ダーイシュ(イスラーム国)は「ジハード・ジョン」の死亡を認める(2016年1月19日)

ダーイシュ(イスラーム国)は英語機関誌『ダービク』第13号(https://ia801509.us.archive.org/8/items/Dabiq13/Dabiq%2013.pdf)で、「ジハード・ジョン」(本名ジョン・エムワズィ)が2015年11月12日のラッカ市での空爆で死亡したと発表した。

この空爆は無人戦闘機によって行われ、「ジハード・ジョン」が乗っていた車が標的となったという。

AFP, January 20, 2016、AP, January 20, 2016、ARA News, January 20, 2016、Champress, January 20, 2016、al-Hayat, January 21, 2016、Iraqi News, January 20, 2016、Kull-na Shuraka’, January 20, 2016、al-Mada Press, January 20, 2016、Naharnet, January 20, 2016、NNA, January 20, 2016、Reuters, January 20, 2016、SANA, January 20, 2016、UPI, January 20, 2016などをもとに作成。

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駐ロシアの反体制活動家は、リヤド最高会議に対抗してPYD代表を含む反体制派代表団メンバー候補の名簿をデミストゥラ・シリア問題担当国連アラブ連盟共同特別代表に提示(2016年1月19日)

『ハヤート』(1月21日付)によると、ロシアに滞在するカドリー・ジャミール前副首相(変革解放人民戦線議長、モスクワ呼びかけ委員会調整役)は、スタファン・デミストゥラ・シリア問題担当国連アラブ連盟共同特別代表に宛てて書簡を送付、そのなかでロシアがジュネーブ3会議への出席を求めている反体制派代表者のリスト(いわゆる「ロシア・リスト」)を提示、会議への参加を求めた。

「ロシア・リスト」は、サーリフ・ムスリム氏(民主統一党共同党首)、アースィヤー・ウスマーン氏(同共同党首)、ハーリド・イーサー氏(同在欧局長)、ハイサム・マンナーア氏(シリア民主評議会共同代表、カムフ代表)、マージド・ハッブー氏(カムフ)、カドリー・ジャミール氏、マーズィン・マグリビーヤ氏(変革解放人民戦線)、ファーティフ・ジャームース氏(平和変革の道)、サリーム・ハイルビク氏、アミーナ・ウースー氏、アッバース・ハビーブ氏、ランダ・カッスィース氏、ナムルード・スライマーン氏、ジハード・マクディスィー氏(元外務在外居住者省報道官)、イルハーム・アフマド氏からなる。

なお、「ロシア・リスト」には当初、マクデスィー氏、アフマド氏ではなく、サミール・イータ氏(シリア民主フォーラム)、リーム・トゥルクマーン氏(シリア民主フォーラム)が名を連ねていたが、両人は参加を辞退・拒否した。

ただし、Elaph(1月20日付)によると、マクディスィー氏も参加を辞退したという。

AFP, January 20, 2016、AP, January 20, 2016、ARA News, January 20, 2016、Champress, January 20, 2016、Elaph, January 20, 2016、al-Hayat, January 21, 2016、Iraqi News, January 20, 2016、Kull-na Shuraka’, January 20, 2016、al-Mada Press, January 20, 2016、Naharnet, January 20, 2016、NNA, January 20, 2016、Reuters, January 20, 2016、SANA, January 20, 2016、UPI, January 20, 2016などをもとに作成。

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米主導の有志連合はシリア領内で爆撃を実施せず(2016年1月19日)

米中央軍(CENTCOM)は、1月19日にシリア、イラク領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して14回の空爆を行ったと発表した。

14回の空爆はすべてイラク領内で実施され、シリア領内では空爆は行わなかった。

CENTCOM, January 20, 2016などをもとに作成。

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ラタキア県、ヒムス県などでシリア軍とヌスラ戦線などからなる反体制武装集団の戦闘続く(2016年1月19日)

ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シリア軍、国防隊、バアス大隊、ヒズブッラー戦闘員、外国人戦闘員がロシア軍士官の監督のもと、トルクメン山一帯で、第1沿岸師団、シャーム自由人イスラーム運動、アンサール・シャーム、第2沿岸師団、トルキスターン・イスラーム党、シャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団と交戦した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍と思われる戦闘機がマヒーン町、カルヤタイン市を空爆した。

