米中央軍(CENTCOM)は、1月27日にシリア、イラク領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して20回の空爆を行ったと発表した。
このうちシリア領内での空爆は5回でタドムル市近郊(1回)、ラッカ市近郊(2回)、マーリア市近郊(3回)のダーイシュの施設に対して攻撃が行われた。
CENTCOM, January 28, 2016などをもとに作成。
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Detail Report on the Arab Spring in Syria: Latest Situation in Syria / アラビア語の新聞、通信社、ウェブサイトなどを通じて収集した情報をもとに、シリア情勢をより網羅的に把握・紹介することをめざします。
ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ヒムス市ハムラー地区にある学校近くで爆発が発生した。
一方、SANA(1月27日付)によると、シリア軍がタドムル市郊外の柑橘園東部でダーイシュ(イスラーム国)の拠点を空爆し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
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アレッポ県では、SANA(1月27日付)によると、シリア軍がクワイリス航空基地に近いワディーア村でダーイシュ(イスラーム国)を掃討し、同地を制圧した。
シリア軍はまた、アレッポ市郊外の発電所一帯、ジュッブ・カルブ村、ジュッブ・ガブシャ村、ラスム・アラム村などでダーイシュと交戦したほか、バーブ市のダーイシュ拠点、教練キャンプ、武器庫を空爆した。
一方、クッルナー・シュラカー(1月28日付)によると、ロシア軍によるバーブ市一帯への空爆で民間人25人が死傷した。
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ダイル・ザウル県では、クッルナー・シュラカー(1月27日付)によると、ロシア軍戦闘機がダーイシュ(イスラーム国)支配下のムハイミーダ村にある反体制活動家でバッカーラ部族の長を名のるナウワーフ・ラーギブ・バシール氏の邸宅を空爆で破壊し、民間人数十人が死傷した。
一方、SANA(1月27日付)によると、シリア軍がマヤーディーン市、スブフ村、ブーライル村、スブハ村、アブー・ハマーム市、シュハイル村でダーイシュ(イスラーム国)の拠点を空爆、またブガイリーヤ村、ルーワード丘一帯でダーイシュと交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
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ハマー県では、SANA(1月27日付)によると、シリア軍がジュッブ・マザーリーア村でダーイシュ(イスラーム国)の拠点を空爆し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
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ダマスカス郊外県では、クッルナー・シュラカー(1月27日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)がシリア軍第128旅団が展開する東カラムーン地方の丘3カ所を制圧したと発表した。
AFP, January 27, 2016、AP, January 27, 2016、ARA News, January 27, 2016、Champress, January 27, 2016、al-Hayat, January 28, 2016、Iraqi News, January 27, 2016、Kull-na Shuraka’, January 27, 2016、January 28, 2016、al-Mada Press, January 27, 2016、Naharnet, January 27, 2016、NNA, January 27, 2016、Reuters, January 27, 2016、SANA, January 27, 2016、UPI, January 27, 2016などをもとに作成。
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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シリア軍、国防隊、バアス大隊、ヒズブッラー戦闘員、外国人戦闘員が、ロシア軍士官らの指揮のもと、クルド山、トルクメン山一帯でシャームの民のヌスラ戦線、トルキスターン・イスラーム党などからなるジハード主義武装集団と交戦、ロシア軍が同地一帯、キンサッバー町、カッバーニー村、トゥウーマー村などを空爆した。
一方、SANA(1月27日付)によると、シリア軍が人民防衛諸集団とともに、県北部での反体制武装集団の掃討を継続し、サルマー町西部のムザイリア村、ウワイナート村、ルワイサト・マアラカ村、マルカー山、第361地点を制圧、治安と安全を回復した。
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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がヒルブナフサ村を砲撃し、またロシア軍と思われる戦闘機が同地を6回にわたり空爆した。
一方、SANA(1月27日付)によると、シリア軍がヒルブナフサ村、カフルズィーター市、アトシャーン村、ムーリク市、ウンム・サフリージュ村、ジュッブ・ライヤーン村、ラハーヤー村、スカイク村でファトフ軍の拠点を空爆し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、シリア軍とジハード主義武装集団がダーライヤー市一帯など東グータ地方カ所で交戦した。
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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、シャイフ・マスキーン市を制圧したシリア軍部隊が、同市北西部のハマド丘、クーム・バサル丘一帯に展開した。
一方、SANA(1月27日付)によると、シリア軍がスーラ村、ブスラーシャーム市でシャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
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アレッポ県では、クッルナー・シュラカー(1月27日付)によると、ロシア軍がアナダーン市を空爆、市内の病院を破壊した。
