米中央軍(CENTCOM)は、1月5日にシリア、イラク領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して20回の空爆を行ったと発表した。
このうちシリア領内での空爆は1回で、ラッカ市近郊のダーイシュの施設に対して攻撃が行われた。
CENTCOM, January 6, 2016などをもとに作成。
(C)青山弘之 All rights reserved.
Detail Report on the Arab Spring in Syria: Latest Situation in Syria / アラビア語の新聞、通信社、ウェブサイトなどを通じて収集した情報をもとに、シリア情勢をより網羅的に把握・紹介することをめざします。
クッルナー・シュラカー(1月6日付)は、2015年半ば以降衰退が顕著な南部戦線(自由シリア軍)から、サブティーン旅団が離反を宣言したと伝えた。
サブティーン旅団はクナイトラ県で活動する武装集団の一つ。
インターネットを通じて発表した声明のなかで、サブティーン旅団は、南部戦線所属組織からなるクナイトラ県軍事評議会からの支援不足を離反の理由として挙げている。
また、これに先立ち、ハウラーン・ムジャーヒディーン旅団も南部戦線第1軍からの離反を宣言した。
クッルナー・シュラカーによると、サブティーン旅団はクナイトラ県軍事評議会内で最大の組織で、ハウラーン・ムジャーヒディーン旅団も南部戦線第1軍内で最大の組織だという。


AFP, January 6, 2016、AP, January 6, 2016、ARA News, January 6, 2016、Champress, January 6, 2016、al-Hayat, January 7, 2016、Iraqi News, January 6, 2016、Kull-na Shuraka’, January 6, 2016、al-Mada Press, January 6, 2016、Naharnet, January 6, 2016、NNA, January 6, 2016、Reuters, January 6, 2016、SANA, January 6, 2016、UPI, January 6, 2016などをもとに作成。
(C)青山弘之 All rights reserved.
クナイトラ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がクナイトラ市郊外のバアス市近郊でジハード主義武装集団と交戦した。
シリア軍はまた、ハミーディーヤ村、西サムダーニーヤ村一帯を砲撃したほか、クナイトラ市南部の・ナースィリーヤ村の森林地帯ではまた、反体制武装集団司令官が乗った車を正体不明の武装集団が襲撃した。
クッルナー・シュラカー(1月5日付)によると、襲撃を受けたのはシリア革命家戦線司令官のアブー・ハムザ・ナイーミー氏。
シリア人権監視団によると、シリア軍によるこの攻勢は、ダマスカス郊外県のムウダミーヤト・シャーム市、ダーライヤー市への包囲強化が目的だという。
一方、SANA(1月5日付)によると、シリア軍がクナイトラ市一帯でシャームの民のヌスラ戦線などからなる反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
**
ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、シリア軍、国防隊、ヒズブッラー戦闘員が、シャームの民のヌスラ戦線などからなる反体制武装集団とジャウバル区一帯で交戦、シリア軍が同地を砲撃した。
**
ダルアー県では、シリア人権監視団によると、シャイフ・マスキーン市一帯で、シリア軍、国防隊、外国人戦闘員が、シャームの民のヌスラ戦線などからなる反体制武装集団と交戦した。
一方、SANA(1月5日付)によると、シリ軍がシャイフ・マスキーン市でイスラーム・ムサンナー運動などからなる反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
**
ヒムス県では、クッルナー・シュラカー(1月5日付)によると、シャーム自由人イスラーム運動の幹部司令官でシューラー評議会メンバーのアブー・ラーティブ氏がファルハーニーヤ村で車で移動中に何者かに撃たれ、即死した。
また、シリア人権監視団によると、シリア軍がタルビーサ市各所を砲撃、また同市一帯でジハード主義武装集団と交戦した。

**
ラタキア県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍と思われる戦闘機がサルマー町各所を空爆した。
またクルド山、トルクメン山一帯では、シリア軍、国防隊、ヒズブッラー戦闘員、外国人戦闘員が、シャームの民のヌスラ戦線、シャーム自由人イスラーム運動、第1海外師団、第2海外師団、トルキスターン・イスラーム党などからなる反体制武装集団と交戦した。
**
イドリブ県では、シリア人権監視団によると、ファトフ軍支配下のサラーキブ市内で、シリア軍、国防隊、ヒズブッラー戦闘員らがダマスカス郊外県マダーヤー町に対して続けている包囲解除と、ファトフ軍が包囲を続けるフーア市・カファルヤー町への攻撃を求めるデモが発生した。
クッルナー・シュラカー(1月5日付)によると、イドリブ市などファトフ軍支配下のイドリブ県各地でも4、5日に同様のデモが行われたという。
AFP, January 5, 2016、AP, January 5, 2016、ARA News, January 5, 2016、Champress, January 5, 2016、al-Hayat, January 6, 2016、Iraqi News, January 5, 2016、Kull-na Shuraka’, January 5, 2016、al-Mada Press, January 5, 2016、Naharnet, January 5, 2016、NNA, January 5, 2016、Reuters, January 5, 2016、SANA, January 5, 2016、UPI, January 5, 2016などをもとに作成。
(C)青山弘之 All rights reserved.