一方、SANA(1月19日付)によると、シリア軍がティールマアッラ村、タルビーサ市西部、ウンム・シャルシューフ村でシャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団の拠点を攻撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、シリア軍、国防隊がマルジュ・スルターン村一帯でジハード主義武装集団と交戦した。

また、クッルナー・シュラカー(1月19日付)によると、反体制武装集団のドゥハー・イスラーム旅団が国防隊との捕虜交換に応じ、国防隊は女性4人、老人2人を、ドゥハー・イスラーム旅団は国防隊隊員2人をそれぞれバービッラー市の検問所で解放、引き渡した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊に所属すると観られる狙撃手がアレッポ市カースティールー街道で狙撃、3人を負傷させた。

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ハマー県では、SANA(1月19日付)によると、シリア軍がタッラフ村、ヒルブナフサ村、カフルヌブーダ町、ラターミナ町でシャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団の拠点を空爆し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

シリア軍はまた、ムーリク市、アトシャーン村、スカイク村でファトフ軍の拠点を攻撃した。

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イドリブ県では、SANA(1月19日付)によると、シリア軍がサラーキブ市一帯、ハーミディーヤ村でシャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団の拠点を攻撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、SANA(1月19日付)によると、シリア軍がダルアー市アッバースィーヤ地区、ダーイル町でジハード主義武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, January 19, 2016、AP, January 19, 2016、ARA News, January 19, 2016、Champress, January 19, 2016、al-Hayat, January 20, 2016、Iraqi News, January 19, 2016、Kull-na Shuraka’, January 19, 2016、al-Mada Press, January 19, 2016、Naharnet, January 19, 2016、NNA, January 19, 2016、Reuters, January 19, 2016、SANA, January 19, 2016、UPI, January 19, 2016などをもとに作成。

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ダイル・ザウル県ブガイリーヤ村一帯でシリア軍とダーイシュ(イスラーム国)の戦闘が続くなか、ロシア軍がブーライル村を爆撃(2016年1月19日)

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、シリア軍とダーイシュ(イスラーム国)が、ブガイリーヤ村、アイヤーシュ村武器庫、第137旅団基地一帯(フジャイフ丘)で戦闘を続け、ダーイシュは第137旅団基地周辺で爆弾を積んだ車2台を自爆させるなどして、進軍を続けた。

また、クッルナー・シュラカー(1月19日付)によると、ロシア軍戦闘機がブーライル村を空爆し、民間人18人が死亡、数十人が負傷した。

一方、シリア人権監視団によると、ダーイシュは、ブーライル村で、国防隊隊員4人(うち3人はムーハサン市出身、1人はブーライル村出身)の遺体を同市の外壁に吊し曝した。

4人は16日のダーイシュによるブガイリーヤ村侵攻でダーイシュが殺害したと思われる。

他方、SANA(1月19日付)によると、シリア軍がアイヤーシュ村、ダイル・ザウル航空基地一帯でダーイシュ(イスラーム国)の拠点を空爆し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハサカ県では、シリア人権監視団によると、西クルディスタン移行期民政局アサーイシュの爆弾処理班の隊員2人がラアス・アイン市郊外の発電所で地雷撤去作業中に地雷が爆発し、死亡した。

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ラッカ県では、シリア人権監視団によると、戦闘機(所属明示せず)がアイン・イーサー市近郊のタッル・サマン村一帯を空爆した。

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ヒムス県では、SANA(1月19日付)によると、シリア軍がマヒーン町、カルヤタイン市でダーイシュ(イスラーム国)の拠点を空爆し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、SANA(1月19日付)によると、シリア軍がアッラーン村、アブー・タタル村、マドユーナ村、タッル・マクスール村でダーイシュ(イスラーム国)の拠点を空爆し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, January 19, 2016、AP, January 19, 2016、ARA News, January 19, 2016、Champress, January 19, 2016、al-Hayat, January 20, 2016、Iraqi News, January 19, 2016、Kull-na Shuraka’, January 19, 2016、al-Mada Press, January 19, 2016、Naharnet, January 19, 2016、NNA, January 19, 2016、Reuters, January 19, 2016、SANA, January 19, 2016、UPI, January 19, 2016などをもとに作成。