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イドリブ県では、SANA(1月27日付)によると、シリア軍がアリーハー市、タマーニア町、ジャルジャナーズ町でシャームの民のヌスラ戦線などファトフ軍諸組織の拠点を空爆し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
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ヒムス県では、SANA(1月27日付)によると、シリア軍がティールマアッラ村でシャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
AFP, January 27, 2016、AP, January 27, 2016、ARA News, January 27, 2016、Champress, January 27, 2016、al-Hayat, January 28, 2016、Iraqi News, January 27, 2016、Kull-na Shuraka’, January 27, 2016、al-Mada Press, January 27, 2016、Naharnet, January 27, 2016、NNA, January 27, 2016、Reuters, January 27, 2016、SANA, January 27, 2016、UPI, January 27, 2016などをもとに作成。
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ダマスカス県では、ARA News(1月27日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)とシリア政府の停戦合意に沿って、「ダマスカス州」のダーイシュを指導する司令官(アミール)のアブー・サイヤーフ・ファッラーマ氏が戦闘員およびその家族合わせて数十人とともにラッカ市に向けて退去した。
なお、2014年7月2日にイスラーム軍がダマスカス県南部のファッラーマ氏の拠点とされる施設を襲撃した際、アルコール飲料、「わいせつ」なビデオ、タバコを押収したことから(https://youtu.be/yAY6nAciyAo)、ファッラーマ氏は「アミール・セックス」の異名で知られていた。


AFP, January 27, 2016、AP, January 27, 2016、ARA News, January 27, 2016、Champress, January 27, 2016、al-Hayat, January 28, 2016、Iraqi News, January 27, 2016、Kull-na Shuraka’, January 27, 2016、al-Mada Press, January 27, 2016、Naharnet, January 27, 2016、NNA, January 27, 2016、Reuters, January 27, 2016、SANA, January 27, 2016、UPI, January 27, 2016などをもとに作成。
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シリア人権監視団は、1月1日から27日早朝までの約4週間で、ロシア軍戦闘機の空爆による民間人の死者数が471人を記録したと発表した。
うち18歳未満の子供が127人、18歳以上の女性が56人だという。
AFP, January 27, 2016、AP, January 27, 2016、ARA News, January 27, 2016、Champress, January 27, 2016、al-Hayat, January 28, 2016、Iraqi News, January 27, 2016、Kull-na Shuraka’, January 27, 2016、al-Mada Press, January 27, 2016、Naharnet, January 27, 2016、NNA, January 27, 2016、Reuters, January 27, 2016、SANA, January 27, 2016、UPI, January 27, 2016などをもとに作成。
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アレッポ県で活動するシャーム戦線とシャーム革命家大隊は共同ビデオ声明(https://youtu.be/-BKlVC4iKAk)を出し、「政治、軍事、運命面のすべてのレベルにおいて」完全統合したと発表した。
統合後はシャーム戦線を名乗るという。
両組織はまた、他の反体制武装集団に対して「隊列を整え、言葉を一つにする」よう呼びかけ、糾合を訴えた。
シャーム革命家大隊はアレッポ市南部郊外一帯を主な活動の場とする一方、シャーム戦線は、「命じられるままに進め連合」、ムジャーヒディーン軍、ヌールッディーン・ザンキー運動、アサーラ・ワ・タンミヤ運動などからなる武装連合組織で、アレッポ県北部、とりわけ米トルコ両政府が設置合意した「安全地帯」でダーイシュ(イスラーム国)との戦いに重点を置いてきた。

AFP, January 27, 2016、AP, January 27, 2016、ARA News, January 27, 2016、Champress, January 27, 2016、al-Hayat, January 28, 2016、Iraqi News, January 27, 2016、Kull-na Shuraka’, January 27, 2016、al-Mada Press, January 27, 2016、Naharnet, January 27, 2016、NNA, January 27, 2016、Reuters, January 27, 2016、SANA, January 27, 2016、UPI, January 27, 2016などをもとに作成。
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アレッポ県では、ARA News(1月26日付)によると、シリア領内のバッル村(アアザーズ市近郊)一帯(「安全地帯」内)で、スルターン・ムラード旅団をはじめとするシャーム戦線諸組織がダーイシュ(イスラーム国)と交戦するなか、トルコ軍がダーイシュ拠点を砲撃、また米主導の有志連合も同地一帯を空爆した。
AFP, January 27, 2016、AP, January 27, 2016、ARA News, January 27, 2016、Champress, January 27, 2016、al-Hayat, January 28, 2016、Iraqi News, January 27, 2016、Kull-na Shuraka’, January 27, 2016、al-Mada Press, January 27, 2016、Naharnet, January 27, 2016、NNA, January 27, 2016、Reuters, January 27, 2016、SANA, January 27, 2016、UPI, January 27, 2016などをもとに作成。