ラッカ県では、シリア人権監視団によると、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍がアイン・イーサー市北西部郊外一帯でダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、6つの村・農場を制圧した。
**
アレッポ県では、ARA News(1月5日付)によると、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍は、ユーフラテス川西岸(ティシュリーン・ダム西部)の1カ村を、ダーイシュ(イスラーム国)との戦闘の末に制圧した。
**
ハマー県では、SANA(1月5日付)によると、シリア軍が県東部のマブウージャ村でダーイシュ(イスラーム国)と交戦、同地を制圧した。
**
ダイル・ザウル県では、SANA(1月5日付)によると、シリア軍のダイル・ザウル航空基地守備隊が、飛行場東部のサルダ山、カルーム丘一帯でダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
AFP, January 5, 2016、AP, January 5, 2016、ARA News, January 5, 2016、Champress, January 5, 2016、al-Hayat, January 6, 2016、Iraqi News, January 5, 2016、Kull-na Shuraka’, January 5, 2016、al-Mada Press, January 5, 2016、Naharnet, January 5, 2016、NNA, January 5, 2016、Reuters, January 5, 2016、SANA, January 5, 2016、UPI, January 5, 2016などをもとに作成。
(C)青山弘之 All rights reserved.
マーリア作戦司令室は声明を出し、アレッポ県北部のすべての武装集団に対して、ダーイシュ(イスラーム国)だけでなく、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍に対抗し、「アレッポ北部郊外の戦略的重要性を鑑み、不足している装備を早急に供給し、真空を埋める」よう呼びかけた。
同声明によると、米国が最近になって支援を強めているシリア民主軍は、マーリア作戦司令室がダーイシュの進軍を食い止めるやいなや、ロシア、イランの支援のもとアレッポ県北部(アアザーズ市一帯)で活動を活発化させたという。
AFP, January 5, 2016、AP, January 5, 2016、ARA News, January 5, 2016、Champress, January 5, 2016、al-Hayat, January 6, 2016、Iraqi News, January 5, 2016、Kull-na Shuraka’, January 5, 2016、al-Mada Press, January 5, 2016、Naharnet, January 5, 2016、NNA, January 5, 2016、Reuters, January 5, 2016、SANA, January 5, 2016、UPI, January 5, 2016などをもとに作成。
(C)青山弘之 All rights reserved.
AFP(1月5日付)などによると、シリアでの化学兵器使用に関する国連・化学兵器禁止機関合同調査団は、シリア政府の申告に基づく調査で、サリン・ガス、ないしはそれに類する有毒ガスが使用されていたことを確認した、と12月29日に国連に提出された最新報告書において明らかにした。
調査は、シリア政府の申告に基づき、有毒ガスが使用されたとされる11件の事件を対象として行われが、報告書ではこれらの事件の発生場所については触れていない。
報告書によると、被害者とされる複数人の血液サンプルの分析からサリン・ガス、ないしはそれに類する物質の使用が確認されたが、これらの有毒物質の使用時期や状況についてはさらなる調査が必要だとしている。
シリア政府は、シリア国内各所で反体制武装集団が化学兵器を使用したとし、国連に対して報告を行ってきた。
AFP, January 5, 2016、AP, January 5, 2016、ARA News, January 5, 2016、Champress, January 5, 2016、al-Hayat, January 6, 2016、Iraqi News, January 5, 2016、Kull-na Shuraka’, January 5, 2016、al-Mada Press, January 5, 2016、Naharnet, January 5, 2016、NNA, January 5, 2016、Reuters, January 5, 2016、SANA, January 5, 2016、UPI, January 5, 2016などをもとに作成。
(C)青山弘之 All rights reserved.