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ロシア軍戦闘機は過去4日間で157回出撃、シリア領内の579カ所を爆撃する一方、ダイル・ザウル県などで「人道作戦」を継続、物資40トンを投下(2016年1月19日)

ロシア国防省は、1月15日から18日までの4日間でのシリア駐留ロシア軍戦闘機の出撃回数が157回におよび、アレッポ県、ラッカ県、ラタキア県、ヒムス県、ダイル・ザウル県の579カ所を空爆したと発表した。

空爆は、ラタキア県のカバクリーヤ村(現スッカリーヤ村)一帯、アレッポ県タッル・リフアト市一帯、イフラス村一帯、ハルブル村一帯、ハマー県ヒルブナフサ村一帯などのダーイシュ(イスラーム国)やシャームの民のヌスラ戦線などの拠点、タンクローリーの車列に対して行われた。

またシリア駐留ロシア空軍司令部は、シリア領内での「人道作戦」を継続し、ダイル・ザウル県などに人道支援物資40トンをパラシュートで投下した。

AFP, January 19, 2016、AP, January 19, 2016、ARA News, January 19, 2016、Champress, January 19, 2016、al-Hayat, January 20, 2016、Iraqi News, January 19, 2016、Kull-na Shuraka’, January 19, 2016、al-Mada Press, January 19, 2016、Naharnet, January 19, 2016、NNA, January 19, 2016、Reuters, January 19, 2016、SANA, January 19, 2016、UPI, January 19, 2016などをもとに作成。

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ハサカ県では米軍がルマイラーン市郊外の農業用飛行場の軍事転用の準備を完了する一方、ロシア軍はカーミシュリー空港の拡張に向け士官・技術者を派遣(2016年1月19日)

ハサカ県では、『ハヤート』(1月20日付)、シリア人権監視団などによると、西クルディスタン移行期民政局ジャズィーラ地区の拠点都市のルマイラーン町に近い農業用飛行場の改修工事が終了し、米軍による使用がほぼ可能な状況になった。

米軍は数週間前からこの飛行場の滑走路を拡張するなどして、軍事転用の準備をしていた。

シリア政府と西クルディスタン移行期民政局が分割統治するカーミシュリー市では、シリア人権監視団の活動家によると、ロシア軍士官と技術者の一団が数日前にカーミシュリー空港に到着した。

ロシア軍の一団は、ロシア軍戦闘機、貨物機の発着陸を可能とするためのカーミシュリー空港の拡張・強化について検討を行うために同地を訪問したという。

AFP, January 19, 2016、AP, January 19, 2016、ARA News, January 19, 2016、Champress, January 19, 2016、al-Hayat, January 20, 2016、Iraqi News, January 19, 2016、Kull-na Shuraka’, January 19, 2016、al-Mada Press, January 19, 2016、Naharnet, January 19, 2016、NNA, January 19, 2016、Reuters, January 19, 2016、SANA, January 19, 2016、UPI, January 19, 2016などをもとに作成。

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トルコマン系のスルターン・ムラード師団などからなるシャーム戦線がダーイシュ(イスラーム国)との戦いで苦戦を続けるなか、トルコ軍がシリア領内(「安全保障地帯」)での地上作戦に向けた準備を本格化か?(2016年1月19日)

ドゥラル・シャーミーヤ(1月19日付)は、トルコ軍の地雷除去車がガジアンテップ県に配備されたとしたうえで、トルコ軍が近くアレッポ県ジャラーブルス市一帯(「安全地帯」の東端)に侵攻する準備をしている、と伝えた。

トルコ軍は地雷撤去車を投入し、ダーイシュ(イスラーム国)が国境地帯に敷設した地雷を撤去するためのもので、アナトリア通信(1月19日付)によると、トルコ軍の進攻は数日中に開始される見込みだという。