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『ハヤート』(1月28日付)によると、デミストゥラ共同特別代表が民主統一党のムスリム共同党首に招聘状を送らなかったことに対し、いわゆる「モスクワ・リスト」に名を連ねる反体制派が憤慨し、ムスリム共同党首が招聘されない場合、ジュネーブ3会議への出席を見合わせるとの態度を示したという。
また彼らは、これと合わせて、バッシャール・ジャアファリー国連代表大使、ファイサル・ミクダード外務在外居住者副大臣が率いるとされているシリア政府代表団に関して、ワリード・ムアッリム外務在外居住者大臣(兼副首相)を団長とするようスタファン・デミストゥラ・シリア問題担当国連アラブ連盟共同特別代表に要請したという。
これに関して、ARA News(1月27日付)は、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の参加組織・支援団体から構成されるシリア民主評議会の共同代表を務めるカフム代表のハイサム・マンナーア氏が、民主統一党と西クルディスタン移行期民政局が招聘されていないとして、ジュネーブ3会議への招聘を拒否すると発表した、と伝えた。
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リヤド最高交渉委員会の委員長を務めるリヤード・ヒジャーブ元首相は、委員会が国連の潘基文事務総長に、ジュネーブ3会議への出席に同意する旨文書で直接回答したことを明らかにした。
『ハヤート』(1月28日付)によると、ヒジャーブ元首相は同時に、潘事務総長に対して、「シリア国民に対して国際社会が義務を履行」するよう求め、シリア軍、ロシア軍による住宅地への空爆・砲撃の停止や包囲解除の必要を訴えるとともに、ジュネーブ3会議の議題に関して、ジュネーブ合意(2012年6月)に従い、全権を有する移行期統治機関の樹立、領土の一体性、軍・治安機関の改編を通じた国家機関の維持、あらゆるテロの拒否、アサド大統領と政権幹部を排除したかたちでの多元的態勢の樹立をめざすよう改めて主張した。
ヒジャーブ元首相はさらに、スタファン・デミストゥラ・シリア問題担当国連アラブ連盟共同特別代表にも書簡を送り、シリア政府による都市の包囲、人道支援物資搬入などに関する国連の対応に関して説明を求め、その回答を待っていることを明らかにした。
なお複数の活動家によると、リヤド最高交渉委員会は、デミストゥラ共同特別代表からの回答を待って、28日に改めて会合を開き、ジュネーブ3会議への対応を最終決定するという。
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『ハヤート』(1月29日付)によると、ロシアのミハイル・ボグダノフ外務副大臣は、ジュネーブ3会議への民主統一党サーリフ・ムスリム共同党首の参加に関して、29日から予定されている会合(第1ラウンド)ではなく、次回ラウンドから参加するだろう、と述べた。
民主統一党がジュネーブ3会議に参加した場合、ISSG(国際シリア連絡グループ)を脱退するとしていたトルコはこれを受け、ISSGへの残留と、2月15日に予定されているISSG会合へのを決めたという。
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『ハヤート』(1月29日付)は、デミストゥラ共同特別代表が送付した招聘状の内容が、シリア政府、リヤド最高交渉委員会宛のものと、いわゆる「ロシア・リスト」宛のもので異なっていると伝えた。
同記事によると、リヤド最高交渉委員会宛のものは、組織(すなわちリヤド最高交渉委員会)に対して、15人の代表を派遣するよう要請しているのに対し、「ロシア・リスト」宛のものは、代表個々人に宛てて送られているという。
また、シリア政府への招聘状は、ワリード・ムアッリム外務在外居住者大臣を団長とする使節団に参加が要請されている。
シリア政府側は、交渉使節団の本部をダマスカスに設置し、ファイサル・ミクダード外務在外居住者副大臣を総監督、バッシャール・ジャアファリー国連シリア代表を団長とする方針をとっていた。
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マーク・トナー米国務省報道官は、29日に開始予定のジュネーブ3会議への参加の是非を最終決断しないリヤド最高交渉委員会の姿勢に関して「前提条件を設けずに…歴史的な機会を活かしジュネーブに行くべきだ」と述べた。
AFP, January 27, 2016、AP, January 27, 2016、ARA News, January 27, 2016、Champress, January 27, 2016、al-Hayat, January 28, 2016、January 29, 2016、Iraqi News, January 27, 2016、Kull-na Shuraka’, January 27, 2016、al-Mada Press, January 27, 2016、Naharnet, January 27, 2016、NNA, January 27, 2016、Reuters, January 27, 2016、SANA, January 27, 2016、UPI, January 27, 2016などをもとに作成。
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アレッポ県では、ARA News(1月26日付)によると、シャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団と西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊との緊張関係が続くアレッポ市シャイフ・マクスード地区を、シリア軍がヘリコプターで空爆し、住民4人が死亡、子供3人を含む9人が負傷した。
AFP, January 27, 2016、AP, January 27, 2016、ARA News, January 27, 2016、Champress, January 27, 2016、al-Hayat, January 28, 2016、Iraqi News, January 27, 2016、Kull-na Shuraka’, January 27, 2016、al-Mada Press, January 27, 2016、Naharnet, January 27, 2016、NNA, January 27, 2016、Reuters, January 27, 2016、SANA, January 27, 2016、UPI, January 27, 2016などをもとに作成。
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