反体制派統一代表団人選を担当する最高交渉委員会の委員長を務めるリヤード・ヒジャーブ元首相は、サウジアラビアの首都リヤドで3、4日の2日間にわたって開かれた会合で代表団の人選などについて協議したと声明で発表した。
ヒジャーブ元首相によると、会合では「適性や能力に基づいた交渉団の人選により、専門的な基準、現時点での諸要件、シリア国民が直面する脅威の規模に対応する」ことなどが検討された。
そのうえで、会合は、①シリアの国土保全、②軍・治安機関の再編を通じた国家機関の維持、③あらゆる形態のテロ拒否、④アサドと現体制の幹部を排除し、シリア国民のすべての階層を代表する多元的な体制の樹立を、「対話プロセスにおいて交渉不可能な「レッド・ライン」とすることを確認した。
また、対話プロセスに向けた調整を行う前に、国連安保理決議第2254号の第12、13項において確認された都市などへの包囲解除と人道支援、すべての逮捕者の釈放、民間人に対する空爆・砲撃の停止の必要を改めて強調した。
ヒジャーブ元首相はまたリヤドで、スタファン・デミストゥラ・シリア問題担当国連アラブ連盟共同特別代表と会談し、最高交渉委員会の会合の結果を伝えるとともに、反体制派統一代表団の人選への外国の干渉を拒否するとの意思を表明した。
『ハヤート』(1月6日付)が伝えた。
なお、『ハヤート』(1月7日付)によると、会合には31人が出席、シリア革命反体制勢力国民連立初代代表で無所属活動家のアフマド・ムアーッズ・ハティーブ氏、シャーム自由人イスラーム運動のラビーブ・ナッハース氏、そしてシリア国家建設のルワイユ・フサイン代表は欠席した。
**
『ハヤート』(1月7日付)によると、デミストゥラ共同特別代表と最高交渉委員会の会合は2ラウンドにわたり行われた。
第1ラウンドは、最高交渉委員会が統一代表団メンバー候補者のリストをデミストゥラ共同代表に提出する前にシリア政府がリストをあらかじめ精査することを要望し、武装集団の代表の参加を拒否していることが争点となった。
これに関して、デミストゥラ共同特別代表は、最高交渉委員会が作成した候補者リストをそのまま受け取り、会合に参加していないそのほかの反体制派の意見を集約するための「別の手段」を検討することを決定したという。
また、シリア政府と反体制派統一代表団メンバーの名簿に関しては、デミストゥラ共同特別代表が候補者名簿を受け取ったうえで、それぞれに開示し、その人選に対する拒否権の発動は認めないことを決定したという。
なおこの会合に先立って、デミストゥラ共同特別代表は、「シリアの友連絡グループ」を名乗る米国、英国、フランス、ドイツ、トルコ、UAE、デンマーク、カナダの代表と会談、「シリアの友連絡グループ」代表は、リヤドでの反体制派合同会合が「反体制派の代表であり、会合参加者のなかから統一代表団が選ばれるべき」で、会合に参加していない反体制派を排除すべき、との基本姿勢を伝えたという。
一方、デミストゥラ共同特別代表は、1月25日開催予定のジュネーブ3会議の開催に先立って、そのスケジュールや議事に関する協議を行うことを拒否していることを各国に伝えた。
**
最高交渉委員会はサウジアラビア政府の後援のもとに反体制派統一代表団の人選を進めようとしているが、サウジアラビアとトルコとともに、シリア北部で勢力を拡大する西クルディスタン移行期民政局を主導するクルド民族主義政党の民主統一党の代表団入りを拒否している。
これに対して、ロシア、イラン、そして西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍への支援を強めている米国は、民主統一党の代表団入りを支持しており、ヒジャーブ元首相の姿勢は、サウジアラビアの意向に従い、それ以外の諸外国の干渉排除をめざしたものと見られる。
**
シリア国家建設潮流のルワイユ・フサイン代表は声明を出し、最高交渉委員会から脱会すると発表した。
声明によると、最高交渉委員会の構成が「党派的な割り当て」に基づいており、委員任命の仕組みに関して唱えてきた異議が受け入れられなかったことが理由だという。
フサイン代表は長らくシリア国内で反体制活動を行っていたが、2015年4月にムナー・ガーニム副代表らとともに、トルコ経由で国外に逃亡、以降シリア国外で活動を続けている。
AFP, January 5, 2016、AP, January 5, 2016、ARA News, January 5, 2016、Champress, January 5, 2016、al-Hayat, January 6, 2016、January 7, 2016、Iraqi News, January 5, 2016、Kull-na Shuraka’, January 5, 2016、al-Mada Press, January 5, 2016、Naharnet, January 5, 2016、NNA, January 5, 2016、Reuters, January 5, 2016、SANA, January 5, 2016、UPI, January 5, 2016などをもとに作成。
(C)青山弘之 All rights reserved.