, January 31, 2016、NNA, January 31, 2016、Reuters, January 31, 2016、SANA, January 31, 2016、UPI, January 31, 2016などをもとに作成。

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デミストゥラ・シリア問題担当国連アラブ連盟共同特別代表「2月1日にシリア政府、反体制派の代表と個別に会談すると発表」、民主統一党は米国の「政治的保障」を受けジュネーブを去る(2016年1月31日)

スタファン・デミストゥラ・シリア問題担当国連アラブ連盟共同特別代表は、2月1日月曜日にシリア政府、反体制派の代表と個別に会談すると発表した。

シリア政府代表団との会談はシリア時間で12時、反体制派代表団との会談は18時に開催されるという。

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『ハヤート』(2月1日付、イブラーヒーム・ハミーディー記者)は、米バラク・オバマ米政権が民主統一党に次回以降のジュネーブでの交渉への参加を「政治的に保障」、これを受けるかたちで民主統一党サーリフ・ムスリム共同党首がジュネーブ3会議への出席見送りを承諾したと伝えた。

ムスリム共同党首が同紙に対して明らかにしたところによると、トニー・ブリンケン国務副長官はムスリム共同党首に対して直接電話で次回以降の交渉への参加を保障したという。

これに対して、ムスリム共同党首は、民主統一党が主導する西クルディスタン移行期民政局の人民防衛隊がシリア民主軍の基軸をなすことを確認したという。

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ジュネーブ3会議で反体制派との交渉にあたるシリア政府代表団団長のバッシャール・ジャアファリー国連シリア代表は、リヤド最高交渉委員会の会議への参加の遅れと交渉に参加する代表団メンバーを開示しないことに関して、記者団に対し、「真剣さと責任を欠く」と批判した。

SANA(1月31日付)などが伝えた。

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シリア国内で活動する武装集団35組織は共同声明を出し、ジュネーブ3会議への参加を決定したリヤド最高交渉委員会に関して、「シリア国民および革命の要求に遵守する限り、最高委員会の正統性を認める」と発表した。

共同声明を出した武装集団は以下の通り:

ナスル軍、アンサール・イスラーム戦線、タウヒード軍、スルターン・ムラード師団、アサーラ・ワ・タンミヤ戦線、第16歩兵師団、第24歩兵師団、第1中隊、アンサール・シャーム大隊、シャーム軍団、ヒムス解放運動、ムジャーヒディーン軍、イスラーム覚醒大隊、「命じられるまま進め」連合、アームード・ハウラーン師団、部族師団、ハウラーン自由人連合、砂漠自由人連合、イスラーム軍、北部師団、ヒムス軍団、シャーム戦線、第10沿岸旅団、第316師団、第46師団、イスラーム殉教者旅団、ヤルムーク軍、第1特殊任務師団、カシオン旅団、ハムザ師団、ジャイドゥール・ハウラーン旅団、殉教者ガッサーン・トゥワイリシュ旅団、タウヒードの暁師団、ウムライン旅団、第2沿岸師団。

AFP, January 31, 2016、AP, January 31, 2016、ARA News, January 31, 2016、Champress, January 31, 2016、al-Hayat, February 1, 2016、Iraqi News, January 31, 2016、Kull-na Shuraka’, January 31, 2016、al-Mada Press, January 31, 2016、Naharnet, January 31, 2016、NNA, January 31, 2016、Reuters, January 31, 2016、SANA, January 31, 2016、UPI, January 31, 2016などをもとに作成。

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マラダ潮流のフランジーヤ代表「ハリーリー元首相がアウン元国軍司令官を推せば、大統領選挙への立候補をとりさげる」(2016年1月31日)

サアド・ハリーリー元首相(ムスタクバル潮流、3月14日勢力)が大統領候補に推すマラダ潮流(3月8日勢力)のスライマーン・フランジーヤ代表はNBN(1月31日付)に対して、ハリーリー元が自身ではなく、レバノン軍団(3月14日勢力)やヒズブッラー(3月8日勢力)が推す自由国民潮流(3月8日勢力)代表のミシェル・アウン元国軍司令官を支持すれば、大統領への立候補をとりさげる、と述べた。

AFP, January 31, 2016、AP, January 31, 2016、ARA News, January 31, 2016、Champress, January 31, 2016、al-Hayat, February 1, 2016、Iraqi News, January 31, 2016、Kull-na Shuraka’, January 31, 2016、al-Mada Press, January 31, 2016、Naharnet, January 31, 2016、NBN, January 31, 2016、NNA, January 31, 2016、Reuters, January 31, 2016、SANA, January 31, 2016、UPI, January 31, 2016などをもとに作成。

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