なお、ドゥラル・シャーミーヤによると、トルコ軍による侵攻準備は、スルターン・ムラード師団がアアザーズ市・ジャラーブルス市間を軍事地区に指定、住民に退避を勧告したのに合わせて進められているという。

ARA News, January 19, 2016
ARA News, January 19, 2016

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一方、アレッポ県では、シリア人権監視団によると、トルコ国境に近いいわゆる「安全地帯」でダーイシュ(イスラーム国)が、シャーム戦線などからなるジハード主義武装集団の支配下にある2カ村を攻撃し、戦闘員複数を捕捉した。

ARA News(1月19日付)によると、ダーイシュが攻撃したのはガズル村、ヤーイバーン村で、戦闘の末、両村はダーイシュによって奪還されたという。

なお、「安全地帯」では、イドリブ県のファトフ軍の一角をなしていたシリア・ムスリム同胞団系のシャーム軍団がファトフ軍から離脱し、アレッポ県での活動に専念すると発表、スルターン・ムラード旅団などシャーム戦線とともに対トルコ国境での勢力拡大をめざしていたが、一進一退の攻防が続き、戦線は膠着状態にある。

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他方、ラッカ県では、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊によると、トルコ軍がタッル・アブヤド市の穀物サイロを重火器で攻撃した。

ARA News(1月19日付)が伝えた。

AFP, January 19, 2016、AP, January 19, 2016、Anadolu Ajansı, January 19, 2016、ARA News, January 19, 2016、Champress, January 19, 2016、al-Hayat, January 20, 2016、Iraqi News, January 19, 2016、Kull-na Shuraka’, January 19, 2016、al-Mada Press, January 19, 2016、Naharnet, January 19, 2016、NNA, January 19, 2016、Reuters, January 19, 2016、SANA, January 19, 2016、UPI, January 19, 2016などをもとに作成。

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仏・サウジ外相会談:ジュバイル外相「誰もシリアの反体制派に交渉における代表者を押しつけてはならない」(2016年1月19日)

サウジアラビアのアーディル・ジュバイル外務大臣はフランスを訪問し、パリでローラン・ファビウス外務大臣と会談し、シリア情勢、とりわけ25日に開催予定のジュネーブ3会議への対応について意見を交わした。

『ハヤート』(1月19日付)によると、会談後の共同記者会見で、ファビウス外務大臣は、ジュネーブ3会議開催に先立って民間人に対する砲撃・空爆を停止することが重要だと述べ、シリア政府側が信頼醸成に向けた「善意」を示す必要があることを強調した。

ファビウス外務大臣は「砲撃を停止しなければならない。前提条件ではないが行われねばならないことがあり、国連が課した義務は尊重されねばならない。民間人が餓死している都市がある。住宅地が砲撃されている。こうした行為は交渉の成功に資さない。交渉は行われるべきだが、結果がもたらされるよう調整されねばならない」と述べた。

一方、ジュバイル外務大臣は、リヤドでの反体制派合同会合で設置された最高交渉委員会によって代表されている反体制派が「交渉において自らの代表を選ぶ当事者であり、それ以外の誰もシリアの反体制派に対して、アサドとの交渉の代表者を押しつけることは許されない」と述べた。

ファビウス外務大臣もこの点に関して「交渉開始前に回答されるべき問いがある。そのなかの第1の問いは誰が交渉テーブルに着くかというものだ。我々はリヤド大会…が尊重されねばならないと考えている。またスタファン・デミストゥラ・シリア問題担当国連アラブ連盟共同特別代表はこの目的に向け、最高交渉委員会と合意すべきだ」と述べ、同調した。

AFP, January 19, 2016、AP, January 19, 2016、ARA News, January 19, 2016、Champress, January 19, 2016、al-Hayat, January 20, 2016、Iraqi News, January 19, 2016、Kull-na Shuraka’, January 19, 2016、al-Mada Press, January 19, 2016、Naharnet, January 19, 2016、NNA, January 19, 2016、Reuters, January 19, 2016、SANA, January 19, 2016、UPI, January 19, 2016などをもとに作成。

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